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コンサル料が未払いに。コンサルタントに関する契約_(2) 1183

法律ノート 第1183回 弁護士 鈴木淳司
Oct 20, 2019

 すっかり秋らしくなってきました。紅葉も進んできましたね。ベイエリアでは、もうすぐ来るハロウィンの飾りが街を彩っています。私の所属するカントリークラブでもお化けのようなかぼちゃがいくつも飾られていて、思わず写真を撮ってしまいました。ヒーターがないと朝晩寒くなってきました。皆さんは季節替わりの自然の移り変わりを楽しまれていますか。

コンサル料が未払いに。コンサルタントに関する契約_(2) 1183

 さて、前回から考えてきた委任と請負に関する質問について続けて考えていきましょう。

 いただいている質問は、「ベイエリアでIT関係の会社に勤めていましたが、今年から独立してコンサルタントをしています。コンサル料の支払いでトラブルが生じています。仕事をしたのに、支払いを拒まれています。私は最善を尽くしたのですが、結果としてはうまくいきませんでした。こういった場合には、支払いを受けられないということになるのでしょうか」というものでした。

委任と請負、コンセプトの違い

 少々のおさらいですが、委任というのは、与えられた仕事にベストを尽くすということが目的で、請負というのは、仕事の完成を目的としているということを考えました。

 弁護士や医師の仕事は、基本的に委任になります。なぜなら職業上ベストを尽くさなくてはなりません。一方で、結果は必ず約束できないわけです。

 他方、請負というのは、たとえば建物の建築などに関する契約です。契約上、家の完成が目的になるわけです。これらのパターンが伝統的な委任と請負の実際の例として考えられてきました。

 ところが、近年は、委任だか請負だか、よく割り切れないような契約がかなり氾濫しています。混合的な契約も多くあるのです。

 今回質問されている方も、御自身で、委任なのか、請負なのかよく考えずに、契約書の字面だけを読んで締結されているような気がします。

 質問に、「最善を尽くした」が「結果はでなかった」とあるわけです。そうすると、委任契約であれば、最善を尽くしたのであれば、結果がどうであれ、契約の目的は達したようにも思えます。一方で、請負契約であれば、結果は出ていないのですから、完成義務を果たしていないので、契約上の債務不履行になるようにも思えます。

コンサルタントの義務

 IT業界やコンピュータシステムが発達している今般、コンサルタントの契約といっても、契約の内容に何がどのように書いてあるのか注意して読まないと、委任なのか請負なのか、よくわからないものも多くあります。

 一昔前であれば、契約書のタイトルを読めば、なんとなく内容も理解できていましたが、システムエンジニアリング系のコンサルタントについては、システムの構築そのものにかかわることも多く、構築に関するアドバイスをするだけなのか、またはアドバイスをしつつ、システムの完成についても責任を負うのか、見極めなければいけません。

 契約書を読むとき、コンサルタント側から考えるのであれば、コンサルタントが主語となっていて、続けて、「shall」と規定されている項目はほぼ確実にコンサルタントの義務について書かれている条文です。

 ですので、その条文について、最善の義務を尽くすことが書いてあるのか、なんらかのプロジェクトの完成を目的にしているのか、注意して確認すると今回の質問に対する答えがでるように思います。

仕事内容を具体的に規定しておく

 かりに最善を尽すことだけが義務と規定されている場合、コンサルタントというのは、医師や弁護士のように資格が一般的にはなく、法律や規則で規律されている職業ではありません。

 ですので、仕事の内容に関して、「ベストを尽くした」「尽くしていない」ということで、紛争化する可能性は十分にあります。したがって、簡単に最善を尽くす、ということを契約書で規定することは得策ではありません。

 色々な方法論はあると思いますが、一つの方法としては、具体的に何をどのようにするのか、いちいち細かく規定するのが良いと思います。

 面倒かもしれませんが、将来の紛争を防ぐために、コンサルタントとして何をするのか、ということを具体的に書けば書くほどよいと思います。裏を返すと、コンサルタントとして、契約書に規定されたことをしなければ債務不履行には問われますが、自分の能力を基礎として、慎重に契約を締結することができると思います。

 それから、委任、請負と色の違うコンセプトで雇用というものがありますね。今回は考えませんが、委任と請負というのは、誰かのコントロールに入るわけではなく、独立した事業主であるというところが一番大きな違いです。また、いつか法律ノートで考えていきましょう。

 今週末から、色々パーティーとか、集まりが多くなる季節です。酒も美味しい季節ですが、運転等はとにかく気をつけましょう。私はインフルエンザの予防接種を受けましたが、病気に注意しながらまた一週間がんばっていきましょうね。

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コンサル料が未払いに。コンサルタントに関する契約(1)_1182

法律ノート 第1182回 弁護士 鈴木淳司
Oct 12, 2019

 ベイエリアでも、突風対策で計画停電が行われましたが、日本でも台風が直撃しているようです。世界的に自然災害の規模が大きくなっているように思います。ところで、最近はスマホで、緊急情報が入ってきて、ある意味便利になってきているのですが、「注意しろ、注意しろ」と言われても、一体何を具体的にしてよいのかわからないときがありますね。ただ不安感が増すだけだと情報過多になって良くないようにも思います。皆さんも日々災害対策されていますか?

