米国子会社設立にあたって雇用面接を行う際の注意点[1]

法律ノート 第991回 弁護士 鈴木淳司
January26,2016
 
ベイエリアは暖かく平和な週末でした。それにしても、このエルニーニョ現象が、
世界の天気に影響しているのでしょうか。東海岸では、記録的な大雪に見舞われて
いるようですし、日本でもかなりの大雪になっているようです。動物にも影響して
いるようで、サンフランシスコではかなりの数のアリが出てきているようです。
また、ドライブをしていると、まだ1月なのに、桜が咲いているのも見ました。
今言われている温暖化の問題だとすると、将来の天気はどのようになってしまう
のでしょうか。
 
米国子会社設立にあたって雇用面接を行う際の注意点[1]
 
さて、今回は新しく皆さんからいただいている新たな質問を考えていきたいと
思います。いただいている質問は
「今年米国に進出を予定している日系企業で子会社の設立を担当している者です。
新規に米国の子会社を設立するにあたり、何人か雇入れをしようと思っています。
私が採用の面接をしようと思っているのですが、何か気をつけなければならない点
というのはあるのでしょうか。」という質問です。
 
経験豊富な法律事務所への依頼が安心
日本では、士業の幅が広く、行政書士などの方々でも労働関係を専門にされて
いる方がいますが、アメリカでは、法律関係では弁護士という資格が主なもので
あり、わざわざ弁護士に聞くというのも敷居が高いと考える方も多いと思いま
す。そこで、労働法のコンサルタントと名乗る方々がアメリカでは活躍されてい
るようです。
私はその是非についてコメントするのを差し控えますが、労働問題というのは、
やはりこじれると訴訟になります。その訴訟の経験を豊富に持っていることから、
学ぶことは多くあります
ただ、単に就業規則を作成することでもある程度の効用はあるのでしょうが、
実際に問題が生じた経験があるから、深みがでることもあります。
ですので、できれば経験が豊富な法律事務所に最初から労働関係は整備して
もらったほうが、あとで安心できるように思えます。
訴訟となった場合のコストは高いです。ある程度の保険をかけるという感覚で、
最初に労働関係の整備はしておいたほうがよかろうと思います。
 
採用時でも労働関係の法律は適用される
さて、採用というのは、長い雇用関係のはじめの一歩ですので、企業側として
も慎重にならざるを得ないですし、慎重になるべきだとは思います。
しかし、長期の継続的な契約関係を構築するとしても、一時的な面接でその人
なりを理解するのは不可能であります。一方でその人がどのような人なのか
できるだけ情報は集めたいと思います。
ここで注意しなければならないのは労働関係の入り口としての採用でも、労働に                              関する法律が適用されるということです。
「まだ、労働関係が成立していないから緩いだろう」と考えるのはやめてください。
 
連邦法・州法など複数の法律が適用
カリフォルニア州では、FEHA(The Department of Fair Employment and
Housing)という機関が主に労働関係の行政を司っています。
気をつけなればいけないのは、労働者を守る法律、労働関係を規律する法律は、
州法だけではなく連邦法も適用されます。また、州内の郡においても、独自の規定
を制定していることもあります。したがって、いくつも重なって法律が適用される
関係にあります。
以下、採用面接について気をつけなければいけない主な点を考えていきますが、
ここで考えることが全てとは言い切れませんので、ご注意ください。
 
さて、採用面接をする際に、なんでも聞いたり情報を集めたりして良いことはない
ということは常識的にわかると思います。
しかし、なかなかどのような線引をしてよいのかということになると、難しいと
思います。
そこで、今回の質問を考えるにあたり、軸となる考え方を皆さんにも考えて
いただきたいと思っています。直接聞くのも行けませんし、何か書類や質問に対する
回答を提出させることもいけません。
 
ここから、次回各論として皆さんと一緒に考えていきましょう。スーパーボールの
煽りで私の事務所の周りは完全にパーティー状態になっています。迷惑な一方で、
なかなかこのようなイベントもないので楽しみでもあります。サンフランシスコは
バタバタしていますが、また一週間がんばっていきましょう。

作成者: jinkencom

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