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7/6 在米日本大使館/在NY領事館 発出情報

2020年7月6日発出の情報です。
日本大使館・領事館のメルマガにご登録いただくと、お手元のメールアドレスに届きます。
ネット検索上のテキスト文書の方が情報をつかみやすく、共有が容易ですので、MomsUSA/JINKEN.comサイト上でもテキスト文として掲載します。
なお、全米の日本大使館・領事館は、全部で20ありますが、頻繁に更新がある日本大使館とNY領事館に限り掲載しております。
そのため、個別の情報を取得したい領事館のサイトをご参照ください。

■全米の大使館と領事館(全20箇所)
https://jinken.com/momsusa/archives/5818

在ニューヨーク日本国総領事館

【留学関連ビザの規制強化に関する米当局の発表】
 7月6日,米移民・関税執行局(ICE)は,米国の大学や高校の外国人留学生に対し,新型コロナウイルスの影響で9月からの秋学期の授業が全てオンラインで行われる場合,査証(ビザ)発給を認めない旨をICEのホームページにおいて発表しました。主な内容は以下のとおりです。

 - 対象ビザは一般学生向け「F-1」と職業訓練プログラム受講の学生向け「M-1」の2種類
 - 留学先の大学などが秋学期の全授業をオンラインで行う場合,ビザは発給せず入国も認めない
 - オンラインと対面式を組み合わせて授業を実施する予定の学校には,全てオンラインではないことなどを学校側がI-20の書類で証明するよう求める
 - 既に米国に滞在している留学生に対しては,対面式授業を実施する学校に転校するか,米国から出国しなければならない

 ICE発表の本文は,以下のサイトをご覧ください。
https://www.ice.gov/news/releases/sevp-modifies-temporary-exemptions-nonimmigrant-students-taking-online-courses-during
https://www.ice.gov/doclib/sevis/pdf/bcm2007-01.pdf
https://www.ice.gov/doclib/sevis/pdf/sevisFall2020_FAQ.pdf

 現在留学中またはこれから留学を予定されている場合は,十分に情報収集いただき,学校側ともご相談いただくようにお願いいたします。
 できる限り正確な情報を記載するよう努めておりますが,ご自身に関係する事項については,米側当局が提供する情報に依拠してください。

【NY州,NJ州及びCT州による新型コロナウイルスの感染が拡大する地域からの移動に関する勧告(対象州の拡大)】
 本7月7日,NY州,NJ州,CT州による移動勧告の対象州が16州から19州へと拡大されました。ついては,対象州より各州に移動される場合には御留意願います。

1. 対象州(7月7日時点で19州)
– 新規追加3州:デラウェア、カンザス、オクラホマ各州
– 従前の16州:アラバマ、アーカンソー、アリゾナ、カリフォルニア、フロリダ、ジョージア、アイオワ、アイダホ、ルイジアナ、ミシシッピ、ノースカロライナ、ネバダ、サウスカロライナ、テネシー、テキサス、ユタ各州
※対象州は随時更新されるため,最新情報については以下3州の関連サイトで確認をお願いします。

2. 隔離を実施する期間:対象州を離れた日から14日間

3. 隔離の対象者:対象州からNY州・NJ州・CT州に移動する全ての者
※NY州・NJ州・CT州に居住していて一時的に対象州に移動していた場合も含みます。
※NY州・NJ州・CT州に移動するために対象州を一時的に通過する場合(但し、24時間以内)は、本勧告の対象とはなりません。例:飛行機・バス・鉄道の乗り継ぎ、車・バス・鉄道の休憩施設での停車

4. 対象州となる基準:直近7日間の平均で,陽性者数が10万人当たり10人以上又は陽性率が10%以上の州

5. 罰金:違反者には罰金を科すことがあり得ます。
※NY州の罰金:初回2000ドル,2回目5000ドル,それ以降1万ドル

6. その他留意事項:3州への移動そのものを禁じるものではありません。

7. カーニー・デラウェア州知事のメッセージ(7月7日)
 デラウェア州の新型コロナに関する本日時点の数値は,感染者数12,414人,死者数514人,現在の入院者数56人,うち重篤者は15人であり,入院者や重篤者は引き続き減少傾向にある。先週だけで4000人以上に新型コロナウイルス検査を実施し,検査拡大に伴い,陽性者数も日毎の傾向として上下している。
 この結果,過去7日間で10万人あたり10人を僅かに上回る陽性者数が出たことは事実である。ただし,陽性率に着目すると,デラウェア州の陽性率は5.3%であり,アリゾナ州(25.3%),フロリダ州(18.7%),サウスカロライナ州(16.6%),ミシシッピ州(15.0%),テキサス州(13.8%)との差は明らかである。
 今朝,NY州,NJ州,CT州から,これらの州と同じ隔離措置対象となる旨の連絡を受けたが,デラウェア州はこれらの州と同じカテゴリーに当てはまらないと考えている。デラウェア州は,経済再開の第3段階開始を延期し,また先週,ビーチエリアでのバーの営業を禁止したばかりだが,第3段階の早期開始や学校再開に向けて準備を進めている。マスク等の着用及び他者との距離確保に努め,これ以上の感染防止に努めてほしい。 

