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勤務態度の悪い従業員への対応(3) _1109 

法律ノート 第1109回 弁護士 鈴木淳司
May 14, 2018

 アメリカと北朝鮮の会談が決まったようですが、日本は蚊帳の外に置かれています。日本ではなんとか学園だの、男女問題だのがトップニュースになっていますが、北朝鮮と誰か直接連絡していないのでしょうか。日本も拉致の問題などあるのですから、交渉のチャンネルはいくつも持っていた方が良いはずです。コメンテーターも、アメリカ、韓国、そして中国がどう動くかなどと客観的なコメントばかりですが、主体的に動く力が日本にはなくなってしまったのでしょうか。

勤務態度の悪い従業員への対応(3) _1109 

 さて、前二回考えてきた「日系企業のアメリカ支社で社長として赴任している者です。最近、当社の人事担当に、素行が不自然な従業員がいるということを、他の従業員を通して情報が入りました。情報を集めていると、どうも当社の仕事以外にも仕事を掛け持ちしていることがわかりました。他の仕事をしているため、日中集中できないこともある様子です。本人に問いただすと、何も言わず数日無断欠勤をしました。その後また出社してきたので、ミーティングを持ちたいと人事担当が告げたところ、弁護士同席でないと嫌だと拒否されました。こういった場合、どのように対応するのが会社側としては妥当なのでしょうか。」という質問を今回も続けて考えていきたいと思います。

弁護士の同席を拒否して反応をみる

 前回、弁護士の同席について考えはじめました。まず、私が今回の質問を相談として受けたとすると、「なんで、事情を説明するのにこの従業員は弁護士が必要なんだよ」と思ってしまいます。皆さんも同じように感じるのではないでしょうか。弁護士同席でないと雇い主と話ができないというのであれば、それだけで「何かおかしいのではないか」と思うのが筋なような気がしますね。

 最近、日本では何か立場が揺るぐと、人でも会社でも、弁護士を同伴しますね。どれだけ真の役に立っているのかは皆さんの判断に任せますが、「弁護士を連れてくるなんて、何かあるんじゃないか」と勘ぐられるのが普通かもしれません。

 今回の質問にあるように、企業側が、従業員の行動について協議をしたいと求めたら、従業員が弁護士を連れてくると主張した場合、そもそも弁護士の同席を拒否して反応をみるのも一つの考え方かもしれません。

 今回のように無断で欠勤をしているような場合は、会社側としてもなぜ会社に来ないのか聞き取る権利はあります。雇用契約に沿って出社していないわけですから、その理由を聞くことは正当です。社内のみに関する規律が問題になっているわけですから、本人から直接理由を聞くことは不自然ではありません。

会社側も弁護士を同席させる

 一方で、たとえば弁護士の出席を許す場合には、会社側も弁護士の同席をする方がベターだと思います。従業員の弁護士が出てくれば、たぶん弁護士が色々口を挟んでくる可能性はあるわけです。そうすると、会社側としても、正確な情報の入手をして、適切な判断を行うために、弁護士を同席させ、できるだけ弁護士は口を挟まないように牽制するべきだと思います。

 なお、こういった会社と従業員の間の話し合いでは、いわゆる「黙秘権」というのは適用されません。もちろん刑事事件になることが想定されるような場合には、黙秘権を行使するようなケースもあるかもしれませんが、一般的に無断欠勤をしたことについて、黙秘権の行使は妥当ではないと思われます。

弁護士の同席を許すかどうかは会社の判断

 弁護士の同席を許すか許さないかは、会社の判断となると思いますが、重要なのは、無断欠勤など事実の収集です。どちらにしても、事実の収集がスムーズにいくように段取りをするべきだと思います。情報を収集したうえで、どのような処分をするのかについては、就業規則や会社の規律に沿うように取り計らう必要はあります。

