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コンサル料が未払いに。コンサルタントに関する契約_(2) 1183

法律ノート 第1183回 弁護士 鈴木淳司
Oct 20, 2019

 すっかり秋らしくなってきました。紅葉も進んできましたね。ベイエリアでは、もうすぐ来るハロウィンの飾りが街を彩っています。私の所属するカントリークラブでもお化けのようなかぼちゃがいくつも飾られていて、思わず写真を撮ってしまいました。ヒーターがないと朝晩寒くなってきました。皆さんは季節替わりの自然の移り変わりを楽しまれていますか。

コンサル料が未払いに。コンサルタントに関する契約_(2) 1183

 さて、前回から考えてきた委任と請負に関する質問について続けて考えていきましょう。

 いただいている質問は、「ベイエリアでIT関係の会社に勤めていましたが、今年から独立してコンサルタントをしています。コンサル料の支払いでトラブルが生じています。仕事をしたのに、支払いを拒まれています。私は最善を尽くしたのですが、結果としてはうまくいきませんでした。こういった場合には、支払いを受けられないということになるのでしょうか」というものでした。

委任と請負、コンセプトの違い

 少々のおさらいですが、委任というのは、与えられた仕事にベストを尽くすということが目的で、請負というのは、仕事の完成を目的としているということを考えました。

 弁護士や医師の仕事は、基本的に委任になります。なぜなら職業上ベストを尽くさなくてはなりません。一方で、結果は必ず約束できないわけです。

 他方、請負というのは、たとえば建物の建築などに関する契約です。契約上、家の完成が目的になるわけです。これらのパターンが伝統的な委任と請負の実際の例として考えられてきました。

 ところが、近年は、委任だか請負だか、よく割り切れないような契約がかなり氾濫しています。混合的な契約も多くあるのです。

 今回質問されている方も、御自身で、委任なのか、請負なのかよく考えずに、契約書の字面だけを読んで締結されているような気がします。

 質問に、「最善を尽くした」が「結果はでなかった」とあるわけです。そうすると、委任契約であれば、最善を尽くしたのであれば、結果がどうであれ、契約の目的は達したようにも思えます。一方で、請負契約であれば、結果は出ていないのですから、完成義務を果たしていないので、契約上の債務不履行になるようにも思えます。

コンサルタントの義務

 IT業界やコンピュータシステムが発達している今般、コンサルタントの契約といっても、契約の内容に何がどのように書いてあるのか注意して読まないと、委任なのか請負なのか、よくわからないものも多くあります。

 一昔前であれば、契約書のタイトルを読めば、なんとなく内容も理解できていましたが、システムエンジニアリング系のコンサルタントについては、システムの構築そのものにかかわることも多く、構築に関するアドバイスをするだけなのか、またはアドバイスをしつつ、システムの完成についても責任を負うのか、見極めなければいけません。

 契約書を読むとき、コンサルタント側から考えるのであれば、コンサルタントが主語となっていて、続けて、「shall」と規定されている項目はほぼ確実にコンサルタントの義務について書かれている条文です。

 ですので、その条文について、最善の義務を尽くすことが書いてあるのか、なんらかのプロジェクトの完成を目的にしているのか、注意して確認すると今回の質問に対する答えがでるように思います。

仕事内容を具体的に規定しておく

 かりに最善を尽すことだけが義務と規定されている場合、コンサルタントというのは、医師や弁護士のように資格が一般的にはなく、法律や規則で規律されている職業ではありません。

 ですので、仕事の内容に関して、「ベストを尽くした」「尽くしていない」ということで、紛争化する可能性は十分にあります。したがって、簡単に最善を尽くす、ということを契約書で規定することは得策ではありません。

 色々な方法論はあると思いますが、一つの方法としては、具体的に何をどのようにするのか、いちいち細かく規定するのが良いと思います。

 面倒かもしれませんが、将来の紛争を防ぐために、コンサルタントとして何をするのか、ということを具体的に書けば書くほどよいと思います。裏を返すと、コンサルタントとして、契約書に規定されたことをしなければ債務不履行には問われますが、自分の能力を基礎として、慎重に契約を締結することができると思います。