コンサル料が未払いに。コンサルタントに関する契約(1)_1182

 さて、今回から新しくいただいている質問を考えていきたいと思います。

 いただいている質問を皆さんと考えていきましょう。まとめると「ベイエリアでIT関係の会社に勤めていましたが、今年から独立してコンサルタントをしています。コンサル料の支払いでトラブルが生じています。仕事をしたのに、支払いを拒まれています。私は最善を尽くしたのですが、結果としてはうまくいきませんでした。こういった場合には、支払いを受けられないということになるのでしょうか」という質問です。

 ベイエリアは好景気ですので、自分の能力をできるだけ高価でお金に換えるということが人生で最重要といった風潮があります。

 私はあまり参加しませんが、ビジネス系の交流会に顔を出すと、コンサルタントの方たちが多く、企業に属しない人たちが名刺を配ってアピールしている姿にびっくりしたことがあります。今回質問されている方も、色々自分の売り込みが大変ではあったものの成功したようですが、最後に関係が悪化するのは、心が痛いのではないでしょうか。

専門分野に絞った契約書の利用を

 さて、法律ノートではコンサルタントに関する契約ということについて、少々今回の質問を踏まえて考えていきたいと思います。

 まず、コンサルタントというのは、一般的には、自分の有している知識や経験に基づいて知的サービスを提供することを業とする人を言います。そうすると、ある程度の専門的な分野に集中して業務を提供していくことになると思います。

 汎用性のある契約書ではなく、ある程度分野に絞った形の契約書を利用するのが良いのですが、現状では多くの方々が、インターネットで落としてきた一般的な契約書を自分の感覚でいじって利用しているような現状があります。

 私自身も、企業からコンサルティング契約を見せてもらうことが度々あるのですが、やはり内容的にはコンサルタントの方々が法律をよく理解していないような契約書を目にします。難しそうなことは書いてありますが、根本的な法律の理解がないわけです。

 今回法律ノートでいくつか今回頂いている質問に絡めて考えていきたいと思います。

「委任」か「請負」か

 まず、皆さん「委任」と「請負」という言葉を聞かれたことがありますか。

 聞き流しているときも多いのかもしれませんが、法律的にはかなり違う内容になっています。

 委任というのは、主に法律業務や医療業務のように、結果は保障できないような業務に使われます。受任を受けた人たちができる限りのベストを尽しても、結果が残念なことになる場合もありますよね。色々な外部からのファクターがあるからです。

 このような場合には、最善を尽くす契約を締結し、それが委任関係ということになります。会社と取締役の契約も委任というのが一般的です。

 一方で、請負というのはプロジェクトの完成を目的にしています。

 したがって、たとえば家の建築とか、業務の達成とか、完成を目処に行う契約が請負ということになります。

 この委任と請負の違いを考えると、契約において、何を目的に設定しているのか、ということで内容に違いがでてくることがわかりますよね。現代のアメリカでは、この委任か請負か、という棲み分けが明確にされていないことが多くあります。

 しかし、根本的にはこの「最善を尽くせばよいのか」または「完成をすることを目的にしているのか」という違いはかなり契約内容によって重要になります。

 ここから次回考えていきましょう。

 秋を楽しむどころか、どこもかしこも災害がひどい状況ですが、落ち着くことを祈ってまた一週間がんばっていきましょうね。


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管理会社の不明瞭会計、仲裁か訴訟か[4]





 
法律ノート 第1078回 弁護士 鈴木淳司
Oct 11, 2017
月曜日はコロンバスデーというということで、私の所属する事務所は裁判所の休みに合わせているので、休みでした。私も三連休をいただき、かなり気分転換をしました。コロンバスデーというのは微妙な日で、金融機関や司法関係はおやすみですが、ビジネスは一般的に営業しています。そういえば、コロンバスは先住民を多数殺めたという歴史認識を持つ人達が、名称を先住民の日にするべきだとデモをしていました。どこかの国も歴史認識で争っていますが、情報網が発達した現代では、戦争だけではなく、歴史認識を基礎とする意見の対立が激化していきそうですね。ベイエリアは、ナパの大火事で煙ったいですが、みなさんは秋を楽しまれていますか。
 
管理会社の不明瞭会計、仲裁か訴訟か[4]
 
さて、前回も引き続き、次のような質問です。
「私は投資用の物件をカリフォルニアに持っている日本在住の者です。
 この物件について、ある不動産管理会社に管理を任せているのですが、かなり管理がずさんで、収支、とくに支出に不明瞭な点があります。何度尋ねても納得する回答がありません。訴訟も辞さないことを伝えたところ、管理契約によって、訴訟ではなく仲裁(Arbitration)で紛争は解決しなければならないので、必要であれば、仲裁をカリフォルニアで行うことにしたいという返答が来ています。
私としては、日本に住んでいるのでわざわざ仲裁を行うために、アメリカに出向くことも避けたいですが、一方で訴訟にしてすべてを明らかにしていきたいという気持ちもあります。このようなケースでは、そもそも仲裁をしなければならないのでしょうか。」
今回はその最終回となります。
 
仲裁の進み方ーイメージ柔軟なミニ裁判
今回は、仲裁はどのように進行していくのか考えましょう。
仲裁というのは、裁判と違って、どちらの当事者が強制的に参加させられるものではありませんお互いに同意があってはじめて成り立つ手続きであります。
今回の質問されている方は、契約書に仲裁を同意する一文が入っていることから、同意はしていると考えられるでしょう。
さて、仲裁というのは、手続き的には、ミニ裁判といった感じでしょうか。
いわゆる事実的な判断をする仲裁人というのがいます。この仲裁人も何人かいるなかから、両当事者の合意で選ばれます
元裁判官という場合もあれば、経験豊富な訴訟弁護士なども選ばれるでしょう。
ただ司法関係者である必要はまったくなく、医師や建築家もなることができます。また、一人の場合もありますし、3人の場合もあります。
基本的に、両当事者の合意があればどのようなアレンジメントも可能なのです。
仲裁人というのは、両当事者の話を聞いて、そのうえで、事実的な判断をする役割を負います。本来の裁判でいえば、陪審員や、裁判官みたいな立場です。
 