8. 各州及び当館のサイト
– ニューヨーク州:https://coronavirus.health.ny.gov/covid-19-travel-advisory
– ニュージャージー州:https://covid19.nj.gov/faqs/nj-information/general-public/are-there-travel-restrictions-to-or-from-new-jersey-should-i-self-quarantine-if-i-have-recently-traveled
– コネチカット州:https://portal.ct.gov/Coronavirus/Covid-19-Knowledge-Base/Travel-In-or-Out-of-CT

– 当館HP:https://www.ny.us.emb-japan.go.jp/oshirase/states.html

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■ 本お知らせは,安全対策に関する情報を含むため,在留届への電子アドレス登録者,「緊急メール/総領事館からのお知らせ」登録者,外務省海外旅行登録「たびレジ」登録者に配信しています(本お知らせに関しては,配信停止を承れませんのでご了承願います。)。
■ 本お知らせは,ご本人にとどまらず,家族内,組織内で共有いただくとともにお知り合いの方にもお伝えいただきますようご協力のほどよろしくお願いいたします。
■ 在留届,帰国・転出等の届出を励行願います。
緊急時の安否確認を当館から行うために必要です。
以下のURLをご参照ください。
http://www.ny.us.emb-japan.go.jp/jp/b/02.html
■ 在ニューヨーク日本国総領事館
299 Park Avenue, 18th Floor, New York, NY 10171
TEL:(212)-371-8222
HP: http://www.ny.us.emb-japan.go.jp/jp/html/
facebook: https://www.facebook.com/JapanConsNY/
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在ニューヨーク日本国総領事館(コロナウィルス関連)

【州政府等による措置等のポイント】 
(注)各州政府の措置等についても,できる限り正確な情報を記載するよう努めておりますが,ご自身に関係する事項については,米側当局が提供する情報に依拠してください。

◎(NY州)クオモ知事のメッセージ(7月6日)
– 昨7月5日の入院者総数は817人,死者数は9人,陽性率は0.95%と低い水準で推移している。5月15日に再開の第1段階が開始以降,7週間にも亘り感染率を低く抑えられているという事実は州民一人一人の努力の賜物であり素晴らしいニュースである。
– 本日,NY市が再開の第3段階へと移行した。ただし,店内飲食は再開していない。また,明7月7日(火)にミッドハドソンが,8日(水)にロングアイランドがそれぞれ再開の第4段階へ移行する見通しである。再開は進んでいるが,無制限に再開するわけではなく,事業主は州のガイドラインを遵守する必要がある。
※州の再開の状況及びガイドラインは下のサイトでご確認になれます。
https://forward.ny.gov/
– 再開に伴って人々が措置を遵守しなくなる傾向があるが,それを取り締まるのは地方政府の役割である。マスクの着用や他者と一定の距離をとることは州法であり,地方政府はそれに基づき取り締まりを実施しなくてはいけない。
– 学校の秋学期からの再開について州保健局がガイダンスを作成している。学校の再開を望む声が高まっているのは知っているが現時点では何も決定されていない。ただし,州内に700ある各学校区は再開計画を立案し,秋の再開に備えて準備を進める必要がある。

◎(NJ州)マーフィー知事のメッセージ(7月6日)
– 一人あたりの感染者が何人に感染させるかを示す「実効再生産数」は,1.03となり,ここ10週間で初めて1を超えてしまった。この上昇傾向を下げるまでは,経済再開を進めることはできない。暑い日であってもマスク等は着用すること,感染が拡大している地域に行った場合は2週間の自主隔離を行う及びウイルス検査を受けることを実行してほしい。
– 現在の入院者数,ICUの患者数及び人口呼吸器の使用数は週末においても減少傾向にあった。
– 本7月6日より,予定していた,ユース・デー・キャンプや屋外での卒業式の実施を認める。また,NJ Transitは平日,通常通りの運行数となる。

◎(WV州)ジャスティス知事のメッセージ(7月6日)
– グリーンブレア郡で新たに2名の新型コロナウイルスに感染した死亡者が報告された。これらのWV州民は教会で集団感染した方だった。
– ここ数日の陽性率が上昇しており、7月5日の陽性率は3.76%だった。実効再生産数も1.27と全米で7番目に高く、WV州内の感染が拡大しつつある。
– 7月7日0時からマスク着用を義務づける行政命令に署名した。マスク着用は、ソーシャルディスタンスを確保できない公共の屋内に入室する際に求められる。9歳以下の子供は免除される。
-30日前のテキサス州は現在のWV州と同等の新型コロナウイルスに関する統計値だった。WV州が今後、テキサス州と同じ状況になる可能性さえある。知事としての仕事は州民を守ることであり、WV州の経済を発展させることである。今なすべきこと、また最もスマートな方法は、マスクを着用することであることを理解してほしい。

◎(PR準州)訪問者に対する要求
-7月2日,バスケス準州知事は,7月15日(水)以降にPR準州を訪れる訪問者に対して,訪問72時間以内に受けたウイルス検査において陰性であることを証明した書類を提出した上で,滞在中はマスク等を着用し他者と一定の距離をとることを求める行政命令を発出しました。もしも陰性を証明する書類を提出できない場合は,空港において検査等を受け,その結果陽性であることが判明した場合には14日間隔離されることとなります。詳細は以下の準州のサイトでご確認になれます。7月15日以降にPR準州への渡航を計画される場合はご留意ください。
https://prfaa.pr.gov/2020/07/02/governor-wanda-vazquez-garced-imposes-strict-measures-for-visitors-in-puerto-rico-amid-the-covid-19-pandemic/

