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jinkencom について Moms(JINKEN.COM)の運営者であり、カリフォルニア州弁護士として活躍中の鈴木淳司弁護士のブログです。「移民法ブログ」では米国の移民分野についてホットな話題を取り上げて月に一度更新、「アメリカ法律ノート」は広くアメリカの法律相談に答える形で、原則毎週更新しています。なお、本ブログの著作権は著者に帰属します。 *たびたび法制度が変わりますので、最新情報をご確認の上、手続きされてください。

H-1Bビザ取得はさらに厳しく

じんけんニュース 10-13-2020 弁護士 鈴木淳司
0ct 13, 2020

H-1Bビザの資格要件の厳格化

 現大統領は、選挙戦に向けて、様々な国民の指示を引きつけるべく、政策を打ち出していますが、移民法改革の目玉であるH-1Bビザの発給厳格化に向けて、新たに大統領令を2020年10月8日に出しました。60日後の、2020年12月7日に発効します。

 H-1Bビザというのは、いわゆる専門職ビザと呼ばれていますが、法律上は 8 CFR 214.2(h)(4)(ii)という移民法に関する連邦法に規定されているビザです。

 今回、この法律の文言を変更することはしないで、運用を変えることにより、発給を厳格化しようというのが現政権の狙いです。法律を変えるには議会の決議を経なければなりませんが、運用だけを変えるためには、行政内部での対応で済むからです。

H-1Bビザは専門職に適用

さて、具体的にどのような厳格化が想定されるのか、以下考えていきたいと思います。

 まず、上記の条文に「Specialty Occupation」という言葉があります。専門的職業ということですが、この文言は今までどちらかというと広く考えられてきました。

 H-1Bビザは、大学または大学院で専門的な勉強をした外国人が、その専門性を利用してアメリカの企業に就職するというパターンが考えられていたのです。

ですので、今まではたとえばビジネスの学位を持っている外国人であれば、その学んだ専門性を生かして、様々なポジションに就職することが可能ではあったのです。移民局の審査においても、一定程度の用意されているポジションと、学位が関連していれば許可を出していました。

専門職の判定をより厳しく 

ここに現政権は目をつけました。
今回の大統領令では、この関連性を「直接の関連性(direct relationship)」に限るとしました。ですので、学位が、そのままポジションに使えないといけないということです。

そうすると、一般的な「ビジネス」、「リベラルアーツ」とか「エンジニアリング」といった学位だけでは、足りずに就職先のポジションにピンポイントにあう専門性の説明や、勉強をしていることが必要になります。

また、ポジションが幅広く設定されている場合には、専門性がどのようにポジションと直接関連するのか、説明する必要がでてきました。一番説明が簡単なのは、医学から医師、法学から法曹、会計学から会計、といった分野かもしれません。その他の、資格を必要としない分野においてはかなり移民局の対応は厳しくなると言えます。

また、直接関連性を示すために、必ず各申請において、
(1)その職業一般に必要な能力の要件
(2)企業の属する分野における一般的な就業要件
(3)就職先において必要な就業要件

を示さなければならず、専門性があることが前提になります。
かなりハードルを高くして専門性を絞っていることがわかります。

就業地にも制限

次に、就業地についても厳格な制限が課されるようになりました。

主に、インド人を対象にした業者がいて、アメリカにH-1Bビザで技術者を連れてきて、いわゆる派遣をしているようなケースがあり、移民法違反で捕まっている事例もありました。そこで、この就業地についても、今回厳格に解して、実際に働くところでの取得を要件としました。H-1Bの潜脱を防ごうということなのですね。

雇用主=ビザ申請者

第三点目ですが、雇用主(Employer)というのを厳格に解することにしました。
すなわち、派遣してどこかにH-1Bビザを保持する外国人を送ってしまうというのは基本的に許されず、必ずビザ申請者が雇用者となり、ビザ保持者は被用者となる関係が必要であるということになりました。潜脱して、他の雇用主のもと実際は働いているなどというケースをなくすことが目的です。

立入検査も

それから、もうひとつの重要な点は、移民局による立ち入り調査の権限が拡大されました。
H-1Bビザ保持者を雇っている会社は、移民局による立入検査の対象になるということです。

アメリカ人雇用を守るため?

今回の大統領令による運用の変更は上記のとおりですが、見ての通り、H−1Bビザを利用した雇用の要件等がかなり厳しく運用されることになりました。この背景には、多くの外国人労働者が入ってきて、アメリカ人の雇用を奪っているのである、という現大統領の主張、現政権の移民に対する厳しい政策的な方向性があります。

 特に、インド人のコンピュータ関連のH-1B申請で、詐欺まがいの行為が横行している背景も影響しているのだと思います。多くのH-1Bビザはインド国籍者に出されているという事実もあります。

法律自体の変更はなく、運用のみの変更ではありますが、今後は、大学や大学院で学ぶ外国人学生も、将来アメリカ国内で就職したいと考えている場合には、はやいうちから、その就職を射程に入れて、どのようなクラスやどのような学位をとるのか、考える必要性があると思います。

 なんだか、アメリカにおける外国人の就職離れが加速しそうではあります。
 ただ、一方で、やはりH-1Bビザの潜脱事例も見られていて、政府としても厳格化するというのは当たり前であるという考えもあると思います。