場所も選ばない
仲裁というのは、私的に合意をして行われる事実判断の場ですので、裁判所で行われるわけではなく、通常のオフィスなどで充分に対応が可能です。
 
証拠法の適用がない
また、この部分は決定的に裁判と違うのですが、証拠法の適用がありません
裁判で使われる「証拠」と呼ばれるものは、かなり複雑なプロセスを経てから、裁判に登場にします。何か情報があれば、即裁判上の「証拠」になるわけではありません。
仲裁はこの点フリースタイルですから、仲裁人の判断で、裁判で証拠にならないものも証拠にすることが可能になります
良い面と悪い面があると思いますが、フレキシブルに色々なことができるということは争いがありません。
たとえば、今回質問されている方も、わざわざ仲裁をするのにアメリカまで来るのは嫌だと思われていれば、代理人を立てて仲裁を行い、証言をビデオなど通して行う、という方法も異議がなければ可能です。ただ、直接証言するインパクトはないので実際、説得力は減殺される可能性はありますね。
 
以上で大まかですが、今回の質問を考えてみました。もし、何か疑問が読者の方にあれば、また追加で質問していただければと思います。
今年の夏は暑かったですが、今はずいぶん気持ち良い季節になりました。このまま秋が続けばいいのにな、と思います。私は風邪からすっかり回復して元気満タン状態です。みなさんも秋を楽しみながらまた一週間がんばっていきましょうね。
 




 

管理会社の不明瞭会計、仲裁か訴訟か[3]





 
法律ノート 第1077回 弁護士 鈴木淳司
September 30, 2017
今、移民局を統括する国土安全保障省のトップが、政府などの飛行機を私用で使ったのではないかということがニュースになっています。本人は不正利用を否定しているようですが、一部返金するということを言っています。それで飛行機のチャーター代を返金するのかと思ったら、全額を一人分の運賃で割った金額ということで、少々せこいなぁ、と思っています。最近はよく日本でもアメリカも政治家のスキャンダルがメディアに露出していますね。政治家も大変です。
 
管理会社の不明瞭会計、仲裁か訴訟か[3]
さて、前回まで考えてきた「私は投資用の物件をカリフォルニアに持っている日本在住の者です。この物件について、ある不動産管理会社に管理を任せているのですが、かなり管理がずさんで、収支、とくに支出に不明瞭な点があります。何度尋ねても納得する回答がありません。訴訟も辞さないことを伝えたところ、管理契約によって、訴訟ではなく仲裁(Arbitration)で紛争は解決しなければならないので、必要であれば、仲裁をカリフォルニアで行うことにしたいという返答が来ています。私としては、日本に住んでいるのでわざわざ仲裁を行うために、アメリカに出向くことも避けたいですが、一方で訴訟にしてすべてを明らかにしていきたいという気持ちもあります。このようなケースでは、そもそも仲裁をしなければならないのでしょうか。」という質問を続けて考えていきましょうか。
 
紛争を解決するための手続き
前回まで、今回質問のあった紛争の実体的な内容について吟味してきました。今回は手続き的にどうなるのか考えていきたいと思います。
 
契約書の仲裁条項
まず、今回質問されている方は不動産の管理契約をカリフォルニアの会社と締結されているようです。
この契約書がカギとなるのですが、通常はこのような契約書を不動産業者側が出してきたとすれば、そのなかに強制仲裁条項が入っていることが少なくありません。もちろん、あまりにも不当な仲裁の内容であれば、争うことも考えられますが、最近の契約書では調停や仲裁事項について、かなり綿密に練られた条項が入っています。また、不動産関係では、業者を束ねたり、指導する政府や団体が多くありますが、モデル契約書というのを用意していることも多く、なかなか文面はしっかりしているものも多くあります。
数回前に考えましたが、仲裁をするというのは悪いことではありません。訴訟の様にお金も時間もかからないケースが多いです。
かりに、何も仲裁条項に関して違法な内容であったり、一方当事者にかなり不当でない限り、有効となりますので、この場合仲裁の対象となる内容については、仲裁をすることで解決をはかることになろうかと思います。
そして、仲裁条項には、通常、仲裁の方法や場所についても明記があります。
かりに場所がカリフォルニア州のどこどこ、と記載されていれば、その記載に沿って仲裁が行われることになります。もちろん、今回質問されている方のように、日本からわざわざカリフォルニアに来るのは大変かもしれませんが、契約書にそのように記載して、その契約書に同意していれば、基本的には、契約書に記載された形での仲裁を行わなければなりません。
 
仲裁条項は尊重した方が無難
仲裁条項というのは、もともと訴訟を回避するために、記載される条項ですから、契約の規定を無視して、今回質問されている方のように、いきなり訴訟提起をするということはお勧めできません。たぶん、訴訟を提起した場合、相手方は仲裁を促し、その立場に裁判所も同意することになると思います。そうすると、訴訟を提起しても労力の無駄であって元の木阿弥になる可能性が大きいです。
アメリカでは、契約書にサインをしてしまったら、その内容についてあとになってから文句を言うことはなかなかできません。日本では、「契約に書いてあるけどさぁ、でも…」という場面もあるかもしれませんが、アメリカでは契約書に沿って粛々と権利を行使し、義務を負うというイメージでしょうか。
ですので、今回質問されている方も、カリフォルニアで仲裁するのは気に入らないかもしれませんが、契約に記載されている以上、やはりその内容に沿って権利を実現していくのが妥当といえると思います。
 
仲裁はどのように進んでいくか
では、仲裁とはどのような形で進行していくのでしょうか。次回ここから考えていきたいと思います。
 
私は風邪をもらったのか、少々体調が優れなかったのですが、だいぶリカバリーしてきました。これから寒くなると、風邪が流行するので、みなさんも体調には気をつけてくださいね。
また、一週間、楽しいことを秋の中に見つけながらがんばっていきましょうね。