【感染者数等に関する情報】
7月6日現在,当館管轄内における新型コロナウイルスの感染者数及び死者数は以下のとおりです。各州の地域別感染者数等については各リンク先をご参照ください。
◎ニューヨーク州:感染者数   397,649名  死者数  24,913名
○ニューヨーク市:感染者数   217,216名  死者数  15,674名
https://covid19tracker.health.ny.gov/views/NYS-COVID19-Tracker/NYSDOHCOVID-19Tracker-Map?%3Aembed=yes&%3Atoolbar=no&%3Atabs=n
◎ニュージャージー州:感染者数 173,611名  死者数  13,373名
https://www.nj.gov/health/cd/topics/covid2019_dashboard.shtml
◎ペンシルベニア州:感染者数   90,304名  死者数   6,754名
https://www.health.pa.gov/topics/disease/coronavirus/Pages/Cases.aspx
◎デラウェア州:感染者数     12,293名  死者数     512名
https://coronavirus.delaware.gov/
◎ウエストバージニア州:感染者数  3,356名  死者数      95名
https://dhhr.wv.gov/COVID-19/Pages/default.aspx
◎コネチカット州フェアフィールド郡:感染者数 16,837名  死者数 1,377名
https://portal.ct.gov/Coronavirus/COVID-19-Data-Tracker
◎プエルトリコ:感染者数      8,585名  死者数     155名
http://www.salud.gov.pr/pages/coronavirus.aspx
◎バージン諸島:感染者数        112名  死者数       6名
https://www.covid19usvi.com/?utm_source=doh&utm_medium=web&utm_campaign=covid19usvi

【ビジネス関連情報】
◎各州等のビジネス関連情報は以下をご覧ください。
https://www.ny.us.emb-japan.go.jp/oshirase/covid19-sb.html

【領事窓口業務の一時的変更及び予約制の導入のお知らせ】
◎当館は以下のとおり領事窓口時間を変更するとともに,予約制を導入しています。ご来館予定の方におかれては,事前の予約をお願い申し上げます。また,当館にご来館される際にはマスクの着用をお願いします。
1 領事窓口の業務日
月曜日,火曜日,水曜日,金曜日(除,休館日)
2 受付時間
09:30~13:00
(ビザ(査証)申請受付:12:00~13:00)
3 予約方法・電話番号
以下の予約専用電話番号にお電話の上,予約をお願いします。なお,電子メール等による予約は受け付けておりません。
予約専用電話番号: (212)371-8222 内線486
  (注:代表電話につながり次第内線486を押してください。)
予約受付時間: 月曜日~金曜日の09:30~16:00(除,休館日)
注:4週間分の予約を受け付けております。
現在,予約受付については午前中にお電話が集中し,午後は比較的少ない傾向にあります。また,予約電話で対応中は,お電話をいただいても呼び出し音が鳴り続ける状態となるため,このような場合には時間を改めておかけ直しいただきますようお願いいたします。
詳細は以下リンク先をご参照ください。
https://www.ny.us.emb-japan.go.jp/jp/l/01.html

◎当館ホームページ上に新型コロナウイルス関連情報のページを作成しております。
https://www.ny.us.emb-japan.go.jp/oshirase/2020-refs.html
ご不明な点ありましたら当館までご連絡をいただきますようお願いします。(電話:212-371-8222)

【医療関係情報】
◎CDCはホームページ上で新型コロナウイルスの典型的症状として「熱,咳,息切れ」を挙げています。これらの症状があり,感染が疑われる場合は医療機関に電話で相談をした上で,医療機関の指示に従って受診してください(特定の医療機関がない場合には地元保健当局等(NY市の場合は311)に電話してください)。
CDCホームページ:https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-nCoV/index.html
・新型コロナウイルスに関する予防措置については以下のサイトをご覧ください。
https://www.ny.us.emb-japan.go.jp/oshirase/2020-refs.html
・ニューヨーク市作成の新型コロナウイルスに関するファクトシート(発症した場合等の対応が日本語で記載されています)。
https://www1.nyc.gov/assets/doh/downloads/pdf/imm/coronavirus-factsheet-jp.pdf

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■ 本お知らせは,安全対策に関する情報を含むため,在留届への電子アドレス登録者,「緊急メール/総領事館からのお知らせ」登録者,外務省海外旅行登録「たびレジ」登録者に配信しています(本お知らせに関しては,配信停止を承れませんのでご了承願います。)。
■ 本お知らせは,ご本人にとどまらず,家族内,組織内で共有いただくとともにお知り合いの方にもお伝えいただきますようご協力のほどよろしくお願いいたします。
■ 在留届,帰国・転出等の届出を励行願います。
緊急時の安否確認を当館から行うために必要です。
以下のURLをご参照ください。
http://www.ny.us.emb-japan.go.jp/jp/b/02.html
■ 在ニューヨーク日本国総領事館
299 Park Avenue, 18th Floor, New York, NY 10171
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Washington DC

コロナウイルス、学生ビザへの影響

コロナウイルス、学生ビザへの影響

弁護士 鈴木淳司 May 25, 2020

 まだまだカリフォルニア州ではシェルターインが続いていますが、日本ではずいぶん自由が増えたようですね。アメリカでも州によってはかなり開放が進んでいます。しかしかなり感染者数が多いアメリカですので、二次感染が怖いところです。やっと、マスクも普及してきたことは良いことですが。

