デジタル化で一区切り_1389

サンフラン SF滞在

法律ノート 第1389回 弁護士 鈴木淳司
Oct 23, 2023

前回の法律ノートの続きを書こうと思っていたのですが、先週私にとっての「一区切り」がついたので、そのお話をさせてください。
来週、いただいている質問である会社の売買については、再開して考えていきたいと思います。

デジタル化で一区切り_1389

何が一区切りかというと、事件書類のデジタル化です。

30年近く弁護士をやっていると事件の資料は膨大なものになります。
特に私の所属する事務所は案件が多く、今までは倉庫を2つも借りていました。

気がついて見ると倉庫というのは、よくわからない形で値上げをしていて、かなりの費用を知らないところで払っていたことになります。
もちろん金銭では替えられない重要な書類ですので、大事に保管していたのですが、先週ついにすべて手持ちにある事件書類のデジタル化が終わりました。

全体で1年半程度かかったでしょうか。
もちろん、法律事務所のなかには、業者に丸投げするようなところもあるのでしょうが、自分自身のやってきた仕事を反芻する意味もありますし、クライアントの大事な書類ですから、できるだけ内部で処理をしたかったこともあり、事務所内で完結をしました。
事務所の人達も手伝ってくれましたし、私自身もかなりスキャンをしました。

今ではスキャナーも優秀で、まるで現物と変わらない程度の見栄えで保管することができます。
私の母親が他界したときに、思い出などをすべてスキャンして、その素晴らしさに目覚めたのがきっかけでした。
ある展示会でそのスキャナーのコーナーがあったのですが、その出会いがきっかけで、その企業の「ユーザーの声」みたいなコーナーにまで私の感想が載るまでになってしまいました。

90年代の書類は古くなっていますし、ホチキスや止め金具なども錆び、感熱紙のFAXは読めないものも多く、デジタル化をしておいてよかったと思います。
とくに、古い輪ゴムは曲者で、紙にべったりついてしまったりしていました。
時間が経つと、全体に確実に劣化していることがわかりました。

90年代のファイルを見ていくと、手書きのものが多く今とは一世代違うな、と思わされました。
特に、事件終了後にいただく手紙はほぼすべて手書きでした。
しっかり、すべての御礼状も取ってありましたので、読みながら、「こういう事件もあったな」と思いを馳せました。

弁護士の仕事というのは、時間がかかってもクライアントとは数年のお付き合いで、別れてしまうと、ビジネスのような継続的な仕事が無い限り、再度お会いすることはほぼありません。
クライアントにしても、医者や弁護士には、会いたくないかもしれませんよね。

弁護士からしても、便りがないほうが、幸せに暮らしているのかな、とおもったりすることもあるのです。
特に刑事事件のクライアントは事件のときにお会いすると、その後はそのままになってしまいます。

このように、刹那的な付き合いが多いのですが、不思議と事件ファイルを見ると顔を思い出すものです。
それも、不思議なものでどのような会話をしたとか、どのような感情を持たれていたとかまで、蘇るものです。
90年代の事件など20年以上前の話なのですが、まだはっきり覚えているものもあります。

若いときの事件ファイルを読むと結構訴訟をポンポンやっていたことがわかります。
訴訟の経験はふんだんに培われたと思います。
今、若い頃のペースで訴訟をしろ、と言われても、たぶんなかなか思うようにはいかないと思います。

若いときは猪突猛進で、事件をこなしていましたが、思い出すのは、とにかく人助けをしなければ、という感覚が優先して、事件を受任して無事解決しても、お金をもらい損ねることが多くあったな、と思うことです。
医師も患者を助けたが払ってもらえないということも多々あるようですが、タダ働きをさせられたことも一件、二件ではありません。
弁護士がちゃんとお金をもらわないと動かない、というのは、こういうことなのです。
もちろん悔しい思いをしましたが、その分訴訟技術なり経験なりになったとは思いますが。

それから、特に90年代は、メールではなく電話が相談窓口や連絡方法として主流でしたから、古い大量の電話メモがみつかりました。

事務所に電話があると、それをアシスタントの人たちが一つ一つメモを残して、担当者に配っていたのです。
日によっては何十件も電話があったようです。

たしかに、朝法廷に行き、戻ってくるとたくさんの電話メモが置かれていて、それをこなしていると夜になり、夜から書類を作成するという流れが日常茶飯事でした。
今ではメールが主流、法廷もビデオで行われることが多くなり、時間の使い方がずいぶん変わったな、とつくづく思いました。

弁護士生活30年を目前にして、書類のすべてがデジタル化されたことで、一つ肩の荷を下ろすことができました。
少なくともこれで、世界のどこにいても、自分の仕事ができるようになりますし、情報のアクセスがより良くなりました。

また、30年近くも同じ仕事をやっていると、「以前に、これはやったな」と思うことが出てくるわけで、そのときに資料をすべて気軽に参照できるというのは、かなりの財産になったと思います。
とにかく、これで一区切りです。

次回は、また皆さんからの質問を考えていきましょう。
また来週まで一週間がんばっていきましょうね。

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作成者: jinkencom

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