法律ノート 第1474回 弁護士 鈴木淳司
May 26, 2025
メモリアルデーの3連休ですが、夏も近くなり皆さんアウトドアのアクティビティも活発に参加されていますか。
私は事務所の関係者から連絡が来て、大きな事故に巻き込まれてしまった日本人の友人がいるということで、あまり落ち着かずに過ごしております。
もちろん本人たちの怪我の状況が心配です。
これから、色々法的にやらなければならないことが出てきますので、私が手伝うことになるかもしれません。
怪我の状況がわからないというのが、まず落ち着きませんね。
とにかく、これからの生活にあまり影響がないことを心から祈りながら週末を過ごしています。
私の性格なのかもしれませんが、やはり弁護士として週末でも色々考えてしまいます。
米_ドメスティックパートナーシップ登録(1)_1474
さて、今回からまた新しく皆さんからいただいている質問を考えていきたいと思います。
質問をまとめると「日本から(カリフォルニア州に)留学している学生(男性)です。語学学校から含めるともうすでに6年ほどアメリカに学生ビザで滞在しています。学校に通っている間に、私は同性愛者なのでパートナーができました。彼はアメリカ市民です。現在2人で住んでいます。学校を卒業するとビザが切れるので、カリフォルニアでパートナーとして入籍し、移民申請をしようと思っています。あまり法律的なことを知らないのですが、まず入籍した場合のメリットやデメリットについて知りたいですし、仮に入籍した場合には、連邦政府を通して永住権の取得が可能なのでしょうか? 教えてください。」というものです。
現在のアメリカ政権は性別の記載に厳しい
現在の米国政権では、移民関係の申請書などに男性または女性ということのみを記載し、その他の記載は許さないという方針でやっています。
ですので、今回質問されているような方の申請には、究極的には風当たりが強くなっていると思われます。
この質問をいただいたのは、トランプ政権が発足する前の話だったので、政治的風潮から言ってもこのような申請をしていく事は全く問題がなかったのですが、現状においては、ある程度気をつけていかなければならないと思っています。
こういった事情が政治的にはある中でどうやって行くのがベストなのか、ある程度全体的な観点から考えていきたいと思います。
カリフォルニア州のドメスティックパートナーシップ登録
まず、カリフォルニア州政府へのドメスティックパートナーシップ登録は、主にカリフォルニア州州務長官を通じて行われ、これにより、州法の下では結婚とほぼ同じ権利と責任がカップルに与えられます。
ただし、これらの恩恵は連邦法には適用されないことを理解しておくことが重要です。
まず、カリフォルニア州において、ドメスティックパートナーシップ登録はどのようにしておこなわれるのか、考えていきたいと思います。
ドメスティックパートナーシップの登録要件
カリフォルニア州でドメスティックパートナーシップを登録するには、
(1) 共通の居住地に住んでいること
(2) いわゆる重婚にあたるような関係が他にないこと
(3) カリフォルニア州で結婚を妨げるような血縁関係がないこと
(4) 両者とも18歳以上であること(未成年者の場合は、裁判所の命令と親権者または保護者の同意があれば例外が適用される場合があります)
(5) 両者ともドメスティックパートナーシップに同意する能力があること
(6) 相互に扶助する関係であり、人生を共有することを選択したと宣言すること
の6つが要件とされています。
ですので、今回質問されている方とそのパートナーが、この6つの要件を満たしていれば、パートナーとして登録をすることが可能になります。
ドメスティックパートナーの登録方法
次にどのようにして、ドメスティックパートナーとして登録するかを考えましょう。
(1) 「ドメスティックパートナーシップ宣誓書」(フォームDP-1)に両パートナーが、個人情報と郵送先住所を記入します。
(2) そして、両パートナーが、公証人の前でドメスティックパートナーシップ宣誓書に署名する必要があります。
公証人は、両パートナーの身元を確認し、署名に立ち会います。
(3) そして、郵送または直接の方法で手数料を添えて提出します。
提出後、政府内の処理が完了すると、州務長官から「登録ドメスティックパートナーシップ証明書」と、提出された宣誓書のコピーが郵送されます。
処理時間はまちまちですが、郵送による申請は通常4〜6週間かかり、直接提出の場合はそれよりも若干速い可能性があります。
重要なのは受理されてから、実際に証明書が発行されるまでにタイムラグがあるということなので、その先に色々計画されている場合には、早めに対応されるのが良いと思います。
次に、このドメスティックパートナー証明書を受け取ったあとに、どのような関係になるのか、そして連邦法との関係はどのようなものかを考えます。
ここから次回考えていきたいと思います。
天気は上々ですね。
メモリアルデーを界にしてキャンプやバーベキューも頻繁に行われ楽しいアウトドアシーズン突入ですね。
私は忙しい週末ですが、皆さんは気分転換をして楽しい週末にされてください。
また健康にはくれぐれも注意したまた一週間がんばっていきましょうね。
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