法律ノート 第1352回 弁護士 鈴木淳司
Feb 9, 2023
怪しい気球がアメリカに飛来して撃墜したというニュースがありました。
日本でも宮城で同様の飛行物体が確認されたそうですが、放置したということで意味がわかりません。
スパイ気球が某国から飛ばされて、サテライトで確認する程度の情報しか得られないということですが、気持ち悪いですよね。
アメリカは断固とした処断をしていますが、日本は何もできないのでしょうか。
日本という国は、日本国の意向ということを戦後示せなくなっているのでしょうかね。
もう少し強い日本の意思を示しても良いときに来ているのではないでしょうか。
アメリカ_協同組合形式での不動産所有(2)_1352
さて、「ベイエリアの不動産が高騰していているのですが、友人からCooperativeという形で不動産の所有者になってメリットが大きいと聞きました。普通に家やマンションを買うときに比べて、このCooperativeという形態にどのようなメリットがあるのか、わかりません。」という質問を続けて考えていきましょう。
株式会社化するメリット
前回までは、株式会社化することは投資も集めやすいというメリットを考えました。今回さらなるメリットについて考えていきましょう。Cooperativeというのは、前回までに考えた通り、皆で同じ目的を持ってつくる団体ですので、会社をつくるとしても、その共通の目的を定める必要があります。この目的は金銭的な目的だけではないため、通常は株主が全員集まって、細かく協議し、定めることになります。森林を守る、不動産の価値を守る、消費者の買いやすく、オーガニックの商品を守る、といった多岐に渡る設定が可能です。設定をすれば、株主となる一人ひとりが義務を負い、その責任を全うすることが必要になります。
コミュニティーの持ち主になるとは
今回の質問について考えると、家を買うときにCooperativeに所属するということになると、単に家を買うこと以上に、そのコミュニティーの持ち主になるわけです。通常、家を買うよりも義務が増加する一面がありますよね。義務が増加しても、権利や利益が増加すれば問題はないわけです。そうすると、家をシンプルに買うに加えて、その家があるコミュニティーについて権利と義務について考えなくてはならなくなりますよね。利益が多いと思えば加入すれば良いです。
確認すべきこと4点
まず、株式会社という形をとった協同組合において、どのような人が筆頭になっているのか、考える必要があります。信用がおけるのか、長期に渡って納得がいく運営をしてくれるのか、直接話しをしてみて様子を見なければなりません。
次に、そのコミュニティーがどの程度続くかの期限を確認する必要があります。永劫続くのであれば、家を持ってからずっとその与えられた規則に服しますし、期限があれば、その期限をちゃんと理解したうえで、将来を設計する必要があります。
第三に、協同組合がどのように膨れるのか、すなわち加入したあと、その後の加入者はどうなるのか、規則などを確認する必要があります。
第四に相続など、不動産を買ったときではなく、手放すときにはどうなるのか見極めましょう。長く続く関係になるのですから、関係を見極めるのは皆さん次第ということになります。
メリットとデメリットを慎重に比較
Cooperativeというのは、ベクトルが合っている状況ではとても良く機能します。たとえば、私もある買い物に関する協同組合に入っていますので、好きなものを安く買えるといったメリットがあります。一方で、出費もあるわけです。私もメリットとデメリットを比較して考えています。これが住むところになると、かなりメリットはなにか、デメリットがなにか慎重に考える必要があると思います。法律の問題というよりは、生活やビジネスのメリットの問題になると思います。
不動産のCooperativeに参加する場合
Cooperativeに参加するのであれば、その内容をかなり詳しく理解してから、参加するのが良いと思います。不動産に関する場合であれば、基本定款(the Articles of Incorporation)、付随定款(By-laws)、そして、運営に関する過去5年程度の実績をみてから判断をしたほうが良いと思います。
今回の質問に関しては、この程度にしておきたいと思いますが、他にも質問があれば、どんどん法律ノート(question@marshallsuzuki.com)までメールをください。
また、今度ご紹介しますが、当事務所の若手も皆さんに通信を新たな方法ではじめていますので、どうか宜しくお願いいたします。
まだ、雨も多いカリフォルニアです。皆さんのお住いの地域の天気はいかがでしょうか。これから春です。寒いですが、春を探しながらまた一週間がんばっていきましょう。
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