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虚偽の話をして求婚した米国人男性を訴えたい_1091

法律ノート 第1091回 弁護士 鈴木淳司
Jan. 10, 2018

 法律ノート読者の皆さんあけましておめでとうございます。今年も法律ノートをよろしくお願いいたします。2017年年末はバタバタしまして、新年を迎え若干のんびりすることができました。皆さんの年末年始はいかがだったでしょうか。皆さんにとって平穏で幸せな一年になりますように祈っております。

虚偽の話をして求婚した米国人男性を訴えたい_1091

 新年を迎え、最初に取り上げる質問は以下のようにまとめられます。「はじめて法律相談をする者(女性)です。私はアメリカ(中西部)の男性とインターネットで知り合いました。数年インターネット上でやり取りをしていたのですが、彼から結婚をしたいという話になりました。実は、その当時私は別居していた夫がいました(子供はいない)。私はアメリカに行ってみたかったこともあったので、夫からの離婚の申し出を承諾し、離婚は成立しました。また、仕事もパートで2つやっていたのですが、それも辞めて渡米しました。結婚することを念頭に渡米して彼と合流したのですが、彼が言っていた持ち家もなく、無職であり、とても一緒に生活できる状況ではありませんでした。結婚をすればアメリカで働けるので、はやく結婚をしようと言われましたが、やはり結婚には踏み切れず日本に帰国しました。こういう場合、詐欺などで訴えられないものでしょうか。」というものです。

SNSを通じた犯罪は急増中

 新年からあまりおめでたくない話でありますが、弁護士の仕事はこういうものであります。いただいた長い電子メールの文面を見ると、法律相談というよりも人生相談に近い感じがしました。やはり、怒りなど感情が収まらない状況なのかもしれません。

 インターネットでの出会いは近年当たり前で、今回相談されている方のような状況も少なくないと思います。ただ、良かったのはなんらかの犯罪に巻き込まれなかったことでしょうか。ソーシャルメディアなどを通じての犯罪が急増していますので、そういったことはいつも頭に入れておかなければならないと思います。

 さて、今回のような色恋沙汰に関する話題がこじれて法律の問題になることもあろうとは思います。よくちまたでは「結婚詐欺」という言葉も耳にしますよね。しかし、結婚などをエサにする話はなかなか法律で咎めるのは難しい現状があります。

 以下、考えていきましょう。

裁判での立証が難しい詐欺

 今回の相談にあるような内容で、どのような請求ができるかを考えると、この男性はお金を盗んだり、横領していたりといったことはありませんので、直感的に考えられるとすれば詐欺ということになるのでしょうか。

 詐欺というのは、かなり裁判で立証が難しいのですが、今回のような事例の場合は一層難しくなります。詐欺というのは、お金を取ることを目的とした行為なので、まず「金を取るぞ」という意思が立証できるかカギになります。そしてその「金を取ってやるぞ」という意思に基づいて騙してお金を払わせるという一連のプロセスが数珠つなぎになっていることが必要になります。

 法律用語で言うと、詐欺行為、錯誤、処分行為という流れと言います。用語はどうでも良いのですが、金を取ってやるぞ、という意思を持ってから一連のプロセスが繋がってはじめて詐欺というものが主張できます。そうすると、一部でも、このプロセスがなかったりつながっていないと詐欺は成立しないのです。

詐欺があっても損害がなくては裁判にできない

 今回の相談されている事例では、男性はお金や財物を取ろうとしているわけではなさそうです。たしかに相談者に対して見栄を張っているのか、いい加減なのか、わかりませんが、事実とは違うことを伝えています。相談者はその虚偽を信じて渡米しています。そうすると、詐欺にひっかかったと思うかもしれませんが、この男性が「お金を取ってやるぞ」という意図をもって嘘をいったとは立証し難いわけです。

