法律ノート 第1362回 弁護士 鈴木淳司
Apr 16, 2023
先週、車上荒らしに遭いました。
私が25年以上過ごしているサンフランシスコのダウンタウンで初めてのことです。
車のガラスが割られ、出張直前だったので、衣類や洗面用具が入ったスーツケースとダッフルバッグが盗まれました。
スーツケースはもう20年近く私と出張や旅行に同行していた相棒だったので、このように別れるのは悲しいことです。
また、誰かと旅に連れて行ってもらえるのでしょうか。
幸いだったのは、電子機器や財布などいつも使っているものは身につけていて問題はなかったことでしょうか。
しかし、ITブームに乗って、前の二人の市長は調子に乗って、どんどんIT企業を誘致しました。
それが理由で昔からビジネスをやっていた人たちがどんどんサンフランシスコを離れてしまいました。
コロナがあって、IT企業は街から消え、今ではゴーストタウン化が恒常化しています。
コミュニティー感も薄れてしまい、犯罪やホームレス問題、そして路上のゴミが多くなっています。
20年前の良い時代が本当に懐かしいです。
これだけIT企業があったわけですから、ITでゴミをなくして、犯罪を減らしてくれないものでしょうか。
米国_ステータス変更は簡単?(2)_1362
さて、前々回から考えてきた質問を続けて考えていきたいと思います。
頂いている質問は「日本国籍の者です。アメリカの大学を卒業して、OPTで働いています。IT関連企業です。やっと仕事ができると思ったのですが、半年ほど働いたあとに解雇されました。まだ、OPT期間は残っているので仕事を探していますが、なかなか自分の知識に合ったIT関連の就職先が見つかりません。私がネットで調べると自分で会社を設立して、Eビザを取れるという記事を読みました。本当に、学生でも簡単にEビザが取れるのでしょうか。」というものでした。
滞在ステータスの変更はビザにならない
簡単におさらいしておきましょう。
アメリカ国内で滞在ステータスを変更するだけでは、通行手形になりません。
アメリカに、続けて合法的に滞在できますが、アメリカ国外にでると再入国するときには、通行手形、すなわちビザが必要になるので、アメリカ大使館・領事館でビザの許可を受ける手続が必要になるのです。
単に、今回質問されている方が仮に、アメリカ国内で学生ビザから、Eのステータスに変更を成功されたとしても、もう一度、国外に出た場合には、ビザの審査があるということが重要なポイントです。
Eビザの特殊性
さて、ここで前回から積み残したEビザの特殊性について考えてみたいと思います。
Eビザというのは、他のビザと違って、アメリカと協定を結んでいる国にしか発給されません。
日本は、E-1(通商)、E-2(投資)について、1953年にアメリカと協定を締結し、現在でもEビザの利用が一番多い国となっています。
アジアでは、中国やインド、それにベトナムは締結していません。
他のビザは、どの国の国民でも基本的に利用できるのですが、Eビザは利用できる国が限られています。
そして、米国ビザの発給は各在外大使館、領事館によって行われるので各国の判断も、国によって、そしてそのときの政治などによっても変化します。
ステータス変更できてもビザが許可されるとは限らない
問題は、アメリカ国内でステータスの変更をする場合には、たとえば投資が5万ドルでも許可になるケースもあります。
しかし、国外でのビザ取得は投資額が15万ドル以上というのが一般的ですし、更に国によっても違います。
日本は15万ドルでは少ない投資とみなされてしまう可能性も大きいです。
この辺は経験のある法律事務所に現在の状況を聞いて判断するべきところだと思います。
たとえ、アメリカ国内でステータスの変更の許可を得たとしても、投資額を増やせないと、ビザが許可されないという可能性が充分にあるわけです。
まずビザが発給される見通しを立てる
したがって、未来にちゃんと投資額が増やせる目処がたたない場合には、かなり真剣にビジネスを大きくして、外国、たとえば日本にあるアメリカ大使館、領事館を納得させられるだけの規模にしなければならないということになります。
かりに、ビジネスが大きくならなかった場合には、アメリカ国内に滞在して、再度Eビザのステータス延長を考えなければならないかもしれません。
このような、将来を必ず考えてからアメリカ国内での滞在ステータスの変更を行わなければなりません。
安易に、Eにステータスが変更できる、とだけ考えて、ステータスの変更をしてしまうよりは、その先にEビザを発給されるかどうかのことが重要になるわけです。
以上で、概ねEビザの特殊性について考えました。
また、学生の方などで、似たような質問があれば、また考えていきましょう。
暖かい日も増えてきましたね。
外でのアクティビティを楽しみながらまた一週間がんばっていきましょうね。
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