 さて、今回の国際弁護士ブログ(じんけんニュース)を利用して、学生ビザ(Fビザ、Mビザ等)についての緊急時下の対応について考えておきたいと思います。
 なかなか、学生ビザについては法曹が取り上げることがないのですが、現状質問が多いところです。代表的な論点を今回考えておきましょう。

1.学校がオンライン授業になった場合

 まず、学生ビザについては、学生としての活動を「アクティブ(Active)」にしておかなければ、アメリカ滞在は許されません(8 C.F.R. 214.2(f)(4) )。

 移民法でアクティブというのは、5ヶ月間間をあけないで学生ビザのもと勉強している外国人学生を言います。アクティブステータスがなくなると、もう一度ビザの申請が必要になってきます。

 この5ヶ月間を空けない、という規則が今回のコロナで問題になっています。自国に戻って、オンライン学習をする学生も多いからです。

 今回の自宅待機命令も含め、自国にいても、アメリカでクラスに直接出席できなくても、オンライン等で授業を継続していれば、「アクティブ」のステータスを維持できることになっています。

 したがって、再度学生ビザの許可を得る必要はありませんし、I-20もキャンセルされることはありません。しかし、この措置は、コロナに関しての特別措置なので、期限等についてはSEVP(外国人学生登録プログラム)の情報に関して学校を通してチェックしてください。

 それから、このコロナでの休校措置が取られている間に新規入学のため渡米する(している)外国人に関しても、学校の取る措置に従って、オンライン授業などを行っていれば、アクティブステータスが失われることはありません。ただし、コロナの影響が収まって、学校に戻らなくてはいけないのに、受講に戻らない場合にはSEVIS(外国人学生登録)の記録に受講していないことが記載され、I-20が取り消しになるかもしれません。

 一方で、たとえばオンライン授業を受講するのも困難な場合には学校(DSO=学校の入管関連担当者)に相談をすれば、アクティブの状態で据え置きしてくれるはずです。

2. 学校のスケジュールが変わった場合

 学校の授業が休みになり延長された場合には学校がしかるべき措置を取り、SEVISの記録に整合性がなくてはいけなくなります。

 ですので、学校側がSEVPに通知をして、変更をする必要があります。
 学生側はその変更内容を確認する必要があります。

 OPTについても、時期がシフトする可能性がありますが、SEVISではなく、OPTの許可は、USCIS(米国関税移民局)が行っています。どちらも同じDHS(国土保安安全局)の管轄下ですが部署が違うので、学校を通すなりして、要件を確認する必要があります。

3. I-20の電子的発行

 本来I-20(就学許可書類、学校が発給するもの)は物理的に郵送されなければなりませんが、今回郵便配達も困難な状況に陥って、さらに国際郵便は停止しているところも多いため、学生ビザ申請に必要なI-20については、SEVISに登録されている学生のメールアドレスに送信する形で良いということになりました。こういうのは、アメリカはとても早くて素晴らしいことですね。

 また、I-20はスキャンでも、デジタル署名でも良いことになっています。
 また、電子的に発行されたI-20は、コロナの緊急時が静まっても有効期限内であれば、効力は維持されるということになっています。

4. フルタイム学生の定義変更

 オンライン授業になりフルタイムといっても、一部の授業は受けられない状況になっています。これについては、フルタイムを維持することについて学校側が、SEVPを通じて維持は可能となっていますので、学校側の指示に従うことが重要です。

5. アメリカへの再入国

 基本的にコロナの影響によりアメリカの再入国が遅れる等の問題があっても、原則外国人の学生ビザによる再入国には影響はしないとしています。

 しかし、SEVISが入国については扱っていないので、学生ビザの有効期限等については、大使館・領事館等の発表を確認する必要があります。ただ、基本的には、再入国は可能ということになっています。

 上記は、いろいろな学生の方がいて、いろいろな質問があると思いますがその一部の解説です。
 特に、プラクティカルトレーニング(学生ビザのあとにおける就労期間(1年間))については、SEVISだけではなく、米国関税移民局(USCIS)の管轄下でもあるので、いろいろな問題が発生しそうなところではあります。

 ただ、米国はかなりコロナ対策を徹底的におこなっているので、延長等の話には耳を傾けてくれると思います。

 次回また、新しいトピックを考えていきたいと思います。また次回まで、健康にすごしましょう。


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過去の薬物使用歴とアメリカ入国(2)_1138





法律ノート 第1138回 弁護士 鈴木淳司
December 4, 2018

過去の薬物使用歴とアメリカ入国(2)_1138

やっとベイエリアにも雨の恵みがもたらされましたが、今度は体の調子を崩す人が周りに増えました。自然と人間の付き合いというのは、両者にとってなかなか大変なものです。賑やかなパーティーも増えてきて、街は混雑していますが、皆ひとときを楽しんでいるようです。皆さんのホリデーシーズンはいかがでしょうか。お互い食べ過ぎ、飲み過ぎに気をつけましょうね。
さて、「日本に在住する者です。学生時代にアメリカ(カリフォルニア州)に住んでいました。マリファナに関係するトラブルで警察沙汰となり、大学からビザはもう出せないと言われ、退学をして日本に戻ってきました。最近、カリフォルニア州ではマリファナが合法化された(される)というニュースを見たのですが、過去のマリファナに関する罪をなんとかして、もう一度アメリカで勉強したいという思いが強くなりました。なんとか、アメリカの学生ビザが再度発給されないでしょうか。」というものです。
前回まで、今回の質問で問題になっているカリフォルニア州におけるマリファナの罪に関して考えました。合わせて、最近の動向も考えたと思います。今回は、移民法に関して考えていきたいと思います。