 この段階で解雇をすることを考えているのであれば、従業員にも弁護士がついていることから、会社側としても弁護士と協議をしながら慎重に進めることは重要だと思います。

緑が映える季節になってきました。かなり暑い日も出てきているので、過度の日焼けや熱中症に注意しながらまた一週間がんばっていきましょうね。


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勤務態度の悪い従業員への対応(2) _1108 

法律ノート 第1108回 弁護士 鈴木淳司
May 8, 2018

 週末は良い天気でしたね。私は、今は弁護士、元インターンの結婚式に出席するために南カリフォルニアにいました。暑いくらいでしたが青空の見える結婚式場で、本当に「晴れの舞台」に立つ新婚夫婦を見るのはとても気持ちが良いものでした。全体的にとても心が温まる素敵な会でした。

 しかし、私は焦りました。実は、スピーチを頼まれていたのですが、直前まで英語で考えていました。しかし、出席者はなんと全員日本人。酒気帯びの状態で、その場で日本語に修正しつつ、内容を付け加えるなど、法廷にいるよりもスリル感を味わいました。皆さんはどのように週末を過ごされたでしょうか。

勤務態度の悪い従業員への対応(2) _1108 

 さて、前回から考えてきた「日系企業のアメリカ支社で社長として赴任している者です。最近、当社の人事担当に、素行が不自然な従業員がいるということを、他の従業員を通して情報が入りました。情報を集めていると、どうも当社の仕事以外にも仕事を掛け持ちしていることがわかりました。他の仕事をしているため、日中集中できないこともある様子です。本人に問いただすと、何も言わず数日無断欠勤をしました。その後また出社してきたので、ミーティングを持ちたいと人事担当が告げたところ、弁護士同席でないと嫌だと拒否されました。こういった場合、どのように対応するのが会社側としては妥当なのでしょうか。」という質問を続けて考えていきたいと思います。

就業規則を練り直す

 前回は、兼業は禁止されていない限り許されている、というところまで考えました。ここで、今回質問があるように、「当社の仕事」に兼業が影響していると思われる場合はどのように考えたら良いのでしょうか。会社側としては、就業中に集中せずに生産性が落ちるのは良くないことですよね。

 こういった場合には、就業規則の練り直しが必要です。就業規則が存在しなければ、作成をすることも必要かもしれません。就業規則において、業務内容以外の私的な電話、メール、ウェブ閲覧など就業時間中は禁止することを義務付けることは法律的に許されています。したがって、そのような仕事にかかわらないインターネット使用を制限することで、就労の生産性は確保できるかもしれません。他にも、色々な方法論はありますが、職種によっても異なりますし、就労の内容によっても異なってきます。

ノルマを課して生産性を確保

 禁止事項をつくるだけではなく、別の面からの対応も可能かもしれません。生産性をちゃんと確保して欲しいと思えば、就労の内容によって、いついつまでに、何を終わらせるのか、という時的な制限と結果の期待を明確にしておくと、会社側の心配は軽減されるかもしれませんね。いわゆるノルマを課すということでしょうか。

面談に弁護士を同席させる権利があるか

 次に、今回質問にある弁護士の同席について考えていきたいと思います。今回は、会社側と無断欠勤をした人との面談において、この労働者が弁護士を伴いたいと言ってきているようです。まずこういった場合に、労働者側として、権利があるのかどうかを考えたいと思います。

 弁護士というのは、依頼者を「代理」する権利があります。弁護士の代理というのはその人に成り代わって法律業務を行うことを言います。そうすると、法廷に弁護士を伴ったり、法的な内容が関わる交渉などには弁護士が同伴することは一般的によくあるわけです。訴訟になれば弁護士が代理として訴訟を遂行するわけですし、契約の締結であれば、その契約書の整備を兼ねて弁護士が交渉などもしていきます。

 ですので、一般論ですが、「法律的な紛争」がでてくると考えられる場合全般に弁護士が同伴したり、参加することはあります。ゴッドファーザーの映画を観ていると、いつも弁護士が出てきていましたが、あればある意味法律的な紛争を予定しているのでしょうか。

弁護士の守秘義務

 もう一つ、弁護士が参加する意味は、弁護士には守秘義務というものがあります。クライアントとの交信等はすべて強制的に開示させられないという強力な義務があります。しかし、今回のように、労使面談で弁護士が出てくれば、クライアントだけでなく会社側も同席するシチュエーションですから、守秘義務というのは今回は問題にならなそうです。