 


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自宅を改装中。追加支払いの要求に応じるべき?[1]





法律ノート 第1031回 弁護士 鈴木淳司
October 29, 2016
先週まで、法律ノートで、電話越しにIRS(米国国税庁)だと言われて、情報を渡してしまったというトピックを数回考えましたね。先週、FBI(連邦捜査局)が、おおがかりな、電話を使った詐欺事件で容疑者を逮捕したということです。60人以上が関わっていたようですが、実際に電話をかけていたのはインド人で、アメリカ人である主犯格はインド人を雇ってやっていたそうです。特に、移民の人達や、高齢者を狙って金銭を奪うという卑劣な犯罪なのですが、報道によれば250億円以上の被害が発生しているということです。真の社会的弱者に対してこのようなことをするというのは、良心をまったく感じませんね。
前回まで何度も考えましたが、とにかく、行政機関が電話越しに情報を提供しろ、とは言ってくることはありえないので、絶対に電話で色々な情報を渡さないでくださいね。
自宅を改装中。追加支払いの要求に応じるべき?[1]
さて、今回から新しくいただいているトピックを考えていきたいと思います。いただいている質問をまとめると、「自宅の改装をコントラクターに頼んでいます。自宅の一部を改装するために、コントラクターに仕事を頼んでいます。契約に基づいてすでにお金は一部払っています。まだ、改装の途中なのですが、時間がかかっていることと、コントラクターがお金を必要としているということで、追加の支払を求められています。私としては中途で仕事を投げ出されるのは怖いのですが、支払うことも躊躇しています。どのように対応していくべきなのでしょうか。」という質問をいただきました。
カリフォルニア州のコントラクター
コントラクター(日本語で一般的に言うと請負業者とでもいいましょうか)というのは、色々な業種がありますが、カリフォルニア州では、Contractors State License Boardという州の機関がコントラクターの資格について監督しています。したがって、コントラクターは州の法律にしたがって、行動する必要がありますし、支払を受けることについても、ある程度の規制がされているのです。
コントラクターとハンディーマン
さて、基本的なところから確認していきたいと思います。
コントラクターが仕事をする場合、コントラクターとしてのライセンスを得たうえで、州に登録しなければなりませんが、労働と原材料を併せて500ドル以下の仕事であれば、カリフォルニア州内では、コントラクターのライセンス登録は不要となります。よく、自己紹介で「ハンディーマン」という人がいて、コントラクターと言わないのは、ライセンスはないけれども小さな仕事をやっている人を指すのです。登録が何かの理由でできない場合もあるのでしょう。
州登録が義務付けられている理由
そうすると、労働と原材料を併せて500ドル以上の仕事を請け負う場合には、必ずカリフォルニア州に登録しなければなりません。
登録してあるかどうかは、上記の州の管轄にあるContractors State License Boardに問い合わせれば教えてくれますし、現在ではウェブサイトでも登録の確認が誰でもできるようになっています。そして、コントラクターは、最低でも1万2千5百ドルのボンド(すなわち、何か事故や不履行が起こった場合の担保)に入っていなければなりません。何か問題が起きたときの引当にするためです。この引当があるので、州に登録しているコントラクターに請け負ってもらうことが重要なのです。
事前の契約締結が必須。その内容は?
次に、今回の質問を考えるうえで重要なのは、どのような契約書をかわされているかということです。州で登録しているコントラクターは、仕事をする際に契約書をかわさなければいけませんので、必ず契約書は存在しています。今回の質問を考えるにおいても、まず契約書がどのような内容なのかを確認する必要があるのです。
契約書の読み方ーダウンペイメントー
ここで、まず私が契約書を皆さんから見せられたら確認する内容があります。それは、前払いのダウンペイメントです。ダウンペイメントは法律で上限が決められていて、プロジェクトの総額の10%または1000ドルが上限として決められています。
これを超えてお金を要求してきているようなことがあれば、これは「怪しいのではないか」と思います。私が見てきている事件でも「先にお金を渡してしまった」というケースが多くあります。
まずは、誠実な、というかまともな一般的なコントラクターは、10%以上のお金を請求してこないのだ、ということで理解してください。今回質問されている方もまずは、この点を確認されてください。
支払い時点は契約書に盛り込む
次に契約書で、私だったら気をつけて観察するのが、どの工程が終わったら、いくら払うのか、ということが明示されているかどうかです。ちゃんとした、契約書であれば、たとえば、基礎が出来上がった時点で15%、枠組みが出来上がったら、15%、色を塗ったら15%というようにかなり細かく支払条件が設定されています。もちろん小さなプロジェクトであれば、終わった時点で90%ということになるとは思いますが、そうでなければかなり刻まれた形で規定されています。もちろん、皆さんとしては一つ一つの工程に関してよくわからないこともあると思います。
その場合には、ちゃんと説明を要求して、具体的に、どの段階まで終わったら支払が発生するのか、確認して、法律用語でもなくて良いので、契約書にしっかり書いておくことが重要なのではないでしょうか。
次回ここから続けていきたいと思います。ハロウィンが迫ってきました。皆さんうまくお化けを追っ払って、楽しい一日にされてください。ベイエリアは雨模様ですが、おばけは雨も関係ないのでしょうか。
また一週間がんばっていきましょうね。



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契約書の作成、アメリカでの一般的な対応は?(2)_990

