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H-1Bビザ抽選終了-別プランを考える





 
May 9, 2017
H-1B抽選漏れ、そして次の一手
先日、H-1Bビザの申請数が年間許可可能件数をはるかに超えて、過半数以上の申請書類が抽選に漏れました。企業としては、外国人を雇い入れるためのH-1Bを有効に使えないために、代替え案を考えなければならない問題に直面している時期です。
トランプ大統領が「アメリカ・ファースト」を弛みなく主張している現在、H-1Bビザの枠がこれ以上大きくなることはないですし、大卒、院卒の外国人を雇うため、ある程度H-1Bビザ以外のビザも視野にいれなければならない現状です。
H-1Bビザの取得に関しては、前回も弁護士ブログで考えましたので、ここであえて反芻しません。
H-1Bビザ申請(2018年度分申請)参照
 
米国外での雇用にシフト
先日飛行機に乗っていて、横に乗っていたSNS関係のイギリス人が言っていましたが、現在H-1B発給がアメリカで事実上難しくなってきているので、雇用をアメリカ外にシフトしているということでした。その大手SNS会社では、ロンドンで2000人以上雇い入れているという話でした。
「アメリカ・ファースト」をアメリカ政府が実行していくと、地場に縛られない企業であれば、それなら、アメリカ外で外国人を雇い易い地を求めようということになり、どんどんアメリカ以外の国に進出していくということになっていくのではないかと思います。
 
これまでのH-1B取得のパターン
H-1Bビザというのは、発給の主たるパターンとしては、アメリカに留学している外国人学生が、いわゆるオプショナルプラクティカルトレーニングといい、学位を取得したことを条件に一年間は雇用が許されるという制度を利用して、米国内で働くことができるのですが、その延長としてH-1Bビザを申請するという筋が考えられます。
そうすると、外国人学生としては、米国企業で働くチャンスが限られてくるため、そもそもアメリカに留学することを見合わせるという傾向もあるようです。
ただ、日本人留学生であれば、H-1Bビザ以外にも、考えられるビザがあります。企業としても、H-1Bビザの抽選に漏れて、外国人の雇用ができずに困っているのですが、以下のビザを考えてみてください。
 
日本人の場合に考えられるビザーEビザ
まず、日本は、Eビザ発給の条約締結国なので、企業のコントロールの過半数が日本企業または日本人であれば、Eビザのサポートが可能になります。もちろん、発給要件はありますが、外国人申請者にある程度業務に関連する実務経験があれば、考えられるビザではあります。
多くの人はなぜか、Eビザは日本からの転勤用のビザだと思っているようですが、それは違います。
実務経験が、業務にマッチするものであれば、スポンサー企業以外の経験も利用することができます。
Eビザにも細かくわけて二種類あって、日米間の貿易量が多い企業に発給されるE-1ビザと、日本からの投資額に応じて発給されるE-2ビザがあります。最近のH-1Bビザ取得の困難さから、かなりEビザに頼る日系企業が増えています。日本企業であれば使えるビザなので、大いに活用を考えて、まずEビザの可能性を探ってください。
 
日本人の場合に考えられるビザーLビザ
Eビザよりは、新卒者採用のフレキシブルさには劣るかもしれませんが、Lビザというのもあります。Lビザこそ、転勤用のビザで、日本企業から、アメリカの子会社、関連会社に転勤や出向などをする場合に用いられます。
親会社等での最低限の経験を要求されますので、まったく採用企業に働いたことのない新卒者を雇う場合に、いきなりLビザの発給を求めることは難しいわけです。少なくとも、親会社に一年間は働いて、そのうえで、Lビザの申請をするということになります。そういう採用でも良いというのであれば、Lビザの発給も射程内になりますね。
 
諦めずに方法を探る
現状、H-1Bビザの抽選が終了し、採用する側もされる側も困っている例をよく耳にしますが、簡単に諦めずに、EビザまたはLビザの可能性についても探ってから判断をするのが良かろうと思います。
まだ、日本人には、条約のおかげでEビザの可能性が残されているのですから、他の条約非締結国のパスポートを持っている外国人よりも、就労ビザ取得の可能性は大きいわけですね。H-1Bビザがとれなくても、アメリカで活躍する日本人が就労ビザを取って活躍できることを心から願っています。
次回また新しいトピックを考えていきましょう。




 

