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学生ビザ、いつから不法滞在になるか





June 15, 2018
学生ビザ、いつから不法滞在になるか
 
今回は、あまり法律事務所では扱うところが少ない学生ビザについて考えてみたいと思います。
先月(2018年5月10日)、移民局内で内部通達という形ですが、学生ビザで入国している外国人が「いつ不法滞在とみなされるのか」という点について移民局内で統一的な扱いをするよう明確化がなされました。
もちろん、最近の動向をみていると、外国人に対しての締め付けを厳しくしようという方向です。以下、新たに明確化されたルールを考えてみたいと思います。
 
学生ビザの滞在期間
さて、学生ビザというのはF,J,Mという3つのカテゴリーが移民法上定められていますが、他のビザと違って、滞在期間が明確に決められていない場合も多く存在します。
すなわち、継続的に勉強をするわけですから、「学業が終わるまで」という滞在期間の定めかたがされます。
この学業成就まで、という期間の定め方をDuration of Statusといいます。移民法関連ではD/Sと呼ばれることが一般的です。
Duration of Statusー学業が終わるまで
このD/Sというのは、特定の期間が決まっているわけではないですから、なにか違法なこと(不法滞在と不法就労が主な移民法でいう「違法」です)が発生した場合、「いつから」不法滞在になるという問題がわかりにくいのです。
たとえば、就労ビザについては、いつからいつまで滞在できるということがはっきり決まっています。したがって、期限を超えてアメリカに滞在していれば、「不法滞在」ということになるのは明白なわけです。
Duration of Statusの統一解釈を明確化
D/Sに関しては、いろいろな不法滞在開始時の解釈も存在していましたが、今回移民局ははっきりと、「いつ」不法滞在になるのか、という解釈を統一し、明確化しました。
明確化したのは良いのですが、今までより学生にとってより厳しい解釈となりました。
不法滞在者を減らす目的
まず、今回の不法滞在に関する移民行政の明確化については不法滞在者の数を減らすという趣旨があります。
学生ビザ保持外国人の不法滞在の率はFビザで6%、Mビザでは11%強という統計があります。100人いると、6〜11人が不法滞在をしている計算になります。この数字を減らすことが一応の目的とされています。
 
具体的な運用は?
さて、今回の通達は2018年8月9日(以下「発効日」といいます。)に発効するということが決まりました。
まず、発効日において、学生ビザの資格を保持していないと、発効日から、「不法滞在」ということになります。
もちろん、すでに発効日前から不法滞在といなっている場合には、その不法滞在がはじまった日から起算されるのですが、グレーな場合でも、発効日に学生ビザの資格を保持していない場合には、発効日をもって不法滞在が起算されます。
発効日以降については、以下の基準を持って「不法滞在」が開始すると解釈されるようになります。箇条書きにしておきます。
1 学生ビザの資格に違反する行為があったとき(不法就労等でしょうか)。
2 学生ビザに明示されている就学が終了したとき(もちろん、プラクティカルトレーニング、猶予期間も就学中と判断されます)。
3 期間が定められた学生ビザの場合、その期間が終了したとき。
4 移民裁判所において、強制送還等の決定がされたとき。
この4つの基準で「不法滞在」かどうか判断されます。
以前のルールとの変更点ー移民局の判断に
以前からのルールとなにが違うかというと、上記の1です。
以前は、上記4のように移民裁判所で判断されるまでは、「不法滞在」になるかどうか曖昧な部分があったのですが、今回の行政通達ではっきりと、学生側の違反行為があったら、その時点から不法滞在とすることができることになりました。
つまり、裁判所のような公的機関での判断を待たず、移民局がなんからの捜査で、学生ビザに「違反している」行為があると判断すると、不法滞在という効果が発生することが明確になったのです。
ですので、結論的には移民局が外国人学生に対して「君は不法滞在です」と言える幅が増えたと考えてください。
まずはStudent Advisorに相談を
学生ビザは、I-20という書類を発行できる教育機関で、国土保安省の管轄下にある学校がスポンサーできます
各教育機関は外国人学生のアドバイザーを備えているはずのです。
できれば、今回の改正を受けて、学校のポリシーとして、在学中に何をして良いのか、何をしてはいけないのかなどの取り決めを、必ず学生の方は注意して確認してください。
次回また新しいトピックを考えていきたいと思います。


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アメリカで万引き、移民法上の影響は?[4]_1113

法律ノート 第1113回  弁護士 鈴木淳司
June 10, 2018

 夏になることにプロバスケットボールの最後の試合になるのですが(これからは野球のシーズンです)、ベイエリアのチームが優勝しました。最後の試合も見ましたが、ちょっと一方的な感じはしました。優勝はベイエリアに住んでいる人にはとても嬉しいことと思います。私も同じです。しかし、負けたチームの主力選手がインタビューで、楽しかった、幸せだと言っていた姿に私はスポーツの素晴らしさを感じました。