 それから、委任、請負と色の違うコンセプトで雇用というものがありますね。今回は考えませんが、委任と請負というのは、誰かのコントロールに入るわけではなく、独立した事業主であるというところが一番大きな違いです。また、いつか法律ノートで考えていきましょう。

 今週末から、色々パーティーとか、集まりが多くなる季節です。酒も美味しい季節ですが、運転等はとにかく気をつけましょう。私はインフルエンザの予防接種を受けましたが、病気に注意しながらまた一週間がんばっていきましょうね。

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コンサル料が未払いに。コンサルタントに関する契約(1)_1182

法律ノート 第1182回 弁護士 鈴木淳司
Oct 12, 2019

 ベイエリアでも、突風対策で計画停電が行われましたが、日本でも台風が直撃しているようです。世界的に自然災害の規模が大きくなっているように思います。ところで、最近はスマホで、緊急情報が入ってきて、ある意味便利になってきているのですが、「注意しろ、注意しろ」と言われても、一体何を具体的にしてよいのかわからないときがありますね。ただ不安感が増すだけだと情報過多になって良くないようにも思います。皆さんも日々災害対策されていますか?

コンサル料が未払いに。コンサルタントに関する契約(1)_1182

 さて、今回から新しくいただいている質問を考えていきたいと思います。

 いただいている質問を皆さんと考えていきましょう。まとめると「ベイエリアでIT関係の会社に勤めていましたが、今年から独立してコンサルタントをしています。コンサル料の支払いでトラブルが生じています。仕事をしたのに、支払いを拒まれています。私は最善を尽くしたのですが、結果としてはうまくいきませんでした。こういった場合には、支払いを受けられないということになるのでしょうか」という質問です。

 ベイエリアは好景気ですので、自分の能力をできるだけ高価でお金に換えるということが人生で最重要といった風潮があります。

 私はあまり参加しませんが、ビジネス系の交流会に顔を出すと、コンサルタントの方たちが多く、企業に属しない人たちが名刺を配ってアピールしている姿にびっくりしたことがあります。今回質問されている方も、色々自分の売り込みが大変ではあったものの成功したようですが、最後に関係が悪化するのは、心が痛いのではないでしょうか。

専門分野に絞った契約書の利用を

 さて、法律ノートではコンサルタントに関する契約ということについて、少々今回の質問を踏まえて考えていきたいと思います。

 まず、コンサルタントというのは、一般的には、自分の有している知識や経験に基づいて知的サービスを提供することを業とする人を言います。そうすると、ある程度の専門的な分野に集中して業務を提供していくことになると思います。

 汎用性のある契約書ではなく、ある程度分野に絞った形の契約書を利用するのが良いのですが、現状では多くの方々が、インターネットで落としてきた一般的な契約書を自分の感覚でいじって利用しているような現状があります。

 私自身も、企業からコンサルティング契約を見せてもらうことが度々あるのですが、やはり内容的にはコンサルタントの方々が法律をよく理解していないような契約書を目にします。難しそうなことは書いてありますが、根本的な法律の理解がないわけです。

 今回法律ノートでいくつか今回頂いている質問に絡めて考えていきたいと思います。

「委任」か「請負」か

 まず、皆さん「委任」と「請負」という言葉を聞かれたことがありますか。

 聞き流しているときも多いのかもしれませんが、法律的にはかなり違う内容になっています。

 委任というのは、主に法律業務や医療業務のように、結果は保障できないような業務に使われます。受任を受けた人たちができる限りのベストを尽しても、結果が残念なことになる場合もありますよね。色々な外部からのファクターがあるからです。

 このような場合には、最善を尽くす契約を締結し、それが委任関係ということになります。会社と取締役の契約も委任というのが一般的です。

 一方で、請負というのはプロジェクトの完成を目的にしています。

 したがって、たとえば家の建築とか、業務の達成とか、完成を目処に行う契約が請負ということになります。

 この委任と請負の違いを考えると、契約において、何を目的に設定しているのか、ということで内容に違いがでてくることがわかりますよね。現代のアメリカでは、この委任か請負か、という棲み分けが明確にされていないことが多くあります。