 また、詐欺があったとしても、損害がなくては裁判できません。今回相談されている方は、たしかに、離婚もし職も離れたという自分にとっては不利益を被ったのかもしれません。また、渡航にお金や労力もかかっていることでしょう。しかし、相手の男性にとって何か利得があったとそもそも言えないかもしれませんし、虚偽の話からダイレクトに損害が発生しているわけではありません。ですので、今回のような場合には、「詐欺」というのは法律的には主張するのは難しいかもしれません。

 もちろん人として、このような目に遭っている方を見るのは心苦しいですし、お怒りもごもっともだと思います。最善は、自分に合ったパートナーをはやく見つけて過去を忘れることではないでしょうかね。

 次回また、新しいトピックを考えていきたいと思います。今年も法律ノートをよろしくお願いいたします。東海岸は冷凍庫のようになっていますし、ベイエリアは雨が多いですが、新年を楽しみながらまた一週間がんばっていきましょうね。


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アメリカで結婚した娘、日本で離婚できる?(1)_1080

法律ノート 第1080回 弁護士 鈴木淳司
Oct. 24, 2017

 火事が相次いでいた北カリフォルニアにやっと恵みの雨が降りました。かなり雨が降ったのですが、それでも火事が完全に鎮火するわけではないのですね。火事に注意といっても、今回のように強風で火の広がりが早いと注意しようがないですね。まだ、色々な傷が癒えていない状況ですが、復興をしていかなければなりません。何かできることがあったら手伝いたい気持ちでいっぱいです。

アメリカで結婚した娘、日本で離婚できる?(1)_1080

 さて、今回から皆さんからいただいている新しい質問を考えていきたいと思います。いただいている質問をまとめると「日本に住んでいる者(夫婦)です。私どもの娘が米国に留学していたのですが、精神的な病で日本に戻ってきました。現在、私どもと同居をしながら治療を続けています。多くは話さないのですが、アメリカ人男性と結婚して、結婚生活がうまくいかなかったようです。最近この男性から私どもに連絡があり、どうも日本に来て話し合いたいということでした。娘は会いたくもなく離婚をしたいということでした。こういった場合、本人がアメリカに行かないと離婚をすることができないのでしょうか」という質問です。

親といえども本人以外に離婚のアドバイスは難しい

 今回の質問は、お答えするのに少々困った状況であります。本来であれば離婚をしたいという意思を持っている娘さんが質問をされるべきであり、親御さんといえども、婚姻関係についてはある意味第三者であります。そうすると、細かい事情もわかりませんし、どのような婚姻関係にあるのかもよくわかりません。一方で、娘さんが実家に居るわけですから、親御さんにとっても影響のあることではあります。

 一般論として、本来娘さんが離婚をしたいということで相談をしなければ、弁護士は多くのアドバイスはできません。第三者に対して、他人の離婚についてアドバイスをしているようなものです。今回の質問は詳細が書かれておらず、推測しながら考えていかなければならない状況にあります。以下、がんばって考えていきましょう。

婚姻証明(Marriage Certificate)の発行により成立する婚姻

 さて、最初に考えなければならないのが、質問されている方の娘さんが、どこで誰といつ結婚したか、ということでしょうか。アメリカにいてアメリカ人と結婚しているわけですから、アメリカで留学中に婚姻したと考えられます。

 婚姻は日本でいう婚姻届の受理、アメリカでは婚姻証明(Marriage Certificate)の発行によって成立します。したがって、どこの州のどこに婚姻申請をしたのか確認する必要があります。

 もしアメリカで婚姻をしていた場合、簡単なのはアメリカ内で離婚の申立をすることです。できれば婚姻をした州で行えば、情報等も州内にとどまっているのですから、色々な作業が省略できる可能性があります。

 問題は、米国では一般的に、離婚を申し立てるためには、その申し立てを行う裁判所が管轄する地域に少なくとも6ヶ月住んでいなければならないという居住要件があります。したがって、現在娘さんが日本に帰ってきている状況では、どの程度の長さ実家に留まっているのかわかりませんが、居住要件を満たさないという可能性もあります。