アメリカで万引き、移民法上の影響は?[4]_1113

 さて、「私の配偶者(妻)についての質問です。私(夫)は日本からアメリカに赴任しています。妻も私と一緒に一昨年から渡米してきました。子供はいません。私は忙しく家を空けることも多いことも影響していたのかもしれないので、反省していますが、妻が万引きで裁判になるようです。妻はストレスから商品をポケットに入れてしまったということです。商品は高額なものではありませんでした。このような事態になった場合、法律上どのように扱われるのでしょうか。また移民法の観点も心配しています」という質問を考える今回は最終回にしたいと思います。

強制送還になる可能性は2つ

 前回までで、司法と行政(移民法制度)の2つ違う角度から考えてきました。行政に関して、強制送還となる事由はどのようなものか考えてきました。道徳違背の罪という移民法独特の考え方も考えました。窃盗犯でも、「道徳違背」と考えられる類型もあり得るということは理解していただけたと思います。流動性があるところですから、今後もしっかり見ていかなければならないところです。

 今回は、今回の事例を使って、強制送還などの問題が生じる可能性があるのかを考えていきたいと思います。

 現在の移民法において、まず有罪となったことで強制送還になる可能性は大きくわけて2つあります。一つは、最終的に入国して5年以内に道徳違背の罪を犯して、その罪が重罪であり、道徳違背の罪の場合です。もう一つは、アメリカ滞在中に2つ以上の独立した道徳違背の罪で有罪になった場合です。

 今回質問されているケースでは、最終入国から5年以内ということは明らかです(この「最終的な入国」に関しても、争える場合もあります)し、初犯ということです。そうすると、1つ目のカテゴリーでどのように判断されるかということになります。

万引き一罪で強制送還にされる事例はあまりない

 まず、重罪(禁錮1年以上の設定がされている罪に問われている)かどうかという点ですが、微罪になります(前回までを参照)。ですので、この点ですでに強制送還の対象から外れて、「セーフ」です。さらに、道徳違背の罪かどうか、というポイントですが、移民裁判の審判例で時事変わっていくのですが、一般論的に捉えると、罪に問われている行為者が、重度の、身体、財産、などに損害を加える意思があると道徳違背と移民法では判断されます。したがって金額が軽微であれば、道徳違背とはされない事例ではないかと思われます。

 このように考えると、一般的に万引き一罪で強制送還にされる事例は現状でもなかなかないと思われます。一方で、飲酒運転やドメスティックバイオレンスで逮捕された場合、最近ではビザそのものを無効化して、もう一度自国に帰って申請をさせる方法も取られています。これについてもまた機会を見つけて考えていきたいと思いますが、少額の万引き事例で、すぐに強制送還になったり、ビザの取消をされたりしている事例はまだ見かけません。

「道徳違背」の罪については専門家に相談を

 とにかく、今回考えた移民法における「道徳違背」の罪というのは、なかなかわかりにくいですから、専門家に相談して、悩みを解消するのがとても大事な分野だと思っています。強制送還をすぐにされるということはない事例ですが、次回のビザの取得などにも影響しますので、気をつけて考えていきたいところですね。

 今回は、この辺にして、また移民法と刑事法にかかわる質問を待って考えていきたいと思います。次回はまた、新しいトピックを考えていきましょう。

 天気がよくなりましたが、カリフォルニアでは火事に注意しながらまた一週間太陽を楽しんでいきましょうね。


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アメリカで万引き、移民法上の影響は?[3]_1112





法律ノート 第1112回 弁護士 鈴木淳司
June 02, 2018
ラジオですでに今年最初の台風がアメリカ沿岸で発生したと報じていました。雨も少なくここ数年天候の異常による火事などの自然災害が続いていますが、今年はどうなることやら、です。
カリフォルニア州はかなり乾燥した夏になりそうで、もう少し雨が降ってくれると良いと思っているのですが。ベイエリアはプロバスケットボールの試合で盛り上がっていますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
アメリカで万引き、移民法上の影響は?[3]_1112
さて、今回も前回に引き続き、次の質問を考えてみます。
「私の配偶者(妻)についての質問です。私(夫)は日本からアメリカに赴任しています。妻も私と一緒に一昨年から渡米してきました。子供はいません。私は忙しく家を空けることも多いことも影響していたのかもしれないので、反省していますが、妻が万引きで裁判になるようです。妻はストレスから商品をポケットに入れてしまったということです。商品は高額なものではありませんでした。このような事態になった場合、法律上どのように扱われるのでしょうか。また移民法の観点も心配しています」という質問です。
 
万引きを移民行政の視点で考える
前回までで、司法的な観点で考えましたが、今回は移民行政の観点から考えてみたいと思います。
まず、今回質問をされている方のように一時的にアメリカにお住まいの方は、ビザまたは永住権などをもってアメリカに滞在されていると思います。
すなわち、アメリカのパスポート(市民権)を持たない状況でアメリカに滞在されていることになります。
こういった方々はアメリカから見ると「外国籍」ということになり、市民権保持者とは別の移民法が適用されます。
 
