今年もじんけん.comにおいて、永住権の抽選サポートを行いましたが、当選された方々おめでとうございます。当選されなかった方々も、これはくじですので、実力ではなく運です。ですので、諦めずに来年も続けてください。
永住権を取得する基本的な方法
米国においては、基本的に3つの方法で外国人が永住権許可を受けることができます。
ひとつは、米国籍または永住権保持者との婚姻などの家族関係に基づく方法、2つ目は、難民認定を受ける方法、そして3つ目は就業を通して許可を受ける方法があります。
家族を通して永住権許可を受ける方法はかなり数としては多いのですが、米国籍保持者と婚姻する以外の方法では、すくなくとも3年はかかる可能性があり、スムーズに永住権の許可を得るのに時間的な問題が生じる場合があります。3つ目の就業を通す場合でも、時間がかかる場合がありますが、今回ご紹介する宗教ビザ保持者が永住権を申請する場合は、かなりスムーズに許可となるパターンです。
もちろん、移民に関する法律というのは、実質的には行政業務なので、税務関係法と同様に毎年風向きがかわりますので、現時点での情報ということでご理解ください。
宗教ビザ―R-1ビザ
さて、宗教ビザというのは、基本的に宗教を主催する者、宗教関係の職にある外国人が取得して米国内で布教行為をする場合に利用されます。簡単にいえば、お坊さんや牧師さんということになります。
宗教ビザはR-1ビザというカテゴリーになります。
R-1ビザの許可を得るためには、スポンサーとなる団体が米国内において課税を免除されている宗教の公益団体である必要があります。そして、申請者は少なくとも申請前2年間、該当する宗教に関係することを申請内容としなければなりません。以前にもR-1ビザの許可要件について詳しく考えましたので、ここではこの程度にしておきます。
▼ 宗教(R)ビザ~H-1Bビザ代替案~
http://momsusa.jp/archives/977
最近のR-1ビザ
R-1ビザというのは、同時多発テロ以降、かなり移民局に目をつけられるビザとなりました。イスラム系の過激な組織が米国内でRビザを通して滞在しているという意識が移民局内にあったからです。場合によって、移民局は現地調査を行うなど、かなり不正取得があるのではと懐疑の対象となっていました。しかし、近年ではその傾向も落ち着いてきました。
移民局のデータベースがしっかりしてきたこと、宗教や信仰とは別にテロがひとり歩きしていることなどが理由でしょう。
永住権申請時のREFとRビザ
R-1ビザの許可を得て、その後永住権許可を得るというパターンは、就労関係でもスムーズに永住権に辿り着ける方法です。
通常、ビザや永住権を申請すると、申請過程でRFEというやりとりが発生します。20年ほど前までには、あまりなかったのですが、近時ではビザ申請においてはお約束のようになっています。
RFEというのはRequest for Evidenceの略で、さらに疎明資料を提出せよという移民局からの通知です。この要請に対して、さらに申請書類を追加しなければなりません。このやり取りで時間がかかるのが、現時点では一般化しています。
Rビザから永住権の許可申請を行う場合、現時点でもRFEで申請過程が停滞することも少なく、比較的スムーズに許可がおります。もちろん、宗教ビザですので、スポンサーとなる宗教団体がしっかりしたものであることが前提となります。
R-1ビザ申請時に要求される書類と、R-1ビザから永住権を目指す場合と比べると、必要となる書類はかなり類似して、言い方は悪いですが焼き回しができる状況にあります。この点でも、永住権申請に関しての書類準備の負担も軽いと言えます。
米国にR-1ビザで滞在されている方も多くいらっしゃると思いますが、永住を希望される場合には、比較的にスムーズに取得が可能ですので、ぜひ一考されるとよいと思います。
次回新しいトピックを考えていきたいと思います。