 居住要件には色々な例外もありますので、まずは最後に娘さんがお住まいだった地域の弁護士に相談されるのが良いかもしれません。もちろん、相手方男性も離婚に合意をしているのであれば、話がはやいです。

裁判所の判決がないと離婚が成立しないアメリカ

 アメリカと日本の離婚手続きの違いは、日本では離婚届という行政に対する届出をすれば、離婚が成立しますが、米国では、形式的ではありますが、裁判所の判決がないと離婚が成立しません。しかし、判決まで必要とはいっても、お互いに争いがなければ合意によってスムーズに離婚まで持っていくことは可能です。

 ただ、今回質問にあるような状況では娘さん本人が本当に離婚の意思を持っているのか確認しなければなりません。ご両親が「離婚をさせたい」と思っても、本人がいくら病気でも、本人の意思がなければ離婚は難しいことになります。

 家族同士で話合いが難しければ、第三者を介して、娘さんの意思を確認することが必要になります。その意思を確認したうえで、娘さんが弁護士を選任し、離婚の手続きをアメリカまたは場合によっては日本で進めていくことになると思います。

 ここからさらに次回考えていきたいと思います。まだ、暑い日もありますが、朝晩は冷え込んできましたね。仕事であちこち出かけることが続き、私はなぜか寝ても寝ても寝足りないような一週間でしたが、英気を養いつつ、秋を楽しみながらまた一週間がんばっていきましょうね。


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アメリカで結婚した娘、日本で離婚できる?(2)_1081

法律ノート 第1081回 弁護士 鈴木淳司
Oct. 31, 2017

 この週末は夏のように暖かかったので、外出して天気を楽しみましたが、異常な天気ですね。気のせいか、まだまだ虫も多いように感じますし、蜘蛛も例年より多く巣をつくって活動しているようです。一方でシエラの山の方に住む人達は来週あたり初雪が降るのではないか、と言っていました。天気が至る所でぐちゃぐちゃになっているように思います。寒暖の差が激しいので、体調管理は重要ですね。

アメリカで結婚した娘、日本で離婚できる?(2)_1081

 さて、前回から考えてきている「日本に住んでいる者(夫婦)です。私どもの娘が米国に留学していたのですが、精神的な病で日本に戻ってきました。現在、私どもと同居をしながら治療を続けています。多くは話さないのですが、アメリカ人男性と結婚して、結婚生活がうまくいかなかったようです。最近この男性から私どもに連絡があり、どうも日本に来て話し合いたいということでした。娘は会いたくもなく離婚をしたいということでした。こういった場合、本人がアメリカに行かないと離婚をすることができないのでしょうか」という質問を続けて考えていきましょう。

日本で離婚が成立していれば、アメリカでも離婚を主張できる

 前回は、離婚というのはいくら両親でも代わって行うということはできないので、やはり本人の意思がかなり重要になってくる、ということを考えました。そして、離婚については、米国か日本で行うことが可能かもしれないというところまで考えました。今回続けて考えていきたいと思います。

 今回質問されているご両親の知識では、娘さんがどこの場所で結婚したかがよくわかりません。しかし、基本的に離婚をアメリカで行おうが日本で行おうが、法律的な手続きに沿って離婚が成立していれば、日本においてもアメリカにおいても、離婚の成立を主張することができます。

 たとえば、今回質問の対象となっている娘さんが相手方とアメリカで結婚していた場合でも、日本で離婚が成立していれば、その離婚について、アメリカでも主張することはできます。

 したがって、今回の事例でも、どこで結婚されているかわかりませんが、おそらく日本かアメリカで婚姻届を提出しているということになろうと思います。そうすると、日本で離婚が正式に成立すれば、相手方男性に対して離婚した事実を主張することは国を問わずできます。