市民権者か、ビザ・永住権滞在者か
米国籍の方であれば、前回まで考えた司法による判断を受ければその事件に関することは終了といっても良いのですが、外国籍の外国人であると、移民法の絡みも考えなくてはいけません
移民法はかなり入り組んだ規定がなされています。
毎年のように法律がかわり、基本的には移民行政を律する法律ですから、行政の通達や、大統領令によって運用が変わります。
 
移民法の運用は厳しさを増している
もちろんみなさんご存知でしょうが、現政権は移民行政に関し、今までにない厳しさで入国制限をしていますし、現に移民に関する大統領令もいくつか出されているので、移民法そのものが変わらなくても、移民行政の運用はかなりドラスティックに変わってきています。
 
強制送還事由に該当するか
外国籍の方々に移民法は適用されるのですが、その内容としてひとつ挙げられるのが強制送還事由に該当するかどうか、という論点です。
ここで注意が必要なのは、アメリカ国外にいる外国人にビザ・永住権が発給されるかどうかを判断する入国禁止(Inadmissibility)事由と、すでにアメリカ国内にいる外国人をアメリカから自国に強制送還(Deportation)する強制送還事由とは、2つ別のものであるということです。
今回は、すでにアメリカ国内にいる外国人が強制送還されるかどうか、という論点なので、強制送還事由に絞って考えたいと思います。また、皆さんから、移民法に関する質問を待って、入国禁止事由については考えたいと思います。
 
窃盗が原因で強制送還はあるのか
さて、今回のような窃盗事例、いわゆる万引き事例について強制送還があり得るのかどうか以下考えていきたいと思います。
まず、一般的に強制送還になりえる根拠はいくつかありますが、刑事事件で有罪になった場合に一定の要件を満たしてしまうと強制送還になることがあります。
はじめに、一般論を考えていきます。移民法上強制送還になる場合は主に以下の2つの場合があります(8 USC § 1227(a)(2)(A) 参照)。
まず、一つの罪で強制送還事由になる場合があります。
(1)有罪となり、
(2)道徳違背の罪に該当する場合、
(3)法定刑が1年以上の場合、
(4)アメリカ入国より5年以内に(1)となった場合
です。
この5つの要件を満たすと強制送還になる可能性があります。
もうひとつの場合は、
(1)2つ以上の有罪となることで、
(2)2つ以上の罪が包括的にひとつの行為ではなく、独立した2つの行為から有罪になっている、という場合に強制送還になる可能性があります。
この法律をみると、1つの罪で強制送還とするには、色々要件を揃えないといけないわけですから、逆の立場、すなわち弁護士から見ると色々防御をする方法も見えてきます。
次回、今回の事由を使って、この2つの罪の要件についてさらに考えていきましょう。
カリフォルニアは天気の良い週末になりそうです。太陽を楽しみながらまた一週間がんばっていきましょうね。


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アメリカ市民に仕事を休んで投票に行く権利はある?_1089

法律ノート 第1089回 弁護士 鈴木淳司
Dec. 27, 2017

 皆さん、クリスマスはいかがお過ごしになりましたか。いろいろな宗教がありますが、クリスマスというのは世俗化しているので、街全体がほんわかムードになるものですね。東海岸は雪がすごかったようですが、今年ベイエリアは、例年に比べて暖かかったように思います。とにかく、今年の冬は雨が少ないですので、来年また干ばつの問題が発生しないと良いなと少々憂慮してしまいます。

アメリカ市民に仕事を休んで投票に行く権利はある?_1089

 さて、もう年末年始ですが、緩めずに皆さんからいただいている質問を考えていきたいと思います。いただいている質問をまとめると「最近、外国人への締め付けが厳しくなっているという風潮もあり、思い切ってアメリカの市民権をとりました。市民権があると、各種の投票なども参加できることは理解しています。ただ、仕事を休んで投票をする権利、というものはあるのでしょうか。また投票に行くと、仕事に行けないので、その分給与は減るのか、有給なのでしょうか」という質問をいただきました。

アメリカ市民権を得ることのメリット

 アメリカ市民権を得るには、アメリカ国内で出生することが一つの道ですが、帰化することも一つの道であります。帰化するには、永住権をまず取得し、場合によって、3ないし5年間待つと、市民権(帰化)申請が可能になります。アメリカ市民権を取ると、永住権と比べるといくつかメリットがあります。一つは、自国がアメリカになるわけですから、強制送還をされない、ということがありますし、アメリカ国外であっても、子供が生まれると市民権者となります。ちなみに、アメリカ大統領だけは、帰化した市民権者はなることができません。アメリカで出生しないとならないのですね。

 市民権を得た場合、市民しか与えられない権利義務が生じる面もあります。今回の質問にある選挙権も一つですし、アメリカでは陪審裁判の陪審員になることも一つあげられます。選挙権というのは、かなり重要な権利であって、政治の行く末を決める一票を市民は握っているのです。

各州に選挙に関する法律がある

 この選挙権ですが、アメリカのすべての州で、投票に行くための休暇取得について、何らかの規定はされています。州によっては、投票に行くための時間について、無休のところもあれば有給の規定をしているところもあります。ですので、各州の選挙に関する法律は必ず確認する必要があります。

