アメリカ法律ノート」カテゴリーアーカイブ

日米の刑事司法-2020年年初に思うこと

法律ノート 第1194回 弁護士 鈴木淳司
January 5, 2020


 法律ノート読者の皆さんあけましておめでとうございます。今年も、力を入れずに法律ノートを続けていきたいと思います。皆さんから、いろいろな質問をいただくのは楽しみですし、法律のことは考えてもネタが尽きることはありません。ですので、皆さんのお役にたてる限り、続けていく意義はあるのではないかと思います。どうか、今年も宜しくお願いいたします。

 皆さんの新年はいかがでしたか。私はリフレッシュでき、新年やらねばならないことなどを、のんびり考えたりしながら、相変わらず酒を嗜んでおりました。新年なので、一回お休みさせていただき、最近起きたことを考えさせてください。

 昨年末、日本の刑事司法における衝撃的な出来事が起こりました。
 日本の刑事事件の係属中にカルロス・ゴーン氏が保釈条件を無視して、日本から海外に逃げてしまいました。年末、そして年始から司法、行政関係者は、大変な状況であると思います。

 私は、ゴーン氏の弁護団の一人でもあるT弁護士とは昨年別の国際刑事事件で一緒に関わっていたこともあり、今、弁護団はかなり忙しくしていると憂慮しています。T弁護士はブログに私見を載せられていましたが、日本の刑事司法に関する疑問というのは、私も数回前の法律ノートで丁度書いたところであります。それから、今回の事件を機に犯罪人引渡についてかなり法曹からもコメントがなされているようですが、昨年私自身、とてもレアな犯罪人引渡の事件を実際に日本とアメリカで関わっていたものですから、興味を持って拝見しています。

 ただ、ほとんどのマスコミやネットにでている法曹は、犯罪人引渡事件を実際に争っていないのか、コメントを見ていてもあまり感心するものは今のところありません。実際に事件を担当した弁護士は簡単に話をするものではないのでしょうね。


 さて、T弁護士のブログを見ると、公に自分のクライアントが何をしゃべっているのかを書くのは良いのか悪いのかは別として、ゴーン氏が「有罪にもなっていないのに刑事事件化しただけで刑罰を受けているようなものだ」といった趣旨の話している行がありました。

 かなり長期間勾留されていた事実がありますが、日本で未決(まだ、裁判で判決がでていないので、推定無罪なはずです。)の被告人の扱いについて、私もかなり刑罰に近い感じを受けています。

 みなさんは東京拘置所に行かれたことがあるかわかりませんが、接見にいくための廊下を歩いているだけで、冬などそれはもう寒いものですし、内部でも、至るところで「禁止」事項が課せられているのが現実です。

 未決の状態で、日本の東京拘置所と、アメリカの連邦の拘置所に入った経験がある人に聞くと、日本のご飯は美味しいが、その他は、アメリカの方が比べ物にならないほど良いそうです。アメリカの拘置所の飯はまずい、という話でした。しかし、私も、食べさせてもらうと、まんざらではなく完食したので、日本のご飯の方が美味しいかはわかりません。

 また、今回ゴーン氏の事件では、保釈が認められましたが、その条件が、家族とも話ができない、などということで、アメリカなどの先進諸国では到底考えられない制限ぶりも明らかになったと思います。もちろん、家族が犯罪に関与している形跡や、逃走を助けたりするような事実があれば別ですが、一切家族とも連絡をとってはいけない、という条件について、なぜそこまでしなくてはいけないのか、と首をかしげてしまいます。ゴーン氏でなくても、精神的に追い込まれるでしょうね。

 昨年末に日本の刑事事件について法律ノートでも、少々取り上げましたが、そのときに私はデュー・プロセスという単語を使いました。対峙する当事者(刑事事件では検察と被告人ですね。)ができるだけ対等にフェアに闘いができなくてはならないという考えがデュープロセスの根底にあります。

 被告人を精神的に追い込んでしまった状況で、フェアな闘いというのが、望めるのか疑問でなりません。これから、ゴーン被告がどのような発信をしていくのかわかりませんが、今後、日本の刑事司法も今回の事件について、被告人にとっても、フェアな闘いができるように、自発的な変化をしていかないと、いろいろな軋轢が発生していくのではないかと思ってしまいます。

 新年から、考えさせる出来事が起こっていますが、この事を将来の刑事司法の充実に繋げていくキッカケにしてほしいと心から願っています。
 また、次回から新しくいただいている質問を考えていきましょう。ホリデーからスイッチを入れ替えて、また一週間がんばっていきましょうね。

 


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アメリカで弁護士なしの本人訴訟(3)_1192

法律ノート 第1192回 弁護士 鈴木淳司
Dec 23, 2019


 忘年会シーズンも盛り上がっていますが、最近は会社の忘年会自体に「行きたくない」という人もいるようです。私の事務所の忘年会ももうすぐ行われ、無事に一年が納められそうです。一年早いですが、やはりなんとなく「〆」という感じは毎年ありがたく思います。インフルエンザが例年よりも流行しているようですが、健康に年末年始を過ごしたいところですね。


アメリカで弁護士なしの本人訴訟(3)_1192


 さて、前二回「やっていたコンピュータ関係のビジネスを清算するために、中古ですが電子機器をまとめて他業者に売ったのですが(数万ドルのようです)、正常に稼働しないということで、紛争になっています。相手方他業者は、かなりの損害になったと主張に訴訟をしてくると言っています。払った額は戻すので現物を返してくれといっても、損害が発生しているので、それだけでは許さないといって感情的になっているようにも思います。やっていたビジネスは小規模でとても弁護士を頼むこともできないのですが、訴訟になった場合には、ネットなどでは本人だけでも訴訟もできる、ということですが、実際に訴訟を素人ができるものなのでしょうか。」という質問を考えてきました。

訴訟提起後は送達ー相手に裁判を知らせる


 前回は、訴訟を提起するだけでは、足りずに相手方に送達をしなければならないということを考えました。相手方に「訴訟を提起したよ」ということを直接知らせなくてはいけないのです。