マリファナをめぐるカリフォルニア州法と移民法との差異

米国で移民に関する法律は連邦政府が立法化できる専権事項であって、州は口を挟めません。
現在、連邦政府と州が移民法に関してぶつかる論点が増えていますが、マリファナの合法化についても、その一つです。すなわち、この記事を書いている時点では連邦政府は、マリファナについて一切の合法化を認めていません。
従来の法律に変化はありませんから、たとえ、カリフォルニア州で、マリファナが合法化になり、違法性が阻却されることになったとしても、移民法上は、薬物禁止規定にひっかかることになります。
もちろん、現状ではマリファナの使用を合法化する動きが活発なので、移民局もその「裁量」の範囲内で柔軟にビザ発行の合否を変化させてきていると思いますが、移民法上は「なかったこと」にはならないと考えておいてください。

遡って罪を抹消する請求ーカリフォルニア州法

さらに前回考えましたが、罪を遡って抹消できる請求がカリフォルニア州内では可能です。一般的にExpungementと呼ばれる手続きです。この手続によって、罪はなかった、ということで履歴書や一般生活上は申告することが可能になるので、就職などの日常生活にはプラスになることは間違いありません。
しかし、政府関係の申請には、Expungementをした罪についても記載しなければ、不申告と捉えられてしまいます。そうすると、移民法に関して申請をする際に、Expungementをしたあとでも、前科前歴について記述しなければならないということになります。
移民局は、前科前歴を考慮できるので、マリファナに関する犯罪に関しても、ビザの発給可否について必ず確認します。どの程度シビアに考えるかは、各申請の具体的な判断となりますので、ここではなんとも言えませんが、最近では多くの申請者に薬物依存がないかどうかのテスト結果を提出するように指示しているケースが増えています。
少なくとも、単純な拒否ではなく指示に従って検査結果を提出するように言われているケースでは望みがあるということになろうかと思います。

連邦政府と州政府で扱いが違うことを踏まえて対応

このように連邦政府と州政府ではマリファナに関しては対応が違っているのが現状です。
ですので、今回の質問のようなケースでは、まず逮捕、起訴され有罪となった州のマリファナに関する法律を調べたうえで、抹消できるのであれば、抹消するのが最優先事項になります。
そして、もう一度、学校に入学許可を貰えればもらうことが重要です。入学許可をもらい、そのうえでビザを申請するのであれば、連邦法の問題になりますので、そのときには、抹消請求をしたことも含め、前科前歴は隠さずに申告し、そして、与えられた指示にしたがって、粛々と申請を進めてみるということになろうかと思います。
 
もう師走ですね。一年が終わろうとしています。いろいろやれなかったことも山積みにはなっていますが、昨年末は私の所属する事務所の引っ越しがあり、大変だったことを考えると、今年は平穏で何よりです。皆様も平穏無事に今月を過ごし、良い新年が迎えられると良いですね。
とにかく、あともう少しで今年も終わります。気を抜かないでまた一週間がんばっていきましょうね。


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Golden Gate sanfran

米国で非営利団体を設立したい(3)_1135

法律ノート 第1135回 弁護士 鈴木淳司
Nov. 14, 2018

 サンフランシスコを挟んで南北で州にとって過去最悪の火災が発生しています。死者も、滅失・毀損した建物も多く、憂慮する事態です。

 大統領は、火災発生から数日後にやっと災害認定をしましたが、森林局が連邦の補助金を不正利用しているので、補助金を減額すると言い、火事と闘っている消防が怒りを顕にしています。一方で、私が共和党ベースの田舎のカフェで話を聞くと、実際に森林局の幹部が横領しているという話を聞かされ「大統領の言うことはもっともかもしれないし、火事がもっと起こるかもしれない」と話している人たちもいます。ベイエリアの空気は悪いですが、皆さんは大丈夫でしょうか。

米国で非営利団体を設立したい(3)_1135

 さて、前回はお休みしましたが、前二回、「現在アメリカの大学でソーシャルスタディーズを勉強しています。卒業したら、賛同してくれる友人とともに、海外に住む日本人や、日本に行きたいという外国人を支援する非営利の団体をつくりたいと思っています。まだ、アイディアは漠然としているのですが、寄付を募ってこのような団体を設立し、将来米国を中心にして活動をしたいと思っているのですが、可能なのでしょうか。」という質問を考えてきました。

非営利団体の設立で就労ビザ取得は可能か?

