法律ノート 第1485回 弁護士 鈴木淳司
Aug 10, 2025
先週抜歯しました。
まだリカバリー中ですが、一本割れている歯がありました。
この数週間で化膿が悪化したようです。
推測ですが何年も割れていたのかもしれません。
ずっと、肩が一方だけ痛くなったり、片方の首がこわばったりしていたのですが、抜歯をしたら、それらの症状がなくなりました。
割れた原因をグチグチ考えても過去のことですし、修復作業もしてもらえるので、ポジティブに考えています。
しかし、歯の一本だけで、体全体の不調を生み出してきたと思うと、皆さんも定期的に歯は診てもらった方が良いです。
ただ、私の場合は定期検診を受けても、割れ方が通常のX線照射ではわからない状況だったみたいで、腫れるまで放置だったわけです。
それなりに長く生きていると、歯であっても、人間関係であっても、断捨離を決めなければならないときが出てくるものだなぁ、と思いました。
皆さんは歯の健康を保たれていらっしゃいますか?
米_付帯ビザについて_1485
さて、数回前に付帯ビザについて考えました。
主たるビザではなく、配偶者・子として、主たるビザに付帯する形で給付されるビザを付帯ビザと呼びます。
少し前に法律ノートで付帯ビザについては、主たるビザの帰趨に直接的に影響されることを考えました。
今回このトピックについて、長年私の弟分みたいな立ち位置の読者から以下の質問が追加でなされましたので、ここで取り上げたいと思います。
いただいている質問を要約すると、「ニュースを見ていると、【米国の大学に通う外国人学生(20)が、ニューヨークで7月31日にビザ手続きのため母親と共に出頭し、移民税関捜査局(ICE)に逮捕された。現在ルイジアナ州の施設に移送されており、母親らが釈放を求めている。】という話題がありましたが、大学に通うのには、扶養家族ビザではなく、自分の学生ビザを持っていなければならないということなのでしょうか?」というものです。
時事的にとても大事なトピックなので、優先的に取り上げさせていただきたいと思います。
結論から言うと、主たるビザの種類に応じて扶養家族がアメリカ国内で何ができるかが決まります。
通常は扶養家族が学校に行くことは問題ないと思われていますが、かなり細かいルールが決まっていますので、現状の移民に対する政策を考えるとかなり慎重になる必要があります。
今回はこのルールについて、主なビザについて取り上げて考えていきたいと思います。
皆さんは、一律に扶養家族ビザがあるから、学生となれる、と考えるのではなく、自分が支給されたビザに合わせてアドホック的に考えていかなければならないということに注意をしてください。
さて、今回ニュースになっていたのは、どうも宗教関係者ビザ、Rビザの付帯ビザに関わるようです。
宗教関係者向けのR-1ビザ保持者の場合、その配偶者と子にはR-2ビザが発給されます。
R-2ビザ保持者は、教育に関しては、幅広く許可が認められています。
R-2ビザ保持者は、あらゆるレベルでの就学が許可され、小学校、高校、大学などに通うことが一般的に許可されています。
そして、F-1学生ビザに変更することなく、フルタイムで学校に通うことができます。
子が21歳になると、この扶養家族ステータスからいわゆる「年齢超過(age-out)」となり、米国での学業を続けるためには、F-1学生ビザなどの自身のビザを申請する必要があります。
一方で、R-2ビザ保持者に対する制限の一つは、米国で働くことができないことです。
もし就職を希望する場合は、まずビザのステータスを変更する必要があります。
R-2付帯ビザは、R-1ビザ保持者のステータスがそのまま反映されます。
R-2ビザでの滞在期限は、R-1ビザ保持者がR-1を保持している期間、米国に滞在することができ、R-1ビザの有効期限が切れると出国しなければなりません。
ここで、いくつか他のビザについてもご紹介しておきましょう。
F-1学生ビザの付帯ビザF-2については、F-2を持つ子供は、小・中等教育(K-12)の学校にフルタイムで通うことが許可されています。
また、21歳になるまでは、大学にフルタイムで入学することも可能です。
F-2ビザを持つ配偶者は、認可された大学でパートタイムで勉強することができます。
ただし、フルタイムの学生として登録することは許可されていません。
もし配偶者がフルタイムの課程の履修を希望する場合は、F-1学生ビザにステータスを変更する必要があります。
H-1B労働ビザの扶養家族に与えられるH-4付帯ビザについては、配偶者および子にかかわらず、一般的に、あらゆるレベル(K-12、カレッジ、大学)の学校にフルタイムまたはパートタイムで通うことが許可されています。
ビザのステータスを変更することなく、学業を遂行することが可能です。
L-1労働者の扶養家族であるL-2付帯ビザに関しても、配偶者および子はH-4と同様に小学校、高校、高等教育を含むあらゆるレベルの学校にフルタイムまたはパートタイムで通うことができます。
別途、学生ビザを取得する必要はありません。
このように、付帯ビザの種類により就学ができるか違いがでてくることに注意をしてください。
また、一般的に付帯ビザ保持者は、連邦政府の学生援助(FAFSAなど)の対象にはなりません。
政府からの援助を受けるには注意が必要です。
そして、扶養家族のステータスは、主たるビザ保持者のステータスに紐づいています。
主たるビザ保持者のステータスが期限切れになったり、無効になったりした場合、扶養家族のステータスもその時点で終了します。
そして、ほとんどの付帯ビザを持つ子供は、21歳で「年齢超過(age-out)」となります。
21歳を過ぎても米国で学業を続けたい場合は、通常はF-1学生ビザにステータス変更を申請する必要があります。
今回質問のあった事例をみると、かりに親が宗教活動ビザを保持しており、子が20歳であれば、R-2ステータスは保持できていたと考えられます。
この元の記事を読むとビザが失効していたことで、拘束されたとありますが、本人たちはビザがまだ有効で、その有効期間の延長に出頭したとあります。
事件を具体的に見ていないのでなんとも言えませんが、移民局も違法移民の取締に関しては、正確な情報に基づいての執行をしてもらいたいものだと思います。
最近では、移民裁判所だけではなく、移民局に出頭した人たちを拘束する事例が増えています。
どのような注意を払えばよいのか、まったく出頭する人たちには対応ができない状況になっています。
気をつけろ、といっても気をつける術がないわけです。
法律ノートでも、歯がゆいですが、今後も移民に関するニュースは時事に応じて取り上げていきたいと思います。
そろそろ学生も学校に戻る時期になりました。
まだ暑いですが、これから秋に向かってアメリカでは新学期ですね。
夏の開放感から気分を入れ替えて、2025年の後半戦がんばっていきましょうね。
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