 また、就業規則にも通常記述がありますので、これもチェックしたいところであります。多くの州では、選挙について、2時間までは欠勤を許すという書き方のところが多いですが、4時間のところも存在します。

カリフォルニア州の例

 ここで、カリフォルニア州の例を見てみましょう。カリフォルニア州選挙法(Election Code)第14000条以下には、以下のように定められています。

 カリフォルニア州では(1)最大で二時間の休暇が権利として許されている。(2)この(1)でいう二時間は、就業時間の最初か終わりの部分で取る必要がある。(1)と(2)の範囲であれば、有給休暇として、賃金が支払われる。となっています。

 ただし、例外があって、就業時間外に投票にいくことが可能であれば、休暇取得は認められないことになっています。また、投票のための休暇取得は、少なくとも2勤務日前に雇用主に通知しなければならないということになっています。

選挙のための有給休暇取得は可能

 このようにある程度詳しい規定がなされているので、仕事を休まないと投票に行けないという場合には、権利行使のための担保が決められています。ですので、雇用主に通知をすることは前置ですが、ぜひ選挙に行かれてみてください。

 ただ、もちろんですが、選挙のための有給休暇取得は、選挙に行くことが前提ですので、かりに、選挙に行くと偽って、実際は別のことをすることは許されませんし、懲戒の対象になります。したがって、純粋に休むために、この有給休暇を取ることは許されていませんので、注意されてください。

 もう、次の法律ノートで2017年が終わりです。皆さんからいただいている質問でまだお答えしきれていないものもたくさんあります。申し訳ありませんが、来年まで持ち越しとなりそうです。ただ、忘れているわけではなく、私の原稿が追いついていないだけなので、少々お待ちいただければと思います。年末は色々忙しいですが、健康に留意してもう少し2017年、がんばっていきましょうね。


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天国と地獄-強制送還と「入国の撤回」





 
June 15, 2017
 
天国と地獄-強制送還と「入国の撤回」
今回は、外国人が米国入国審査の際に気をつけておきたい法律のポイントを抑えておきましょう。ちょっとした違いですが、天国と地獄の差を生み出します。
このポイントを覚えていて機敏に対応することで、将来のアメリカ入国を有利にできる可能性があります。
 
外国人が他国に入るのは「お願いベース」
 
まず、難しい法律を理解していただかなくてはいけないのですが、シンプルに考えますので、おつきあいください。
まず、何度も弁護士ブログ(じんけんニュース)で考えていますが、外国人はアメリカに入国する「権利」というのは持ち合わせていません。もちろん、外国人が日本に入国する「権利」というのも持っていません。平たく言うと「お願いベース」で入国「させてもらう」ということになります。
そして、外国人がアメリカに入国するときは、入国審査官の広汎な裁量によって、入国の可否が決められるというのが前提です。
広汎な裁量といっても、入国審査に関するマニュアルは存在していて、そのマニュアルに沿って入国の可否が決められています。Field Manualと呼ばれる指針が存在します。日本でいうと実務マニュアルといったところでしょうか。
 
アメリカの入国禁止事項
さて、まずアメリカでは法律で、入国禁止事項が決められています。
たとえば、一定の犯罪歴、麻薬、売春関係などが既存の記録にある場合には、例外的な承認を米国政府から得られないと入国禁止となっています。この入国禁止事項については、また機会をみつけて考えたいと思います。
この法律で決まっている入国禁止事項が入国時の審査で明らかになった場合には、たとえ有効なESTAやビザがあったとしても、入国は「アウト」となります。
このような明らかに法律に反する事情がある場合には、すぐに「強制送還」の手続きを移民局は開始します。
Removal Proceedingと言いますが、これは、手続きが法律で決められていて、一応事実関係を明らかにしたうえで、自国(アメリカ入国前に搭乗した出発地)に送り返されることになります。
 
趣旨違い?の入国
 
入国禁止事項が明らかな場合には、上記のようにすぐに「アウト」と判断し易いのですが、入国が認められるかどうか、微妙な例もたくさん存在します。
このような場合の処理は、もちろん実務マニュアルに記載されているのですが、審査官の裁量で質問を聞いたり、書類の提出を求めることができます。
入国させるべきか微妙な例の典型例は、「趣旨違い入国」と比喩できるパターンです。私の造語ですので、法律用語ではありません。
すなわち、学生ビザを持ちながら就労する意思が認められる場合、ESTAで入国しようとしているのに、就労しようとしている場合、観光で来ていると申告しているのに実は結婚目的の場合などが考えられます。
このようにビザなど持っている書類と実際の意思が乖離している入国に関して、入国を裁量で拒否することができます。
 