 現大統領の再選がどうなるのかで、また今後4年間の移民法もかなり影響を受けることになります。今後の推移は見守っていかなければならないですね。

 また、次回新しいトピックを考えていきましょうね。


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ICE072420

米学生ビザ-滞在期限付きの方向へ

じんけんニュース 9-25-2020 弁護士 鈴木淳司
Sep 25, 2020

学生ビザ-滞在期限付きの方向へ

 アメリカ大統領選挙が近くなってきています。現大統領は再選を目指し、有権者に向けて様々なアピールをしています。アメリカの大統領は、大統領令を用い、行政に関する広範な裁量があるので、薬価についても最近新たに大統領令を出したりしていますね。

 選挙前に、もう一つの目玉である移民についても、新たな大統領令を出す動きがあります。以前にこのブログ(じんけんニュース)でも取り上げましたが、すでに大統領令で、Hビザ、Lビザなどの発給について「アメリカ人の雇用を奪う」という理由で、2020年末まで新規発給を取りやめました。もちろん延長も視野に入れていますし、再選されれば、さらに厳しい制限を課してくることになりそうです。

 今回取り上げるのは、学生ビザ(FおよびJビザ)、そして、取材ビザ(Iビザ)についての、現政権の動きです。おそらく、今回の選挙前に新たな大統領令を出し、移民の制限をはじめる可能性があるのでトピックとして取り上げておきます。まだ、大統領令がでている訳ではありませんが、急ピッチで意見公募をしているので、さらなるビザ発給制限は時間の問題だと思われます。

D/S すなわちDuration of Status

 さて、今回現政権が改正を狙っているのが、いわゆるD/Sと言われる制度です。

 これは、Duration of Statusという英語の略です。どういう意味かというと、学生であれば学生を続けている間は、アメリカ国内に合法的に滞在できるとする制度です。

 1978年から利用されています。アメリカ国内に滞在し続ける限り、学生を続ければ合法であるということです。このD/Sというのは、F, J, Iビザ保持者に適用され、米国にビザスタンプの期限内に入国していれば、ビザの目的にかなった活動をしている限り合法的にアメリカに滞在できるということになるのです。

 今回現政権は、このD/S制度が、外国人がアメリカに入国して、実際に何をやっているのか把握しにくい、ということをメインの理由にして、滞在資格に期限を設けようとしています。すなわち、D/Sという制度を撤廃して、F,J,Iビザでアメリカに入国する場合には、滞在期間の期限を設けるということを提案しています。

I-20を継続すれば滞在延長が自在?

たとえば、学生ビザでアメリカに入国する場合、一旦学校からの入学許可(I-20)をもらえば、学生を続けている場合、そして、他校に移る場合などには、I-20が連続している限りアメリカに合法的に滞在することができるわけです。

 しかし、今回の改正によりアメリカに合法的に滞在できる期間が限られ、米国内に継続的にとどまりたい場合には、再度米国内で滞在許可を得なければならなくなるのです。期限を区切って、ちゃんと目的にかなった滞在をしているのか、移民局がチェックをかけようということなのです。

 そして、ここではすべて取り上げませんが、学校を変更する場合、専攻を変更する場合、など、細部にわたって移民局がチェックできるように設定する案が現政権から出ています。

学業以外の目的での滞在

 実際問題として、学生ビザでアメリカに入国し、不法に就労したり、目的を遂行していないという例は多数存在します。そして、D/Sという制度がこれらの問題に寄与していると考えているようです。

 したがって、ある意味今回の改正案は、外国人の不法就労を防ぐという理由はあります。

 一方で、お金を払って勉学をする外国人にとって、勉強をするうえで、移民法上の制約が厳しく課されていくと考えられます。

一長一短ではありますが、とにかく、現政権はD/Sという制度撤廃に目をつけています。また、現政権からでの提案では中国のスパイがアメリカの大学で違法な活動をして逮捕されている例なども挙げているので、ある意味、対中国の意味合いも大きい改正案ということになりそうです。

滞在期限と延長申請

 現段階で提案されているビザの有効な滞在期限として、大学では、2または4年、語学学校は2年、取材ビザ等については、240日を最大の滞在期限とし、その後は延長申請をアメリカ国内で行うということになっています。

 現政権の提案メモを読むと、かなりD/Sに対して猜疑的なトーンであるので、できるだけ滞在期限を短くして、必ず延長申請を噛ませることで踏み絵としようとしているのだと思います。

学校側の負担も課題

おそらく、学生の勉学そのものにはダイレクトに影響はしませんが、行政関係の対応が今後複雑になってくると思います。学校もその対応がかなり大変になると思われます。外国人の管理がより厳しくなるという方向で現政権は向かっています。

また、次回新しいトピックを考えていきましょう。


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引越手配まで終えていたのに契約破棄。訴える術は?(1)_1126

法律ノート 第1226回 弁護士 鈴木淳司
Aug 17, 2020

 暑い夏ですね。温暖化など起きていないという米国大統領はクーラーを使わないでも大丈夫なのでしょうか。先日、私の事務所で勤務していて日本に戻った弁護士とその奥さんから、やっと念願の男の子が産まれたというニュースをもらいました。不妊治療などもして、不安だったと思いますが、とても元気そうな子でした。私もとても嬉しかったです。最近は、コロナの影響で毎日何人「死亡」した、というニュースばかりで、心もなんだか「死」と「病気」のことにシフトしてしまっていたように思います。でも、新しい命も誕生しているのですね。困難な時期に産まれて、きっと強い子になるでしょうし、我々も、新しい命からここの持ちようを習っていきたいところです。