アメリカでの離婚申立には一定期間の居住が必要

 ここで、かりに娘さんがアメリカで離婚の手続きをしたいと考えた場合、アメリカでは一般的に、離婚を申し立てるには、少なくとも、申立をする場所に6ヶ月は居住していなければなりません。離婚申立の要件として、一定期間の居住が必要なのです。

 男性側が離婚を申し立ててくれれば、その申立に乗っかって離婚を進められる可能性が高いのですが、娘さん側から申立をする場合には、この居住要件が引っかかってくる可能性があるのです。

 もちろん、必ず物理的に娘さんが6ヶ月まるまる離婚を申し立てる場所にいなければならないということはありません。例外もいくつかあります。かりに、娘さんにとって、アメリカでの離婚申し立ての方が良い事例であれば、色々な例外規定や判例を探って、居住要件を満たしているという主張をすることも可能かもしれません。今回の質問に関して、アメリカで離婚をできるかどうかは、居住要件がハードルになるかもしれません。

 一方で、日本で手続きをするという方法も考えられる可能性があります。娘さんが日本に居住していれば、日本での手続きも可能かもしれませんが、日本での裁判をするとなると、今度は、相手方がアメリカにいることから裁判に呼び出すための送達に手間がかかります。色々民事手続上の問題が発生する可能性があります。

話し合いでの離婚が解決として最善

 このように、裁判を通して対立する形で離婚をすると、手続きで面倒なことが起きそうなパターンではあります。娘さんの婚姻期間および夫婦間で共有している財産がどの程度あるのか、などわかりませんが、かりに子もいない状態で、共有財産もほぼないような形であれば、相手方の男性が日本にくると言っているのであれば、そのときに話し合いで離婚の方向に持っていくのが一番手っ取り早いように思います。

 話し合いを娘さんが嫌がっているのであれば、娘さんから代理権を受けた弁護士でも良いですし、親御さんが付き添ってでも、会うことが解決としては最善ではないでしょうか。もしかしたら、相手方もよりを戻すというよりは、離婚をしたいのかもしれません。

 事情が細かくわからず、漠然と考えてしまった質問ですが、他の角度からご質問等がありましたら、法律ノート宛まで宜しくお願いいたします。

 もう、アメリカはハロウイーンです。なんだか1年も終わりに近くなってきたと感じる季節ですね。夜は寒くなってきましたので、体を温めながらまた一週間がんばっていきましょうね。


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子どもの監護と養育費[2]-1074

法律ノート 第1074回 弁護士 鈴木淳司
September 12, 2017




 
日本では最近、政治家のスキャンダルが頻繁にニュースになっていますが、政治の問題とはまったく関係がなく、いわゆるゴシップ記事だらけですね。アメリカでも、ロシアとの関係云々など、いわゆる「疑惑」的な話が多いのですが、色々な政治の分野で本論が埋まってしまって、消費者が本当に必要としている情報がメディアでもネットでも見つからないような状況になってきているように思います。情報が氾濫すると、何が本論なのか見極める利用者側の目というのが逆に試されている時代なのでしょうか。
 
子どもの監護と養育費[2]-1074
 
少々間が空いてしまいましたが、第1072回で尻切れトンボとなってしまった問題を考えていきましょう。
「日本在住のシングルマザーです。アメリカで結婚、出産しました。夫とアメリカで離婚し、子供を日本(関西圏)で育てています。夫はアメリカと日本を行き来し、夏休みの間は子供と時間を過ごすという取決めでしたが、夫の仕事の都合もあって、それもできずに、再度、子供の監護について揉めています。揉めている一つの理由として、今まで養育費を夫はまったく支払っていません。私は日本にいるのですが、このような場合に養育費の請求をまずできないものでしょうか。私は、私の父母に頼って肩身が狭い思いをしながら、子供を育てています。」という質問です。
 