 ここまでで、どのような種類の非営利団体が連邦から非課税団体として認められるかが理解できたと思います。

 まず、各州に非営利団体として登記をし、その後、選択的に連邦の非課税登録をするということになります。さて、ここからが今回の質問に対する回答のキモになります。

 すなわち、学生ビザで学生をしている外国人が友人たちと非営利団体を設立することで、就労ビザの取得が可能かどうかです。もちろん具体的な事実関係を消化しないとなんとも言えませんので、ここでは一般論になりますが、考えていきましょう。

雇用主と被用者

 まず、就労ビザの取得には、大きく分けて、就労を欲する外国人と、雇用主と、2つの要件があります。就労ビザのカテゴリーには、主に、E、LおよびHビザなどが考えられるのですが、雇用主と被用者に関する要件がある程度設定されています。

 細かく各ビザの要件を今回の法律ノートで吟味しませんが、一つ雇用主で要求されるのが、外国人の給与を払うだけの資金繰りが認められるか、ということがポイントになります。

 また、不当に外国人を安く雇っていないかも重要になります。これは、アメリカ人の雇用を守るという側面と外国人に対しての不当な扱いを禁止するという考えに由来しています。

給与を支払う能力があるかどうかが争点

 今回質問にあるような新規事業を立ち上げるというケースは、給与をちゃんと支払う能力があるのかが、かなりの争点になります。どのビザでも現状の許可状況をみると、実体を問われていることに重点が置かれていることは明らかであります。

 新規事業でも、ちゃんとした実績に裏打ちされている親会社があるか、投資額についても、設備投資だけではなく、かなり大規模な資本金を投入し、当面の給与支払いを含めた運営が可能であるか、などの考慮事情が個別の申請ごとに判断されることになります。

 何度も法律ノートで考えていますが、移民行政の許可については、かなり広汎な裁量行為ですので確立された基準はなく、あくまでも、色々な事情が総合考慮されることになるのです。

 このように、雇用主の情報が必須になるのが雇用ビザですから、今回質問されている学生さんのように、コンセプトは良いが、会社を新規で立ち上げるという場合には、まず実績をつくることと、キャッシュフローを雇用が生み出される程度まで確保することができないと、被用者のビザサポートをすることが難しいと考えてください。

 この会社の規模に関しての要件は、今回の質問にあるような非営利団体にも当てはまります。

目的達成のために必要な人材にはビザがでる

 非営利の団体であっても、もちろん外国人のビザの取得は可能です。非営利団体の目的達成のために必要な人材であれば、ビザがでるわけです。

 宗教団体などは、宗教職のための特別なビザ(Rビザ)が用意されていることから、非営利団体であっても、一般的にビザの発給は可能なのです。

 ただ、今回の質問にある非営利団体のように新規に立ち上げる場合には、少し団体そのもののセットアップを慎重に行ってからビザを考える必要があります。

 次回、もう少し、今回の質問を踏まえて、どのようにビザの発給の可能性をあげていくのか、考えていきたいと思います。

 本当に山火事が心配ですが、カリフォルニア州はとにかくここ数年雨が少なすぎます。10年前を振り返ると、いまは天候が異常としかいえないと思うのです。

 個人でできることは限られているかもしれませんが、何ができるのか、考えていきたいところですね。また来週まで一週間がんばっていきましょう。


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学生ビザ、いつから不法滞在になるか





June 15, 2018
学生ビザ、いつから不法滞在になるか
 
今回は、あまり法律事務所では扱うところが少ない学生ビザについて考えてみたいと思います。
先月(2018年5月10日)、移民局内で内部通達という形ですが、学生ビザで入国している外国人が「いつ不法滞在とみなされるのか」という点について移民局内で統一的な扱いをするよう明確化がなされました。
もちろん、最近の動向をみていると、外国人に対しての締め付けを厳しくしようという方向です。以下、新たに明確化されたルールを考えてみたいと思います。
 
学生ビザの滞在期間
さて、学生ビザというのはF,J,Mという3つのカテゴリーが移民法上定められていますが、他のビザと違って、滞在期間が明確に決められていない場合も多く存在します。
すなわち、継続的に勉強をするわけですから、「学業が終わるまで」という滞在期間の定めかたがされます。
この学業成就まで、という期間の定め方をDuration of Statusといいます。移民法関連ではD/Sと呼ばれることが一般的です。
Duration of Statusー学業が終わるまで
このD/Sというのは、特定の期間が決まっているわけではないですから、なにか違法なこと(不法滞在と不法就労が主な移民法でいう「違法」です)が発生した場合、「いつから」不法滞在になるという問題がわかりにくいのです。
たとえば、就労ビザについては、いつからいつまで滞在できるということがはっきり決まっています。したがって、期限を超えてアメリカに滞在していれば、「不法滞在」ということになるのは明白なわけです。
Duration of Statusの統一解釈を明確化
D/Sに関しては、いろいろな不法滞在開始時の解釈も存在していましたが、今回移民局ははっきりと、「いつ」不法滞在になるのか、という解釈を統一し、明確化しました。
明確化したのは良いのですが、今までより学生にとってより厳しい解釈となりました。
不法滞在者を減らす目的
まず、今回の不法滞在に関する移民行政の明確化については不法滞在者の数を減らすという趣旨があります。
学生ビザ保持外国人の不法滞在の率はFビザで6%、Mビザでは11%強という統計があります。100人いると、6〜11人が不法滞在をしている計算になります。この数字を減らすことが一応の目的とされています。
 