引越手配まで終えていたのに契約破棄。訴える術は?(1)_1126

 さて、今回から新しくいただいている質問を考えていきましょう。


 いただいている質問は(コロナ以前の質問ですが)、まとめると「日本から現地法人(米国カリフォルニア州)赴任してきている者です。家族も帯同しています。前任者から引き継いだアパートメントに住んでいたのですが、新たに新しい物件を見つけ、勤務先の許可も得られたので引っ越す予定でした。すでに、新居の入っているマネージメントとも家賃等話しがついて、引越し日まで決定していました。それにあわせて従来のアパートには、引っ越す旨を話して了承を得ていました。ところが、手付を支払い、契約書にサインをするという段階になり、「他に貸す人が決まったので、話はなかったことにしてくれ」といったニュアンスのメールを受け取り、直接話しても埒が明かない状況でした。今まで住んでいたアパートには話を伝え、なんとか継続して住むことができましたが、また一年間の契約がなければいけないということで泣く泣くサインをしました。このような場合、なにか契約に違反したということで、新居になるはずだったマネージメントを訴えることができないでしょうか。引っ越しの用意や、色々な手続きを初めてしまって、大損害が発生してしまっています。」というものです。

約束違反と法律違反

 コロナになってから、だいぶ都市部の賃貸住宅事情が緩和されてきたという話は聞きますが、それでもベイエリアは家賃も高く、一体このまま不動産経済が維持されるのか、疑問でもあります。

 一時期は、賃貸物件でも複数の競争が日常茶飯事で、今回相談されている方もそのような状況で災難に遭われたようですね。 「一度貸すといったのので、その約束に乗ったのに反故にされた」という感じでしょうか。約束を反故にするのは、理由如何を問わずに良くないことです。しかし、いくら腹を立てたところで、たとえば、待ち合わせ時間を厳守しない人に対して訴えるぞ、といっても法律沙汰にはなりませんよね。

 したがって、どのようなところで、法律が介入する程度の「約束の反故」になるのか、考えていきたいと思います。

借主貸主 テナントとランドロード

 さて、家を借りるには、難しい法律用語でいうと「賃貸借契約」という契約を締結することで法律的に借主(テナント Tenant)になることをいいます。
貸主は日本では「大家」とも言いますが、アメリカではランドロード(Landlord)と言います。
法律上は、貸主と借主という用語が使われます。

 この賃貸借契約ですが、通常は賃貸借契約書というものが貸主と借主の間で締結されて、どのような内容かが記載されることになります。

 ただ、もともと契約というのは、口約束でも立派な契約になります。
ですので、スーパーで野菜を買うのも立派な売買契約になります。

 一方で、スーパーで、「この契約書に署名してください」とは言われませんよね。署名するとしても、クレジットカードの利用のためだけです。賃貸借契約も基本的には口約束でも成立します。

カリフォルニア州では書面で契約

 しかし、カリフォルニア州では、一年間以上の賃貸借を対象とする場合には、書面でなければならないということが決められています。

 また、今回質問にもある不動産を扱う業者などは、一年間以内の賃貸借でもトラブルを防ぐために原則として書面での契約を行うのが実情です。

 今回すでに質問者と新しい物件のマネージメントは賃貸借に向けてかなり詳しい話し合いをしていた段階にあります。家賃とか、賃貸借の期間とか、いつ引っ越すか、などですね。

 一方で、契約書というのは、まだサインしていない段階にあるようです。このような場合、なにか法的に言っていけるのか、というのがポイントになってきますので、次回続けて考えていきましょう。

 今週はどこも暑さが半端ないですが、体調に気をつけてまた一週間がんばっていきましょうね。暑さでコロナが弱ってくないかなと祈っていますが。


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Washington DC Capitol

口論からドメスティック・バイオレンスで逮捕。行方は?(2)_1225

法律ノート 第1225回 弁護士 鈴木淳司
Aug 10, 2020

 今週せっかくサンフランシスコでプロゴルフの大会が行われているのですが、無観客です。観に行きたかったのですが、がっかりです。なかなか一流のプロを間近で見られるチャンスはないですからね。しょうがないのでテレビで観ていますが、やはり生での体験と画面を通しての体験には差があるものですね。プロにしても、やはり観客がいたほうが、心持ちが違うのではないかとも思いました。プロスポーツ一般、今年は活気がなくて残念でなりません。

口論からドメスティック・バイオレンスで逮捕。行方は?(2)_1225

 さて、前回考えた「日本にいる者(男性)です。数年前(大学生のとき)につきあっていた彼女がいたのですが、彼女がアメリカに留学するということで、数年ほど前に別れました。しかし、それからもコンタクトはとっており、最近(コロナ禍前)、アメリカで会おうということになり、私もはじめての海外旅行でしたが、彼女に会いにいきました。しかし、口論になり、最後には警察が来て、彼女も悪いと思ったのですが、私が逮捕されました。その後、釈放され日本に戻りましたが、裁判になるかもしれないと言われて不安です。一緒に住んでもいないのに、ドメスティック・バイオレンスになるのでしょうか」という質問を続けて考えていきましょう。

過去の交際相手も対象に

 前回考えたのは、もともと付き合っていた相手方であっても、カリフォルニア州刑法ではドメスティック・バイオレンスが成立することと、物理的な暴力がなくても、同罪は成立するということでした。
 今回質問されている方は十分にカリフォルニア州刑法の文面上、ドメスティック・バイオレンスに該当する事例だと思います。
 もちろん、実際には成立しない可能性も十分にはあるとは思いますが。

wobbler?重罪か軽罪か微罪か

 さて、今回の事例で将来裁判になるようなことを警察から言われたそうですが、加えて、「これは重罪(Felony)だ」とも言われたそうです。

 ドメスティック・バイオレンスに関しては、他の罪にもよく見られますが、カリフォルニア州の法律造語で、ウォブラー(wobbler)と呼ばれるジャンルの罪です。カリフォルニア州やほとんどの米国刑事法では、大きくわけて、重罪(Felony、禁錮一年以上の法定刑)、軽罪(Misdemeanor、禁錮一年以下の法定刑)、微罪(Infraction、基本的に罰金のみ)の3つのカテゴリーが使われます。そして、このウォブラーというのは、検察の裁量で、重罪にも軽罪にもできる罪を言います。