 この送達ですが、日本では裁判所が主に主導権を握ってやってくれるのですが、アメリカでは個人が裁判所の名前のもと、主導権を持って行います。送達が完了すると、今度は訴えられた側が行動を起こさなくてはなりません。訴訟に応答する必要があるのです。

訴訟提起後されたら回答する


 訴訟によってもばらつきがありますが、通常は送達がなされてから30日以内に何らかの回答をしなければなりません。
 回答方法についても、単に訴訟の内容を否定するだけではなく、たとえば、手続き的に内容がおかしいとか、人違いであるとか、いろいろな申立(Motionなどといいます)をすることが可能になります。どのようなことが言えるのか、この部分は法律に長けていないと難しい部分ではあります。

 訴訟は戦略的なところも多くありますので、どのような応答をするのかは慎重に判断しなければなりません。

 

争うポイントは何か


 訴訟に対して、内容自体を争う、という形が最終的には一般的な回答方法なのですが、主張を争うと、その争った部分がいわゆる「争点」といわれるものになります。

 一般的なニュースなどでも「争点」と言われることが多々ありますが、訴えた側(原告、Plaintiff)と訴えられた側(被告、Defendant)が何を争っているのか、法律的に抽出していく作業が必要になります。

 なお、「被告」と日本の民事訴訟では言われていますが、刑事事件の「被告人」とはニュアンスも立ち位置も違います。決して、民事事件の被告が「悪いことをして咎められている」というわけではなく、事実的な争いに関して訴えられた側という意味しかありません。

 さて、法律的に何が争いになっているのか、その根底になる事実を抽出していかなければなりませんが、アメリカではディスカバリー(情報開示)という一連の手続きが規定されています。

 60年代から議論され、70年代から積極的に利用されているのですが、自分では持っていない争点に関する情報、たとえば証人の陳述や書類などを相手方または第三者から受け取り内容を検討する方法が用意されています。

 実際問題として、弁護士がついていないとかなり複雑なディスカバリーはできません。
 一方で、基本的な事項などについては、すでにカリフォルニア州などでは、相手方に送る体裁を整えた質問書(Form Interrogatories)などが用意されていますので、それを利用すればある程度のディスカバリーが本人訴訟でも可能となります。ある意味訴訟は情報戦ですので、相手方のことを知る意味でも、ディスカバリーは重要になってきます。


 このディスカバリーをすることのメリットは、自分の主張の強弱が証拠からわかってくることです。アメリカでは、ほぼ95%以上の訴訟が和解で終わると言われていますが、実際問題として、ディスカバリーをすることにより、将来陪審員に判断してもらうための具材が出揃うわけです。

 そこで、客観的に自分の主張が通るかどうかを判断することが可能になってくるのです。

 大きな訴訟になると、ディスカバリーにかなりお金がかかることが問題なのですが、一方で、訴訟の帰趨を占う、医師で言えばいわばMRIやレントゲンのような情報がでてくるので貴重であるということができます。

 ここからまた次回考えていきましょう。

 ベイエリアは雨が多く、なかなか外の空気を楽しむことができません。みなさんのお住いの地域の天気はいかがでしょうか。一般的に暖冬だとは思いますが、体を動かして、体調に気をつけまた一週間がんばっていきましょうね。

 


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アメリカで弁護士なしの本人訴訟(2)_1191

法律ノート 第1191回 弁護士 鈴木淳司
Dec 15, 2019


 日本では忘年会、アメリカでもホリデーパーティーシーズン真っ盛りですが、皆さんは職場、ご友人、ご家族と一年の総まとめをされているのでしょうか。私のクライアント企業のパーティーでは新しい人事が発表されたり、来年に向けて弁護士としても用意をしていかなければならないことが多そうです。来年のことはまた来年考えなくてはいけないでしょうが、年末年始、体調に注意しながらやっていきましょう。


アメリカで弁護士なしの本人訴訟(2)_1191


 さて、前回から考えてきた「やっていたコンピュータ関係のビジネスを清算するために、中古ですが電子機器をまとめて他業者に売ったのですが(数万ドルのようです)、正常に稼働しないということで、紛争になっています。相手方他業者は、かなりの損害になったと主張に訴訟をしてくると言っています。払った額は戻すので現物を返してくれといっても、損害が発生しているので、それだけでは許さないといって感情的になっているようにも思います。やっていたビジネスは小規模でとても弁護士を頼むこともできないのですが、訴訟になった場合には、ネットなどでは本人だけでも訴訟もできる、ということですが、実際に訴訟を素人ができるものなのでしょうか。」という質問を続けて考えていきましょう。


弁護士なしで訴訟を進める価値あり


 前回は少額裁判のことに言及しながら、裁判制度について考え始めました。

 質問にある訴訟はいわゆる一般的な民事訴訟になりますので、一般的な民事訴訟の流れを考えながら、質問されている方でも、読者の皆さんでも、弁護士をつけずに訴訟ができるかご自身で考えてみてください。私も自分でDIYできる工事であればプロに頼まずに家の修繕などをしますので、法律についても、自分で対応できると思えば、やったら良いと思います。前回も言及しましたが、弁護士のなかには、「危ないので弁護士に相談を」という主張も見受けますが、私はやってみるのも良いのではないかと思っています。


第一歩はセルフヘルプセンター


 さて、民事訴訟をカリフォルニア州において自分でやろうと思う場合、ネットで色々検索する際に一番最初に見るべきなのは、セルフヘルプセンターというところです(https://www.courts.ca.gov/selfhelp.htm)。

 このサイトはカリフォルニア州の裁判所がつくっているサイトであり、情報に信頼性がありますし、ここに書かれていることは、裁判所で主張する基礎にできます。法律論を細かく学んでいなくても、ここの情報に基づいて訴訟をすることはできると思います。ただ、カリフォルニア州以外の州では、まだ完全なところもないので州が違えば注意は必要です。


