米国で交通事故、提訴は出訴期間内に(1)_1328

サンフラン SF滞在

法律ノート 第1328回 弁護士 鈴木淳司
Aug 22, 2022

 カリフォルニア州でも内陸側に行くと、かなり暑い日が続いています。
やはり世界どこに行っても暑さは今までとは同じ夏ではなくなっているように思います。
外で何かアクティビティをするとしても、今までのように、長く屋外にいるということができなくなってきています。
10年後にはいったいどのような夏が我々には与えられるのでしょうか。
ずっと室内で過ごす夏は苦痛ですよね。
みなさんの夏はいかがですか。

米国で交通事故、提訴は出訴期間内に(1)_1328

さて、今回からまた皆さんからいただいている質問を考えていきましょう。

いただいた質問をまとめると「昨年、日本から到着しサンフランシスコ市内のホテルに泊まってから、郊外の親族に会いに行く予定でした。サンフランシスコ国際空港で車を借りて、市内まで走っていたところで接触事故に遭いました。そのときはレンタカー会社に電話をして、アドバイスをうけポリスレポートを出しました。その後、病院に行った家族がいたので、治療費を請求したいと思ったのですが、相手方がどうもサンフランシスコ市の車ということで、訴訟にもできないと言われてしまいました。弁護士にも相談しました。なぜ、相手方がサンフランシスコ市だと訴訟ができないと言われるのでしょうか」というものです。

 今回いただいている質問は、交通事故に関する質問です。

よくある内容ではありますが、通常ある相談内容と一つ大きく違うところは相手方です。

以下考えていきましょう。

 カリフォルニア州で、交通事故に遭うとしましょう。
そうすると、交通事故が起こった日から、相手方に対して2年間以内に裁判を提起する必要があります。
裁判を提起しないと、「出訴期間」というのが経過するので、相手方に対して、裁判所を通してクレームを提出できなくなるのです。

「出訴期間」というのは、時効と混同されることが多いのですが、私の理解としては、門前払いになってしまうのが、出訴期間であって、時効というのは、実際に裁判所が審理に入り、お互いに主張してから裁判所が決定する性質があります。
ですので、出訴期間というのは、それが経過すると裁判所はそもそも実質的に審理もせずに門前払いに遭うような状況を言います。

そうすると、事故に遭ってから2年経過すると、裁判所は門前払いすることになります。
事故から2年経過するまでに、何か身体的や精神的な問題が明らかになるだろう、という前提です。

実は、カリフォルニア州における交通事故の出訴期間は以前の立法では1年でしたが、2年に延ばされた経緯はありますが、1年ではちょっと短いという立法側の判断でした。
事故が生じてから2年間は、裁判所の介入なくして、たとえば相手方の保険会社と保障について話をあうことができます。
弁護士が入ったとしても、事故後2年間は裁判を提起することなくネゴをすることになります。
1年間では少々短いという弁護士側からの不満もあったのかと思います。

アメリカ全土で、ほぼ現在では事故後2年間が出訴期間ということになっています。

 今回も、事故にあったのがそこまで昔ではないので、出訴期間には間に合っているではないか、ということになりますが、違うのは相手方です。

カリフォルニアでも(連邦でも、他州でも似ていますが)他の行政機関と同じように、政府に対するクレームには一般の人身傷害に関するクレームとは違った法律が適用されます。
カリフォルニア州ではCalifornia Tort Claims Actと呼ばれる法律が制定されています。

政府に対して何か文句を言うのであれば、特別な法律に服することになるのです。

たとえば、今回質問にあるような、サンフランシスコ市に対してクレームを提起するには、出訴期間も一般のクレームよりも短く設定されていて、サンフランシスコ市(他のカリフォルニア州の行政も含みますが)に対して法的な措置を行うには、一般よりも短く設定されています。

今回質問があるような人身傷害については、CTCAにおいて、たとえば少なくとも6ヶ月以内に政府に対してクレームをしなければならないと決められています。
したがって、今回質問されている方が、事故が遭ってから6ヶ月以上経過している(たぶんそのような状況だと思いますが)状況であると、サンフランシスコ市に対してクレームを入れられないような状況になってしまうのです。

次回もう少し、行政に対するクレームにおける状況について考えていきたいと思います。

まだまだ、カリフォルニア州も乾いて、暑い状況が続きますが、本当に体調に注意してまた1週間がんばっていきましょうね。

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作成者: jinkencom

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