 ここから次回続けていきたいと思います。天気が良いので、外出で気分転換しながら、また一週間がんばっていきましょうね。


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勤務態度の悪い従業員への対応(1) _1107 

法律ノート 第1107回 弁護士 鈴木淳司
May 3, 2018

 週末にかけて、サンフランシスコ近郊で女子プロゴルフ大会が開催されていました。なかなかないチャンスなので出かけました。かなり海沿いは風があったのですが、プロの打つ計算されたショットに感心していました。日本人でも単身アメリカでチャレンジしている10代の選手がいて、上位に食い込んでいました。まだまだチャンスはありそうですので、本当に若い日本人に海外でがんばってもらいたいと思いました。皆さんは好天気を利用され何かされましたか。

勤務態度の悪い従業員への対応(1) _1107

 さて、今回から新しく皆さんからいただいている質問を考えていきたいと思います。いただいている質問をまとめると、「日系企業のアメリカ支社で社長として赴任している者です。最近、当社の人事担当に、素行が不自然な従業員がいるということを、他の従業員を通して情報が入りました。情報を集めていると、どうも当社の仕事以外にも仕事を掛け持ちしていることがわかりました。他の仕事をしているため、日中集中できないこともある様子です。本人に問いただすと、何も言わず数日無断欠勤をしました。その後また出社してきたので、ミーティングを持ちたいと人事担当が告げたところ、弁護士同席でないと嫌だと拒否されました。こういった場合、どのように対応するのが会社側としては妥当なのでしょうか。」というものです。

 かなり内容が長かったので、私ができるだけ一般化して短くしました。つまり、今回の質問は、仕事をいくつか掛け持ちして、一つの仕事に対してパフォーマンスの影響があるので、それを糺したい、ということと、無断欠勤をしたことに関して、懲罰したいという内容だと思います。私の捉え方が間違っていた場合、質問をされた法律ノートの読者の方はもう一度指摘していただけると幸いです。

複数の副業で生活している人も増えている

 さて、まず今回の質問を考えていくうえで、基礎となりそうなポイントを考えていきたいと思います。今回質問の内容となっている兼業から考えていきましょう。兼業とは、本業の他にほかの業務、つまり副業を持つことをいいます。今の時代、副業をいくつも掛け持ちしている人も少なくないですし、若い人でも、「フリーランス」として、いくつもの副業で生活を賄っている人も多くなってきているみたいです。

 私が知り合いから聞いている若者も、動画を制作しながら、タクシーサービスを行い、住んでいるアパートの一室を大家に黙って日毎転貸しながら生活しているが、毎日規則的に生きなくて良いので楽で良いそうです。時代は変わってきたものですね。そのうち学校も毎日行かなくて、好きな時間にビデオを見ていれば良いなんてなってしまうと、社会が崩壊しそうですが。

日本でもアメリカでも兼業が禁止されている公務員

 少々横に逸れましたが、基本的には法律で兼業は禁止されているわけではありません。ですので、他に禁止される理由がなければ、人は兼業しても良いのです。

 一方で、兼業が禁止される場合がいくつかあります。一つは、公務員や特殊な公務を扱う職業については、日本でもアメリカでも兼業が制限されています。公的な仕事に就いている場合には、その仕事に専念してください、という理念があるからです。

私企業でも兼業禁止の規則がある場合も

 もう一つ大きな禁止の理由は、私企業が就業規則などで兼業を禁止する場合があります。日本の企業ではまだ多くの兼業禁止規定もありますし、アメリカでも企業によっては禁止規定を維持しているところもあります。ただ、これは、企業ごとの判断になりますので、各々の企業の規則などを確認する必要があります。

 このような禁止する根拠がなければ、原則として兼業は自由ということになります。最近では、インターネットを通しての兼業が盛んですし、生活のため、趣味のためなどの兼業が盛んになっているようですので、兼業の機会も増えてきますし、奨励する企業も出てきていますね。

 次回ここから考えていきたいと思います。弁護士の同席も基本的にはどうなのか、かんがえなくてはなりません。これらを踏まえて今回の質問をみなさんと一緒に考えていきましょう。気持ちの良い日が多くなってきましたね。緑を楽しみながらまた一週間がんばっていきましょうね。


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