 ですので、今回の質問事例にしても、実際に起訴されるかどうか、がそもそもわかりませんが、起訴されるとすると、軽罪として起訴される場合と重罪で起訴される場合があるのです。

 このように事実関係を見て、暴行等の程度が重大な場合には重罪で起訴される場合もありますが、ほとんどの軽微な事例は軽罪で起訴されると思います。後遺症の残るような暴力があった場合には、重罪となる傾向があります。

警察と検察は別

 今回質問されている方は警察から重罪で起訴されるぞ、と言われたらしいですが、そもそも警察は起訴する権限を持っていません。捜査をして、その内容を検察に送るだけなのです。ですので、警察に言われたことは気にしないで良いです。

 私がいただいた事実関係を見る限りは、ほぼ重罪にはなりませんし、そもそも起訴されるかも怪しい事例です。逮捕されたからといって、即起訴されるわけではありません。また、ドメスティック・バイオレンスの罪については、暴行等がエスカレートすることを防ぐために接近禁止命令などが用意されていますが、広く逮捕をするのは、「これ以上事態を悪化させない」ためだということも覚えて置いたほうが良いと思います。悪いから逮捕する、というよりは、冷却させるための措置という意味合いが強いことは理解しておいてください。

起訴後は召喚状による呼び出し

 かりに起訴が決まると、呼び出し状が送られてきます。しかし、海外にいると往々にして郵便事情や、住所の打ち間違いなどで、受け取れない場合が出てきます。呼び出しがあったかもわからない場合もあるでしょう。

 いきなり、日本にいて逮捕されるということはないとは思いますが、再度アメリカに渡航することを考えられているのであれば、事前に裁判所の召喚状があるか、ないかだけは確認しておいたほうが良いと思います。かりに、召喚状が出ていると、アメリカに入国しようとする際に、逮捕される可能性もあります。

 次回また新しくいただいている質問を考えていきたいと思います。

 今、アメリカは学校を秋学期どのようにするかで政府も地域でもかなり論議になっていますね。そもそも、マスクをするかしないかが、政治利用されている現状なので、もう少しコロナに関しての基本的な作法を共通認識としてもつべきだとは思うのですが。それではまた次回まで健康に気をつけながらがんばっていきましょう。


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口論からドメスティック・バイオレンスで逮捕。行方は?(1)_1224

法律ノート 第1224回 弁護士 鈴木淳司
Aug 03, 2020

 暑くなったらウイルスの活動が縮小するというのは間違いでしたね。一向に収束に向かっておらず、カリフォルニア州ではどんどん罹患者数があがっている状況にあります。経済だけではなく、学校も秋からどうなることやらで、先が見通せないことが精神的にも人々に影響しています。現在ではやはりワクチンを待つしかないのでしょうか。皆さんは心身ともに健康に暮らされていますか。

口論からドメスティック・バイオレンスで逮捕。行方は?(1)_1224

 さて、今回から新しく頂いている読者からの質問を皆さんと一緒にまた考えていきたいと思います。

 いただいている質問をまとめると「日本にいる者(男性)です。数年前(大学生のとき)につきあっていた彼女がいたのですが、彼女がアメリカに留学するということで、数年ほど前に別れました。しかし、それからもコンタクトはとっており、最近(コロナ禍前)、アメリカで会おうということになり、私もはじめての海外旅行でしたが、彼女に会いにいきました。しかし、口論になり、最後には警察が来て、彼女も悪いと思ったのですが、私が逮捕されました。その後、釈放され日本に戻りましたが、裁判になるかもしれないと言われて不安です。一緒に住んでもいないのに、ドメスティック・バイオレンスになるのでしょうか」という質問です。

同居でなくてもドメスティック・バイオレンス(DV)?

 どうも、この質問されている方は、前の彼女とよりを戻したかったのでしょう、アメリカまで会いにきてとんだトラブルに巻き込まれたということだと思います。今回の質問者はたしかに、彼女と同居しているわけでもなく、現在付き合っているわけでもなさそうです。それなのにドメスティック・バイオレンス(以下「DV」とします)になってしまうのでしょうか。

「被害者」の定義は広いーカリフォルニア州の場合

 今回の事件は南カリフォルニアで起きている様子なので、カリフォルニア州法に基づいて考えていきましょう。

 まず、一般的にカリフォルニア州で、DV刑事事件の「被害者」というのは、かなり広汎に規定されています。
 条文には「Intimate Partner」という書き方になっていますが、わざと漠然とした規定にしています。日本語でいうと、「親しい間柄」といった意味合いになります。

 そして、親しい関係には、
(1)配偶者
(2)ドメスティックパートナー(同性結婚)
(3)フィアンセ
(3)恋愛関係にある同居者
(4)自分の子の親
(5)真摯に恋愛関係にある者
という広汎な関係
が含まれます。
そして、この関係は現存するだけではなく、過去の関係にも遡って適用されます。

「真摯に恋愛関係にある者」に該当する可能性

 そうすると今回質問されている方も、現在このアメリカ在住の女性と付き合っているわけではありませんし、恋愛関係にもなさそうです。
 しかし、過去に付き合っていたことから、上述した(5)の関係は存在しています。そして、女性側が警察に「元カレ」ということを言えば、十分にDVの法律が適用される下地はあるということになってしまいます。