Golden Gate sanfran

アメリカで転職する際の注意点(3)_961

法律ノート 第961回 弁護士 鈴木淳司
Oct 17, 2015

 子供の頃、ダンボールに入ったみかんをコタツで食べながらテレビを見る、というのが、ある意味冬のお約束のようになっていたことを最近TPPが合意に至ったというニュースを見て思い出しました。アメリカは従来いわゆる「オレンジ」しか店頭に並んでおらず、皮を剥くのも一苦労でした。

 ところが、最近では「SATSUMA」などという名前で、日本のみかんに近いかたちのみかんが近くのスーパーに並んでいます。アメリカでも、TVみかんといって大流行しているわけです。日本の農作文化が大いに受け入れられているべきです。TPPを巡っては、憂慮される方も多いのかもしれませんが、日本の良いものを外国に知ってもらうチャンスでもありますね。皆さんはどう思われるのでしょうか。

アメリカで転職する際の注意点(3)_961

 さて、前二回「現在シリコンバレーで、日系企業に勤めています。日本の本社から派遣されて現地企業で働いているのですが、来年、他の企業に転職しようかと思っています。できるだけ、波風を立てないように転職したいのですが、契約の関係やビザの関係などについて注意点を教えてください」という質問を考えてきました。今回続けて考えます。前回は3点重要な雇用契約に関する内容を考えましたが、今回さらに3点考えたいと思います。もちろん、前回と今回を合わせた6点が、すべてではありません。あくまでも重要なポイントについて考えているだけですので、さらに質問がある方は法律ノートまで、ぜひ質問をいただければと思います。

福利厚生についての処理

 前回の雇用契約にも関連することですが、福利厚生についてはどのように処理されるのか、考えておかなければなりません。主に、有給休暇の処理と、401Kなどの退職手当の処理です。

 有給休暇については、米国法では被用者に与えることは義務付けられていませんが、かりに就業規則で決められているとすれば、どのような形で消化できるのか、金銭に代替できるのか、休暇を取るのか、などを確認する必要があります。

 また、退職手当となりえる401Kなどについては、新しい就職先にどのような形で移行できるのか、移行できないとすれば、どのように現金化するのか、などを確認しなければならないでしょう。

少なくとも転職の半年前程度からビザ申請のことを考えておく

 5点目ですが、ビザを保持して就労されている方は、新たに就職する場合には、新たに就労ビザを得なければなりません。重要なのは、従来の就業先のビザを持っているからと言って、そのまま新たな就労先で賃金を受けることはできません。

 したがって、充分に時間的余裕を考えながら申請をする必要があります。H-1Bビザ(専門分野に許可されるビザ)をお持ちの場合、毎年の発給上限可能数にかかわらず、就労先の変更はできますが、あくまでも、新たに申請をしなおさなければなりません。時間的にも余裕がなければいけませんので、転職する場合には、少なくとも半年前程度からビザ申請のことを考えておくことは重要かもしれません。

 主な就労ビザはEビザ、Hビザ、そしてLビザですが、新たな就労先に合致したビザを新たに取得する必要があります。とにかく、新しい就職先がどの程度協力的なのかで、転職が用意かどうかが決まることになろうと思います。

新たな就職先との雇用契約を確認

 6点目ですが、新たに就職する企業と事前にどのような関係を確認しておくべきか重要なポイントになります。基本的には、就労前に雇用契約はまたはオファーレターのような書面を得るか、契約として締結しておくことが必要になります。

 オファーレターというのは、雇用主からの一方的な意思表示ですので、通常は雇われる側の署名は要りません。一方で、雇用契約や、メモランダムなどは、契約の当事者として被用者も署名が必要となります。

 ここで、重要なのは、ビザ絡みの問題がある方は、契約書を締結する際に、必ずビザが取れることを条件で契約書に組み込むことを主張しておいたほうが良いということです。就労ビザの許可がおりないのに、働くことはできませんから、できれば契約書に条件(解除条件といいます)として盛り込んでおくのが良いと思います。

 もちろん企業によってはフォーマルなレターや契約書はなく、メールのやりとりだけの場合もあるでしょう。メールのやり取りだけでも両方の意思が合致すれば、契約は成立していると言えますが、この場合でも、ビザの取得を条件としたい、とはっきり言って
おくことは重要だと思います。

