じんけんニュース 06-30-2024 弁護士 鈴木淳司
Jun 30, 2024
今回は、2つトピックを考えていきます。
1つ目ですが、いわゆる専門職ビザであるH-1Bビザの抽選結果に関するデータです。
H-1Bビザは、学校を卒業したFビザを有する外国人が頻繁に利用しますし、アメリカで働きたいと思うとまず考えられるビザであります。
そうすると、かなり外国人学生などがどうしてもこのビザを取りたいということでいろいろな動きをしてきました。
中国、インドの学生が急増してきたこの10年では、H-1Bビザは抽選になりました。
抽選ということは、要件を満たされても取得できない人もいるわけです。
この数年特に問題視されていたのは、一人の外国人がいろいろな手段を使って何件も申請を出し抽選のチャンスを増やしていたことです。
その問題に対して、複数の申請に関しては、取り締まりを強化しました。
2025年度 H-1Bビザ申請の抽選においては、受益者114,017名を選出し、その結果、全体の登録者数は120,603名になりました。
2025年度の抽選適格登録件数 (470,342件) は、2024年度(758,994件)と比較して大幅に減少し、38.6%の減少となりました。
当選確率は4分の1程度ということになります。
この重複登録を排除することに成功したので、2025年度の今年の抽選申込者 (約442,000名) は、2024年度 (約446,000名)と同程度でした。
また、2025年度の雇用主数 (約52,700名) も、2024年度(約52,000名)と同程度でした。
このように、まだまだ抽選申込者は多いので、抽選制度は続きますが、申込み件数については、今年度は安定してきたようです。
日本企業でも、日本からの学生にとっては、不安定なHビザは敬遠されがちです。
この問題が、日本人がアメリカに惹きつけられて勉強をして、仕事を得ようという状況に負に働いていると思います。
申請する外国人も国別で分けるなど、少しは一極集中を緩和してほしいものです。
次のトピックは、移民申請のフォームが一部2024年4月から変更された件です。
ちょうど、今月はプライド・マンスということで、性に関する多様性を尊重する月間です。
また、今週末はサンフランシスコでもプライド・パレードが行われます。
LGBTQに対する理解も社会で広まってきているなかで、移民局においても、男性・女性だけではなく、まずはじめに市民権申請する外国人に対して、第三の選択肢を設定しました。
新たな市民権申請フォームは、N-400において試験的に導入されました。
今後は、移民局の方針としては、この男性・女性以外の性別選択肢について、広げていくということになりそうです。
上記が、今回、移民局関係における新規情報で知っておくべき情報となります。
また、次回新しいトピックを考えていきましょう。
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