請負業者への修理要求:水回り修繕の法的対応(1)_1460

サンフラン SF滞在

法律ノート 第1460回 弁護士 鈴木淳司
Mar 9, 2025

 サンフランシスコの週末の天気は上々で、野球場ではジャイアンツの「ファン・フェスト」が行われ賑やかになってきました。
もうすぐで野球のシーズンも開幕ですね。
せっかく球場の近くに事務所を引っ越したので、今年は仕事終わりに野球を見に行きたいな、と思っています。
道に出店が出てジャイアンツグッズを売っていたり、活気があるのは見ていても楽しいものです。
ドジャースの投手や野手の囲い込みには比肩できませんが、ジャンアンツも頑張ってほしいと思っています。

請負業者への修理要求:水回り修繕の法的対応(1)_1460

 さて、今回から皆さんから新しくいただいている質問を考えていきたいと思います。

いただいている質問をまとめると「自宅を所有(カリフォルニア州)しています。水道周りが古い家だったので、ウォーターヒーターとともに交換や修理作業を頼んでいました。ところが、数カ月後に、ウォーターヒーターの作動がおかしくなり、水道管も漏れがある兆候がでてきました。そこで、設置をしたコントラクター(請負業者)に何度も修理を頼んでいますが、問題がないとの一点張りで、調査もしてくれません。今のところ大きな問題にはなっていないのかなと思いますが、このような状況において、どのように修理などの対応を求めていけばよいのでしょうか」という質問です。

類似した、請負業者に関する質問はいくつもいただいております。
今回の質問を使って、請負業者の作業について問題がある場合にどのような方策が考えられるか、一般論を基礎にして考えていきたいと思います。

Eメールや郵送で証拠や記録を残す連絡を

 まず、もちろん最初にやるべきは請負業者に直接連絡することです。

電話だけでは証拠になりにくいので、電子メールおよび郵送により問題を伝えるべきです。
そのときに、一般的な表現よりも、証拠として写真やビデオなどを添付したり、毎日何が起こっているのかを記録したものを残して添付しておくと良いと思います。

後日トラブルを公にしていくためにも、記録を残しておくことは非常に重要になります。

また、請負業者に「忙しい」という理由を与えないためにも、いついつまでに調査をするように明記しておくべきだと思います。

同業他社への調査依頼も

それから、お金はかかりますが、可能であれば同業系の業者に調査をしてもらうということも考えられます。

簡単にでも良いので、意見書をもらうか、意見をビデオなどに収めておくのがよいかもしれません。
場合によっては、この他社の意見を添えて、調査の必要性を訴えかけても良いと思います。

SNSで訴えかけてみる手も

最近では、かなりソーシャルメディア等の意見が重要視されていますから、それらチャンネルを通じ訴えかけることも重要かもしれません。
ただし、やりすぎると、逆に名誉毀損などの問題になる可能性がありますから、公のチャンネルを使う場合には、記述する内容に関して相応な注意が必要になってくると思います。

もし緊急の修理が必要なら

このように働きかけても、対象の請負業者が反応しない場合には、すぐにでもカリフォルニア州請負業者ライセンス委員会(Contractors State Lisence Board , State of California(通称 CSLB))に申し立てを行うことも可能です。しかしながら、修理が緊急で必要なのであれば、更なる損害を引き起こさないために、一時的な出費のリスクはあれども、他の業者に頼んで修理を終わらせる方が良いかもしれません。

一般に、公の機関を通じて申立を行っても、すぐに問題が解決するとは限りません。そのため、オプションとして、他の業者に依頼して、その依頼にかかった金額を支払ってもらうといった臨機応変な対応も必要になるでしょう。

CSLBへの申立てとその効果

請負業者は通常コントラクターとしてのライセンスをもっていると思いますので、CSLB(www.cslb.ca.govに問題の申し立てをおこなうことができます。

申し立てを受けて、行政機関であるCSLBは調査を行い、ヒアリングを行い、問題解決に向けた手助けをしてくれます。
ただし、CSLBにクレーム(申立て)を入れてから請負業者が争ってくる場合には、解決までにかなりの時間がかかります。案件の内容によっては、一年程度もかかる場合もあります。

一方で、CSLBに申立てることにより、請負業者も察して、対応を自ら行ってくる可能性も高くなります。

私自身が相談に乗った事例の経験から言うと、事が公になることを知った途端に、いきなり動きが良くなる請負業者もいます。

次回、CSLBにどのようにクレームを出していくのか、みなさんと一緒に考えていきましょう。

季節が良くなってきて、短パンや半袖Tシャツの人も街でみかけます。
花も美しいですが、くしゃみがとまらない人も多くみかけます。
季節替わりの時期ですから、体調を崩す方も多いと思います。
体調にはくれぐれも気をつけながら、また一週間がんばっていきましょうね。


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作成者: jinkencom

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