日本在住で外国に養育費請求することの困難
この質問を前回考えたときに、なかなか法律家として一般的に考えると難しい問題が生じるという現実を考えました。
今回質問されている方は関西に子供さんと住んでいますが、子の父親はアメリカにいるわけです。日本の弁護士に相談すれば、日本における手続きでなんとかならないか、考えることになります。当然です。そうすると、日本における考え方としては、日本で養育費に関して判決を取って、その判決をアメリカで執行する、ということが法律論的には考えられます。悪くありません。
一方で、日本に住みながら、アメリカでの養育の取立ての問題をアメリカにいる弁護士に相談することも、お金はかかるでしょうし、簡単ではないと思います。
 
養育費の取立て制度
実はこのような問題について、基本的に弁護士に相談しなくても解決する方法があるのです。
たぶん、法律実務書などにもあまり載っていないのですが、基本的な考え方を法律ノートで考えておきますので、ぜひ法曹の方も、問題を抱えている方も活用されてください。
アメリカでは、養育費の取立てをいちいち裁判所に申し立てなくても、すでに養育費の支払いが決まっていれば、その相手方の住むところを管轄する検察局(District Attorney)が取立てを代行してくれます。少なくともカリフォルニア州はそのようなシステムになっています。
したがって、養育費がもらえなくて困っている今回相談されている方のような場合には、直接相手方の男性が住むところを管轄する検察局に連絡をして、取り立ててもらうということができます。法律で、その取立ての詳細についても規定されているのです。
もちろん、このような取立てのための連絡や手続きをするのが個人には難しいかもしれません。そういう場合には、経験のある人や、弁護士などに、この手続をするためのサポートを頼めるか聞いてみるのが良いと思います。場合によって、検事局は通訳も用意してくれると思います。
 
日本から養育費請求を認める判例
実は、以前にも法律ノートでご紹介したかもしれませんが、今回いただいている事例のように、日本在住で、未成年者の養育をしながらカリフォルニア州にいる夫に養育費を請求したところ、拒否してきた事由を私の所属する事務所で争いました。
一審は「日本に在住している子の母はカリフォルニア州に住む元夫に養育費は請求できない」と棄却されたので、もちろん控訴しました。そうしたところ、一審判決が破棄されて、私の所属する事務所の主張が認められました。裁判例として、今でも残っています。この裁判例が確定してから、日本に在住している人でも、検察局は積極的に養育費を請求してくれるようになりました。
 
根底にあるのは子どもの利益保護と養育負担の公平
子育てが大変な時期にシングルマザーで仕事もしなければならないと大変でしょう。
でも、上記のようにアメリカでは子供の利益の保護、養育の苦労の軽減を積極的に考えてくれています。諦めないで、こういった制度を活用されたら良いと思います。
 
 
また、次回新しくいただいている質問を考えていきたいと思います。
天気が暑かったり、いきなり涼しくなったり、と忙しいですが、暑い時はまだまだ暑いので、脱水状態にならないように気をつけてまた一週間がんばっていきましょうね。




 

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カリフォルニア州弁護士コラム「和解」(2)_958

法律ノート 第958回 弁護士 鈴木淳司
Sep 20, 2015

 前回、質問をいったん休ませていただき、私が調停を仲立ちすることになったというところで終わりました。今回続けさせてください。

カリフォルニア州弁護士コラム「和解」(2)_958

 さて、私は、ビジネスの利益分配に関する紛争の調停人として活動することになりました。今回は、「できるだけ早く解決したい」ということで急遽ホテルの部屋で行うことにしました。

 当事者同士は、険悪になっているので、私がホテルの部屋を行ったり来たりしながら、各当事者から、話を聞き、両方の筋が通る部分、通らない部分を整理ながら、和解に向けて会話を続けました。リゾートホテルで話を聞いている私は、外にあるヤシの木を見ながら考えたりしていました。

 陽が沈み、結局外には一歩も出ることなく8時間以上、辛抱強く話を聞き続け、法律的な意見を言い、自分の経験から色々語りました。途中、夜になると「もういい、裁判で決着する」と両当事者は言うこともありました。

