法律ノート 第1322回 弁護士 鈴木淳司
Jul 10, 2022
安倍元首相が政治活動真只中に凶弾に倒れ言葉がありません。
よく私がアメリカで働いているんですよ、というと銃社会は怖い、というネガティブなことを言われる日本の方がいますが、他人事ではなくなった現実があります。
一つ強く感じるのは、最近の風潮では自分の行動、言動を省みない人がとにかく多くなったと思います。
良いか悪いかは別として、以前は「私バカよねぇ」なんて歌がありましたが、今では「君は間違っていない、がんばれ」という流れの歌が多いように感じます。
最近は、自分は悪くないのだ、人が、そして社会が悪いのだ、という考えの人が多くなったものだとつくづく思います。
暴力を使って得る自己肯定感など、相手の立場を考えない偏狭な感情なので時間が経てば否定されると考えられないのでしょうか。
昔、母親から幽霊よりも怖いのは人間だ、なんて言われましたが、本当かもしれません。
日本で米国会社を設立運営できる?(1)_1322
さて、今回から皆さんから新しくいただいている質問を皆さんとご一緒に考えていきたいと思います。
いただいている質問は「日本在住の者です。個人的にネットで日本語を教える仕事をやっています。最初は色々な人材紹介サイトに登録してやっていたのですが、口コミで広がり、今度できれば会社を作りたいと思っています。そして、アメリカからの依頼が多いのでカリフォルニア州に会社を設立するのはどうか、と思っているのですが、日本に居たままカリフォルニア州で会社を設立して運営することはできるのでしょうか。アメリカでも一人会社が許されているということで、私一人でやりたいのです。」という内容に集約できます。
日本に何ら縁のない外国人が、いきなり習う言語として日本語というのは相当大変な言葉だと思います。
基礎的な会話については、そこまで難しくなくても、謙譲語や尊敬語などは日本人でも間違えますし、「テニヲハ」も簡単なものではありません。
さらに、漢字に加えひらがな、カタカナもあるわけで、一筋縄ではいかない言語ではあります。
他方、漫画やアニメなどが世界で広く知られており、日本に対する興味や日本語を習いたいという人も増加しているのでしょう。
日本人にとっては当たり前の日本語ですが、世界規模で見ると商売になり得ることなのかもしれませんね。
もちろん今回質問されている方は教え方が上手いのでしょう。
語学は教える人の技量も習得にかなり影響するものだと思います。
今回質問されている方はお一人で、つまり個人経営の家庭教師として日本語を教えられているようですので、個人事業主なのでしょう。
質問を読むとコロナ禍でリモートでの授業が激増したことも書いてありますので、人気がでると世界中からの依頼があるのですね。
米国会社の設立は難しくない
まず私が今回の質問を読んで考えるのは、将来的なビジョンです。
後述しますが、会社の設立は大して大きなハードルではありません。
ちゃんと中身を理解して、そしてちゃんと書類を用意し登記・登録すれば完了します。
もちろん、今までも法律ノートで比喩してきましたが、会社をつくるというのはいわば家にもうひとり子供が生まれるようなもので、放置できません。
毎年、忙しくなれば毎日なんらかのケアをしていかなければならないのです。
設立後の米国会社の管理
つまり、手間がかかるので、設立するだけではなく、将来的なビジョンを持たなければなりません。
質問を読むと、アメリカからの依頼が多いので(生徒さんが多いのでしょう)、アメリカに会社を設立したいということですが、税金の問題や、コントロールの利便性なども選択できるのであれば、考えた方がよいかもしれません。
世界の色々な国が優遇税制を敷いたり、外国からの企業を誘致したりしていますので、多角的に見ることも日本からでは可能なのではないでしょうか。
法人化することの意義
また、私が初見で今回の質問を読むと、そもそも法人化する必要があるのか、という点です。
たぶんですが、今回の質問者の方がとても魅力的な講師だから人が集まってくるわけで、会社をつくり人を雇い、講師を増やしたからといって、規模の大きくなるビジネスなのか、少々疑問ではあります。
この手の会社の規模が大きくなるのは、持っているノウハウや情報商材が肝なわけで、結局誰が教えてもあまり変わらないといった基盤を持っているからだと思います。
ですので、ある一人の先生が魅力的であるということであれば、その先生が自分で教授できる範囲(それが、直接の教授でなくても、たとえば動画を売るとかも考えられますが)に絞られてしまうように思います。
法人化と将来のビジョン
別に私はビジネスを否定的に考えているわけではありませんが、まずは今回の質問を受けて、私が逆にお聞きしたいのは、なぜアメリカなのか、どのようなメリットがあるのか、それを抽出すること。
そして、法人化することで将来的に(たとえば、5年、10年後)どのようなビジョンを持っていて、そのビジョンを成就するために法人が必要か練ることをしなければ意味がないと思います。
ここから、次回仮定として、やはりアメリカに法人を作るメリットがあるという前提でまた続けて考えていきましょう。
夏真っ盛りです。サンフランシスコ・ベイエリアはこれ以上ない位天気が快適ですが、他ではとにかく暑いという話ばかりです。
体調管理は特に注意したいですが、熱中症はあとになっても引きずることもありますので、水分はとにかく欠かさないようにしてまた一週間がんばっていきましょうね。
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