アメリカ進出-企業がやるべきこと(1)_1269

サンフラン SF滞在

法律ノート 第1269回 弁護士 鈴木淳司
June 28, 2021

 道路を使って移動をしているとずいぶん車が増えたなぁと感じるようになりました。
また、週末に本屋に行くと、マスクをしていない人がほとんどでした。
逆にワクチン接種を受けていない人だけは、マスクをするようにという掲示がありました。
今後は、マスクをしていることが違和感を生じさせることになるのでは、と思わせる状況になってきました。
今年の夏休みはアメリカではかなり正常化され、今までと変わらない感じになっています。
日本はオリンピックもありますが、まだ接種が遅れているので心配ではあります。
読者の皆さんの暮らしはいかがでしょうか。

アメリカ進出-企業がやるべきこと(1)_1269

 さて、今回から新しくいただいている質問を考えていきたいと思います。
いただいている質問をまとめると「アメリカに進出している会社の代表をしています。数人しか従業員はいなかったのですが、コロナ禍になったため、アメリカにある子会社の活動をいったんすべてやめています。現地の賃借しているオフィスはシェアオフィスだったため、契約を解除している状況です。会社活動を再開させることを来年(2022年)のはじめに考えているのですが、会社の登録(カリフォルニア州)については、2019年から放置しているような状況です。何かしなければならないこと、やるべきことというのは現状なにがあるのでしょうか」というものです。

アメリカから一時事業撤退と再開

 ずいぶん、日本の会社もコロナの影響で、アメリカでの活動を自粛または、事業の撤退をされたようです。
特に、アメリカでの展開の規模が小さい場合には、撤退も容易だったことも影響しているのかもしれません。
事業を再開させるとしても、いったん、コストのセーブや先行き見通しの不透明さから、日本に一時的に撤退するというのは一つの考えであったと思います。

ここにきて、アメリカではワクチンが行き渡りつつあり、経済が再開しつつあります。
日本企業もアメリカでの活動を再開する準備を始めています。
今回の質問もいくつか似たような質問がきていますので、やはり日本企業もアメリカに戻るうえでの具体的な行動をはじめているのですね。

会社を維持するための義務と行政事務

 さて、会社をカリフォルニア州政府に登録していると、いくつか基本的な手続を毎年または隔年行わなければなりません。
会社といのは、初期に設立するのは簡単ですが、それだけではなく設立後の維持も考えていかなければなりません。
コロナ禍のため、いくつかの例外的な延長措置はありますが、コロナ禍における会社維持の義務は続けなければなりません。

 まず、会社を設立したあと、対カリフォルニア州政府に対して、会社の登録情報の更新を隔年でおこわなければなりません。
その更新情報のなかには、会社の所在地、役員の連絡先、また訴訟になったときの連絡先(Agent)などが含まれています。

ひとつ気にしたほうが良いのが、この会社の所在地とAgentの連絡先です。

行政からの通知は放置しない

すなわち、コロナ禍で実際の業務は停止し、そしていったん日本に撤退したとしても、各種の通知は会社の所在地またはAgentに送られてくるわけです。
紙による通知が送られてきているのに放置をしていると様々な弊害が生まれますので、通知を受ける場所がコロナ禍であっても生きているのか、確認はしておかなければなりません。

問題は日本に一時的にでも撤退してしまって、通知先である会社の所在地およびAgentの住所が使用不能になっている場合です。

この場合には、会社の所在地については、通知を受け取れる住所を設定する必要がありますし、Agentにいたってはカリフォルニア州内に所在する個人を設定する必要がありますので、必ず通知先を確認し、カリフォルニア州のウェブサイトにおいて、更新をする必要があります。

この更新を怠って通知を受けていないということになると、あとで不利益が生じた場合、「通知されていない」という抗弁が成り立たなくなってしまいます。
会社が存在する以上、この通知先については常時使える状態にしておかなければならないということは理解してください。

訴訟や税務等の通知についても、確実にAgentまたは会社の所在地に対してアクションが取られますので、郵便局だけに転送通知をだしている場合には注意が必要です。

ここから次回考えていきたいと思います。

私はこの夏は大きな事件が多くまとまって旅行はできないような状況ですが、皆さんはいかがでしょうか?
コロナ禍が収束している地域の皆さんは夏を楽しんでくださいね。
また来週までまた一週間がんばっていきましょうね。

■IT企業のアメリカ進出1_1237

■米国子会社設立にあたって雇用面接を行う際の注意点[1]

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作成者: jinkencom

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