 「今、全然付き合ってないし、関係がないよ」といっても、それは法律的な抗弁にはならないわけです。

 ですので、気をつけなければいけないのは、現在の恋愛関係だけではなく、過去の関係についても十分にDVとなり得てしまうということです。少なくともカリフォルニア州においてはかなり広く解釈されているということを覚えておいてください。

「バイオレンス」とは

 次に、質問には細かい事実関係は書かれていませんでしたが、「バイオレンス」というのは、単に物理的に暴力を振るうだけではありません。

 もちろん、恋愛関係や婚姻関係であれば、喧嘩などは起きるわけですが、物理的な暴力だけではなく、相手を畏怖させるような言動も含み、広汎な内容が「バイオレスンス」とされてしまいます。

 喧嘩は両成敗であるというのは、ユニバーサルな考え方ですので、お互いに攻撃しあっている場合には、DVの事件とはなりにくいですが、内容の吟味は現場の警察官の判断になると思います。そして、その判断でかなり広く「バイオレンス」と認めるべきであるというトレーニングがされています。

 そして、暴力的な言動だけではなく、不作為も場合によっては「バイオレスンス」とされてしまいます。

 たとえば、介護などが必要なのにそれを「しない」という場合です。積極的な行為だけではなく、なにかを「しない」不作為もバイオレスンスになるということも覚えておくと良いポイントだと思います。

 次回DV事件になる場合、そしてDVと認定された場合にはどのような刑が現在考えられるのか続けて考えていきましょう。コロナ禍でストレスが溜まり、DV事件も増えているようです。

 心身ともに健康で皆さんがお過ごしになっていることを心から願っております。また、来週まで一週間がんばっていきましょうね。


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ICE072420

アメリカ学生ビザ さらなるアップデート

じんけんニュース 弁護士 鈴木淳司 07-30-2020
July 30, 2020

アメリカ学生ビザ さらなるアップデート

 最近、日本人留学生にも影響する学生ビザ(Fビザなど)のコロナ禍における対応について、記事にしていますが(Fビザ Mビザ 米学生ビザの発行規制【アップデートあり】 )、現政権の方針がコロコロ変わります。

また、2020年7月24日に、同年3月に出された一時的なオンライン授業に関する規則を再度適用するということを発表しました。

 この記事を書いている時点での情報ですので、今後も変化があればまた取り上げたいところですが、その点ご了承ください。

 さて、今年3月に出された命令によると、3月9日時点で、Fビザの学生として活動している場合には、オンライン授業で、面前授業の代替にしても良いことになりました。この命令を今回は受け継ぎ、3月9日以降、アメリカ国内、または自国に戻るなりしてオンライン授業を受けていた外国人学生は、今年の秋学期からも継続して就業していると見なされ、アメリカに再入国したり、勉強を継続することができます

 また、すでに学生ビザを持っているのであれば、その学生ビザは有効であって、そのままアメリカ再入国に使用できることが明らからになりました。

問題はこれからビザ取得・留学の外国人

 そして、唯一影響するのが、今年3月9日以降、ビザを取得してアメリカに渡航を考えている外国人留学生です。全員ではありません。

 就学先が3月9日以降全面的にオンライン授業で行う学校への留学に対してはビザの発給を停止するということなので、留学を考えられている方々は、学校がSEVISの登録上、面前等で授業をすくなくともいくつかは行っているということを確認しなければなりません。

 学生ビザの発給には、有効なI-20を添えて各国のアメリカ大使館・領事館で申請を行わなければなりません。しかし、コロナ禍で、ビザ発給業務も停止しているところも多いと思います。ただ、どこまで楽観的なのかわかりませんが、ビザ発給業務は徐々に再開しているということですので、各国の大使館・領事館の情報を逐一チェックする必要はありそうです。

 大統領選挙が近くなってきているので、また外国人に影響する行政命令等が出てくるかもしれませんので注視が必要なトピックです。


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Fビザ Mビザ 米学生ビザの発行規制【アップデートあり】

じんけんニュース 07-13-2020 弁護士 鈴木淳司

現米国行政府による学生ビザに関する新規則

【アップデート】 07-13-2020 に関する学生ビザの規則

 読者の皆様、昨日移民法ブログにて、学生ビザとオンライン授業に関する現政権の規制について考えました。そして、訴訟も起こっているということでした。本日2020年7月14日付けで、現政権は、学生ビザに関する規制の施行を撤回しました。ですので、秋学期もアメリカにいながらオンライン授業でも良いことに現状ではなっています。

 しかし、今後また現政権がどのような対応を外国人学生に対して行うのか不明ですので、移民法ブログでは注視していきたいと思います。

____________

規制の概要

 現米国政権は、2020年7月6日に学生ビザ(Fビザ、Mビザ)に関する新規ルールを発表しました。現段階ではまだ仮決定ということですが、2020年秋学期から新ルールが適用されることになりました。

 以下説明するこの新ルールは、コロナ禍のなか、一刻もはやくビジネスを正常化させ、学校も正常化させたい現政権が、学校に対して「コロナであろうと学校を元通りにしろ」というものです。一方では、アメリカにおいてマスクを付けるのつけないだのが議論になる程度の状態で、コロナの件数は激増しています。現政権は「テストを多く行っているから」数が多いのだ、ということを言っていますが、実際の罹患者が増えているのは間違いないと思います。7月に入って現政権は色々な方法で、秋からの学校正常化を訴えかけています。「子どもたちが教育の機会を奪われる」ということはもっともですが、コロナが爆発的に増えている現状では、子どもたちやその家族の命が奪われるのではないかと思います。まずは、コロナのコントロールをしっかりしなければならないはずのリーダーがマスクを拒んでいますね。

