法律ノート 第1517回 弁護士 鈴木淳司
March 29, 2026
信じられない位、ガソリンが値上がりしています。
何のために戦争を始めて何のために人が死んでいるのか、政治的なコメントはここでは避けますが、一体アメリカという国はどこに向かっているのでしょうか。
アメリカ人の友人と会っても、皆ため息ばかりです。
さて、前回から「カリフォルニアの田舎に主人の仕事の都合で住んでいます。アジア人はあまり周りにいません。今の主人と私、そして前の婚姻でできた息子と暮らしているのですが、最近息子の同級生同士(息子は関係ない)が喧嘩になり、一方の親から、私の息子も他方に加担して、あたかも犯罪行為を一方が行っていると学校内で吹聴しているので名誉毀損で訴える、という手紙が届きました。息子に聞いても、この手紙を送ってきた家の子に問題があったと言っており、そのことを学校内で話しただけだ、ということでした。今の主人は、そのようなものは放っておけば良い、ということですが、裁判までする、ということを言っているのでなにか対応を考えた方がよいでしょうか。」といういただいた質問を考えてきました。
今回続けていきましょう。
前回は、「事実関係をちゃんと聞き取ることは重要だ」という内容を考えました。
ここで、今回の舞台が「学校内」であるという点に注目する必要があります。
カリフォルニア州の教育法(Education Code)には、生徒間のいじめや嫌がらせを防止するための厳格な規定がありますが、同時に生徒の表現の自由も考慮されています。
特に、学校内で起きたトラブルについて生徒同士が情報を共有することは、直ちに法的責任を問われるような性質のものではありません。
むしろ、相手方の親御さんがお子様に対して「訴える」と強く迫る行為が、状況によってはお子様に対する「威圧」や「嫌がらせ」とみなされる可能性すらあります。
ご主人が仰る「放っておけば良い」という対応は、多くの場合、戦略的に正しいかもしれません。
なぜなら、実際に裁判を起こすには多額の弁護士費用と膨大な時間がかかるため、単なる脅し(Demand Letter)で終わるケースが非常に多いからです。
しかし、ここで注意が必要なのは、カリフォルニア州特有の「SLAPP訴訟」という概念です。
これは、公的な関心事や表現の自由を封じ込めるために嫌がらせ目的で行われる訴訟を指します。
もし万が一、相手が実際に提訴してきた場合には、「アンチ・スラップ(Anti-SLAPP)」という強力な対抗手段があり、不当な訴えを早期に却下させ、相手に弁護士費用を負担させる制度も整っています。
現段階での具体的な対応としては、まずお子様から、いつ、誰に対して、どのような文言で話をしたのか、できるだけ詳しく聞き取りを行い、メモを残しておくことをお勧めします。
そして、学校側がこのトラブルをどのように把握しているかを確認しておくことも重要です。
相手の親御さんが学校を介さずに直接手紙を送ってきたのであれば、学校の公式な記録にはお子様の「加担」や「吹聴」といった事実は残っていない可能性が高いでしょう。
学校側が「生徒間の些細なトラブル」と認識していれば、それが何よりの防衛線になります。
また、相手方への返信については、ご自身で感情的に反論するのではなく、まずは静観するか、もしどうしても返信が必要と感じる場合は、弁護士を通じて「指摘された事実は存在せず、名誉毀損の要件を満たさない。これ以上の不当な接触は控えていただきたい」という簡潔な通知を送るのが良いと思います。
アジア人が少ない地域とのことですので、毅然とした態度を見せることは、今後の生活を守る上でも意味があるかもしれません。
結論として、今すぐパニックになる必要はありませんが、相手が「裁判」という言葉を使っている以上、それは一つのシグナルとして受け止め、お子様を守るための証拠(発言のメモや学校の対応状況)を整理し始めてください。
毅然と、かつ冷静に対処されることは必要かもしれません。
ここで1番重要なのは、お子さんが学校でのびのび勉強や学びを得て大人になっていくことですので、その大前提を守りつつ、事実関係を明らかにして、いざという時に用意しておくということが今できることです。
また次回新しくいただいている質問を考えていきたいと思います。
天気は夏みたいで、半ズボンを履いて歩いてる人も多いですが、夜は冷え込む日もありますので、体調に気をつけてまた1週間頑張っていきましょうね。
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