 
「入国の撤回」の機会
 
ただ、このような事例の場合、明らかに犯罪歴があったというわけではないので、判断もかなり大変なわけです。いわゆる「灰色」という状況ですね。
このような場合には、いきなり強制送還手続に乗せることをしないで、入国の撤回(Withdrawal of Admission Application)の機会を設けることも少なくありません。
この入国の撤回を許すかどうかも、もちろん入国審査官の裁量ですが、外国人側から、撤回を自発的に申し出ることは可能です。「灰色と疑われているなら出直してきます」的な申し出です。
この申し出をして、移民局側に異論がなければ、すぐに「アメリカに入国しなかった」ということで、自国に戻れます。
 
入国の撤回と強制送還、大きな違い
なんだ、入国の撤回と強制送還と結局、自国(日本人であればにほん)に送り返されるから、効果に違いがないじゃないか、とここまで読まれて思われる方もいると思いますが、実はかなりの違いが将来でてきます。
実は、「強制送還」となった場合には、アメリカの連邦の法律で、入国禁止期間が設けられています。ここでは深く立ち入らないですが、強制送還となった場合には、少なくとも5年間、事例によっては10年間、アメリカに入国することを原則禁止されてしまいます。
一方で、入国を撤回した場合には、アメリカ政府がなんら判断をしていないこともあり、強制送還のように、入国禁止期間などは定められていません。ESTAで再度入国にチャレンジするのは難しいかもしれませんが、ちゃんとビザをとれば、すぐにでも再入国は可能になります。
 
 
「入国の撤回」を選択肢の一つに
 
このように、入国時にかなり揉めて、第二次審査に連れて行かれ、「趣旨違い入国」と疑われている場合には、入国の撤回を申し出てみるのが良いかもしれません。
入国の撤回の手続きは、実務マニュアルに詳細に手続きが記載されているので、入国審査官はその方法論などは熟知しているはず(そう願いたい)です。
面倒ですが、疑いが晴れずに強制送還になるよりは、自発的に入国を撤回し、もう一度入国を試みる方が長期的に見て効率的だと思います。
「入国の撤回」ということが、できる可能性があれば、「仕切り直し」ができるので、そのチョイスを必ず入国の際には考えられておくのが良いと思います。
 
 
また、次回新たなトピックを考えていきます。今回の入国の撤回などは法律的なコンセプトでわかりにくいところもありますので、質問があれば、いつでも質問していただければと思います。




 

渡米時の荷物検査ーその中身、何?





 
法律ノート 第1050回 弁護士 鈴木淳司
March 19, 2017
 
今回は、一回皆さんからの質問にお答えするのをお休みさせていただいて、最近移民関係で起こっていることについて考えてみたいと思います。幾つかの質問には、かなり長い間お答えしていないものもあり、申し訳なく思っていますが、時々、時機に応じた話題を取り上げさせてください。
 
「渡米時の荷物検査ーその中身、何?」
 
アメリカの入国審査厳格化の傾向
 
今回、取り上げたいのは米国入国時の注意点です。
最近ではトランプ政権の移民政策厳格化の方針が継続していて、司法の場に論争が移っています。入国審査も厳格になっています。決して一般的に合法的な入国を目指す外国人に対して厳しくなっているわけではないのですが、風潮というか、傾向として色々気をつけなければなりません。
中でも、入国審査ではなく税関検査に関して、考えておきたいと思います。すなわち、荷物検査のときの注意点です。
 
入国拒否の事例は様々
最近、私のところにアメリカから日本に送還(厳密にいうと、アメリカへの入国拒否)の憂き目にあった人の事例があります。日本人の彼は未成年者ではありませんが、20歳以上年下の女性とアメリカに一緒に入国しようとしました。
彼はすでに入国審査を済ませましたが、別の列に並んでいた彼女が審査で戸惑っていたので、助けに行ったところ、関係を咎められ、第二次検査に回されました。あとからそのときの調書を読むと、この男女は、いわゆるオンラインチャットではじめて羽田で出会い、男性が女性にお金を渡し、一緒にアメリカに旅行をするという計画であったということを自供しています。男女とも、別々の部屋に入れられ、女性の方は特に素直に色々話をしたようです。
結果として、男性も女性も入国は拒否され、米国移民法の「売春に関わる目的の入国」として認定されてしまいました。行政の判断です。
移民法に明確に規定されているのですが、売春に関わる目的を持っていると、10年間は入国禁止とされています。この男女の再度のアメリカ入国は少なくとも10年間はかなり難しい状況になってしまっています。
 
入国審査ともう一つ、税関検査
この数年、入国審査に加えて税関検査もかなり厳しくなっています。入国検査で疑われると、持ってきている荷物も全部検査されることになりかねません。
上述した男女の例では、オンラインチャットを通して羽田空港ではじめて会って、少なくないお金の授受をその場でして、一緒にアメリカに来ていることがわかっていますが、荷物のなかにいわゆる「大人のおもちゃ」が入っていて、それを突きつけられたわけです。
 
