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アメリカ市民権を取得 N-400申請

じんけんニュース 12-13-2020 弁護士 鈴木淳司
December 13, 2020

 あと2週間で2020年も終わりですね。今までの弁護士人生で一番自宅にこもっていた年という意味では思い出深いものがあります。みなさんの一年はいかがだったでしょうか。じんけんニュース(国際弁護士なブログ)も速報がなければ、これで今年最後です。じんけんのサービスをご利用いただいた方々、ニュースを読んでいただいている方々、本当にありがとうございます。2021年もじんけんのスタッフ一同変わらず業務を邁進していきますので、どうかまたよろしくお願いいたします。
 

アメリカ市民権を取得 N-400申請

 さて、2020年12月1日付で、現政権はアメリカ市民権申請(N-400申請)における要件である、公民分野のテストの内容を変更しました。現政権の賞味期限は2021年1月20日までなのですが、最後の最後に行政権を行使して、市民申請に関して変更を加えました。

 その変更も、投票権のある市民になりにくくする改悪と捉えられる変更です。

アメリカ市民権取得には英語でテスト

 市民権を許可されるためには、元来「テスト」を受けなければなりません。
 従来120問のなかから10問を選んで出題され、6割取れれば合格となりました。

 この12月1日から、20問出されて、6割を取らなくてはなりません。もちろん、再テストは許され、間違った問題だけ勉強すれば良いので、合格率は9割を超えています。高齢者の申請者に対しては特別なルールも定められています。

 試験問題と、試験の問題数が変わっただけではありますが、英語が得意ではない移民にとってはかなり大変な作業になり、ひいては市民権申請を抑制してしまうのではないかという意見が出てきています。すでに2020年12月1日に受理された市民権申請については、あらたな試験が課されることになっていますので、今後統計が出てくると思われます。

 試験についての移民局の発表はhttps://www.uscis.gov/citizenship/2020test 
このサイトを参照されてください。

試験問題の「正解」が変わった

 試験問題については、公民の分野から出題されますが、たとえばアメリカの大統領は誰だ、とか、あなたの州から選出されている議員の名前は何か、など、まあ一単語で答えられる問題が多いのですが、私が疑問に思う変更はたとえば、「州から連邦議員として選出された議員は誰を代表するのか」という質問があります。質問は変わっていないのですが、あらたに現政権は「正解」を変更しました。

 今までは答えとして州の「人(People)」を代表するということでしたが、その回答を州の「市民(citizen)」が正解であるとしたのです。

 私が法律家としてみると、州から選出された議員は、たしかに市民(選挙権があるアメリカ市民)から選出されるのでしょうが、代表する範囲については、憲法論でも争いがあるところであって、市民だけではなく広く州の利益を代表するという考え方も間違ってはいないわけです。

 現政権は、市民であるということを過度に強調したいのでしょうが、そもそもこのような細かいニュアンスに関してそれも争いのありそうな変更をしてどのような利益に資するのかわかりません。
このような試験は撤廃して、クラスに参加して公民の基礎を勉強することを要件にしたら良いと私は前から思っているのですが。

厳しい移民行政の影響は長引く可能性も

 とにかく、市民権申請における試験の要件が厳しくなり、すでに12月1日から規則が施行されています。

 新たな大統領になるのが、あと30日程度ですが、すぐに新大統領がこの規則をひっくり返すということは考えにくく、移民に関連する規則については、何ヶ月も経たないと変化が見られないかもしれません。

 まだ、現大統領は行政の力があるので、今後も去る前に、いろいろな仕掛けをしていくと思われます。また、厳しい移民政策を打ち出してきたので、今後も移民行政は注意しなければならないと思います。

 静かな12月ですが、みなさんが安全で平穏な年末年始を送られることを心から願っております。
また、2021年もじんけんニュースをよろしくお願いします。


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