法律ノート 第1336回 弁護士 鈴木淳司
Oct 17, 2022
週末にサバの味噌煮をつくっていましたが、サバはなぜかマーケットで安いのです。
アジア圏内では、日本で食べる魚を流行りとして取り入れて出すレストランが多いのですが、サバはレーダーから外れているのでしょうか。
栄養も豊富だし、秋には美味しいし、生姜、味噌、酒で臭みを抜いてあげればとても美味しいと思うのですが。他の魚に比べて手間がかかるからなのでしょうかね。
みなさんは秋の魚を楽しまれていらっしゃいますか。
ESTA, Bビザ アメリカ進出(3)_1336
前二週に続けて「コロナに関する規制も緩くなってきていることから、今日本で徐々に展開しているネットサービスをアメリカでも展開させていきたいと考えています。最初はアメリカに会社を置こうと思い、渡米を考えているのですが、一般的に会社の展開とビザの関係について教えてください」といういただいた質問を考えていきたいと思います。
米国内で就労するならEビザ、Lビザが一般的
前回、Bビザから発展させて米国内で就労するのにEビザまたはLビザというのが一般的に用意されているということを考えました。
どちらも、すでに米国内に拠点があって、ビザのサポートをしているという状況であれば、今までの形を継続していけばよいのでしょうが、新たにEビザやLビザを申請する場合にはそれなりに段取りが必要になります。
Bビザは、EビザやLビザ取得のための準備用のビザという捉え方をすれば良いと思うのです。
Bビザの許可を得て、渡米し会社の設立をしたり、物件を探したり、ビジネスパートナーと実際に面談したり、ビザを取得するのに必要な条件を整えることができます。
慎重にビジネスをスタートさせたいと思われているのであれば、Bビザで長期滞在(当初6ヶ月、米国内延長手続きでさらに6ヶ月)しながら、EビザかLビザの申請準備をするのが良いと思います。
Eビザを申請するなら
かりに、Bビザを取得するとして、どのようなEやLに関する準備行為をアメリカ国内で想定しておけばよいのでしょうか。
Eビザというのは、日米の通商が、ある程度行われているか(これから行われるか)、投資を行っているか、という点を軸に許可されるビザです。
投資額はいろいろな考え方があるので、まずは専門家に聞くのが良いと思いますが、投資額を決めたとして、その投資をどのようなものにするのか、アメリカに来て実際に確認することも必要になってくると思います。
投資を基礎としてEビザを想定しているのであれば、まずは投資対象を決めるための長期渡米のため、Bビザを取得しておくのが良いと思います。
ちなみに、不動産業者がアメリカで土地建物を買い、賃貸して利益をあげるような、パッシブインカムでは、Eビザにいう「投資」とは見なされません。
ですので、ビジネスを買うのも投資の一つですし、ビジネスを新規にはじめてお金を投資することも投資となります。
現地で投資対象を確認することはEビザを見据えたBビザ取得の基礎になると思います。
Lビザを申請するなら
Lビザは、日本にある企業からアメリカの子会社に出向するという形を基礎とするビザです。
したがって、日本において過去数年間はそれなりのポジションで働いていたことを示さなくてはなりませんし、日本の親会社がそれなりに実績ある会社であることを示す必要があります。
アメリカに子会社をつくったり、出張所を新規につくる場合、そのアメリカにある法人のことについてはEビザの申請のときのように投資額を注視されないのですが、一方で自国の親会社のビジネスや、その会社における申請者の経歴についてはかなりじっくりみられます。
ですので、Lビザを申請する場合には、どちらかというと親会社のビジネスがどのようなものなのかが論点となるのです。
そうすると、アメリカにわざわざBビザを取ってまで来る必要はあまりないと思われるかもしれませんね。
Lビザを新規申請する場合、期限が一年のビザが発給されます。
一年間アメリカでビジネスをやることについて、移民局は様子をみているのです。
アメリカでの事業が順調であれば、さらに3年ビザが下りるのですが、最初は一年間のトライアル期間となるわけです。
ですので、新規Lビザ申請時に、一年後のビザ更新を想定しておかなければなりません。
そうすると、ビザがおりてから、さてビジネスをはじめるか、では遅いわけです。
ある程度、アメリカに子会社なり出張所を作り、Lビザを新規申請するときにはすでにある程度のビジネスプランがあったほうが良いことになります。
Lビザを新規申請するときには、Bビザを取得しておくメリットはあるわけですね。
上記でだいたいまず、Bビザそれから、EビザかLビザを見据えての展開を考えました。
今回の一連の法律ノートを読まれて疑問も生まれるかもしれません。
かなり大きなトピックをまとめましたので、欠けているところもあると思います。
ぜひ読者の方で追加の質問があれば
Question@marshallsuzuki.com
まで質問を送ってくださいね。
季節替わりを楽しみながらまた一週間がんばっていきましょうね。
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