アメリカで会社設立する際の注意点_1314

サンフラン SF滞在

法律ノート 第1314回 弁護士 鈴木淳司
May 15, 2022

週末、サンフランシスコは天気が良かったですね。
珍しいくらい霧の街が晴れてゴールデンゲートブリッジの見える公園では、日光浴を楽しむ人が多くいました。
屋外ではマスクをしている人はまったく見かけませんでした。
アメリカではまたあらたにオミクロン株が増えているようですが、もう、天気が良い日に屋外でマスクをしている人は観光客だけといった感じになっています。
無防備に私は日焼けしてしまいましたが、みなさんの週末はいかがですか。

アメリカで会社設立する際の注意点_1314

さて、前回も最近目についたトピックを考えましたが、今回もう一つ、最近私の目についた話題を考えさせてください。

別に真新しいことではないのですが、制度に詳しくない人に付け込む商法ですので注意を喚起するために、ここで考えたいと思ったのです。

実は、私の所属する事務所に新しいアシスタントの方が入ったのですが、新たに会社を設立した際に、その会社宛てにいろいろな書類が送られてくるわけです。
会社というのは新しい人格ですから、その会社宛てに手紙等が送られてくるのは不思議なことではなく、むしろ当然であります。

アメリカにおいて会社は、州に登記することで設立できますが、一部公の情報となります。
したがって、誰でもその会社の基本的な情報たとえば、住所、電話番号などは知ることができるわけです。
その情報を商売に利用する連中もいるわけです。

マイルドに利用する場合には、マーケティングの情報を送ってきます。
会計ソフトを取り入れましょう、とか、雇用関係のニーズはありませんか、とか、いったものでしょうか。

私はやっていませんが、実は弁護士も同じようなマーケティングツールを使う輩もいます。
交通事故、相続、飲酒運転などの事例を裁判所の公のデータベースで収集する業者から、当事者の情報を買って、広告を送るのです。

弁護士倫理で規制はあるのですが、弁護士のなかにも、このようなマーケティングに頼る人も少なくはありません。
このようなマイルドな情報提供系の宣伝、勧誘は迷惑な一面もありますが、有益な場合もありますから、法律的にも許容はされています。
実際私も、弁護士から「エステートプランニングをしませんか」みたいな宣伝の封筒が届きます。
紙の無駄遣いだなぁ、と一方では思いますが、内容については、同業者が何をやっているのか参考にさせてもらったりしています。

 このような一般的勧誘などは法律的に問題はないと思うのですが、あたかも公の機関からの手紙であるように装ったり、何かしなと罰金が課せられると言ったりする手紙を送ってくる業者がいます。
あまり経験のない私の事務所のアシスタントが私のところに来て、「このお金は支払うべきでしょうか」という質問を何度かしてきました。
会社設立について知識がまだ十分備わっていない人ですから、まさに新しく会社を設立された方々と同様の知識に基づいての質問だと思います。
私のところに吟味をしろ、ということで送られてくる書類をみていると、あたかも、公のような雰囲気を呈して、お金を払えといってきているのです。

たとえば、以下のような記載がある手紙です。LABOR POSTER COMPLIANCE NOTICEなどというタイトルで85.25セント要求してきています。
支払日(Due Date)や、バーコードなども書かれておりRecord#4858XXXのような記載までされていて、体裁も2ページに渡り作られています。
書いてあることは、法律的なことを羅列してあるだけですが、結局雇用をした場合に職場に貼らなくてはいけないポスターの押し売りです。
あたかも、政府関連の機関がつくったような用紙で、難しい法律が書いてあるので一見払ったほうが良いと思ってしまうようですが、まったく払う必要はないわけです。

私はもう25年近く、このような詐欺的な手紙をみているのですが、はじめてみると何か払わなくてはならいのではと考えてしまうようです。
他にもTAX ID ASSISTANCEというノースキャロライナの業者が、カリフォルニアの会社に紛らわしい手紙を送ってきたり、CA CERTIFICATE SERVICEという、サンフランシスコのPO Box(私書箱)をつかった業者が丁寧に支払いのバウチャーまでつけて87.25ドル請求してきていますが、支払っても何もなりません。
そのうち、こういう業者が送ってきたものはまとめて、ウェブサイトにでも載せて注意を喚起しますかね。
元ネタは取ってあります。

 日本を含め、外国からはじめてアメリカの会社を設立しようとしている人には、たぶん、オフィシャルに見えてしまい、支払ってしまうということもあると思います。
事情を知らない人を狙った悪質な勧誘で私は詐欺だと思っています。
このような業者について州の消費者保護局などに通知をしてもいたちごっこになるだけで、私が弁護士になったときから存在する手口です。

 カリフォルニア州の会社に関していえば、サクラメントにあるSecretary of Stateから来る通知しか、会社の登記等に関しては取り合わなくて良いと思います。
州外から何か来ても怪しいと思ってください。
それから、税金に関しては、国税庁であるIRSおよび州の税庁であるFranchise Tax Board以外からの通知は怪しいと思ってください。

労働関係については、州または連邦の労働局(州によっても異なる)から来るものだけに注意をし、そもそも雇用をしていない会社であれば、いきなり来る手紙等は怪しいと思ったほうが良いと思います。
私のアシスタントが私にすぐに聞けるように、いずれの会社もだれか相談できる人を持っておいたほうが良いと思います。
特に設立時は色々わからないことも多いので、付け込まれないよう注意したほうがよいですね。

 次回は、皆さんから頂いている質問を考えることを再開していきたいと思います。
花粉も収まってきたので、青い空を楽しみながらまた一週間がんばっていきましょう。
それにしても、雨が降らないカリフォルニアは困っています。

■関連記事

アメリカ進出-企業がやるべきこと(1)_1269

渡米後にも頼れる弁護士/弁護士事務所

■アメリカの永住権を抽選で取得ーDiversity Immigrant Visa Program

アメリカの永住権を抽選で取得する制度があるのをご存知ですか?
日本からも、毎年永住権者が生まれています。

応募サポート希望の方はこちらから

日本出生の方は、高校卒業時点からご応募ができます!当選後も安心のサポート。まずは正しい応募から。

■関連サイト

カリフォルニアで起業をお考えですか?
まずは、州のページで登録事項を確認

ニューヨークで起業をお考えですか?
まずは、州のページで登録事項を確認


作成者: jinkencom

jinkencom について Moms(JINKEN.COM)の運営者であり、カリフォルニア州弁護士として活躍中の鈴木淳司弁護士のブログです。「移民法ブログ」では米国の移民分野についてホットな話題を取り上げて月に一度更新、「アメリカ法律ノート」は広くアメリカの法律相談に答える形で、原則毎週更新しています。なお、本ブログの著作権は著者に帰属します。 *たびたび法制度が変わりますので、最新情報をご確認の上、手続きされてください。