法律ノート  第990回 弁護士 鈴木淳司
Jan. 20, 2016

 アメリカの宝くじはジャックポッドが数百億円にまで膨れ上がり、ちょっとしたフィーバーになっていました。私もハズレクジを買いましたが、まあ、3億分の1の当選確率らしいので、ちょっとしたお遊びみたいなものですね。私は車の運転中、いつも交通渋滞も流れるニュースチャンネルにラジオを合わせているのですが、宝くじを買った人にインタビューしているニュースはかなり微笑ましかったです。哀しいニュースよりも、ウキウキしている人たちの声は聞いていて楽しいですね。みなさんの宝くじは当たりましたか。

契約書の作成、アメリカでの一般的な対応は?(2)_990

 さて、前回から「現地法人の者です。日本の法務部から赴任してきたばかりです。現地法人では法務部というのはないので、法務担当として働いています。前任者は、様々な市販の契約作成ソフトで契約書をつくって使っていたようです。前任者に聞いたところ、法律家の目を通さなくても、今まで問題はなかった、ということでした。このようなやり方でも良いのでしょうか。また、アメリカでは一般的にどのように企業は対応しているのかを教えていただけないでしょうか」

弁護士に相談するコストを捻出できるか

 前回は契約作成プログラムで生成される契約書について考えました。基本的には、そこまでトンチンカンな変更をしなければ、一般的には「そんなに悪くはない」と思います。一般的に、このようなプログラムを主につかって契約書の作成に対応している会社も存在します。

 しかし、一方で、弁護士などの法律家に相談できる企業もあります。もちろん、弁護士などに相談ができるのであれば、そういった企業はある程度契約作成プログラムなどの雛形を使っても安心感があるでしょうが、そのように、いちいち弁護士に相談するコストも捻出できないという企業もあると思います。

 今回の質問にざっくりお答えするとして、一般的には、頻繁に弁護士に相談する企業と、たまに必要なものだけ、弁護士に相談する企業があると思います。

 会社の費用捻出などの観点から、頻繁に弁護士に相談ができない企業、たぶん今回質問をされている企業も同様でしょうが、どのように契約作成に関してリスクを減らしながら対応していけば良いのでしょうか。いくつかの注意点を考えておきましょう。

信頼できるソースからの雛形を利用し、できるだけ変更しない

 まず、雛形を利用する場合には、信頼できるソースから出されているものを利用することです。単にインターネット上に転がっているものは信頼がおけませんし、内容についても、実際の契約内容に沿っているとは限りません。あくまでも、雛形についてある程度の責任があるような団体のものを利用することが重要です。

 次に、雛形を使用する場合には、できるだけ内容を変更しないようにしてください。もともとある程度完成形で雛形としているわけですから、雛形をできるだけいじらない方が、問題が発生しづらいわけです。

 もし、内容をかなり手を加えなければならないときがあれば、その部分については専門家に相談をしたほうが良かろうと思います。とにかく、雛形をいじると、齟齬が生じやすいということを理解してください。

継続的な契約をしている相手か、初めて契約をする相手か

 第3点目ですが、契約の相手方を見て、単にプログラム作成の契約書で良いのか、法律家に相談するべきなのか、を考えた方が良いと思います。

 何度も継続的に契約をしている相手方では、同じように雛形の契約書を利用しても、さほどの問題はないと思います。また、一度法律家が目を通した、雛形的な反復継続して利用する雛形であれば、これもそこまで問題は無いと思います。

 しかし、はじめての案件で、相手方と交渉内容がかなりヒートアップするような場合、はじめての契約でさらに交渉内容が多岐に渡る場合などは、専門家の力を借りた方が良いと思います。

一回的な契約か、継続契約か

 また、第4点目ですが、契約の性質を一回的な契約(たとえば、物の売買契約ですね)と、継続契約(商品の製造・再販や、コンサルティングサービスなど)という観点から分けた場合、一回的な契約であれば、雛形でも問題は少ないと思います。なぜなら、物とお金を交換すれば、それで基本的には「終わり」だからです。

 ところが、家を借りるなどの賃貸借契約をはじめ、継続契約においては、契約期間中ずっと契約関係が持続するわけですね。そうすると、問題が生じたときに、契約書に立ち戻る可能性が大きいわけです。ですので、継続的な契約については、特に全体の金額が大きくなる場合には、専門家に簡単にでも内容を確認してもらったほうが良いと思います。

 今回質問されている方も、一回的な契約であれば、問題ないかもしれませんが、継続的な契約関係がある場合には、一応目を通して、気になったところは専門家に聞いてみるのが良いと思います。

 以上で、だいたい今回の質問にはお答えしたと思いますが、他にも気になるところがあればいつでも質問をしてくださいね。

 雨が多いですが、運転などには気をつけてまた一週間がんばっていきましょうね。


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カリフォルニア州弁護士コラム「2015年回顧」_987

法律ノート 第987回 弁護士 鈴木淳司
Dec. 28, 2015

 2015年最後の法律ノートです。読者の皆さんに支えられて、今年も続けていくことができました。途中、読者の方から回数の振り間違えを指摘されて、一時期回数を巻き戻してご迷惑をおかけしましたが、結果として無事に元通りになりました。順調に行けば、来年は4桁の大台に乗るわけです。

 これもひとえに読者の皆さんが質問をしてくださり、一緒に考えてくださっていた賜物です。私一人ではこのように続けることはできませんでした。皆さんの質問に答えなければ、と思う気持ちがここまで私の背中を押していただけたのだとつくづく思います。

 読者の皆さんに感謝の気持ちを込めつつ、皆さんにとって素晴らしい2016年でありますように心から祈っております。

カリフォルニア州弁護士コラム「2015年回顧」_987

 2015年の業務を振り返ると、日本の企業の海外進出が活発になってきたように思います。ただ、日本における消費の停滞のため、海外に活路を見出すという考えが根底にあるように思います。アジア諸国の台頭により日本の景気が曇っているというファクターはあると思います。