 私だってはやく一杯引っ掛けて、ベッドでゴロゴロしたいけど、お互い膝を割って話す機会はこれが、最初で最後かもしれないよ、と言いながら、議論を煮詰めていきました。お互いが「和解したい」という気持ちがあることを私は知っていましたし、お互いの主張の開きはあまり大きくなかったので、「粘ろう」と思ったのです。

和解は両当事者とも満足で終われることが多い

 両当事者(と言っても、複数人が両方にいましたが)に疲労の色が濃くなってきました。もう午前2時をまわっています。それでも私はホテルの部屋の往復を続け、ようやく話がまとまりました。

 かなり、両当事者は長い間ビジネスの関係を続けていたので、あれやこれや問題が出てきましたが、やっとまとまったのです。これが訴訟になっていたら、たぶん訴状だけでも、50ページにはなっていたであろうという内容でした。

 和解する良いところは、両当事者とも満足で終われることが多い点です。今回、両当事者とも納得し、無事に解決することができました。訴訟になれば、両者合わせれば少なくとも弁護士費用を数十万ドルは覚悟しなければならない争いは、たった1日で終わったのです。

和解契約書の代わりにスマホの動画に内容を残す

 遠山の金さんであれば、これにて一件落着で終わるのですが、現代の訴訟ではそうもいきません。通常、和解が成立すれば少なくともその場で和解契約書を作成しなければなりません。簡単な和解契約書を作成し、その後、正式な形を整えるというのがお約束であります。

 私も今まで何度も、弁護士と裁判官の立場で和解契約書をつくってきました。ところが、和解が成立した時間は、丑三つ時です。いくらタフな私でもヘロヘロな状態になっていました。

 しかし、何らかの形で和解の内容を残さなくてはなりません。疲れていても、名案がひらめいた私は自分のスマートフォンを取り出して、各当事者をビデオに撮りながら、和解の内容を復唱し、内容に疑義がないこと、内容に合意をすること、眠くても判断能力に問題がないことなどを確認しました。我ながらこの方法は「いける」と思ったものです。両当事者のビデオを私のスマホに収め、調停は終了しました。

 当事者と別れ、私は自分のホテルの部屋に戻りました。眠気が去ってしまった私は、深夜に当事者の映ったビデオを見ながら和解契約書を作成し、寝たのは朝6時でした。疲れていましたが、争いをやめた両当事者の晴れた顔(かなり疲れてはいましたが)を見るのは法律家としての醍醐味だな、と感じて眠りにつきました。

クライアントの幸せを願って活動するのが弁護士

 訴訟をしない弁護士というのは、私はよくわかりませんし、何が仕事として面白いのかよく理解できていません。では、法廷活動をやっているだけでも、良いのか、というとそうでは無い訳です。

 あくまでも弁護士というのは、法廷を通じてクライアントの主張を認めさせるというのが役割ですが、ひいてはクライアントの幸せを願って活動をすることを考えなくてはなりません。裁判官をやっているときのように法律に基づく強制力は持っていない調停人ですが、私の経験が各当事者の幸せに直結できたわけです。

 次回は皆さんからいただいている質問を考えていきたいとおもいます。秋を楽しみながら一週間またがんばっていきましょうね。


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カリフォルニア州弁護士コラム「和解」(1)_957

法律ノート 第957回 弁護士 鈴木淳司
Sep 20, 2015

 今回と次回は、いったん皆さんからいただいている質問を考えることを中断して、最近思ったことを書かせてください。日本ではシルバーウィークという私は経験したことのないバケーション期間だそうですが、残念ながら関係のない私はせっせと原稿を書いています。もう秋ですね。

カリフォルニア州弁護士コラム「和解」(1)_957

 弁護士のイメージというのは、訴訟で闘うという職業であると皆さんは思っていらっしゃるのではないでしょうか。法廷で弁論をする姿は良く映画やテレビにも映るので、そればっかりやっていると思われるかもしれません。