具体的な運用は?
さて、今回の通達は2018年8月9日(以下「発効日」といいます。)に発効するということが決まりました。
まず、発効日において、学生ビザの資格を保持していないと、発効日から、「不法滞在」ということになります。
もちろん、すでに発効日前から不法滞在といなっている場合には、その不法滞在がはじまった日から起算されるのですが、グレーな場合でも、発効日に学生ビザの資格を保持していない場合には、発効日をもって不法滞在が起算されます。
発効日以降については、以下の基準を持って「不法滞在」が開始すると解釈されるようになります。箇条書きにしておきます。
1 学生ビザの資格に違反する行為があったとき(不法就労等でしょうか)。
2 学生ビザに明示されている就学が終了したとき(もちろん、プラクティカルトレーニング、猶予期間も就学中と判断されます)。
3 期間が定められた学生ビザの場合、その期間が終了したとき。
4 移民裁判所において、強制送還等の決定がされたとき。
この4つの基準で「不法滞在」かどうか判断されます。
以前のルールとの変更点ー移民局の判断に
以前からのルールとなにが違うかというと、上記の1です。
以前は、上記4のように移民裁判所で判断されるまでは、「不法滞在」になるかどうか曖昧な部分があったのですが、今回の行政通達ではっきりと、学生側の違反行為があったら、その時点から不法滞在とすることができることになりました。
つまり、裁判所のような公的機関での判断を待たず、移民局がなんからの捜査で、学生ビザに「違反している」行為があると判断すると、不法滞在という効果が発生することが明確になったのです。
ですので、結論的には移民局が外国人学生に対して「君は不法滞在です」と言える幅が増えたと考えてください。
まずはStudent Advisorに相談を
学生ビザは、I-20という書類を発行できる教育機関で、国土保安省の管轄下にある学校がスポンサーできます
各教育機関は外国人学生のアドバイザーを備えているはずのです。
できれば、今回の改正を受けて、学校のポリシーとして、在学中に何をして良いのか、何をしてはいけないのかなどの取り決めを、必ず学生の方は注意して確認してください。
次回また新しいトピックを考えていきたいと思います。


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アメリカで学生起業_1093[2]





法律ノート 第1093回 弁護士 鈴木淳司
Jan 23, 2018
アメリカで学生起業_1093[2]
週末に法律系の記事を読んでいて大笑いしてしまいました。どこにでもありそうな飲酒運転の逮捕に関する記事でした。読み進めると、昼間から酔っ払った運転手が、銀行のドライブアップテラー(車に乗りながら銀行窓口業務を受けられる)に乗り付けてブリトー(メキシコ料理)を注文して逮捕された、とありました。本人も酔いから醒めたら頭を抱えてしまいそうな状況ですね。人間のやることは考えもつかないことがいくらでもありますね。
 
さて前回から考えてきた質問を今回も続けて考えていきます。
いただいている内容は「私は日本から(アメリカに)留学している大学院生です。エンジニアを専攻していて、現在自分のアイディアを基礎にして起業をしたいと思っています。できれば、将来はアメリカに留まり仕事ができれば良いな、と考えています。私の友人でも、アメリカ市民権を持っていたり、永住権を持っている人は簡単に起業をして、会社経営をはじめているのですが、私はF-1ビザ(学生ビザ)しかないため、普通の学生とは違った形で起業しなければならないのか、など考えています。ネットで色々質問をしても、答えがバラバラで、どのように考えたらよいのかわかりません。一般的な質問かもしれませんが、留学生の起業について、どうやったら良いのか法律的に教えてください。」というものです。
前回、一般論を考えてきましたが、学生ビザでの起業というのは、いろいろな法律が絡んで、なかなか統一的な答えがないところです。今回具体的に、解決策を探っていきましょう。
ただ、前回も注意を喚起しましたが、現在アメリカの政治では移民法に関する議論が活発になされていますので、以下の考え方は現状の考え方だということを理解してください
 
■外国人でも株主になれる
まず、外国人がアメリカの法律に基づいて設立された会社の株主になることは原則制限されていません
日本に在住する日本人もアメリカ企業の株を所有することは当たり前に行われています。投資は原則国境がないというのがアメリカの考え方です。
したがって、学生ビザでアメリカに留学している日本人もアメリカの会社の株主になることは問題がありません。かりに、起業ということでアメリカの会社を設立する場合、株主になることはまったく問題はありません。株主は実質的な会社のオーナーです。
そうすると、一つの考え方としては会社を設立して、その株主になることは問題ないわけです。株主となって、活動をするのはひとつの考え方です。
 
■アメリカの会社を学生が経営する
次に、会社を設立したとして、その経営者になると、少し状況が違ってきます。
経営をするということは、会社のために働くというニュアンスが入ってきます。
学生ビザではアメリカ国内では働けないということが前提になるわけで、会社の株主だけではなく社長になり、業務を行うと、学生ビザの目的に抵触する可能性があるわけです。
ここで私の弁護士のコツについてすべて公開することはできませんが、学生ビザと抵触しない形で経営に関わるような合法的な形をつくることは可能です。
もちろん制約はありますが、現在の移民法と会社法の解釈では形はつくれると思います。
したがって、会社の設立をして起業をするということは諦めることはありません
 
