法律ノート 第1441回 弁護士 鈴木淳司
Oct 26,2024
日本のニュースで大阪の大きな会社が倒産したというニュースを見てびっくりしました。
未だに、以前その会社にお勤めだった方とは懇意にしておりますし、その会社を創設された会長さんともお食事を一緒にしたこともあります。
時代の流れとはいえ、一時期はずっと仕事を一緒にさせていただいたことを思うと、驚きでしかありません。
時代の流れというのも、あるのでしょうか。
いろいろな意味で考えさせられました。
米国_インターネット利用詐欺(1)_1441
さて今回から新たにいただいている質問を、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。
いただいている質問をまとめると、「実際に過去親交のあった方が亡くなったと連絡があり、私が相続人であるというメールが弁護士を語る人から私のメールアドレスに届きました。すっかり信じてしまい、メールのやり取りをしていました。相続をするのにある程度の弁護士費用がかかるということで、合計で約3万ドルを送りました。銀行口座が現在監査かなにかで使えないので、ビットコインで支払うように指示があったので、それに従って送ってしまいました。その後、詐欺だということに気がついたのですが、どこに相談しても、なかなかお金が戻ってくるのは難しい、と言われています。実際なんらかの方法で、お金は戻ってくる可能性はないものでしょうか」という質問です。
様々な手口の詐欺
似たような質問をいくつもいただいています。
いわゆる、インターネットやメールを使った詐欺ですが、様々な手口の詐欺があります。
私の所属する事務所にも様々な形態のネット詐欺事件が相談されますが、現実的には、弁護士が法律を使って解決できるような案件というのはかなり限られているように思います。
今回はどのような形態での詐欺があるのかいくつか事例を見ていきたいと思います。
私の関わったり、同業者から聞いている生の事例です。
送金したお金は元に戻らない
どのような事例でも、強調しますが「とにかく自分のお金を振り込んでしまったら元に戻ってこない」ということを基本中の基本にしてください。
いいですか、しつこいようですが、お金を現金でも、ビットコインでも、送金でも、一度自分の手を離れて送ってしまったら、詐欺であろうがなんであろうが、もうお金は戻ってこない、という考えを固定させてください。
なにか、将来の期待をしたりするのであれば、取引に関しては、エスクローを利用するなり、目に見える形の取引をしてください。
ここでいう自分の手から離れたお金は、絶対に戻ってこない、という期待感を持っておくということは重要になるところです。
相談は送金する前に
振り込んだあとから相談したり、その場で相談をする人もいますが、信頼できる第三者の意見を聞いて、必要であればお金を振り込む前に弁護士に相談してください。
振り込んだあとに、人に相談しても遅いということも理解しておいてください。
詐欺の事例
今回質問に取り上げた事例も、他に質問をいただいたりしている事例も基本的には詐欺です。
どのような事例があるのでしょうか。
大きくわけて、
(1)脅迫・不安をあおりお金を詐取するケース
(2)潜在的に様々な利益を得ることができると期待させるケース
(3)売買にみせかけて、実際に自分のものでないものを売りつけるケース
などが代表的な手口でしょうか。
今回質問されている方のケースは、(2)なのかもしれません。
脅迫や不安を煽って詐取するケース
(1)のケースでは、「あなたのコンピュータが感染して重要な情報が漏れている」、「あなたがいかがわしいサイトを利用していて、そのデータを持っているので家族や友人にばらまく」、「あなたの家族が問題を起こしているのでその損害填補が必要である」といった内容で不安を煽ったり、脅迫をしたりする事例があります。
なにか自分に当てはまるからといって、すぐにその内容を信頼するのではなく、第三者に意見を求めるのにもっとも適している形態だと思います。
自分の恥ずかしいことを(あるなしに関わらず)晒すと言われて脅迫されたり、自分の持ち物から個人情報が流出している、などというたぐいの話は100%嘘と割り切って行動されたほうが良いと思います。
なにか、恐ろしくなる、不安になることもあるかもしれません。
そういうときに、まず相談をすることが重要です。
待たないでください。
利益を得られると期待させるケース
(2)の形態には、恋愛を持ちかけられて様々な形で恋愛感情を利用してお金を引き出すもの、今回のように法的手続でお金をもらえるので先に必要経費を払えというもの、家族を助けるためにお金が必要だというもの、などかなり多くの形態があります。
ここから次回考えていきましょう。
この(2)については、かなり巧妙なものも含まれています。
これからホリデーシーズンに入りますが、私や私の所属する事務所ではやることが多く、嬉しいのか辛いのか大変な状況になっています。
今年は年末にかけて、忙しさが加速しそうですが、皆さんは楽しく、明るいホリデーシーズンになさってください。
私の所属する事務所も、移転が決まったのですが、工事の関係などで、ワタワタしていますが、読者の皆さんも落ち着いたらぜひ遊びにいらしてくださいね。
ベイエリアは日中暖かく過ごしやすい季節です。
秋は短いかもしれませんが、季節を楽しみながらまた一週間がんばっていきましょうね。
あなたがずっと抱いている疑問を解消しませんか?
しかし、アメリカの法律事務所はハードルが高い!!確かに。
JINKEN.COMでは、アメリカの弁護士事務所への橋渡しのサービスを提供しています。
お客様の状況とニーズ、ご希望を聞き取り、必要な書類等をまとめる お手伝いです。
私たちは、ジャッジをいたしません。
皆さんの頭の中、お気持ちを、できるだけ正確に表現する業務を行います。
ご料金は事前に明確にご提示し、追加のご請求は一切ございません。
i@jinken.com または こちらから直接お問い合せください。
■関連記事
弁護士を騙る詐欺について注意喚起(1)_1403
米政府機関から電話?!実は巧妙な詐欺[1]
詐欺で海外送金_1305
運営弁護士
アメリカ暮らしを現実に。
JINKEN.COMにアカウント登録して最新のアメリカ移民法にキャッチアップ
■アメリカの永住権を抽選で取得ーDiversity Immigrant Visa Program
アメリカの永住権を抽選で取得する制度があるのをご存知ですか?
日本からも、毎年永住権者として長期合法滞在する方々がいらっしゃいます。
応募サポート希望の方はこちらから
日本出生の方は、高校卒業時点からご応募ができます!当選後も安心のサポート。まずは正しい応募から。
■グリーンカードDV当選後サポート
グリーンカードDV抽選に応募して、当選の確認を忘れていませんか?当選は、忘れた頃にやってきます!
グリーンカード当選後サポートはこちらから
充実した当選後サポートで、安心してグリーンカード取得まで進めましょう。家族・仕事・結婚・離婚・海外在住・介護に闘病と場面は様々ですが、お客様のニーズに柔軟にお応えしています。