法律ノート 第1500回 弁護士 鈴木淳司
Nov 23, 2025
旧知の友人が子供を連れてベイエリアに遊びに来ていたので付き合っていました。
今まで行ったことがなかったのですが、サクラメントにある鉄道博物館にも行きました。
かなり圧倒されました。
億劫がらずに行ってみるものですね。
色々新しいことを習いました。
やはり男の子は、鉄道や自動車が大好きみたいで、彼の行動を見ていると自分の子供の頃の興味について思い返すこともありました。
博物館の方から聞いたのですが、シカゴとサンフランシスコを結ぶ電車の旅はまだあるそうです。
3泊らしいですが、時間ができたらぜひ乗ってみたいものだと思いました。
さて、法律ノートも1500回に到達しました。
一年で単純にいうと52回進むわけですから、自分が弁護士になって30年になっている経験年数とあまり誤差のない進みようです。
今、書くのをやめるつもりはないですが、できるだけマンネリ化しないようにがんばっては来たつもりです。
今では便利になったもので、AIがなんでも聞けば答えを出してくれるので、法律ノートのように、皆さんからの質問にお答えするというパターンもどこかで代替されていくのではないかと思っています。
今回は皆さんからいただいている質問にお答えすることを一回休ませていただき、ちょうど弁護士30年目の節目でもありますので、この30年を簡単に振り返って備忘録代わりにもさせていただこうかとわがままを考えています。
弁護士30年:私を支えた「人」への感謝_1500
法律ノートを書き始めた当初、たしか1995年だったと思いますが、インターネットがちょうど普及しはじめた頃だったと思います。
ただ、いわゆるスマホなどは存在しなかったので、皆電話回線を使い、立ち上がりの遅いコンピュータでウェブや電子メールにアクセスをしていました。
様々なインターネットビジネスが立ち上がり、「便利になる」という期待もありましたが、当時はまだ新聞で情報を得るのが一般的でした。
当時はジャパンタウンにも出版社や新聞社などがいくつもありました。
私が法律ノートを書くきっかけになったのは、今は無き北米毎日新聞の編集長に頼まれたことがありました。
しかし、一方で「連載」などできるのか、という不安もあったように思います。
1500回書いてしまったらもうそのような不安は時効ですけどね。
このように最初は乗り気ではありませんでしたが、自分に火がついたのは、新聞社に届いていたいくつもの質問でした。
読者はどこに法律問題を尋ねて良いのかわからず、自筆の手紙がいくつも届いていました。
当時は、このように困っている方々、とくにお年寄りが多かったので、法律ノートはかなり助けになっていたようで、感謝の手紙もたくさんいただきました。
未だに私の宝として取ってあります。
それから時代は変わっても、私は別に書くのをやめようとも思わず、皆さんに必要がある以上はやっていこうと、習慣化してしまったように思います。
書くことに苦痛を感じたことは一切なく、むしろ楽しく30年やらせていただきました。
これも読者の方々のおかげだと思っています。
先日、80代の日本人女性のご自宅に出張して、法律相談をしてきましたが、その時に、その女性が「鈴木弁護士のお父様の書いた記事を北米毎日で良く読んでいました」とおっしゃっていました。
最初意味がわからなかったのですが、20年、30年も前に法律ノートをお読みだったので、私ではなく、私の父親?が記事を当時書いていたと思われたいたようでした。
そのくらい法律ノートは続いてきたわけです。
この30年、専門家としての私としては、本当に充実した弁護士活動を行わせていただきました。
振り返るとなんだか短いように感じられるほど、駆け抜けてきたように思います。
週末や休みも問わずに事件について考えたりしてきました。
いつか疲れてしまうのか、と思っていた時期もありますが、たくさんの依頼人に恵まれ、事件にも恵まれ、弁護士としてはとても幸せに30年間を過ごせました。
特に、財産になった、いや今でもなっているのは、かなりたくさんの同業者の方々と仲良くさせていただいていることです。
先輩や後輩のような弁護士の人たち、一人ひとりから学べ、時には酒を飲み、法律を超えてお付き合いをいただいています。
最近のインターネットの記事では、物欲の記事が多くてうんざりします。
何にいくら使っただの、高いなにを買っただの。
そういうことで幸せを感じる人が多くなっているのかな、と思うことがあります。
私は断じて言えますが、財産は「人」です。
師であり、友人であり、同業者であり、クライアントであり、一緒に働く仲間であり、弁護士をしてきたうえで、とにかく仕事をしてきたうえで、人が財産になりました。
仕事の内容においても、大小様々な規模の事件にこの30年かかわれました。
クライアントにとっては、仕事の大小はありません。
一生の問題になることもあります。
上場企業のクライアントもたくさんお付き合いさせていただいていますし、個人単位のお付き合いもあります。
今の時代、弁護士もウェブなどで自分の経験をアピールしている人が多いですが、たまにそういった経験アピールをみると、私自身も大抵のことはしてきたと感じてしまいます。
陪審裁判のようなアメリカにおける訴訟の醍醐味も主任としてこなしてきましたし、刑事事件でも、連邦・州を問わず、大規模事件の主任弁護人をしました。
会社関係も、合併、営業譲渡、上場までのお手伝い、などもやりましたし、かなりの分野で、特に訴訟に関しては造形を深くしました。
私は幸運にもクライアントには常時恵まれてきましたので、いちいちウェブサイトで公に向けてアピールをする必要もないのですが、経験してきたことを、大きなものだけ摘んでも、かなりの量になるだろうな、と思っています。
ですので、弁護士としての仕事は、この30年である意味山頂まで登ってきたのかな、と感じています。
弁護士は定年がないですし、今仕事をやめようかと思っているわけではありませんが、これからは少しスローダウンすることも学ばなくてはいけないかな、と去年あたりから考え始めています。
まだ、年齢的には体も自由に動きますし、学ぶ能力はそこまで落ちていないので、常に新しいことに興味をもちながら、楽しい人生にしていきたいと思っています。
ここまで自分の振り返りをしてみましたが、とにかく私は人に支えていただきました。
どんなにネット社会が発達してきたとしても、人がいるから自分がいるということは今後も肝に銘じていきていきたいですし、とにかく、人には感謝の心を常時持って生きていくということを忘れないようにしていきたいと思います。
この30年で、たくさんの人を見てきましたが、色々な意味でダメになっていく人たちは、物事を「当たり前」と考えて「感謝」の心を失ってしまう人たちでした。
自分がいるのは当たり前ではなく、人がいるからだ、という感謝の心を常にもちながら、これからも毎日生活していきたいな、と強く思っています。
次回はまた新しくいただいている質問を考えていきたいと思います。
法律ノートは、まだ「やめよう」とは思っていませんので、どうか皆さんこれからもお付き合いください。
それではまた来週まで一週間がんばっていきましょうね。
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