米国入国-別室審査(2)_1317

サンフラン SF滞在

法律ノート 第1317回 弁護士 鈴木淳司
June 7, 2022

 梅雨のないカリフォルニア州ですが週末ゴルフをするのには今最高の天気です。
梅雨がないのはゴルファーには助かるところです。
一方で、梅雨がなくなると日本は灼熱の大地になりそうです。
5月から30度に達する日が東京でもあるようですが、梅雨のおかげである程度の温度調整をしてくれているのがよくわかります。
カリフォルニアの空は青く、一年を通して似たり寄ったりの気候ですが、日本の気候というのは、現在ずいぶん変わってきてはいるものの、奇跡的な四季を持った気候なのだな、と思います。

米国入国-別室審査(2)_1317

 さて、前回から考えてきた「以前、アメリカ入国の際、入国管理は問題なかったのですが、そのあと税務申告で引っかかりました。日本の食品を持っていたのですが、それを取られてしまいました。その後、アメリカに入国する際に、二度目の検査に回され、いつも入国に時間がかかるようになってしまいました。最近コロナ規制が緩和されてアメリカに入国しようとすると、また二次検査に回されました。どのようにしたら、この検査を今後避けることができるのでしょうか」という質問を続けて考えていきましょう。

二次審査はある意味必然

 前回は、入国時の二次検査についてどのような性質のものが考えました。

どこの国でもテロリストなどには慎重に対応しているし、国際的にも、果たさなければならない責務を負っていることは理解していただけたと思います。
ただ、一方でビジネスなどの理由で日米を行き来しなければならない人にとっては、二次検査を毎回通過しなければならないというのは苦痛であります。

別室審査を避けるには

 今回は、どのように今後の二次検査を避けられるのか考えていきましょう。

二次検査は政府の裁量で行われていて、審査の係の人にとっても、マニュアル通りに進めるだけであります。

ですので、入国時のコンピュータにアラートがでた場合には、自動的に二次検査に連れていくというのが現状のやり方になっているわけです。

ですから、まずは税関国境管理局(CBP、移民行政機関の一部)に対して、オンラインでクレームをすることで、状況を知らせ、二次検査は不要である、ということを伝え続けることが重要です。

オンラインでクレームを送るのは簡単ですから、何度でも根気よく状況を伝えることが良いと思います。
例えば、https://help.cbp.gov/s/complaints?language=en_US このサイトを利用して、クレームをしてみてください。

このサイトは、主に税関に関する対応となります。

入国管理に関するクレーム窓口も

また、入国管理に関してのクレームであれば、DHS TRIPというサイトがあります。(DHS TRIP website at https://trip.dhs.gov/
このサイトを利用して、入国に関してクレームをすることができます。

 何度も言いますが、入国管理は裁量ですので、クレームを出したからと言って、すぐに何かが変わるということを期待しない方が良いと思います。

外国人には入国する権利はないのですから、やはり根気よく、何ら違法なことは自分には関係がない、ということを言い続けるしかありません。

クレームが功を奏するケースも

私の関わった事例では一度クレームを出したらその次からの入国がスムーズになり二次検査に回されなくなった事例もいくつかありますし、何度か、入国後、クレームを重ねていると、数回経ってから、もう二次検査に回されることはなくなるという事例もありました。

 クレームを出す時に重要なのは、いつどのように入国しようとし、どのような状況で二次検査に回され、どの程度待たされ、そしてどのような質問をされ、どのような告知を受けたのか、携帯電話の使用などは禁止される可能性はありますが、覚えている限りできるだけ克明に記録を付けておくことが重要です。

政府側も、必ず二次検査に回される人たちについてはメモを残しており、それを参照できるわけですから、虚偽や誇張をせずに、どのような形で留め置きされたのか、メモに残し、必ずクレームに記載するようにしてください。

また、入国管理の人たちが気にするのは、どのような「目的」でアメリカに入国し、「何をするのか」といった、入国後の行動に関してです。

ですので、できるだけはっきり、今回の入国は何月何日に誰々にあい、どこの企業の人と何々をし、食事はどこどこでとり、それ以外のことはしていない、といった形で、具体的にアメリカ入国後の行動を示すとベターではあります。

入国時の留め置きのことばかりに目が行きがちですが、入国後に何をしたのか、ということを書くことで、全く問題がないアメリカ滞在であることをアピールできるわけです。

根気よく虚偽誇張なく訴え続ける

 必ず、二次検査を今後避けられるという保証はありませんが、このようにクレームを続けることで解除される例は多くあります。

アメリカは、どの国よりも、外国人に対するデュープロセスに気をつかう国であると私は思っています。
ですので、躊躇せずに、ちゃんと自分の言いたいことは言えば、いつかは聞いてくれると思います。
嫌なことではありますが、楽しいアメリカ滞在を実現するためにも、やることはコツコツやるという感じでしょうか。

 次回またみなさんからいただいている新しい質問を考えて行きたいと思います。
学校も休みになる季節で、飛行機や観光地はかなり混み始めています。
私の周りでもコロナが増えているように思います。
まだまだ気をつけながらまた一週間頑張っていきましょうね。

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作成者: jinkencom

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