 しかし現実は、法廷で争うことをしない(できない)弁護士もたくさんいますし、ビジネスを専門にやっています、と公言する弁護士も多く存在します。とはいえ、やはり弁護士の仕事の根底は訴訟で勝つか負けるかを争うことにある、と長い経験を積んでも私は心の何処かで思っています。

 先日も、私の所属する事務所で担当する案件で高等裁判所の審理において逆転勝訴したときは、やはり醍醐味を感じたものです。訴訟で法律論を駆使して競り合うという生の体験は、たとえ会社の設立をしたり、契約書のレビューをしたりと、法廷には関係ない仕事においても、かなり活かされると思います。弁護士としての価値ある経験はやはり法廷を通して積み重ねられていくのだと思います。

アメリカでは陪審裁判までいく訴訟はごくわずか

 一方で、法廷での経験を積めば積むほど、法廷での闘いに虚しさを感じることがあります。争いの種類にもよりますが、わざわざ高い弁護士費用を使って闘い、結局得るものが少ないという場合も少なからずあるわけです。

 アメリカでは訴訟になったとしても、陪審裁判までいく訴訟というのはごくわずかであって、ほとんどの事件は裁判上の和解に至ります。私は兼任の裁判官をしていますが、私が陪審裁判前の証拠整理を担当し、同時に和解を促す仕事をすると、かなりの確率で和解します。

 そうすると、長い間弁護士費用を費やして闘い、結局和解するのであれば、最初から話し合いをすれば良いのではないか、と思ってしまう事件もかなりの数あります。

クライアントの利益を最優先することが弁護士の義務

 法律事務所の仕事は、言い方は悪いですが、訴訟を増やすことでもあります。わざわざ訴訟にして、闘って勝つことを目指します。私もかなりの数の訴訟を見てきていますが、そもそも訴訟にしないでもなんとか話し合いをすれば済む話ではないか、と思える訴訟を多く目にしてきました。

 私は安易に訴訟の提起はせず、最後の手段にするべきだと思っています。たとえ私の所属する事務所が得られるであろう弁護士費用がなくなろうが、関係ありません。弁護士はクライアントの利益を最優先することが義務であるからです。

 もちろん、訴訟を避けられない場合もあります。刑事事件が最たるものですが、離婚事件などもあるでしょう。また、特許、著作権、不動産など権利を侵害されているような場合にも訴訟になりやすいと思っています。しかし、このような訴訟でも必ず「落とし所」というものが存在するのです。

ビジネスの利益分配を巡る争いの相談を受ける

 最近ある相談を受けました。あるビジネスの利益分配を巡って争いが生じたのです。まず、一方の当事者の話を聞きましたが、結局お金の話でした。弁護士が争う訴訟というのは、権利の帰属が問題になることも多いのですが、結局はお金の問題ということが多いわけです。

 一応、話を聞いて相手方に要求をしてみたところ、相手方も私のことを良く知っていて、私が信頼できると思っているという文面をもらいました。そこで、私は両当事者に連絡をして、中立の立場で調停をしてみようということを提案しました。

 本来であれば、一方からすでに話を聞いているのですから、相手方は弁護士を使って争うことができます。しかし、私の勘で「この案件は訴訟にもなっていない段階で解決してしまうのが両当事者のためだろう」と思ったので、あえて調停の案を提示してみました。

 結局、訴訟になって数年争っても、和解調停をすることになるのは目に見えています。それよりは、はやい時点でまとめてしまったほうが良い、と判断したのです。この調停の提案に対して両当事者は肯定的で、ぜひ早い時点でやりたいということになりました。

 私の勘は当たっていて、両当事者とも一刻もはやく紛争(になりかけている)を解決したいと望んでいたのです。両当事者に、今までは一方の話を聞いていたことを明示して、中立の立場で調停をするということで、案件が進むことになりました。

 次回続けていきたいと思います。


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