じんけんニュース 弁護士 鈴木淳司
03-01-2025
米国新大統領は、連邦政府の改革ということで、かなりの人員を国内外で削減しています。
移民行政も大統領の管轄ですので、今後色々な変化が生じてくると思います。
重要なニュースはここで取り上げていきたいと思います。
今回は3つのトピックを考えたいと思います。
1. H-1BビザのCap Registration
毎年の恒例行事化していますが、H-1Bの申請をするには、まず第一段階の申請をする必要があります。
H-1Bビザの発給に関してトランプ大統領はネガティブな発言が見られますので、来年度以降は、また変化が生じるかもしれません。
しかし、まだ今年度は昨年と同様に、本申請の数を絞る抽選が行われます。
この第一段階の申請が2025年3月7日から開始されるという発表がありましたが、行政の運用に様々なトラブルがあったようで、数日間延長されるということになりそうです。
この第一段階の申請において、申請外国人は、抽選に一度のみ参加できます。
複数回の申請が露見した場合には、すべての申請が無効になるとされています。
移民局は、抽選に登録している申請外国人の有効なパスポート情報または有効な渡航文書情報を要求しています。
2. 不法滞在外国人に対する強制捜査
トランプ政権が発足してから即時に、まるでパフォーマンスを誇示するような形で、不法滞在をしている外国人の強制送還手続を開始しました。
連日ニュースにもなっています。行政の行うことなので、法律に基づく強制捜査であれば、裁量を逸脱しない限り合法ではあります。
ビザで滞在されている方も多いでしょうし、場合によっては不法滞在を疑われるシチュエーションに出くわす可能性もあると思います。
この強制送還手続は、国土安全省(U.S. Department of Homeland Security)の下部組織であるICE(U.S. Immigration and Customs Enforcement )という機関が行っています。
日本語にすると、移民関税執行局とでもいいましょうか。
不法移民だと疑われた場合、また職場などで被用者が不法移民と疑われた場合には、以下のことを自分の権利だとして覚えておかれると良いと思います。
アメリカ合衆国憲法の保護は不法移民にも及ぶ-自身の権利を知っておく
まず、アメリカ国内に人間が存在する場合には、不法移民であろうとなかろうと、アメリカ憲法上の権利が認められています。
この権利をいくつか考えておきたいと思います。
まず、ICEに職務質問をされた場合には、その職務質問は任意なのか強制捜査の一環なのか確認する必要があります。
すなわち逮捕されていなければ、その場を立ち去る自由があります。
もちろん、なかなか政府の職員に問いかけを受けたら、立ち去ることは容易ではありませんが、無駄なことは話さず、時間を見計らって立ち去っても良いのか、聞くなどしたら良いと思います。
次に、色々な質問を受けたとしても、皆さんには黙秘権があります。
原則として、ICEの職員と話しをしたり、質問に答えたり、書類を見せたりする必要はないのです。
かりに、出生地や米国への入国方法を尋ねられた場合、回答を拒否するか、黙秘することが権利として認められていることを覚えておいてください。
黙秘する場合は、「I would like to remain silent」といえば良いと思います。
第三点目ですが、英語が不得意であれば、単に「No English」などというのではなく、たとえば「日本語の通訳をお願いします」とはっきり言ったほうが良いと思います。
変に英語をつかっていると、付け入られる可能性はあると思います。
また、言語と同様に、事実的に拘束されている場合には、弁護士に相談したい、ということをはっきり言ったほうが良いと思います。
弁護士をつける権利は憲法上認められていますので(場合にはよりますが)、不安があればそのことをはっきり告げたほうが良いと思います。
第四点目ですが、情報や書類の提示を求められた場合には上述したように、提供する必要はありませんが、絶対に虚偽の事実や書類を提示してはいけません。
そのことで、事件になってしまう可能性があります。
永住権や市民権がないのに、あたかも権利があるような主張をするのは危険です。
第五点目ですが、同意をしなければ身体の捜索をすることは、原則として捜索令状がなければ許されていません。
ですので、身体の捜索については、拒否をすることはできますので、逮捕されていない限り断っても良いのです。
ただ、かりに捜査員が、みなさんが武器を持っていると疑う場合には、刑事訴訟上の判例上、衣服の外側から確かめることは可能ですのでこの例外は知っておいてください。
第六点目ですが、なにか書類に署名を求められても、署名はしないでください。
まずは、弁護士に相談したいということを明確に告げ、拒否するべきです。
上記6点はある程度の感覚で良いので覚えておいてください。
かりに、身柄を拘束された場合には、抗わずに弁護士を選任してほしいと、繰り返し告げてください。
3. 永住権申請時の健康診断等提出について
永住権を申請時、申請外国人は、I-693というフォームを使って健康診断を受け、予防接種の記録を提出する義務があります。
このフォームは移民局が指定した医師(www.uscis.gov/tools/find-a-civil-surgeon 参照)が記入します。
このフォームの目的は、健康上の理由により米国への入国が拒否されていないことを確認することにあります。
以前は、申請を提出した後に、この健康診断等のフォームを移民局の指定に基づいて行うことになっていたのですが、2024年12月2日以降ルールが変わりました。
この日以降は、記入済みの健康診断証明フォームを、申請外国人の永住権申請(I-485申請)と一緒に提出しなければならないことになりました。
申請時の必須書類ということになります。
このフォームI-693については、2023年11月1日以降、移民局に特定された医師によって行われた場合、有効期限はなくなりました。
もちろん、健康状況に変化があれば、その変化について追加の報告は必要になりますが、原則として有効期限が撤廃されました。
この2023年11月1日以前のI-693については、指定医師が署名した日から2年間有効ということになります。
かりに、永住権の申請を考えられているのであれば、先手を打って、このI-693をコンプリートしておくとよいかもしれませんね。
今回は、長くなりましたが、今色々な変化が移民法に生まれています。
また、次回以降新たな変化について考えていきたいと思います。
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