ビジネスの関係は世界規模に

 また、海外進出をする企業を見ていると、ビジネスの関係が世界規模になってきていと思いました。私が目にした契約書を振り返ると、日米間のみの契約書よりは、日米を絡めて、他の国々も関係するものが増えてきたように思います。国単位ではなく世界規模の経済のなかでどのように日本の企業が立ち振る舞うのか、2016年も課題になるのだろうと予測できます。

 世界規模の経済を意識するのは大企業に限りません。日本の中小企業でも技術力があるところも多いのですから、先見の明があれば世界に活路が広がるであろうし、そうなってほしいと願っています。

ナショナリズムの高揚

 ビジネスは世界に分散していく一方で、各国のナショナリズムが高揚した年でした。日本でも安全保障について考える機会がありました。アジア諸国との関係についても緊張が高まる場面がかなりあったと思います。

 イスラム系の過激派と西洋諸国の衝突は日本にも影響をして、収束するよりは拡大方向にあります。テロに対してさらに武力で向き合うという状況が2016年も続くのでしょうか。世界平和を各人が意識する社会をつくるように一人ひとりなにができるのか、考えていかなければなりませんね。

 米国のナショナリズムの高揚も感じられました。大統領候補者のスピーチでは、「米国民の安全」というフレーズばかり聞かれますし、極端な発言では「イスラム教信者を入国禁止にするべきだ」といった、人種や宗教を一括りにする残念な発言も一定の支持を得たりする状況が続いています。

 来年は新しい大統領が選ばれるので、政治がどのような舵切りをするのかは現在不明ですが、極端な方向のナショナリズムには注意していかなければならないと思っています。

ビザの発給審査は厳しくなる予想

 イスラム過激派に関しては、アメリカに滞在する日本人にはあまり関係ないと思われるかもしれませんが、移民法などではビザ無し入国の事前審査(ESTA)において、イスラム国への入国歴やつながりを更に詳細に調べることになりましたし、ビザの発給審査も厳しくなってくると予想されます。

 どこの国でも外国人を入国させるかどうかは、国の広い裁量に任されていますので、アメリカにおいては、偏ったナショナリズムが移民法の運用に関して影響しないことを祈っています。

 イスラム教というのは元々穏やかな宗教で、ごくわずかな極端な経典解釈をする過激化がテロ行為を起こしているわけです。宗教が違ったとしても、他の宗教はどう考えているのか、各人が理解することは重要だと感じた一年でした。

 私の所属する事務所は、新しい弁護士も加わり賑やかになりつつ、無事に一年を終えました。2016年もがんばっていこうと皆で話をし、年末のパーティーも終わり、年始を迎えることになりそうです。

 もちろん2016年も法律ノートを皆さんと一緒に続けていきたいと思っております。法律ノートは皆さんの質問が半分、私の回答が半分だと思っておりますので、どうか2016年も皆さんと育てていきたいと思っておりますので、変わらぬご愛顧をお願い致します。せっかく4桁の大台に乗るのですから、何か特別な企画でもしてみたいものです。案があれば、読者の皆様の御意見もお伺いしたいところですね。

 とにかく、読者の皆さん一年間お付き合いありがとうございました。2016年が皆さんにとって幸多き年であり、皆さんが健康に過ごせることを心から祈っております。


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アメリカの契約書にある「Recital(s)」とは? (2)_964

法律ノート 第964回 弁護士 鈴木淳司
Nov 7, 2015

 先週、刑事事件の法廷に行きました。あまり馴染みのない法廷だったので、在廷していた弁護士も顔見知りの人がいませんでした。法廷内に居て、裁判官が不在のときは結構手持ち無沙汰になるので、私はよく同じ法廷にいる弁護士に話しかけて、いろいろ他愛のないことを話しています。結構有用な情報も手に入りますし、顔見知りが増えることは悪いことではありません。

 先週も、結構年配の弁護士をつかまえていろいろ話し込みました。検事局の最近の人事のことなどどう思っているかなど聞いていたら、よく知っているみたいでした。かなり話し込んでから気づいたのですが、私が勘違いしていて、弁護士ではなく検事でした。まあ、仕事を離れれば良い人が多いわけですが、事件の感触などに触れなくて良かったです。顔を見ただけでは弁護士か検事かわかりませんから、気をつけなければいけないと若干冷や汗ものでした。

アメリカの契約書にある「Recital(s)」とは?(2)_964

 さて、前回から考えてきた、「私は法務担当で、毎日海外との契約書のレビューを行っています。契約書を日本語に訳すことも多くあるのですが、よく英米の契約書の文頭に、「Recital(s)」と書かれている部分があります。辞書を調べると「説明事項」とかかれているのですが、あまり的確な訳とは思えません。そもそも、契約書の文頭でなぜ、Recital(s)というものが必要なのか、何を説明するためのものかわかりません。契約書において、Recital(s)がどのような位置づけなのか教えていただけないでしょうか」というものです。

Recital(s)には、契約当事者が今どのような関係にあるかを書く

 前回のまとめですが、契約書が必要ということは、通常将来どのようなビジネス等の関係を持つか、ということを事前に決めておくことが契約内容である、ということを考えました。

 駄菓子屋で、10円出す対価としてアメをその場でもらうのであれば、格別契約書など不要でしょうが、複雑なビジネスの構造になればなるほど、将来の関係を規律するルールをつくっておこうということになります。これが、契約の内容になるわけです。

