アメリカ宗教Rビザ-宗教家として渡米

Washington DC Capitol of the United States

じんけんニュース弁護士 鈴木淳司 06-01-2022

■宗教関連(R)ビザについて
June 1st, 2022

 前政権ではある意味影を潜めていたRビザですが、コロナの収束に併せて申請数も増えてきているようです。

 前にもご紹介したと思いますが、「R」ビザとか、「F」ビザというカテゴリーは移民法の定義条文にある条文の項目番号がそのまま使われているのです。A項の外交官からはじまって、アルファベット順に各種ビザは規定されています。
宗教関連ビザはR項として規定されているのでずいぶん後の方の規定になりますね。

宗教団体が宗教者を招くビザ

 このRビザというのは、宗教団体が、外国から牧師、僧侶などを呼ぶのに使われます。

 当初30ヶ月発給され、最長で5年間発給されます。
そして、永住権もRビザを踏まえて申請をする方法があるので、比較的永住権を取りやすいカテゴリーの一つといえるでしょう。

基本的な要件と非課税許可

 基本的な要件としては、過去2年以上、その所属する宗教団体でなんらかの宗教的な意味のある仕事に就いていること、そして、Rビザで米国滞在中にも、宗教的な意味がある職についていることが必要になります。

いくつか特殊なケースはありますが、大概Rビザはスポンサーとなる団体がアメリカに必要になります。
もちろん、その申請者が所属する宗教団体でなければ、違和感がありますが。

 このスポンサーになる団体として適格かどうかは、連邦政府に非営利団体として認められているか、すなわち非課税許可が下りているかどうかがメルクマールになります。
連邦政府が、移民の許可もするわけですから、同じ連邦政府が非課税にしていることは重要な要素になるわけです。

 この非課税の許可を得るには、アメリカ国税庁(IRS)に対して申請を行いますが、宗教団体の場合には、それなりにその宗教はどういった宗義があるのか、というところからはじまってかなり詳細にわたって聞かれます。

 信教の自由は憲法で認められた権利ですから、IRSも教義の真偽を審査するわけではもちろんありません。

 一方でどのような事象を信じて、どのように発展してきて、どのような教義があり、どの程度の信者がいるのか、といった、形式的な面だけではなく、実質的な面についても詳しく聞いたうえで許可を出すわけです。

 したがって、IRSが非課税にするということはかなり移民法の申請にも連動すると考えるのが妥当です。

私もかなり税金を払っているわけですが、税金を払わなくて良い、ということを公的に認めるわけですので、審査は厳しくて当たり前です。

宗教を「広める」立場

 この連邦非課税のステータスを基礎として、スポンサーになれるわけですが、申請者も、宗教を信じていれば誰でも良いわけではありません。

 この宗教をいわば「広める」立場にいる外国人にビザは発給されます。
 牧師や僧侶が典型例ですが、宗教によっては歌を利用するところもあり、その指揮者のような存在の人も宗教を広めている、と言えそうです。

 また、口頭で何か行わなくても、宗教関連の雑誌などを発行する人なども「広めている」といえるかもしれません。

 特に、具体的な制限はありませんが、必ず宗教を広める活動をしている、という観点が必要になります。
裏を返せば、単に会計をやっている、寺院をメンテナンスしている、クリーニングをする、などという宗教活動ではない職種についてRビザは発給されないことになります。

複数スポンサーも可能

 また、Rビザは複数の宗教団体(同宗派であることが必要になりそうです)からスポンサーを受けることが可能です。もちろんその団体ひとつひとつがスポンサーとなり申請をする必要がありますが、複数の団体で布教をすることは可能なのも特徴です。

 他の就労ビザと同様にRビザもプレミアムプロセッシング(優先審査)の利用は可能です。

 しかし、Rビザの場合には、この優先審査が可能になる前に、宗教団体の確認を移民局が行う必要があります。
この確認自体に時間がかなりかかるので、あまり優先審査が有効ではない場合もあると思います。時間に余裕をもって申請する必要があると思います。

移民局のチェックは厳しい

 それから、Rビザをスポンサーすると、本当に宗教活動をやっているのか、ただアメリカ滞在の隠れ蓑にしていないか、ということを移民局は気にしています。

 時期によってはかなり頻繁に査察がはいり、実際に宗教団体が活動を行っているのかチェックする場合もあります。私のクライアントも入られたことがあります。

 もちろん、ちゃんと布教をし、宗教活動をしている団体であれば問題ありませんが、活動をしているという証拠はなんらかの形で残しておき、疑義を持たれたときに提示できるようにしておいたほうが良いケースもあると思います。

 コロナ禍のトンネルを抜けて、ずいぶん布教も活発になってきたと思います。
宗教については個々人の自由でありますから、また人が集まって色々な信仰行事が再開することでしょう。

 とにかく、Rビザの足がかりがない場合には、まず連邦の非課税申請を先に行ってから、ビザを考えるのが良いので、今後一から進出を考えられる団体は段取りを考えられたら良いと思います。

 また次回新しいトピックを考えていきましょう。

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作成者: jinkencom

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