米_過去に飲酒運転で逮捕、その影響は?(1)_1410

サンフラン SF滞在

法律ノート 第1410回 弁護士 鈴木淳司
Mar 25, 2024

 春は気候が安定しないですが、今年はまだ寒くなる日も多くて、春分の日を越えたのにまだ本格的な春と思わせる1週間に遭遇していません。
それでも、花粉はアメリカでも日本でも今年は多いと聞きます。
私が子供の頃は花粉で悩むことが話題になっていた気がしませんが、深刻になってきたのはこの数十年の変化なのでしょうか。
花粉症がひどい人には、辛い時期だと思います。
コロナでマスク、ウィルスでマスク、そして花粉症でマスクと、フィルター無しで普通に呼吸もできないのは、なんだか考えさせられます。
皆さんの体調はいかがでしょうか?

米_過去に飲酒運転で逮捕その影響は?(1)_1410

 さて、新たに皆さんからいただいた質問を、一緒に考えていきましょう。

いただいた質問をまとめると「先日DUI質問とそれに対する法律ノートの回答を興味深く拝見しました。追加の質問があったら、質問ができるとあったので、質問をさせてください。私は学生時代にアメリカ留学していましたが、その時に飲酒運転で逮捕されました。前回の法律ノートにあったように、罰金を払い奉仕活動なども終えました。その後日本で就職しましたが、このたび転職し、日本からアメリカの駐在員としてアメリカ東部に住むことになりそうです。再びアメリカに行けるのはとても楽しみですが、一方で、学生時代に起こした飲酒運転が問題になるのではと心配しています。特にビザに影響しないかと憂慮しているのです。今は決してお酒を飲んで車も運転しませんし、他に犯罪などの問題はありません。過去の飲酒運転が私のような場合に何か影響するのか教えていただけると幸いです。」というものです。

アメリカで外国人が飲酒運転をしたら

 アメリカ国籍の人がアメリカで飲酒運転をおこすと、前回までの記事のように飲酒運転の罪は対応されていくのですが、日本人を含む外国人がアメリカで飲酒運転で逮捕されると、また違った問題を考えなくてはいけなくなります。

アメリカ国籍を持たない場合、合法的にアメリカに滞在できる外国人は大きく分けてアメリカの永住権を持っている場合、何らかの非移民型のビザを持っている場合になります。

厳密に言うと、例えば難民認定を待っている間に、何らの資格もない状況でアメリカに滞在することを許されている人たちもいますが、基本的には永住権を持つか非移民型のビザを持つ場合になります。

永住権者でも強制送還の対象

永住権を持っている場合であっても、アメリカ国籍保持者と比べて移民法上は同等に扱われるわけではなく、例えば前科が複数ある場合には強制送還の対象となります。

ビザ保持者では、永住権保持者に比べて守られているわけではなく、場合によっては1つの罪で強制送還の対象や再入国禁止になる場合があります。

飲酒運転の類型は様々

今回の質問をされている方のように、学生の時に学生ビザを保持してアメリカに入国し、その間に逮捕され有罪となっている場合について少し考えておきましょう。

 今回質問されている方は、以前カリフォルニア州で飲酒運転について有罪の判決を受けていると言うことでした。

実は飲酒運転といっても、各種の法律にもよりますが、類型的にいくつも違う罪が規定されています。

例えば、単純にお酒を飲んで運転して捕まる場合もありますし、場合によってはその血中アルコールレベルが非常に高い場合もあり得ます。
さらにお酒を飲んで器物を損壊したり、最悪な場合には、人身傷害を起こすと言う場合も考えられます。
また、飲酒運転や万引きのように類型的に再犯加重を想定する類型もあります。

過去の有罪歴を確認

飲酒運転といっても、いろいろな類型があり、今回質問されている方にとって最重要なのは、過去に言い渡された有罪がどのようなものであったのか、裁判の記録を取り寄せるなりして確認しなければなりません。

その確認をする意味というのは、法律家の立場から言うと重罪(Felony)であったのか、軽罪(Misdemeanor)であったのか、また移民法に関連する裁判例で生成されてきた道徳違背の罪であったのかという点を確認するところにあります。

重罪というのは、法律によって法定刑が1年以上と定められている罪で、法定刑が1年以内の場合には軽罪と呼ばれています。

また移民法に関連する道徳違背の罪ですが、これは行政が定めているもので、大きく分けて人や物の損害を発生させる場合や一般的に重大と考えられる場合があります。

余談ですが、移民法においては、類型的に麻薬に関係する場合、また売春に関係する場合には、重大な移民法違反と法律で定められています。

カリフォルニア州において、単純な飲酒運転は軽罪として処断されます。
一方で、器物損壊を発生させる場合、例えば事故を起こした場合、人身傷害が絡んだ場合などは重罪になり得ます。

ここから次回考えていきたいと思います。

 前回お話しした南カリフォルニア出張から帰ってきて、私は人生で初めてコロナに罹患してしまいました。

ところが現代では特効薬もできていて、数日間陽性が出ただけで治りました。
後遺症もなさそうです。
ワクチンも打っていたことが良かったのかもしれません。

数年前はコロナにかかると死亡率も高く、恐ろしいウィルスだと考えられていましたが、たった数年で、医学や薬学は進歩するものですね。
私も相当気をつけていて、飛行機に乗る時などもマスクを必ずしていましたし、出張中は必ず手洗いを心がけていました。
それでもかかってしまうのですから怖いものですね。

また1週間体調に注意しながら頑張っていきましょうね。

 

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作成者: jinkencom

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