目的に沿わない荷物が逆効果になることも
入国する外国人の供述に加えて、入国審査官の疑念に沿ったようなものが出てくると、いわゆる「火に油を注ぐ」状態になるわけです。入国禁止を正当化する物的証拠が荷物から出てくると、これはなかなか弁護ができない状況になります。
上述の事例は、かなり特殊かもしれませんが、観光目的で来ているはずなのに、米国で借りているアパートから生じる光熱費の請求書が出てきたという事例もあります。そうすると、観光目的じゃなくて、住んでいるんじゃないか、と疑われても仕方がないことになります。
同様に、観光目的で来ているのに、鮨屋で使うような包丁が何本も出てくると、板前をしようとしていて、就労目的じゃないか、と疑われます。単に、ビザなしで商談に来ている日本人なはずなのに、荷物検査をすると、アメリカの住所が入っている名刺がでてくると、アメリカで働いているんじゃないか、と疑われます。
このように、手荷物ではなくて、持ってきているスーツケースの中に入っている荷物の中に入っているものを手がかりとして、持っているビザやビザなし入国の目的外のことをしているのではないかと断定されてしまう可能性があります。
 
外国人がアメリカに入国するのは「権利」ではない
日本人を含め、外国人がアメリカに入国するのは「権利」ではなく、入国審査の広汎な裁量に服します。これは、アメリカ人が日本に入国するときも同じです。
これから、トランプ政権下で、外国人の入国審査が厳しくなっていくと思われます。江戸時代の「入り鉄砲に出女」状態までは行きませんが、要らないアイディアを入国審査のときに与えないように振る舞いたいものです。
 
余談ですが、最近、アメリカ入国の際に段ボール箱を持っていると、ほぼ確実にスキャンにかけられる列に連れていかれます。なので、アメリカ入国の際には、どんな方法で荷物を持ち込むかも考えた方が無難かもしれませんね。
 
次回、また、いただいている質問を考えていきたいと思います。花粉もすごくなってきましたが、花が咲いて綺麗な時期です。春を楽しみながらまた一週間がんばっていきましょうね。




 

機内で飲酒、トラブルに。その後の米国入国に問題ない?[2]

法律ノート 第1016回 弁護士 鈴木淳司
July 18, 2017




 
日本は「海の日」だそうで、三連休羨ましいものです。「ゆとり」を意識しているのかはしりませんが、この20年で、三連休がたくさんできているようですね。とはいっても東京都知事選もあるし、あわただしかったりもするのでしょうか。日本の皆さんが、のんびり過ごされると良いと思います。
 
機内で飲酒、トラブルに。その後の米国入国に問題ない?[2]
 
さて、「先日、日本から出張でアメリカに行きました。帰り(日本行き)の飛行機のなかで、ワインをもらって飲んでいたのですが、疲れもあって酔ったようです。さらにワインを頼んでも、客室乗務員に出してもらえず、やむなく免税店で買ったウイスキーを開けて飲んでいました。そうすると客室乗務員と口論になり、ウイスキーを取り上げられただけではなく、最後には手錠のようなものをはめられ空港で警察に調書を取られました。現在日本では更なるトラブルになっていないのですが、今後問題になるのでしょうか。」という質問を前回から考えてきましたが、今回続けて考えていきたいと思います。
前回、今回のケースでは、アメリカの法律が主に適用されるシナリオだということを考えました。
 
航空乗務の妨害行為
アメリカでは、連邦の法律で、航空乗務をする人達の仕事を妨害する行為について、かなり厳しく明確な条文が用意されています。
航空機の乗務員の仕事を妨害する罪(49 U.S.C. 46504)として規定がありますが、乗務員に対して、暴行、脅迫などを既遂、未遂を問わず行った場合には、最高で20年間の禁錮となる刑となっています。かなり深刻な罪ということになっています。
この罪は、酔っ払っていた場合など、あとになって「あの時酔っていたのでよく覚えていません」と言っても許されないように規定されています。大体酔っぱらいが騒ぐことを前提にしていると考えられます(判例でいうと、United States v. Meeker, 527 F.2d 12 (9th Cir. 1975).などが挙げられます)。
六本木や新宿のキャバクラやクラブで騒いで問題を起こすレベルとはまったく次元の違う罪に問われることになるわけです。
 
乗務員の真の役割はフライトの安全確保
 
乗務員は、ただ単に飲食物を提供したりする役割ではなく、フライトを安全にするための一般的な重い役割を負っているとアメリカでは考えられています。これは一般論です。
日本でもアメリカでもかわりなく乗務員の教育は行われていますが、一般の人達が期待する役割としては、アメリカの方が、より「安全確保」ということに主眼が置かれている考え方をしている傾向にあると思います。
 