■給与を受けることは別
会社を設立したとしても、給与を受けることは学生ビザではできません
したがって、お金の流れには気をつけなければいけません。
ただ、いろいろな方法で会社は経費を出しますので、移民法に抵触しないような設定をすることはある程度は可能かと思います。
会社を設立すると、毎年税務申告もしなければなりませんし、州の登録なども怠らないような形をとらなければなりませんから、それなりに仕事は増えます。
しかし、会社があるということで、メリットもビジネス的にはでてきますので、諦めないで方法論を考えられたら良いと思います。
ただ、移民法が厳しくなっているアメリカの現状では必ず、起業について経験がある専門家に相談されて、慎重に進められることが重要だと思います。
次回また新しくいただいている質問を考えたいと思います。
いろいろなところで雪が降るという話題を耳にします。体調や事故に注意しながらまた一週間がんばっていきましょうね。




 

Golden Gate sanfran

カリフォルニア州弁護士コラム「囚われの身の恋バナ」(2)_966

法律ノート 第966回 弁護士 鈴木淳司
Nov 25, 2015

 前回の続きです。水洗トイレの水流を止め、夜な夜なA子さんは、コンクリートの床というか天井で仕切られた恋人と将来の話をします。時間はたっぷりあります。というか、他にこれといって刺激がありません。西海岸の彼氏らしき人は、A子さんにまったく連絡もしてきませんので、優しい言葉をトイレ電話でかけられると、A子さんの恋心はさらに燃え上がるのです。

カリフォルニア州弁護士コラム「囚われの身の恋バナ」(2)_966

 判決が言い渡されました。現行犯逮捕ですから、まず情状酌量を願って、最小限度の有罪を認めることで事件は解決しました。

 通常のアメリカ人であれば、執行猶予がつくのでそのままJailから出られるのですが、A子さんは留学生です。判決時に移民局が待っていました。

 私が何度言っても、A子さんは、恋人と話をしていて、舞い上がり、もうすぐ彼氏と会えると信じていたようです。弁護人の話は冷静に聞くべきです。

 身柄が拘置所から移民局に移されるときになって、A子さんはどんなに彼を愛しているのか、涙しながら話しをしてくれました。どうしても結婚したいというのです。

 A子さんは、「彼ってとても私が好きな匂いがするんです」とか「彼ってとても絵がうまいのです」などと語ってくれます。しかし残念ながら、学生ビザを保持する外国人が逮捕勾留されてしまうと、継続的に勉学を続けていないと判断され、移民法違反になります。

 また、米国移民法においては、売春と麻薬は外国人が強制送還となる最たる事由でもあります。ん?移民局に身柄を引渡される寸前、私はA子さんに「匂いがどうとか、絵がうまいとかって、どういうことなの」と聞き、惚れた腫れた2人の行動を聞いてかなり驚いた覚えがあります。

拘置所内での文通に成功していたA子さんと男性

 まずA子さんと男性が何通か手紙をやり取りしていたのです。もちろんJail内にいる収監者間の通信は保安上の理由から許されていません。当たり前です。脱獄の相談をしているかもしれませんからね。

 どうやっていたのか問い詰めると、歯切れが悪いのです。若干詰問しました。まずA子さんは彼に宛てた手紙を書くわけです。それを封筒にいれるのですが、封筒の宛先はデタラメな宛名と住所を書きます。そして、返信先を彼にしておくわけです。そうすると、時間はある程度かかりますが、宛先不明で戻ってきた封筒は彼に届くのです。

 もちろん拘置所において、弁護士との通信以外の内容を検閲することはやっているのでしょうが、検査がゆるいのかもしれません。その方法を使って、A子さんは、彼と見事文通に成功していたと白状しました。

図書館を使って互いの下着を交換

 もう一つ、納得がいかなかったのは、お互いの「匂い」が好きなのだ、とA子さんが言っていたことです。収監されている男女が接触することはまずありえません。これについても説明をしてもらう必要がありました。

 二人はお互いの匂いを確かめる方法がないかを夜な夜な「トイレ電話」を使って協議していました。マッチョな男性がA子さんに言います。「図書館の◯◯辞典の第△巻目の間に下着を挟んで入れておいてくれ。」

 次の日、A子さんが図書館を使える時間になると、A子さんは自分の履いていた下着を指示のあった辞典のなかに挟んで入れておきます。次に男性が図書館を使用できる時間になると、男性は◯◯辞典の第△巻目を開き、人目を憚りながらA子さんの下着の匂いを嗅いで、たぶん眼を細め、遠いところをみつめながら、A子さんのことに思いを馳せます。

 そして、その男性は自分の履いていた下着をまた別に示し合わせていたところに挟み込みます。次にA子さんは、許可された時間に図書館に行ったとしても、本を読むことはしていないはずです。

強制送還されて1年後のA子さんは

 強制送還をされたA子さん本人から、再度連絡があったのは1年ほど経ってからでした。会話のなかで私は頃を見計らって、例のJailにいた彼とはどうなったのか、聞いてみました。彼女は鼻で笑いながら「そういえばそんな話もありましたね」と言っていました。

 それで用件の本題を聞いてみると、今度、今付き合っているアメリカ人男性と結婚してアメリカに行きたいということを言い始めました。過去、麻薬の罪に問われている場合、ビザや永住権の発給のハードルはかなり高いわけです。入国が難しくなっていることを伝えても、彼女はくじける様子はありませんでした。

 さすがにもう良い歳になっていると思いますが、恋多きA子さんが落ち着いて生活をされていることを願っています。少なくとも英語はお上手だったので、それを活かして仕事をされているとか、結婚されているとか。


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