民事訴訟の手続き-訴状と請求額


 ここから、民事訴訟の段取りについて、ざっと見ていきましょう。今回だけでは終わらない内容なので、読者の皆さんは必ず続けて一緒に考えてくださいね。

 まず、訴訟を提起するには、訴状(Complaint)というものが必要になります。
 カリフォルニア州では、すでに用意されたフォームがあります。訴訟の性質にもよりますが、この用意された訴状を利用すれば、法律的にややこしい問題は生まれません。このフォームが利用できないタイプの訴訟であれば、私は弁護士に相談することをお勧めします。

 フォームは、ある程度パターン化された訴訟のために用意されているわけで、イレギュラーな訴訟では自分で訴状を用意しなければなりません。裏を返せば、パターン化している訴訟にもっていくのが、自分でやるのであれば良いかもしれません。

 訴訟を提起するにはお金がかかります。細かく費用は異なるのですが、400−500ドルくらいかかるというイメージが必要です。そして、カリフォルニア州では、三段階の民事訴訟が訴額(請求額)によって存在します。少額訴訟であれば30ドルですが、2万5千ドルまでの訴訟、それ以上の訴訟などで、細かく費用が変わってきます。ですので、訴訟する額をいくらにするか決めることも重要になります。


民事裁判-どこの裁判所?


 次に、「相手」を訴えるとするとき、どこの裁判所に訴えるか問題になります。

 サンフランシスコの事件をロスの裁判所に訴えることはできないのです。基準となるポイントが色々あるのですが、相手方が住んでいるところ、相手方のビジネスが存在しているところ、など、相手方を基準に選ぶとほぼ問題はないと思います。

 私も学生のときに、瑕疵のあるオートバイを売りつけられたことがあります。少額裁判を起こすのに、自分が住んでいる近所の裁判所を利用して、見事に却下されて悔しい思いをしたことがあります。自分ではなく、相手方の所在地を選ぶことは忘れないでください。


 今回、相手方が行った訴えが法律的に成立すると、その訴訟に答えていかなければなりません。この辺から次回考えていきましょう。


 バタバタする年末ですが、体調管理をしながら飲み過ぎには注意してまた一週間がんばっていきましょうね。


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アメリカで弁護士なしの本人訴訟(1)_1190

法律ノート 第1190回 弁護士 鈴木淳司
Dec 9, 2019


 もう師走ですね。日本ではあいさつ回りが激しくなる時期でみなさんお忙しくされているのではないでしょうか。街では、電飾が明るく輝き綺麗な時期になってきました。一年がもう終わってしまうと思うと、この一年何をやってきたのか。時の流れははやいものですね。今年、私はまだまだ忙しくしているのですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。クリスマスを挟んで、少しはゆっくりする時間をつくれるといいですね。まだ、2019年も時間が残っていますから、張り切っていきましょう。


アメリカで弁護士なしの本人訴訟(1)_1190


 さて、今回からまた新たに皆さんからいただいている質問を考えていきたいと思います。

 いただいている質問をまとめると「やっていたコンピュータ関係のビジネスを清算するために、中古ですが電子機器をまとめて他業者に売ったのですが(数万ドルのようです)、正常に稼働しないということで、紛争になっています。相手方他業者は、かなりの損害になったと主張に訴訟をしてくると言っています。払った額は戻すので現物を返してくれといっても、損害が発生しているので、それだけでは許さないといって感情的になっているようにも思います。やっていたビジネスは小規模でとても弁護士を頼むこともできないのですが、訴訟になった場合には、ネットなどでは本人だけでも訴訟もできる、ということですが、実際に訴訟を素人ができるものなのでしょうか。」というものです。


本人訴訟

 いわゆる本人訴訟とか、当事者訴訟などと言われることに関する質問です。

 以前、日本の弁護士会でも、当事者訴訟に関する調査というのに付き合ったことがあるのですが、日本でもアメリカでも、一定割合で弁護士の助太刀なしに、当事者が自分で訴訟をするということは珍しくありません。

 特に、離婚や子供の養育などの問題については、かなり当事者だけで立ち振る舞うこともあると思います。余談ですが、先日機会があって家事裁判所に出入りすることがあったのですが、法廷は満員御礼でした。そこでは、夫婦(元か?)が出てきて、学校が終わったあとに、子供の課外授業をどうするのだと喧々諤々やっていました。弁護士はついていない分、裁判官も大変そうだな、と思った記憶があります。


少額訴訟と弁護士の介入禁止


 アメリカでは少額訴訟(Small Claims)制度が各州で制定されていますが、この類の上限額が決まった裁判は、弁護士の介入が原則禁止されています。当事者だけで弁論をして、判決に至るということになるわけです。

 今までも少額訴訟については、法律ノートで何度か考えましたね。
 基本的な考え方として、弁護士にお金を払ってまでやる訴訟ではない、という前提があるのでしょう。このように制度として、弁護士の代理を許さないという考え方もちゃんと存在するのです。

 この少額訴訟制度を除いては、基本的に弁護士の代理は一般的なことではあります。
 しかし、弁護士というのは、なんらかの公的扶助(私自身も立ち退き裁判を無料で引き受けて若いときには、裁判をよくやっていましたが)、たとえば弁護士会の扶助などがなければ、基本的には弁護士報酬を払わなければ動かないものであります。とは言え、すべての事件で、当事者が弁護士を雇えるわけではないことは、裁判所もよくわかっています。


裁判所によるセルフ・ヘルプページ


 最近では、各裁判所のウェブページも充実してきて、「セルフ・ヘルプ」などという形で、必要なフォーム、必要な情報などを公にして、一般の人達にも弁護士なしで裁判ができるように積極的に動いているのがトレンドであります。

 弁護士のなかには、自分で訴訟をするのは危険であるといった論調で、意見する人もいますが、私は裁判所がいろいろな情報を一般の人達に用意して、裁判所にアクセスすることは非常に良いことだと思っています。