日本法の適用は微妙。しかし米法適用の可能性
 
今回の質問をされている方のケースでは、日本で警察に行ったとしても調書を取られておしまい、ということになるかもしれません。日本の法律の適用が微妙だからです。そうすると、今後日本の警察や検察が動くということはないかもしれません。
一方で、アメリカの航空会社のクルーの人達は、アメリカに帰属する航空機内で起こったことですので、上記の連邦法が適用される可能性が大きいので、現地の警察に「一応は」届出をすることにはなります。
私も以前似たような事案を担当したことがありますが、日本では何も罪に問われませんが、日本で取られた調書をもとに、アメリカの検察局に被害届を出す場合がほとんどです。航空会社のプロトコルでそのように決まっているようです。
そうすると、アメリカでは充分に罪になり得ますので、この事件はアメリカの検察局によって起訴相当かどうかが決まります。かりに起訴が決まった場合には、すぐに逮捕されるということはないとは思いますが、現在では連邦検察局と移民局が情報共有をかなりの範囲で行っていますので、次回アメリカに入国するときに、入国管理局に逮捕されて、裁判に移行していくということになりそうです。
今現在、日本国内にいらっしゃって問題になっていないかもしれませんが、次回、渡米されるまでに、一応アメリカで、起訴がされていないか、何か逮捕状が存在しないか、など、弁護士に相談するなりして確認する必要があると思います。
 
カリフォルニアは、まだまだ水不足が解消していませんが、火事に気をつけて、アウトドアを楽しんでいきましょう。夏の暑い日が続きますが、また一週間夏バテを気にしつつまた一週間がんばっていきましょうね。




 
 

機内で飲酒、トラブルに。その後の米国入国に問題ない?[1]

法律ノート 第1015回 弁護士 鈴木淳司
July 12, 2016




 
 
一方で、警察官による暴行が問題になり、他方でスナイパーによる警察官の射殺など、銃による問題が露呈したアメリカの一週間でした。銃は怖いです。猟などで必要になる場合もあるでしょうが、マシンガンなどの自動小銃はどうみても生活にも職業上も不要だと思います。私が学生の頃、ある教授が刑法にいう正当防衛というのは、銃が一般人の生活に登場してから、発展した概念だ、ということをおっしゃっていました。今では警察官が一般人を撃つときにグレーなケースでも第一の理由付けになってしまったように思います。アメリカの影の部分でしょうか。
 
機内で飲酒、トラブルに。その後の米国入国に問題ない?[1]
 
さて、今回から新しくいただいている質問を考えていきたいと思います。
頂いている質問をまとめると、「先日、日本から出張でアメリカに行きました。帰り(日本行き)の飛行機のなかで、ワインをもらって飲んでいたのですが、疲れもあって酔ったようです。さらにワインを頼んでも、客室乗務員に出してもらえず、やむなく免税店で買ったウイスキーを開けて飲んでいました。そうすると客室乗務員と口論になり、ウイスキーを取り上げられただけではなく、最後には手錠のようなものをはめられ空港で警察に調書を取られました。現在日本では更なるトラブルになっていないのですが、今後問題になるのでしょうか。」というものです。
 
飛行機で飲酒することの意味合い
 
私も飛行機に乗ると必ずと言って良いほどお酒を呑みますが、たしなむ程度にしています。もちろんお酒を飲むことは悪いことではありませんが、人に迷惑をかける飲み方はかっこよくありません。
今回質問されている方も、あまり悪いとは思っていないようですが、客室乗務員の指示に従わないと場合によっては、刑事上の罪に問われる場合もあります。
質問をまとめたので、かなり割愛した部分はありますが、今回質問された方は最後に身柄を拘束されるまで結構派手にやられたようです。酒癖があまりよろしく無いのかもしれません。本人はあまり覚えていないようですが。
 
機内で適用されるのは日本法か米国法か
まず、今回の質問を考えるにおいて大事なのは、日本法と米国法の適用についてです。まず、飛行機がどこの国に登録されているのか、ということが問題になります。
日本法では、航空機が登録されている国が裁判管轄を持つ(刑法1条2項)と定められています。アメリカ国籍の飛行機であれば、米国連邦法が適用されることになります(49 U.S. Code § 46501)。これが基礎になります。
今回質問されている方は、アメリカの航空会社の飛行機に搭乗していて、問題が発生したようです。そうすると当然にアメリカ飛行機内で発生した問題なので、米国法が適用されます。日本の法律が適用されるかは微妙なケースとなるかもしれません。
もっともなんらかの被害を受けた人が日本人である場合には、日本の刑法でも何か問われる可能性はあります。このように、航空機がどこの国に登録されているのかで適用される法律も変わってきます。
 
飛行機がどこの領空を飛んでいるか
次に、飛行機がどこの土地を通っていたかも問題になります。
日本上空であれば、日本の法律や条例が適用されるかもしれませんし、実際に適用された事例もあります。アメリカでも、法律でアメリカの管轄内にある飛行機についてはアメリカ法の適用があります(49 U.S. Code § 46501 (2)(c))。
更に、アメリカの法律では、アメリカが到着地である場合は適用されるとなっています。
そうすると、日本の航空会社の飛行機でもアメリカが目的地の場合であれば、どこの土地を通っていたかということにかかわらず、アメリカ法の適用対象になってしまいます。
米国法は、かなり広い設定をしていることがわかります。
 
可能性としては米国法が適用される事例
今回質問されている方は、アメリカに登録されている航空機に乗っていたと思われますので、米国連邦法が適用となりそうです。日本に到着する前に、すでに身体を拘束されていたわけですので、日本法がすぐに適用されるかというと疑問です。
 