 さて、このように現政権は一刻もはやく学校を正常化したいのですが、その一環として、外国人学生にしわ寄せがあるルールをつくりました。

学生ビザ維持に必要な出席とSEVIS登録

色々なところで、今回の規則がすでに紹介されていると思いますが、ここで簡単にまとめておきましょう。

 まず2020年の春学期と夏学期は外国人学生であっても、オンライン授業のみで良いということで、ほとんどの学校はオンラインで授業を行います。
 外国人学生とその学生が通う学校は、SEVISという政府の学生管理システムに登録しなければなりません。そして、外国人学生は学生である間は出席を求められます。春学期と夏学期はオンライン授業でも「出席」ということに一時的なルールで決められました。これを今回現政権は変えたのです。

 どういうことかというと、原則学生ビザを維持するためには、一クラス(3単位)のみオンライン授業は可として残りの単位は直接の授業でなければいけないことにしました。そして、オンライン授業のみの学校、SEVISの許可を得ずに3単位を超えるオンライン授業を行う学校については、学生ビザを発給できないこととしました。

学生ビザを維持できない

 ですので、自国に戻らなくてはならなくなるので、他に実際に出席する学校に行かなければならなくなりました。学校にもよるでしょうが、8月中旬下旬から授業がはじまります。それまでにコロナが解決するとは到底思えません。また、外国人学生だけではなく、ほかのアメリカ人学生や教員なども直接の出席だとコロナに罹患するリスクが高まりますよね。

大学側も大打撃

 各学校も、新たにI-20を外国人学生全員に再発行しなければならず、3単位を超えてオンライン授業をする場合には、SEVISから7月15日までに許可をもらわなければならないので、対応が大変だと思います。大学によっては、今回の新規則に関して現政権を訴えるなどしていますね。

 アメリカの大学の多くは収入源を外国人学生に求めています。「外国人料金」を設定して、私立大学によっては実に年間10万ドルほど要求するところもあるわけです。
 そうすると、大学側としてはどうしても外国人学生が必要ですし、長期的な見方をすると、卒業生が宣伝して世界に学校のことを広め相乗効果も生まれるので、外国人学生は重要なのです。だから、大学としても、外国人学生はほしいが、コロナ禍におけるライブの授業も危険だということから訴訟に踏み切っているわけです。

今後の動向に注意を

 
 最近、タカ派のジョン・ボルトンが書いた現政権に関する本を読みましたが、現大統領は再選のための人気取りを中心に政策を決めていることが多いということですが、まさに、票につながらない外国人をターゲットにしつつ、学校をはやく再開させたいという思いを新ルールに込めているのではないでしょうか。

 優秀な外国人学生を今まで集められたアメリカですが、今後は様相が変わってくるかもしれませんね。どのような歪がでてくるのかわかりませんが、今後アメリカ国内の問題だけではなく、世界の中のアメリカの立場が気になるところです。9月頃になったら、大学等人が集まるところを中心にコロナがさらに激増するのではないかと思います。


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成功について_1220

法律ノート 第1220回 弁護士 鈴木淳司
July 6, 2020

成功について

 みなさんの独立記念日はいかがだったでしょうか。アメリカにいてここまで静寂な独立記念日を過ごしたのははじめてかもしれません。残念ながら、コロナの影響はどんどん増している状況です。気候が暖かくなるとウイルスの活動が収まるという話はいったいどうなったのやら。私も事務所を再開するぞ、と気合をいれていたのですが、サンフランシスコ市も肩透かしにあったようなもので、じっとしています。色々いただいている質問にお答えする必要があるのですが、前回に引き続きこのところのアメリカの情勢を踏まえて、私が考えていることを書かせていただきたいと思います。質問をいただいている方たちには申し訳ありませんが、待っていてください。

 コロナの影響もあるのでしょうが、現在アメリカでは人種差別を撤廃せよ、という運動がかなり広がっています。差別というのは、人の心に存在するものです。人の心は教育なり環境で作られてくると思います。現大統領の発言をみるとよくわかるのですが、自分の心のなかに落ち着きどころがない人は、自己とは違う考えに偏狭であり、また、自分と他人の立ち位置の上下を気にします。アメリカでは色々な人種がいるのでこのような運動が起きるという論調のメディアも外国には多いですが、果たしてそうなのでしょうか。

 私は昔から三木清の人生論ノートを読みながら、自分の人生を考えることがあります。現代社会に合っていないところはありますが、色々なヒントをもらえる本です。その本のなかに「近代の成功主義者は型として明瞭であるが個性ではない」という一節があります。「成功のモラルはオプティミズムに支えられている」ともあります。なるほど、現大統領のコロナに対する発言などはオプティミズムそのままですが、以前にビジネスで成功していた人だから政治的にも凄いという話にはならないように思います。

 弁護士を長年やっていてよかったな、と思うのは色々な価値観に出会えてきたことです。会社や個人の価値観というのは、実に様々です。他人様の金銭的な話を超えて様々な話を聞けるというのは、なかなか一般的なことではないわけです。いくらお金を持っていても不幸な人もいますし、お金がなくてもハッピーな人がいます。

 「私の資産価値は○○ドルである」という人がいますが、それはすごい額なのかもしれませんが、実際にその人が幸せなのか、ということとは無関係であるということも弁護士をやっていて習いました。成功している、というのはいつも他人と比較しているのですね。そうすると実際は気が休まらないでしょう。自分の価値を社会においていつも、「あの人よりは上か下か」とかいう感じになってしまうのでしょう。そういう成功に執着している人たちは、「おれは幸せなんだ」ということを言われますが、細かいところでは他人と比べたりするものなのです。