 逆に、裁判をやることの大変さを実感してもらった方が弁護士の価値というのをわかってもらえると思うのです。そして、かりに弁護士なくして、訴訟ができるのであれば、それはすごいことですし(実際にそういう方もいるわけです)、自分で自分のことができれば、弁護士の助けを借りなくても良いと思っています。


 ですので、今回質問されている方のような場合訴訟を受ける側、被告となるわけですが、実際問題として、今の時代インターネットに正しいかどうかはわかりませんが、情報は溢れているわけですし、取捨選択して自分で訴訟をすることもできないことではないと思います。

 ただ、自分でやることのメリットはお金を節約できるということになるかもしれませんが、デメリットも潜在的にあるわけです。ですので、この辺から次回また考えていきましょう。

 もう一年が終わりますが、この一年生きてこられたことについて、周りの人に感謝しながら、また一週間がんばっていきましょうね。


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弁護士の役割-日本とアメリカ_1189

法律ノート 第1189回 弁護士 鈴木淳司
Dec 3, 2019


弁護士の役割-日本とアメリカ_1189

 ブラックフライデーのセール商戦が今年もありました。私は量販店に行ってびっくりしました。55インチのテレビが250ドル(約3万円)程度で売っているのです。一昔前は1インチ100ドルなんて言われていた時代もあったわけで、隔世の感があります。予定はしていなかったのですが、古いテレビの代替えに一つ購入してみました。聞いたところのないメーカーの品でしたが、映りも良いし、時代はどんどん変わっていくものだなぁ、と思いました。みなさんは、サンクスギビングをどのようにお過ごしになりましたか。

 

 最近、事件を通じて「そういえば、そうだった」と不覚にも感じてしまったことについて今回考えさせてください。

 江戸時代から、いやそれ以前からかもしれませんが、日本は「お上」が強大な権力を持っていた国であります。もちろん日本だけではありませんので、別に日本が特殊なわけではないとは思います。

 しかし、「先進国」などと呼ばれている日本ですが、お上意識というのは、未だに存在します。もちろん、民主主義国家なのですから、現在の日本において、法律の制度に問題意識を持つのはひとりひとり国民の責任なのですが、そう簡単に全体的に根付いている制度を簡単にはひっくり返すこともできないのも事実であります。


 私が今回「お上」と言っているのは行政の役割であります。
 行政というのは、司法を除いて法律に基づいて国を治める総称です。ですので、生活のなかで行政が絡むことは広範囲に及んでいます。たとえば、道路のメンテ、営業許可、戸籍、災害の対応など、かなりの範囲に及ぶわけです。

 そして、権力的行政というのもあります。
 最たるものとしては警察行政ですが、警察だけではなく、行政機関には強制的に捜査をし、物や情報を押収する権限を与えられているものも多く存在します。麻薬取締、証券取引などはみなさんもお聞きになったことがあるでしょう。


 今、ある刑事事件を担当しています。
 その証拠のなかに、日本の行政機関が押収した書類があるのですが、それをそのままアメリカの捜査機関に手渡し、今度はアメリカの刑事事件で使われているのです。まあ、そこまではあり得る話なのですが、日本の行政機関が名目は聞き取り調査ということで行っているのですが、アメリカで言えば実質的な強制捜査で弁護士の立会いもなく書類等を押収しているのです。

 事情を聞くと、形式的には「任意捜査」とか「任意の調査協力」などと言っていますが、どうみても、「嫌」とはいえない状況で行われていますし、「嫌」と言った場合には、その後のお釣りがどのようなものがでてくるのか怖いわけです。

 今回私が受任している事件では、日本で何度も弁護士の立会いを行政の捜査に対して求めていたのですが、体よく断られています。というより、弁護士の介入を原則許していないわけです。

 日本では、行政が介入して調査をしているのだから、悪いことをしているのだろう、そして、真実を徹底的に明らかにするためには、弁護士などの介入をさせない方が良いだろう、と思われる方もいるかもしれません。

 根強い考えがあるのか先進国家日本では行政が捜査をしているときには、弁護士の介入というのを基本的には権利として考えてくれていません。

 一方、アメリカでは、自分が捜査や調査の対象になったら必ず弁護士を呼んでくれ、ということになります。往々にして行政権力というのは、機動力や人員などから考えると、対個人で見るとどのようなスペックにおいても凌駕しているわけです。もちろん、黒に近い灰色な被疑者もいるわけですが、実際そうでない人もいます。こういった権力と対立するときにやはりフェアに戦おうという根強い思想がアメリカにはあります。

 もともと、権力不信から作られた国という歴史があるのでしょうか。それ故に、デュープロセス(適正手続の保障)を重視する考え方があるのです。

 日本では、実話ではないかもしれませんが、水戸黄門の印籠が出てくれば人々がひれ伏し、鬼平犯科帳では長谷川平蔵が強制捜査をしてソロで処断する、そしてそれを幕府が奨励している、というのが当たり前のようになっていて、人々は疑問も挟みません。「お上」というのは、上に位置するわけですから、それは強いわけです。今でも、行政関係では「下命」とか「宅下げ」とか、一般人は「下」にいるわけです。日本では普通に法律家も「下」を含む単語を使っています。


 冒頭で「そういえば、そうだった」というのは、日本とアメリカで法律を学んだときに感じたことです。
 アメリカで刑事訴訟法の教科書を読むと、半分くらいはデュープロセスについて語られます。憲法修正4条、5条、6条、14条などは、頼まれていませんが暗記してしまった記憶があります。とにかく大事な法律論の根幹だと私は思っています。

 一方、日本で刑事訴訟法の教科書をみると、適正手続についてあまりページ数は割かれていない。そして、司法の判断もデュープロセスに対して消極的な印象をかなり受けて、愕然とした思い出があります。