では、アメリカの法律が適用された場合を次回考えていきたいと思います。色々深刻な事件がアメリカではあった一週間ですが、また気分を入れ替えて一週間がんばっていきましょうね。




 

Golden Gate sanfran

カリフォルニア州弁護士コラム「囚われの身の恋バナ」(2)_966

法律ノート 第966回 弁護士 鈴木淳司
Nov 25, 2015

 前回の続きです。水洗トイレの水流を止め、夜な夜なA子さんは、コンクリートの床というか天井で仕切られた恋人と将来の話をします。時間はたっぷりあります。というか、他にこれといって刺激がありません。西海岸の彼氏らしき人は、A子さんにまったく連絡もしてきませんので、優しい言葉をトイレ電話でかけられると、A子さんの恋心はさらに燃え上がるのです。

カリフォルニア州弁護士コラム「囚われの身の恋バナ」(2)_966

 判決が言い渡されました。現行犯逮捕ですから、まず情状酌量を願って、最小限度の有罪を認めることで事件は解決しました。

 通常のアメリカ人であれば、執行猶予がつくのでそのままJailから出られるのですが、A子さんは留学生です。判決時に移民局が待っていました。

 私が何度言っても、A子さんは、恋人と話をしていて、舞い上がり、もうすぐ彼氏と会えると信じていたようです。弁護人の話は冷静に聞くべきです。

 身柄が拘置所から移民局に移されるときになって、A子さんはどんなに彼を愛しているのか、涙しながら話しをしてくれました。どうしても結婚したいというのです。

 A子さんは、「彼ってとても私が好きな匂いがするんです」とか「彼ってとても絵がうまいのです」などと語ってくれます。しかし残念ながら、学生ビザを保持する外国人が逮捕勾留されてしまうと、継続的に勉学を続けていないと判断され、移民法違反になります。

 また、米国移民法においては、売春と麻薬は外国人が強制送還となる最たる事由でもあります。ん?移民局に身柄を引渡される寸前、私はA子さんに「匂いがどうとか、絵がうまいとかって、どういうことなの」と聞き、惚れた腫れた2人の行動を聞いてかなり驚いた覚えがあります。

拘置所内での文通に成功していたA子さんと男性

 まずA子さんと男性が何通か手紙をやり取りしていたのです。もちろんJail内にいる収監者間の通信は保安上の理由から許されていません。当たり前です。脱獄の相談をしているかもしれませんからね。

 どうやっていたのか問い詰めると、歯切れが悪いのです。若干詰問しました。まずA子さんは彼に宛てた手紙を書くわけです。それを封筒にいれるのですが、封筒の宛先はデタラメな宛名と住所を書きます。そして、返信先を彼にしておくわけです。そうすると、時間はある程度かかりますが、宛先不明で戻ってきた封筒は彼に届くのです。

 もちろん拘置所において、弁護士との通信以外の内容を検閲することはやっているのでしょうが、検査がゆるいのかもしれません。その方法を使って、A子さんは、彼と見事文通に成功していたと白状しました。

図書館を使って互いの下着を交換

 もう一つ、納得がいかなかったのは、お互いの「匂い」が好きなのだ、とA子さんが言っていたことです。収監されている男女が接触することはまずありえません。これについても説明をしてもらう必要がありました。

 二人はお互いの匂いを確かめる方法がないかを夜な夜な「トイレ電話」を使って協議していました。マッチョな男性がA子さんに言います。「図書館の◯◯辞典の第△巻目の間に下着を挟んで入れておいてくれ。」

 次の日、A子さんが図書館を使える時間になると、A子さんは自分の履いていた下着を指示のあった辞典のなかに挟んで入れておきます。次に男性が図書館を使用できる時間になると、男性は◯◯辞典の第△巻目を開き、人目を憚りながらA子さんの下着の匂いを嗅いで、たぶん眼を細め、遠いところをみつめながら、A子さんのことに思いを馳せます。

 そして、その男性は自分の履いていた下着をまた別に示し合わせていたところに挟み込みます。次にA子さんは、許可された時間に図書館に行ったとしても、本を読むことはしていないはずです。

強制送還されて1年後のA子さんは

 強制送還をされたA子さん本人から、再度連絡があったのは1年ほど経ってからでした。会話のなかで私は頃を見計らって、例のJailにいた彼とはどうなったのか、聞いてみました。彼女は鼻で笑いながら「そういえばそんな話もありましたね」と言っていました。

 それで用件の本題を聞いてみると、今度、今付き合っているアメリカ人男性と結婚してアメリカに行きたいということを言い始めました。過去、麻薬の罪に問われている場合、ビザや永住権の発給のハードルはかなり高いわけです。入国が難しくなっていることを伝えても、彼女はくじける様子はありませんでした。

 さすがにもう良い歳になっていると思いますが、恋多きA子さんが落ち着いて生活をされていることを願っています。少なくとも英語はお上手だったので、それを活かして仕事をされているとか、結婚されているとか。


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