 アメリカは、成功主義に浸された土壌が出来ているので、どのようなことでも、他人様と比べどうこう、ということが蔓延していると思います。人種問題に敏感になるのもそういった歪が原因になっていると思うのです。成功に対して、幸福というのは人それぞれ自分の心に宿り絶対的なものだと思います。人と比べようがなく、自分が満ち足りている感覚を持っていれば幸福なわけです。人は幸福であれば文句は無いでしょう。差別ももちろん問題ですが、どのような人でも、一人ひとり幸福を感じられる社会をつくるという方向にアメリカはなってほしいな、と思うのです。アメリカでも日本でも、憲法にサクセス(Success)という言葉はないですよね。一方で、幸福(Happiness)という言葉は、日本の憲法13条にも規定されています。人間として追求するべきは幸福であることが、法律にも書かれているわけですね。金銭的量的なな成功は幸福と同意義ではないのでしょう。

 幸福というのは、人が一人ひとり自分で感じるものですね。絶対的なものです。自分が幸福を感じていれば、人も幸福にできると思うのです。アメリカでも歪な成功主義にとらわれず一人ひとりが幸福であり、どっしりとした基礎があれば差別問題などはなくなっていくとおもうのですが。他人と比べてうんぬんという話は疲れる話です。

 アメリカ現大統領も、「俺がやっている政策でこれだけ数量的な成果を得たんだ」という成功主義者的な根のない考え方が染み付いているのでしょうが、真に国民の幸福とはなんぞや、ということを考えないと、この国の様々な分断を統一していけないでしょうね。そういえば、アメリカにいて、最近他人から「アーユーハッピー」という問いかけを聞くことが少なくなった気がします。私は常時ハッピーですけどね。人間なんて小さなものです。まず自分を幸福にできない人が他人になにか言うことってできないように思うのですが。成功の押し売りをしても、コロナは収束しませんし、人種差別問題も解消の方向に向かわないように思います。

 次回は、皆さんから頂いている質問を考えていきますね。もう一年が折り返し地点ですね。気を引き締めてまた一週間がんばっていきましょう。

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大変なときの寛容さ〜コロナ禍で想うこと_1219

法律ノート 第1219回 弁護士 鈴木淳司
June 28, 2020

大変なときに寛容であること_1219

 今回は一回質問にお答えするのを休ませていただき、仕事を通じて感じたことを考えさせてください。「寛容」という言葉を辞書で調べると「心が寛大で、よく人を受けいれること。過失をとがめだてせず、人を許すこと。」と書いてありますが、寛大というのがもうワンクッション説明が必要だと思いますが、考え方が広いということでしょう。

 このコロナでの自粛期間に今ならではの、様々な相談を受けています。個々の相談でも法律ノートにも質問が来ています。かなり具体的な質問もありました。
 なかでも多かったのが、「子供の教育機関や習い事に支払ったお金は戻ってくるのか」という質問でした。

 私に来る「相談」というのは、もちろん親が払った金を取り戻せないか、とか、学校側の話では、コロナの期間どのように対応するべきなのか、といった両方の話があるわけです。

 カリフォルニアはとにかく授業料が高くびっくりします。
 相談の案件でも、未就学者の保育に月10万円以上払うという感じのものが多くあります。教育費と親の熱意というのは、すごいものですね。

 相談のなかには、モンテッソーリ教育やシュタイナー教育のために多額のお金を支払っている方もいて、コロナ自粛中の授業料を返金できないかというものも何件かありました。

 私としては、そこまで幼稚園児にお金を使うのか、なんて考えてしまい、比較のために自分が東京都内で通った幼稚園を参照してみたら、なんとその幼稚園もモンテッソーリ教育をしていたらしく、同年代の人たちには現在スポーツやテレビで活躍されている有名人や政治家や実業家のお子さんもたくさんいたようです。

 しかし、振り返って考えても、親の趣味で私も入園させられていたので、私は牧師さんのひげを引っ張って怒られた記憶と、絵を書いて、自分の絵が下手くそすぎて反省を促されたとか、特別な私立教育で得られたなにかがあったとは思えないのです。現在付き合っている友達もいません。それでも、私も当時東京都内有数のモンテッソーリ教育を受けたはずで、たぶん支払ったお金に見合っていなかったのではと自分で思ってしまいます。

 契約は契約ですから、「過剰に支払った部分は返してもらいましょう」というのは、当たり前ではあります。でも子供はたぶん、何も考えてないと思います。その学校が嫌いだったら、すでにやめているでしょうし。コロナで過払いしているのでは?と思った時に、考えていただきたいのは、学校は、自分の子供のためだけにあるということではないこと、それから、お金が戻ってきても子供には直接プラスにはならないこと、です。

 学校もかなり金銭的に困っています。私のお客様の学校でも困っているところもあります。一方で、お金を払っているのに、という気持ちもわかるところです。

 教育費というのは、かなり各家庭にとっては大きな負担なのかもしれません。
 しかし、教育機関というのは、自分の子供だけではなく、社会において優れた大人になるために広くたくさんの子供達が教育を受ける場であります。今後、自分の子の授業は中断したかもしれないけど、社会全般において、子供が元気に育つ可能性はあります。