 では、Recital(s)というのはどのようなものかというと、通常、契約に登場する人や会社、すなわち契約当事者の「現在」存在する関係を書きます。

 契約書を締結して、将来一定の関係を保っていく前置として、今、どのような関係にあるのか、当事者はどういった性質を持っているのかを記述しておきます。

 よく目にするのは、Recital(s)のなかに実質的に将来行う関係などを記述したり、まったく関係のないことを記述したりした契約書を目にするのですが、これはあまり宜しくありません。契約書には、あくまでも最低限必要な情報があれば良いのであり、余事記載をすると内容が不明確になりかねません。したがって、本来であればRecital(s)も簡潔にするのが良いと思います。

最低限、書くべき内容は2つ

 明確なルールはありませんが、契約そのものの内容にもかかわる情報でRecital(s)に書いておくべき最低限の内容としては、(1)当事者がどのような仕事をして、今回の契約にどのような関係があるのか、たとえば、当事者Aは製造業を営んでおり、国際的に商品を広めるために、ジョイントベンチャーを望んでいる、といった程度で良いと思います。

(2)次に、契約当事者間で、現在一緒になって行なっているビジネスや、関係があれば、簡単に記述します。たとえば、「本件契約締結に向けて、守秘義務契約書を締結している」といった程度で良いでしょう。基本的にこの2点だけで良いと思います。

 (3)さらにどうしても、特殊な事情で特筆すべきものがあれば、その内容も簡略に述べておけば良いと思います。たとえば、以前に一度業務提携を解消した事実、とか、お互いに訴訟をしていて和解をしている事実、とか、今までは再販契約を結んでいて、今回ジョイントベンチャーを契約する運びになった、とかいったものでしょうか。

当事者の権利や義務については記載すべきでない

 Recital(s)の役目は現在の関係で契約の内容に関わるものを最小限度書けばよいのですから、上記3点の程度に収めておくべきです。もちろん、現在存在する事実関係を記述するだけの役割ですから、後になってRecital(s)の内容で紛争化することは原則ありません。

 したがって、今回の法律ノートに沿って注意をしていれば、Recital(s)というのは、あまり重要な役割を負っていないということがおわかりになると思います。本来は契約の一部となり得ない部分なのですね。

 とにかく、当事者の権利や義務については、Recital(s)に記載するべきではない、ということを理解していただければ良いと思います。

 かなり寒くなってきて、街ではインフルエンザの予防摂取の看板が多くなってきました。体調には充分注意しながらまた一週間がんばっていきましょうね。


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アメリカの契約書にある「Recital(s)」とは? (1)_963

法律ノート 第963回 弁護士 鈴木淳司
Nov 2, 2015

 ハロウィンが終わると夏時間も終わり、夜が長くなりました。ハロウィンは、冬のはじまりを告げる行事ですが、本当に今週から寒くなりそうです。もともとハロウィンは、日本で言うお盆であって、霊が戻ってくるという考えからはじまったものです。また、農作物の収穫が終わり、けじめの意味もあったようですね。

 日本でもハロウィンが最近になって流行しているようですが、ただの仮装大会化しているようで趣旨が違うように思います。アメリカではハロウィンは子どもたちの行事であって、近所を練り歩いてアメやチョコレートをもらえる、日本でいえば、いわばお年玉が手に入る貴重な日であります。大人ばかり盛り上がって、子供たちがお菓子をもらえない日本では、子どもたちには納得がいかないのではないでしょうか。

アメリカの契約書にある「Recital(s)」とは? (1)_963

 さて、今回は、日本企業の法務関係に従事されている方からの質問を考えていきたいと思います。いただいた質問をまとめると「私は法務担当で、毎日海外との契約書のレビューを行っています。契約書を日本語に訳すことも多くあるのですが、よく英米の契約書の文頭に、「Recital(s)」と書かれている部分があります。辞書を調べると「説明事項」とかかれているのですが、あまり的確な訳とは思えません。そもそも、契約書の文頭でなぜ、Recital(s)というものが必要なのか、何を説明するためのものかわかりません。契約書において、Recital(s)がどのような位置づけなのか教えていただけないでしょうか」というものです。

アメリカでは考えられることをすべて書面にしておく

 英米法の契約書、特にアメリカの企業がかかわる契約書は往々にして長文になります。日本のように、「民法」や「会社法」といった統一された法律がなく、連邦と各州に様々な法律がアメリカには存在しますので、契約書を作る際には、できるだけ、事細かに規定をしておこうという意図があるからです。

 また、アメリカでは、判例が法律と同等の効力を有すると考えられていますので、判例の考え方なども、積極的に契約書に取り入れるのが一般的だからです。日本であれば、「疑義があれば民法に従う」という条項があれば済むのですが、アメリカでは、色々な場合を想定して、考えられることはすべて書面にしておこうという基本的なスタンスがあるのです。

 また、従来あまり契約書に盛り込まれていないRecital(s)というのもアメリカの契約書にはよく出てくる内容です。今回質問されている方は、そもそもRecital(s)というのが必要なのかどうか、ということも質問に書かれていますが、実際にRecital(s)というのはどのような役割をしているのか、以下皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

契約書とは、契約を結ぶ人や会社の権利義務を明確にするもの

 Recital(s)の性質を考える前提として、まず、契約書というものは、どういうものなのか一般的ですが考えておきたいと思います。

 契約書というのは、簡単に言ってしまえば、契約を結ぶ人や会社がどのような権利義務を持つのか明確にしておくものです。もちろん権利義務というのは、現在進行形で存在するものですが、契約を締結して、「将来」どのように当事者が振る舞うのかを決めておく意味があります。

 たとえば、皆さんがスーパーに行って、現金を払って肉や魚を買うのであれば、契約書の必要性は薄いですよね。その場で、お金と物を交換して、はい終わりという関係ですから。もちろん、肉が腐っていたとか、魚の数が足りなかった、などということであれば、別途解決が必要になるかもしれませんが、基本的にはお金と物を交換して終わりです。