 もちろん、賃金や、他の諸条件も重要ですが、今回質問されている方も、ちゃんとビザをとることが前提となりますので、注意をされたほうがよかろうと思います。

 次回、新しいトピックを考えていきたいと思います。もうハロウィンが近くなってくると、秋だな、と感じます。アメリカでは、これからビジネスもスローダウンして年末に突入していく感じになりますね。とはいえ、まだ今年も数ヶ月あるのですから、気を引き締めてまた一週間がんばっていきましょうね。


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L-1Aビザ申請時の注意点

弁護士 鈴木淳司 10-01-2013

 もうサンフランシスコでは秋の気配が感じられますが、皆さんがお住まいの地域はいかがでしょうか。もう、街ではオレンジのかぼちゃが大売り出しです。先週接見のために訪れた刑務所でも、内装がハロウィン一色になっていました。皆さんは秋を楽しまれているのでしょうか。
さて、今回は、L-1Aビザの申請について、最近の移民局の行っている審査の傾向と最近行政不服申立てが通った例についてご紹介したいと思います。L-1Aビザというのは、会社の役員等、いわゆる米国でいうマネージャーが米国において給与を受けて働く際に取得するビザです。
国際的な企業において、たとえば日本の本社でマネージャーをされている方が、米国においても、マネージャーとして働く場合に給付対象となります。
今回は細かい取得要件については、ご紹介しませんが、基本的にマネージャーであることを移民局に対して説明しなければL-1Aビザの申請は許可されないこととなります。
 
数年前から、移民局はL-1Bビザの申請について、過度に厳格な審査を行い、今まで安定して許可されていたような案件でも、不許可事例がでてきて、実務を行っている弁護士の間でも、移民局の対応に不満が噴出していました。
最近は、L-1Aビザの許可条件を過度に厳しくしている傾向があります。再度、入国管理を扱う法律事務所では移民局の対応を問題視し始めています。
そのような状況のなか、最近、L-1Aビザについての移民局の不服申立てが通った事例がでてきました。
 
この事例は、ある外国にある大会社が米国に子会社をつくり、人を派遣したところ、いろいろな理由はあったのですが、大きく2つの理由によりビザの発給が拒否されました。
一つの論点は、マネージャーとして「営業」など、どこかの部門を統括している必要があるかどうか、もう一つの理由は、統括している部下が米国外にいる場合には、部下としてカウントされないのかどうか、ということでした。
結局、この案件においては、不服申立てが通り、ビザは許可されました。
まず、マネージャーとして一部門を統括している必要があるかどうかなのですが、ビザ取得の要件の一つに本当に細部なのですが、マネージャーの「Function」すなわち機能を果たしているのか、という曖昧なものがあります。
マネージャーとしての「機能」といっても、多義的ですね。この多義的なところを狙い撃ちにして、移民局は最近、非常に狭く解釈をはじめたのです。移民局に広汎な裁量があるとしても、やりすぎ感が拭えません。
移民局は、部署を統括しているのであれば、マネージャーとして機能しているが、会社内で多角的にいろいろな業務をしていると、マネージャーとしての機能を果たしていない、としていたのです。これが、不服申立てで覆されました。
会社内で多角的、多数の業務を行っていても、自分で業務を直接行うのではなく、指示できる部下がいて、実際にその部下の業務を管理していれば、マネージャーとして機能しているとされました。
 
次に、会社内で管理する地位があったとしても、部下については、米国内だけの部下をカウントしていた移民局の判断は不服申立てにおいて覆されました。マネージャーとして、管理をする部下については、米国内にとどまらず、外国にいる部下も含むということが今回の事例ではっきりしました。
ですので、今後、L-1Aビザ申請においては、米国内の部下だけではなく、外国にいる部下も広く含まれるということになったのです。国際的な会社になれば、部下も、多数の国にいて当たり前なのに、もともとの移民局の判断は部下のカウントを米国内に限っていたわけです。
それでは国際的な企業の活動を支える目的のL-1Aビザの趣旨に反する判断だったといえます。ですので、不服申立てが通って、妥当なのです。
 
以上のように、L-1Aビザ申請が最近は狙い撃ちをされていますので、申請を考えられている方々は、申請の内容について、細心の注意を払う必要があります。
一度不許可となったからといって、あきらめないでください。上記のように最近の審判例で、あまりにも要件を厳格解釈することが妥当でないとなりつつありますので、再度申請すれば取得の可能性は十分にあります。
それでは、次回また新しい質問を考えていきたいと思います。