 子供は親が寛容であるかどうかを見ていると思います。どんなに先生が素晴らしい学校であっても、子供は親を見ています。モンテッソーリ教育とかシュタイナー教育というのも重要なのかもしれません。しかしまず、教育は親がするものだと思います。前述したように私も幼稚園で先生に怒られたことは覚えていますが、その何倍も母親から怒られたことを思い出します。コロナで中断した学校対策もしかり、家での教育もしかり、親であれば各所に文句をいうよりも、寛容でいることが子供にとっても良い教育になるのではないかと思います。

 コロナで色々な歪が社会において出てきているのだな、ということを、相談案件を通じて感じますが、こういった非常時に、自分のことだけではなく、広く社会や人々の置かれている立場を理解する寛容な心がより一層重要になってくるように思います。

 コロナのために、今閉ざされた社会になってしまい、アメリカで暴動が起きている原因になっている事件しかり、暴動をしている人しかり、寛容な心が足りないと思うのです。こういった不安な日々が続くときこそ、自分が強くなり、人には優しくなることが必要なのではないのかな、と感じています。

 皆さんにも、人に優しく寛容な心はあります。ぜひ、みなさんもこのピンチのときに、寛容であってください。アメリカはまだまだ、コロナの影響から抜け出せません。一人でも死者が減るように、自分ができることをやりながらまた一週間がんばっていきましょうね。


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Washington DC Capitol

非移民ビザ発行停止のアメリカ大統領令

現米国政権による非移民ビザに関する大統領令

弁護士 鈴木淳司
June 23, 2020

 2020年6月22日、現米国大統領は非移民ビザに関するかなり影響が出る大統領令に署名し発効しました。日系企業にもかなりの打撃となる可能性がありますので、取り上げます。

 なお、4月に新規永住権の取得を一定期間禁止する大統領令が発効しましたが、この大統領令と併せて6月22日に施行された移民制限は2020年12月末まで続くことになりました。

新たな移民政策ーより具体的に

まずは、6月22日の新たな移民政策について考えます。
以下の制限は2020年12月末まで持続され、その後も必要に応じて伸ばされる可能性があります。
以下が、まとめです。

1.2020年6月22日以降新規申請分のH-1BおよびH-2Bの発給を停止する。
発給停止には、家族ビザの新規申請を含む。

2.労働やトレーニングなど勉学以外の目的を持って発給されるJビザの新規発給を停止する。

3.Lビザおよび同ビザに付帯する家族ビザの新規発給を停止する。

4.上記1ないし3に規定する発給停止は、6月22日以降、
(1)アメリカ国外にいる外国人に適用され、
(2)すでに非移民ビザを6月22日時点で許可されている外国人は除外され、
(3)すでにビザ以外に合法的な入国可能な書類を有する外国人は除外される。

5. 本大統領令は、すでに永住権を保持する外国人、米国市民の配偶者・子、食物の供給に関わるビジネスに関わる外国人、米国政府が国の利益があると認める場合、には適用されない。

という規定になっています。
したがって、日系企業に大きく影響するのは、HビザおよびLビザの新規発行が2020年一杯(延長される可能性はありますが)停止となる部分です。

就労ビザ発給停止のインパクト

 このHビザは発給総数が毎年度8万5千件と決まっていますが、その中の半数以上はIT関係に発給される現状があります。
 また、新卒の外国人学生は通常プラクティカルトレーニングを経てHビザなどで米系の企業に就職していきます。

 このHビザの取得が閉ざされると、かなりの数の新卒、技術系の外国人に打撃になります。

 また、大手日系企業などでは、幹部や技術者を派遣する場合、Lビザが適当なのですが、この発給も停止となります。

 現政権の停止する理由としてコロナウイルスによって、経済が停滞し、米国民の仕事を確保しなければならず、外国人労働者の流入によって米国民の利益が損なわれるというものです。

 最近でも現政権はSNS企業の行動に激しく抗議していること、再選に向けて、タカ派のジョン・ボルトンが書いた書籍が影響しかねないので、他にパフォーマンスを示すことなど、実際に経済とは関係ない理由で、今回の大統領令を発布していると言われたりもしています。

 大手IT企業でも、技術者などのスキルを確保するために外国人の雇用が必要だが、外国人の就労を停止することで逆に企業の発展を妨げることになる、と考えています。

 新聞記事によると、50万人以上の外国人がアメリカに入国できず、逆に現政権は50万件以上のアメリカ国民の雇用が創出されると言います。会社によっては、アメリカではなくカナダやシンガポールなどで会社を立ち上げて、技術系の外国人を雇用する動きが加速しています。ひいては、投資家も今回の移民政策によってアメリカ企業の発展が鈍化するのではないかと考え始めているようです。

 アメリカ移民法協会は今回の移民制限政策に反対していますが、現政権の移民制限は止まらない様子です。

日系企業の対応策

 近年にない、厳しい移民政策が施行されました。
 日系企業もビザサポートが難しくなると、一般的なプールから人を雇わなければなりませんが、パイが限られてくると思います。

 そうして、さらにこのような制限が続けば、アメリカではなく他の国に移せるものは事業を移していくということも考えているようです。今の政権を選んだのはアメリカ国民ですから、このような政策が有効であると考えている人も多いのかもしれません。

 現時点で、日系企業が考えられるのはEビザ各種ということになります。
 今年の間は、Eビザが申請できるかどうか、日系企業の皆さんや、申請を考えている外国人の方は考えなくてはならなくなりそうです。

 他にも、PビザやOビザというのもありますが、特殊な状況なので、自己に当てはまるかどうか、検討をしなければなりません。

 これらのビザ以外は現状で新たな就労ビザは年内に取得が事実上不可能になります。

 また次回新しいトピックを考えていきましょう。



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