法律ノート 第1456回 弁護士 鈴木淳司
Feb 10, 2025
スーパーボウルの週末です。
興味のない人にはどうでも良い、という感じでしょうが、アメリカのスポーツ界では一番盛り上がる日でしょうか。
ただ、興味のない人も、ハーフタイムのショーはよくニュースになりますからご存知ではないでしょうか。
今回のスーパーボウルは西海岸があまり関係のない試合になってしまいましたが、やはり観てしまいます。
試合が盛り上がってくる前にこの法律ノートも書き終わらなければと一生懸命やっています。
相続財産管理人@カリフォルニア USA(1)_1456
さて、今回から皆さんからいただいている新しい質問を考えていきたいと思います。
いただいている質問をまとめると「日本在住の者です。20年ほどまえにカリフォルニアに移住した兄(未婚・子どもがいない)がいるのですが、最近亡くなりました。カリフォルニアの弁護士から連絡があり、私(質問者)が、相続財産に関してなにかしなければならないとメールに書いてありました。日本の弁護士にも相談をしたのですが、私自身も持病があり、アメリカを往来するのは難しいです。兄のことはできることがあれば、なにか助けたいのですが、どのように関わればよいのかアドバイスをいただけないでしょうか。」というものです。
日本国外在住の日本人は少なくない
日本を出て海外で生活する人は130万人近いそうです。
アメリカで生活する方も多くいらっしゃいますので、このような日本からの相談は後を絶ちません。
今回の質問にお兄様がどうしてカリフォルニア州に移住されたのか詳細は書かれていませんでしたが、とにかく、いろいろな理由で日本を離れる方はいるのです。
カリフォルニア州で亡くなったら
今回の質問にあるように、お兄様にはアメリカに家族がいらっしゃらなかったようですので、カリフォルニア州において死亡された場合、誰がその財産を管理するのか、そして誰が相続人になるのかは、カリフォルニア州法によって決められることになります。
もちろん、お兄様にトラストや遺言がある場合には、そのトラストや遺言によって、コントロールされます。
しかし、今回の質問にはトラストや遺言があったことについては、書かれていませんでした。
遺言やトラストがない場合、原則として死亡した地の法律で相続が開始されます。
カリフォルニア州であれば、カリフォルニア州法によります。
相続財産管理人と相続人
ここでは、どのように法律が規定されているのか詳述しませんが、今回の場合、死亡された方の妹さんが相続人になり、また相続財産管理人にもなるようです。
相続財産管理人とは、人が亡くなったときに、相続人が財産を受け取るまで財産を管理する人です。
相続人とかぶることも多々あります。
今回の質問のケースでは、カリフォルニア州で適当な相続財産管理人がいないのかもしれません。
そして、一般的には、相続財産管理人は親族が務めることが多いです。
相続財産管理人の義務と権利
ここで、質問されている妹さんが相続財産管理人になったとしましょう。
そうすると、人の財産を管理するわけですから、いろいろな義務が生じます。
現実問題として、日本に居ながら、カリフォルニア州にある財産を管理するのはなかなか難しいと思います。
管理は、単に「持っている」だけでは足りず、家であればそのメンテナンスもしなければなりませんし、税務申告も必要になるかもしれません。
家を売ることになれば、そのアレンジもするわけです。
さらに、裁判所には管理している内容を定期的に報告もしなければなりません。
色々やることが出てくるのです。
もちろん、無料か、というとそうではありません。相続財産の規模に応じますが、法律で報酬も支払われます。
弁護士に委任するという手も
お金をもらったからといって、管理をするとなると大変です。
そこで、その管理については、今回の質問者のように外国にいる場合には、弁護士を選任して進めることも可能です。
もちろん、カリフォルニア州内の相続財産管理人についても弁護士を選任する例が多いと思います。
弁護士として十分な経験があれば、管理につき為すべき手順を知っていますので対応ができます。また、今回の質問者の方のような場合でも、委任さえしてしまえば、実際に自分が動くことは少なくなるわけです。
今回質問されている方も、お兄様を助けたいという気持ちは変わらないようですので、まずは、相続財産管理人になるとしても現地で代理人を立てれば十分に対応をすることができると思います。
弁護士であれば代理できますので、ご自身が納得のいく方を探して、委任をされるのが最善だと思います。
もう少し、相続財産管理人になった場合のことを次回考えていきたいと思います。
次の週末はサンフランシスコで、春節のお祝いなどもあり、賑やかになりそうです。
少しずつ春を感じながら、また一週間がんばっていきましょうね。
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