 私の同業者で仲の良い人達のなかでも、日本で刑事事件を手掛けてデュープロセスの問題に立ち向かっている素晴らしい人もいます。先進国と呼ばれる国でそこまでデュープロセスについて根本的なところから戦う必要があることが切ないのですが。ただ、よく考えるとこれら日本の弁護士は、単に被疑者、被告人のためだけに戦っているわけではないのです。デュープロセスを考える上で真に必要な弁護士の役割について、社会に問を発信し続けているのですね。

 色々話を聞くと私は日本国内の刑事事件を担当する弁護士をやっていたら嫌気がさしてやめてしまったと思います。今、みなさんが日本でこの原稿を読んでいるときに、ドアにノックがあった。そして、行政機関がなんらかの調査をしているので任意で同行を願いたい、と言われたらどうしますか。やはり相談できる人がほしくないですか。それとも、堂々とお白州に自分一人で乗り込みたいですか。悪いことをしている覚えがある人も、何も知らない人でも。

 


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カリフォルニアの飲酒運転、許容範囲!?(2)_1181

法律ノート 第1181回 弁護士 鈴木淳司
Oct 7, 2019

今、日本ではラグビーが熱いですね。アメフトとはルールも違うのですが、ルールを習うと楽しいですね。私もデカイので、若いときにやっておけばよかったと思いましたし、日本の活躍のおかげでファンになりました。しかし「日本」といっても、色々な人種が混じってできたチームであるのが素晴らしいです。見た目ではなく心が日本人という人たちが増えていくとどんどん国力になるのだろうな、と思いを馳せています。皆さんはスポーツを楽しんでいらっしゃいますか。

カリフォルニアの飲酒運転、許容範囲!?(2)_1181

さて、前回から考えてきた質問です。

「カリフォルニア州の大学に留学している者です。学校内で色々なパーティーにも参加するのですが、田舎にある学校なので、飲酒をしたまま車で運転して帰っていく人たちも目にします。私はほぼ飲酒しないので、運転手として友人を送ったりしているのですが、会話のなかで、カリフォルニア州では血中アルコール値が0.08の濃度以上でなければ運転することは許されている、という話をしている人が複数います。しかし、絶対に飲酒して運転してはいけない、という人もいるので何が法律に違反するのか、わかりません。正確な情報を教えていただけないでしょうか」

一緒に考えて行きましょう。

 

血中アルコール0.08%

前回は、カリフォルニア州車両法(Vehicle Code)23152条の構造について考えました。前回を飛ばされている方は前回を必ず確認してから、今回一緒に考えてください。

さて、23152条(b)項では、0.08%の血中アルコールを定めていますので、今回の質問にでてくる、0.08%うんぬんについては、この(b)項を参照にしていると思われます。

一方で(a)項では、「酩酊中」に運転した場合飲酒運転とすると規定されていることは、前回考えましたが、血中アルコール濃度について0.08%以上ということに限っているわけではありません。それよりも低い場合にも、法律的には飲酒運転となりえます。

したがって、今回の質問にあるように血中アルコールが0.08%うんぬんで、「飲酒運転」かどうか決まるわけではないのですね。

 

実際の事件での扱い

ここからは、実際の事件ではどうなるか、一般論を考えておきましょう。

かりに、路上で止められて、血中アルコール濃度が0.08%以下であったとしましょう。こういった場合には、警察は状況にもよりますが、飲酒運転で逮捕しない場合も少なくありません。

実際、警察が飲酒運転の事件においては、血中アルコール濃度0.08%を基準として立件するかどうか決めるのが一般的です。血中アルコール濃度0.08%以下の場合だと、酩酊していたかどうかを検察側も立証することはかなりの労力を要するからです。そうすると、実務ではやはり血中アルコール濃度が0.08%以上かどうか、一つの目安にはなるわけです。

しかし、一方で運転に問題があれば、0.08%以下でも、飲酒運転にもなりえますし、他に、無謀運転(Reckless Driving)といった罪にも問えますので、0.08%以下だからといって自動的に罪にはならないということではありません。

運転方法を含む総合判断

したがって、0.08%以下であったとしても、自動的に罪には問われないということではなく、ほかの要素を総合的に勘案されて、逮捕される場合も十分にあり得るのです。

そうすると、今回の質問を考えれば、やはり飲酒をしたうえで運転すれば、飲酒運転の罪で問われる可能性があるというのは、間違っていないということになります。

ですので、0.08%をメルクマールにして、自動的に飲酒運転かどうかが決まるわけではないことは理解しておいてください。

 

23152条(a)はアルコール以外にも適用

それから、今回の質問から外れますが、23152条(a)項は、酩酊中の運転を罰する条文ではありますが、この酩酊中には、アルコールだけではなく薬物も含んでいることが明文化されています。

そうすると、23152(b)項ではなく、(a)項の方で有罪とされてしまうと、条文上は薬物を使用した、とも受け止められてしまいます

アメリカ市民であれば、問題ありませんが、永住権保持者またはビザ保持者であると、薬物を使ったという前科はどうしても避けたいところです。
カリフォルニア州などでは、マリファナの使用は合法化されましたが、連邦法では、まだまだ薬物は禁止とされています。

そうすると、この(a)項について、連邦政府の裁量で「薬物を使用した」ということで理解されてしまうと、ビザの発給に影響する可能性があります。ここも、外国人は注意したい点ですね。

次回から、また新しくいただいている質問を考えていきたいと思います。

 

秋になってきました。ハロウィンの季節ですね。皆さんはどのようなコスチュームを着るのでしょうか?季節を楽しみながらまた一週間がんばっていきましょうね。

 

 

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カリフォルニアの飲酒運転、許容範囲!?(1)_1180

法律ノート 第1180回 弁護士 鈴木淳司
Sep 30, 2019

 アメリカ現大統領に対する弾劾調査がはじまるようです。ウクライナ政府に対して、アメリカ国内の来年の大統領選挙における政敵に関して調査をするように圧力をかけていた、ということが理由です。内部告発が発端ですが、告発文書を読むと暗澹たる気持ちになります。来年の大統領選挙にどのように影響するのかが関心事ですが、かりに弾劾調査が進まないと、原大統領の再選が確実になっていくのではないでしょうか。