 ところが、世の中には、このような単純な関係ではなく、かなり複雑な契約関係が存在します。物を製造し、供給する関係、一緒にビジネスをしていこうという関係、当事者が2人(2社)以上登場する関係、など、世の中には契約関係という信頼関係で成り立っています。

基本的に将来の関係を決めるのが契約書

 このように考えると、将来どのようにビジネスをやっていこうか、という話をする場合、色々なルールを決めておこうというのが契約書といえます。したがって、契約書で決めることは、基本的に将来を見ています。物の売買契約でも、将来ある物を1万個供給する対価として、金◯◯万円を支払うことに合意する、という形になります。スーパーで買い物をするのとは違って、将来の関係を決めるわけです。

 今回質問の内容にあるRecital(s)というのは、この将来の関係が書かれているわけではなく、今現在ある当事者の関係を書いているので、契約の内容とは趣旨が違うのです。次回続けて考えていきましょう。

 寒くなってくると、体調にも影響しますので、体を暖かくすることに注意しながらまた一週間がんばっていきましょうね。


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リゾート地のタイムシェア。法律的には?(1)_980

法律ノート 第980回 弁護士 鈴木淳司
June 23, 2015

 先週、新潟で開業している友人弁護士から高校野球のピッチャーが伸び伸びと投球している写真が届きました。20年ほど前にその友人は留学していて、当時生まれたばかりの彼の子供を私が膝に乗っけて写真を撮ったことを覚えています。子供の成長に目を見張りました。この20年、私の体で成長したといえば、腹周りと中性脂肪の値くらいでしょうか。

リゾート地のタイムシェア。法律的には?(1)_980

 さて今回から新しくいただいている質問を考えていきましょう。質問をまとめると「あるリゾート地で、タイムシェアを購入しました。最近ではいろいろなプランが出ていて、将来的にも家族で有効に使えるかなと思い夫婦で決断しました。気に入っているリゾート地なので、ただ単にバケーションでお金を使うのであれば、資産価値もあるので良いのではないかと思っています。しかし、インターネットではいろいろネガティブな話もあり、毎年の管理費を払うときになって不安になります。法律的にはタイムシェアというのは、どのように考えれば良いのでしょうか」という質問です。

魅力的な面も多いが…

 近年では、私もリゾート地に行くと、「ぜひタイムシェアを考えてください」とかなりしつこく誘われます。大型のチェーンホテルなどがタイムシェア事業に本腰をいれて、説明会に出てくれれば、ポイントや様々な特典をくれる、といった勧誘をチェックインからチェックアウト時まで行っています。話を聞くと、たしかに魅力的な面もあります。ホテルの部屋よりも充実したマンションタイプの部屋をあてがってくれたり、ホテルのチェーン店系列であれば、色々なホテルの選択があったり、とプラスの面しかないようにも思えます。私はタイムシェアを購入するのは躊躇しますが、皆さんも今回考える法律ノートを勘案して、ご購入時の注意点とされてください。

法律的にどのような権利を買うのかは契約書に

 タイムシェアというのは、法律用語ではなく色々な性質を持つことができますが、基本的には契約書でコントロールされます。したがって、一つ一つの案件で、契約書をかなり詳しく吟味しなければ、何に注意をして、何がベネフィットなのかを確定することができません。タイムシェアを売る側としても、利益を考えてかなり詳細に契約書を練ってきますので、その内容をよく読んで理解することが重要です。

 一般的には、タイムシェアというのは、あるリゾート物件を、たとえば、一年のうちに1週間、2週間といった時間的な枠を設定して所有することを言います。時間軸については、契約書でコントロールされますが、通常は、一年52週間を1週間単位で売り出すという形を取っています。そうすると、ひとつのリゾート物件、たとえば2LDKの部屋を一つそのまま買って所有するよりも、その購入価格の52分の1からの値段で購入することができるため、ある程度購入価格も安く、別荘を持たなくても気軽に購入できるメリットがあります。

 また、タイムシェアによっては、購入した物件以外でも、ネットワーク内の他の物件と代替して使用することができるような権利ももらえる場合もあります。タイムシェアによって、購入物件を使用できる期間を明確に決める場合もありますが、多くの場合に「Float」と言って、一年間のピーク時を除いて、どこか一週間の予約をいれる、といったシステムを取っています。

 また、タイムシェアについて「所有」という表現を使う場合もありますが、どのような法律的な権利を買うのかは、かなり契約書を詳しく見る必要があります。場合によっては、物件を証券化して、その持ち分をもらう場合物件を賃借の対象として、一定期間賃借できる権利をもらう場合ストレートに対象物件の1週間分に値する部分を所有する場合、など様々です。

 単純に物件の一部を所有する場合には、所有者としての権利は比較的強いのでしょうが、タイムシェア物件によっては、デベロッパーから賃借(リース)しているだけの場合もあります。詳しいことは次回以降考えていきたいと思います。

タイムシェアの相続に頭を悩ませたことも

 90年代に、私が手がけた相続事件で、タイムシェアの相続に頭を悩ませたことがありました。売ろうとしても売れない、相続人も誰も欲しがらない、といったことで、他の財産の処分はすんなりいったのですが、タイムシェアの処分にかなり困った思い出があります。

 リゾート地ですから、本人が居住している場所とも違う法律が適用され、かなりややこしいことになった記憶があります。タイムシェアは「資産」として良い、という考え方と「資産」だから処分に困る、という考え方が同時に成り立つ不思議な部分があります。

 次回詳しく考えていきましょう。バスケは40年ぶりに地元のチームが勝ち、まだまだお祭り気分が覚めていないベイエリアですが、皆が楽しい気分になることは良いことです。また一週間、生活のなかの小さなことでもよいので楽しみながら、がんばっていきましょうね。


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