 しかし、根本的にはこの「最善を尽くせばよいのか」または「完成をすることを目的にしているのか」という違いはかなり契約内容によって重要になります。

 ここから次回考えていきましょう。

 秋を楽しむどころか、どこもかしこも災害がひどい状況ですが、落ち着くことを祈ってまた一週間がんばっていきましょうね。


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委任状の法的意味合い[1]





法律ノート 第1048回 弁護士 鈴木淳司
March 4, 2017
ずいぶんベイエリアも春らしくなってきました。ワシントンDCではもう桜が開花しそうだとか。あれだけ雨が多かったのに、春に向けて季節は加速していっているようです。ガーデニングをはじめる季節でもありますが、今年は何を植えるかそろそろ考えなければと思います。昨年は干ばつの影響で、栽培を控えていましたが、今年は思いっきり植えたいと思っています。
「委任状の法的意味合い」[1]
今回は、法的に作成された委任状に関する質問をみなさんと一緒に考えていきたいと思います。いただいている質問をまとめると「私ども夫婦は、日本国籍を持ち、永住権許可のもとアメリカに長年滞在していましたが、年齢も考慮して、夫婦で日本に戻ることになりました。子どもたち(2人いる)ももう大きくなって、すでに独立しています。そこで、今私達が住んでいる家を賃貸に出し、子どもたちに管理をさせようと思っているのですが、なんでも委任状を用意すると、賃貸の手続きなどが楽になる、ということを聞いています。いったい委任状というのはどのようなもので、どのように作成すれば良いのでしょうか。」というものです。
そもそも「委任」とは
「委任状」という言葉は日本でもよく使われています。私達弁護士も、クライアントの方々から委任状を得ることで仕事ができるように、主に法的な仕事を人に頼む場合には、「委任状」というものを作成します。
アメリカで言うと、Power of Attorneyというのが、委任または委任状を意味するのですが、アメリカの法律を考える前に、よく日本で言う「委任」状、というものが何なのかここで考えておきたいと思います。
委任というは、基本的に法律的な事柄について人に任せるときに使う用語です。なので、離婚の手続きを弁護士に「委任」する、といった感じで使います。法律以外の事務手続きを頼む場合には、正確には「準委任」と呼びますが、内容的な違いはさほどありません。現実問題として、準委任といってもなんのことかわかりにくいので、一般的には、法律問題にしても、法律が絡まない事実的な問題にしても、「委任」と言っていると思います。
委任と請負の違いー請負は結果まで約束
委任というのは、ある事柄についての対応等を「任せる」という契約ですから、ベストを尽くしてもらうということが前提になっています。ただし、結果がどのようになるかは約束をしない契約です。弁護士に事件を委任して、負けてしまった、としても、その責任を追求するのは、別途過失などがない限りかなり難しいわけです。
委任に似たコンセプトに「請負」というものがあります。請負というのは、委任と違って、「結果」を約束するものです。大工仕事や修繕工事、プログラムの開発などは「請負」契約であることが多く、なぜかといえば、完成品させること、または完成品を引き渡すことが契約内容になるからです。
通常、不動産の管理などを頼むことは、何か完成品があるわけではなく、委任契約となるのですね。したがって、委任状というものが必要になるのです。
委任契約と委任状の違い
ここで、委任契約と委任状というものも厳密に言うと使用方法に違いがあります。
委任契約というのは、委任をする人と受任する人の間の決め事を書いて書類にするものです。たとえば、報酬や何をやるのかを細かく書いておくことになります。
一方で、委任状というのは、受任者が第三者に対して、正当に委任された内容につき「受任したのです」ということを示すための書類ということになります。この委任状というのは、内部で使う書類ではなく、外部に対して委任関係があることを示す書類ということになります。そうすると、委任契約というのは、委任者と受任者の両方の署名があるのが普通ですが、委任状というのは、委任する人だけの署名で成立するのが一般的であるということになります。
今回、委任というのが実質的にどのようなものか考えましたので、次回Power of Attorneyというのは、どのようなものなのか、どのように作成するのか、について詳しく考えていきましょう。
私は久しぶりの天気なので週末はゴルフがしたいな、と思っています。みなさんも屋外にでて、春の花や天気を楽しんで、またリフレッシュして、一週間がんばっていきましょうね。