カリフォルニアの飲酒運転、許容範囲!?(1)_1180


 今回から皆さんからいただいている新しい質問について考えていきたいと思います。

いただいた質問をまとめると「カリフォルニア州の大学に留学している者です。学校内で色々なパーティーにも参加するのですが、田舎にある学校なので、飲酒をしたまま車で運転して帰っていく人たちも目にします。私はほぼ飲酒しないので、運転手として友人を送ったりしているのですが、会話のなかで、カリフォルニア州では血中アルコール値が0.08の濃度以上でなければ運転することは許されている、という話をしている人が複数います。しかし、絶対に飲酒して運転してはいけない、という人もいるので何が法律に違反するのか、わかりません。正確な情報を教えていただけないでしょうか」というものです。

 今回質問をされている学生さんの質問原文を見ると、この学生さんのまっすぐな感じが伝わってきます。とても正義感の強い方なのだと思います。飲酒運転はいけない、ということで学校の友人たちと言い争いになったようです。ぜひ、今回の法律ノートを読み、正しい知識を広めてもらえれば良いと思います。


州ごとの法律は要チェック


 車社会アメリカですから、飲酒運転というのはいつも影として存在するものです。最近ではライドシェアサービスなどが発達して、ずいぶん飲酒運転撲滅に貢献しているとは思います。しかし、いまでもなくなることはありません。飲酒に関する法律は、各州によって定められていますので、アメリカ国内で均一の法律があるわけではありません。

 のちほど考えますが、血中アルコール濃度について、どこの線で法律に反するのか、州によっても違いがあります。

 今回の法律ノートでは、カリフォルニア州の法律をもとに考えていきますが、他州で運転される方は、必ず適用される州法を参照されてください。

 

カリフォルニア車両法23152条


 さて、カリフォルニア州における飲酒運転を司るのは、カリフォルニア車両法(Vehicle Code)23152条です。
まず、この条文をわかりやすく考えていきましょう。

 さて、この23152条ですが、2つのコンポーネントにわかれています。(a)項と(b)項という規定になっています。

 (a)項に関しては、飲酒の影響下で運転をするのは違法である、とだけ規定されています。

 そして、(b)項は、血中アルコール濃度が0.08%(逮捕時から3時間以内に計測されれば良い)以上の状態で運転をするのは違法である、と規定されています。

 この血中アルコール濃度というのは、100ミリリットルの血の中、または210リットルの呼気の中、何グラムアルコールが含まれているのかで計算されます。この計算方法はかなり細かいところまで争われることがありますが、ビール小瓶1本程度でも、0.08%でる人もいますし、体調、睡眠時間、体格などでも、変わってきます。携帯用の呼気検査器具なども売られていますが、日によっても変わるものです。

 

「飲酒の影響を受けた運転」とは?

 この2つの項目を見ると、まず、(b)項ですが、血中アルコール濃度が0.08%以上検出されれば、運転手はいかに交通法規にしたがった運転をしていてもアウトということになります。

 一方で、(a)項は、単に飲酒の影響下での運転は違法としているところが違うのです。一体どういうことでしょうか。

 (a)項は、飲酒で影響を受けた運転をしている場合を規定していますので、飲酒が少々あっても、交通法規に従って運転していれば、場合によっては「飲酒で影響を受けていない」という申し開きが可能ではあります。
ただ、この可能性は画餅であるのが実務ではあります。

 

現状はアウトと考えるべき

 このような構造になっているので、血中アルコール濃度が0.08%入っている状況で運転していれば、運転しているだけでアウトとなりますが、0.08%未満の場合には、「飲酒で影響がある運転」をしている場合にアウトになります。蛇行運転や、交通違反がある場合が最たる理由であろうと思います。ここから次回続けていきたいと思います。

 日が短くなってきていることを体感すると、「秋だなぁ」と感じますね。陽の照りが収まってくると、日中、外でのアクティビティも楽しくなりますね。冬が来る前に、秋を楽しみながらまた一週間がんばっていきましょうね。


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家賃の滞納、直ちに損害金を支払うべき?(2)_1179

法律ノート 第1179回 弁護士 鈴木淳司
September 24, 2019

 ずいぶん、秋の気配を感じるようになりました。今週は風が強くなってきましたが、季節替わりの風なのでしょう。日本の千葉でも停電が続いているそうで、またさらに強風で停電となるなど深刻な事態になっているようです。北カリフォルニアでも、この数年、風が原因となった火事で街が一つ焼けてしまうなどのかなりの被害が出ています。今年はすでに、電力会社が強風時の計画停電をすでに宣言し始めました。今年は自然災害がない平穏な秋になると良いな、と思っています。

 

家賃の滞納、直ちに損害金を支払うべき?(2)_1179

さて、前回から考えてきた「仕事のために、日本から来てカリフォルニア州に住んで1年が過ぎました。ネットの掲示板で見つけた個人の家の離れのようなところに住んでいます。駐車場もあり快適なのですが、大家さんから、家賃支払いが遅れたことから、25ドルを追加で払えと言われています。ちょうど、日本に出張に行っていたときに、支払いが遅れたのを咎められたのです。私も支払いが遅れた責任があるので支払い、事なきを得ましたが、アメリカ人の友人が、そのような支払いの遅滞について、損害金を払う必要はないのではないか、という話がでました。ネットで調べてもどのような権利があるのかわからないので教えて下さい」という質問を今回も続けて考えていきましょう。

  前回は、家賃の支払いの遅れの問題と、支払い小切手が不渡りになってしまう問題は別物であることを考えました。今回質問されているかたの場合は、「家賃の支払いの遅れ」がある場合の25ドルではなく、小切手の不渡りの場合に25ドル払えと言われているのであれば、法律上大家さんは正当な請求をしていることになります。支払小切手の不渡りの問題は前回考えました。

