アメリカで自転車事故(2)_1395

サンフラン SF滞在

法律ノート 第1395回 弁護士 鈴木淳司
Dec 2, 2023

 私の友人がアジアに出張中にトコジラミが流行っていて、刺されて痒くてたまらないと言っていました。
温暖化というか、今年は暑い日が続いたので、トコジラミの生息領域が拡大しているのでしょうか。
アメリカにお住まいの方で「トコジラミ」と言っても、「なんなんだそれ、」と思われるかもしれませんが、いわゆるベッド・バグ(Bed Bug)ですね。
カリフォルニアではどこでもいますし、私も何度も血を吸われています。アメリカではどこでもいるのではないですかね、トコジラミ撃退用の噴霧殺虫剤も多くありますし。

 人々の旅行もコロナ禍以降、普通になってきたので、日本でもそのうちアメリカのトコジラミ噴霧殺虫剤が流行るかもしれませんね。ちなみにトコジラミはシラミではないようです。
昔は南京虫と呼ばれていたようですが、今のトコジラミはパワーアップしているようですね。
私は気をつけているのですが、みなさんも注意してくださいね。

アメリカで自転車事故(2)_1395

 さて、前回から考えてきた、「はじめまして。サンフランシスコ観光の合間、ダウンタウンで時間貸しをしている自転車に乗っていたところ、後ろから来たスクーターに接触され、怪我を負いました。このような場合でもなんらかの保険で治療を受けられるのでしょうか。」という質問を続けて考えていきましょう。

自転車も道路交通法に従う必要

 前回、交通ルールについては、自転車対自動車の事故のような場合でも、基本的には、道路交通法(Vehicle Code)にしたがって判断されるということを考えました。

 今回、自転車運行者が一般的に知っておくべき内容について考えてみます。

 まず、前回考えたように、自転車を運転しても道路交通法に従う必要があります。

 次に、自転車レーンが定められているところでは、そのレーンを走る必要があります。かりに自転車レーンが定められていない場合には、右の歩道に一番近いところを通る必要があります。そして、前の自転車を追い越しするときに必要がある場合には、車のレーンに入ることは許されています。

自転車特有のルール

 また、自転車特有のルールとして、18歳以下はヘルメットを被る必要があり、州によっては成人もヘルメットを被ることが義務付けられる場合があります。
 イヤフォンについては、少なくとも一方の耳を塞がないような使い方をする必要があります。

 そのほかに、自転車をカリフォルニア州で乗るうえでは、カリフォルニア運転局(DMV)の情報を参照されてください。

https://www.dmv.ca.gov/portal/driver-education-and-safety/special-interest-driver-guides/bicyclists-pedestrians/https://www.dmv.ca.gov/portal/driver-education-and-safety/special-interest-driver-guides/bicyclists-pedestrians/

自転車側も法律家や保険会社に相談

 今回の質問のように、動いている自転車とスクーターが接触した場合には、(両者とも動いている前提で、)道路交通法に従って、どちらに過失があるのか判断される可能性があります。

 過失の判断になると保険会社が介入する必要があります。
 自転車運行者が保険に入っていない場合、相手方であるスクーターの保険会社が一方的に話を進める可能性がありますので、まずは法律家に話したほうが良いかもしれません。

 一方で、自転車側でも何か保険に入っている可能性はありますよね。旅行者保険などが考えられます。
その場合には、とにかく保険会社に相談してみることをおすすめします。

警察のポリスレポートは重要な証拠

 過失については、道路交通法に従って判断されますので、警察を呼んだ場合には警察が状況を聞き取りポリスレポートにまとめ、警察としての意見、すなわちどちらに過失があったのかを書かれている可能性があります。

 まずは、事故に遭ったときにどのように話をしているのか、事故の状況だったのか、ポリスレポートを確認する必要があります。
ポリスレポートは重要な証拠になります。

 ポリスレポートを覆すには、裁判でかなりの労力を要します。
ですので、第一次的にはやはり、当事者はポリスレポートに何が書かれているのかを基礎にしますし、保険会社もポリスレポートを重要と考えます。

出訴期間にも注意

 自転車に乗っている場合でも、人身傷害に関する訴訟は怪我を負ったときから2年以内に訴訟を提起しないと出訴期間が経過してしまい、請求ができなくなってしまいます。

 ですので、今回質問されている方も待たずに専門家に相談されたほうが良いと思います。

事故に遭った時は相手の情報を得ておく

 今回の質問のように後ろから衝突されているのであれば、場合によっては相手方の過失が認められる可能性があります。

 事故に遭ったときに、スクーターの運転者から、その運転免許証や保険の情報を得ていれば、人身傷害の請求は可能かもしれません。
 ですので、自転車に乗っていて、自分はなんらの保険に入っていなかったとしても必ず相手方から免許証と保険の情報を得ておくことは重要と思われます。

 今回はこの辺にしておきますが、また質問があればまた法律ノートまで質問を送っていただければと思います。
また、次回から新しい質問について皆さんと一緒に考えていきましょう。

私は12月はホリデーシーズンと言えるほどゆっくりしてられませんが、皆さんは、ゆっくりできる時間があると良いですね。
また一週間冬のキリッとした季節を楽しみながらまたがんばっていきましょうね。

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作成者: jinkencom

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