 

住居利用の賃貸借と損害金

今回は、質問にあるように「家賃の支払いが遅滞している場合」に損害金を大家さんはとれるのか、というポイントです。

 かりに、今回質問されている方が締結した契約書に「遅滞の損害金」として25ドルが記載されているのであれば、これは違法な可能性が高いのです。 あまり詳細な法律論はここでは考えませんが、まず、住居利用の賃貸借契約においては、損害額を予定することはカリフォルニアでは許されていません

 損害賠償の額を予定するというのは、一般には許されており、たとえば、債務不履行があった場合には、「○○ドルを損害額として支払う」という約束は許されます。

 しかし、住居利用の賃貸借契約にはこのような額の予定は原則禁止されているので、たとえば今回質問にある25ドルを支払うという損害額の予定は、例外は以下考えますが、基本的に許されないということになります。ですので、損害額が決められているような場合には、「支払わない」ということで紛争にできることになります。  

 

Orozco事件ー賃料遅滞の損害賠償額

2004年にカリフォルニア州最高裁判所では、Orozco事件(Orozco v. Casimiro, 121 Cal.App.4th Supp. 7)というのがあり、賃料遅滞の損害賠償額が契約書で規定されている場合、支払い義務があるのか争われました。

 今回の質問に沿うと、25ドルを払う必要があるのかどうか、州民の税金を使って最高裁判所が判断したわけです。

この判決では、損害額を契約書で事前に決めておくことが許されるのは、
(1)損害額の算定が非常に困難で、
(2)損害額の算定が合理的な基準に基づく場合に限られる

としました。

 

今回の事例に当てはめてみる

この判断をもとに今回の質問を考えてみましょう。

質問にある家賃の支払いは、金銭ですから、何日遅滞したかによって、法定利息(カリフォルニはでは、色々法律がありますが、最大で10%)が決まっているので、それで日割り計算できます。 そうすると(1)については、算定は困難ではありませんよね。

(2)については、一律に契約書で額が決められているのは合理的とは言えないとなります。

なぜなら、どのくらい遅れたのかでも金額は違ってきて、一日遅れたら25ドルというのは、高すぎる可能性があります。

したがって、細かい法律と判例ではありますが、今回質問されている方が参照されている住居用の賃貸借契約書に「家賃支払いが遅れた場合には、25ドル払う」という記載がかりにあるのであれば、これは違法となる可能性があり、この金額は支払う必要はなくなります。

一方で、「家賃支払チェックの不渡りの場合は、25ドル払う」という記載であれば有効です。

 

次回新しくいただいている質問を考えていきましょう。秋の季節を楽しみながらまた一週間がんばっていきましょうね。    

 

 


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家賃の滞納、直ちに損害金を支払うべき?(1)_1178

 

法律ノート 第1178回 弁護士 鈴木淳司
September 17, 2019


 愛知県弁護士会の国際委員会のメンバーから表敬訪問をうけました。メンバーのなかには、以前、私の所属する事務所でインターンした弁護士もいました。遠方から友来るで、楽しい時間を過ごすことができました。若い弁護士も多く、皆頑張っている様子でした。私の所属する事務所は千客万来で、いつも賑わっているように感じます。みなさんも友人知人との時間を大切にしていらっしゃいますか。

 

家賃の滞納、直ちに損害金を支払うべき?(1)_1178


 さて、今回から新しくいただいている質問を考えていきましょう。

 いただいている質問をある程度まとめると、以下のようになります。
「仕事のために、日本から来てカリフォルニア州に住んで1年が過ぎました。ネットの掲示板で見つけた個人の家の離れのようなところに住んでいます。駐車場もあり快適なのですが、大家さんから、家賃支払いが遅れたことから、25ドルを追加で払えと言われています。ちょうど、日本に出張に行っていたときに、支払いが遅れたのを咎められたのです。私も支払いが遅れた責任があるので支払い、事なきを得ましたが、アメリカ人の友人が、そのような支払いの遅滞について、損害金を払う必要はないのではないか、という話がでました。ネットで調べてもどのような権利があるのかわからないので教えて下さい」という質問です。


まずは契約書に立ち戻る


 本来、今回質問されている方のようなケースでは、実際、弁護士は賃貸借契約書を見てみないとなんともいえません。

 具体的な相談を受けるのであれば、まずは契約書を確認する必要があります。ですので、もし今回質問されている方が具体的に弁護士に質問をされたいと考えるのであれば、必ず、賃貸借契約書や、支払いの履歴、大家からの通知など、賃貸借関係で発生している書類は面談のときにお持ちになると手っ取り早いと思います。医師にとってのレントゲンやMRI画像と役割が似ていると思います。

 

「25ドル」-チェックの不渡り


 今回の質問に関しては具体的に契約書を見ているわけではないので、あくまでも一般論を使って考えてみましょう。

 まず、今回の質問にある「25ドル上乗せ」についてですが、賃貸借に絡む法律で思い当たるところがあります。カリフォルニアの法律では、賃借人がチェックで賃料を払うのが一般的ですが、このチェックが不渡り(バウンスバック)になったときには、25ドルのフィーを上乗せ請求できるということになっています。2回目以降は35ドルまで上乗せすることが法律上、可能です。

 この法律はあくまでも、支払いに使ったチェックが不渡りになったという前提ですから、単に家賃の支払いが遅れたから自動的に25ドルを支払うということにはなりません

 もしかしたら、このバウンス・チェックの法律(さらに契約書の条項)を間違って家賃の遅滞だと大家さんが考えているのかもしれません。契約書を読むと、チェックの不渡りについては記載があるはずですので、その条文を確認されると良いと思います。かりに、チェックが不渡りになっていないのにも関わらず、25ドルが上乗せされているのであれば、それは戻してもらえることになります。

 

賃貸借は信頼関係が大切


 ただ、賃貸借関係は継続関係ですので、できるだけ穏便に話をするのが良いと思います。そこまで大きな金額ではありませんからね。

 このチェックの不渡りに関する手数料の上乗せは、実際にチェックが不渡りになると銀行はいくらかお金を取るので、大家さんにも実害が生じてしまいます。ですので、ある意味、正当な上乗せではあります。

 

家賃滞納で直ちに損害請求できるか


 このチェックの不渡りがない場合でも、家賃の支払が遅れれば、損害金というのは、大家さんが請求できるのでしょうか。

 カリフォルニア州では、請求は禁止されていないのは建前ですが、かなり内容が限られているのが実情であります。
 まず、家賃の支払が遅滞することに関して、損害賠償をするには、必ず契約書にその旨書かれていなければなりません。かりに、なんらかの規定がない場合には、大家さんが請求することは原則できないからです。

 ですので、今回質問されている方もまずは契約書に履行遅滞についての損害額の予定などがされていないか確認されてみてください。

 次回詳しく考えますが、大家さんが家賃支払いの遅れによって生じた損害金を取るのは、かなりハードルが高いということを覚えておいてください。


 すこしベイエリアも涼しくなってきました。秋が近づいていますね。フットボールシーズンも本格化してきました。朝晩寒いときもありますので、体調に注意してまた一週間がんばっていきましょうね。

 

 


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アルコールはトランクへ!オープンコンテイナーと交通違反(2)_1177

 

法律ノート 第1177回 弁護士 鈴木淳司
Sep 7, 2019


 アメリカで油性ペンのことを、商品名が浸透して「シャーピー」と一般的に呼びますが、現大統領が気象予報にもなかった台風の進路をシャーピーで書き足したボードを使って、半分冗談で「シャーピーゲート」などと呼ばれています。くだらないニュースでした。笑ってしまったのは、このニュースを逆手にとって、来年行われる大統領選挙に向けた現大統領側のウェブサイトで、大統領のサインがプリントされたシャーピー5本セットを15ドルで売り始めたことです。くだらないニュースからさらに笑いを取る、というのは面白くもあり、辟易するところでもありましょうか。


アルコールはトランクへ!オープンコンテイナーと交通違反(2)


 さて、前回から考えてきた「日本から観光でワイナリー巡り(カリフォルニア)にきました。レンタカーを借りて、ツアー会社の指定する場所からバスでいくつかワイナリー巡りをしました。昼食に買ったワインを少し飲み、残ったワインは購入した他のワインとともに持って帰りました。ツアーを終え、翌日、次の目的地に向かっていたところスピード違反の容疑で車を止められたのですが、そのときに、割れないように車内に置いておいたワインのことを咎められ、スピード違反の他にも交通切符を切られました。実際にどのような法律があり、交通切符は妥当なものなのでしょうか」という質問を続けて考えていきましょう。


カリフォルニア州車両法23222条


 前回、「オープンコンテイナー」というアメリカの考え方、そして、カリフォルニア州車両法23222条を少々考えました。今回続けていきたいと思います。

 この23222条というのは、アルコール飲料の「オープンコンテイナー」が車内にある場合、運転していた者が罰せられるというものです。
 「オープンコンテイナー」というのは、アルコール飲料が開封されている状態だけではなく、中身が減っている場合、および封緘が破損している場合も含みます。いわゆる「飲んだっぽい」状態のアルコール飲料が車内にあると、この法律に反することになります。


オープンコンテイナー違反の場合


 この23222条に反した場合、微罪(Infraction)に問われる程度なので、一般的な交通違反と同様に罰金のみで済みますので、そこまで重大な罪ではありません。

しかし、交通切符を切られて気持ちが良いものではありませんし、この罪に問われるとほぼ自動的に飲酒運転の嫌疑もかけられると思います。


オープンコンテイナーの適用除外


 この23222条には適用の例外があります。

 オープンコンテイナーが車にある場合、たとえばトランクなどの車内からはアクセスし難いところにおいておけば罪にはなりません。

 したがって、アルコール飲料が手持ちにある場合には、どのような場合でもトランクに入れておくのが賢明ということになります。結構アメリカでは車社会なので皆気にするところではあります。

 それから、前回少し考えましたが、商用のバス、リムジン、タクシーなどの乗客がオープンコンテイナーを持っている場合は例外的に罪になりません。ですので、今回質問されている方も、ツアーでバスに乗っているときには、オープンコンテイナーを持っていてもまったく問題になりません。

 一方で、自分で運転しているときは、車内にオープンコンテイナーがあってはまずい、ということになります。


飲酒は21歳以上!マリファナにも適用


 ただし、アメリカでは飲酒が許されるのは21歳以上ですので、21歳未満の乗客がオープンコンテイナーを持っていれば、それは罪になりますし、一般的な23222条の罪よりも重くなる場合があります。

 今回の質問はアルコール飲料ですが、マリファナもカリフォルニアでは合法化されました。そして、マリファナにも同様の罪が適用されます。ですので、かばんなどに気軽にマリファナを入れておくのは賢明ではなく、トランクなど車内とは切り離された空間に仕舞っておかないと、アルコール飲料と同様の法律問題が発生します。


 今回質問された方も、交通切符で終わったようですので、お金で解決できることではあります。アメリカは車社会であること、アルコールに関しては厳しい見方があることなどから、日本とは違う温度で対応しなければいけないかもしれませんね。公共の場所でアルコール飲料を飲むことさえも、アメリカと日本は考え方が違います。せっかくの旅行が台無しになった感はありますが、飲酒運転などで逮捕されるよりも、全然軽微です。

アメリカでは一般的な「オープンコンテイナー」の考え方なので、覚えておかれると良い法律かもしれません。

また、次回新しくいただいている質問を皆さんと一緒に考えていきましょう。

 少し週末から涼しくなってくるようです。サンフランシスコは9月が暑いので、まだ夏は続くのでしょうか。季節替わりがやってきます。風邪も流行ってくる季節ですので、体調に気をつけてまた一週間がんばっていきましょうね。


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