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米移民法政策ー難民認定から見てみる

Jan 29, 2019

遅くなりましたが、MomsUSA/JINKEN.COMをご愛顧いただいている皆様あけましておめでとうございます。今年もサービスやじんけんニュースをよろしくお願いいたします。

移民に関してアメリカでは激動の一年になりそうです。保守的な考え方、多様性を尊重する考え方がぶつかりあい、政治全体に影響する年になりそうですね。国際弁護士ブログ(じんけんニュース)においても、逐一重要な話題は法曹の視点から解説していければよいな、と思っております。

 

移民と犯罪率?!トランプ政権の考え方

現在、メキシコと米国の国境に壁をつくる、つくらない、という議論が政府を揺るがしています。その建設根拠として現政権は、犯罪の増加を防ぐという理由付けを主なものにしています。

日本でも、外国人の犯罪について話題になることも増えてきましたが、移民を積極的に受け入れてきたアメリカでも、同様に移民の犯罪、という観点でニュースになることは珍しくありません。もともと、この数百年移民で成り立ってきたアメリカですが、今になって住んでいる移民の人たちが、新しい移民を規制することの可否が論じられています。

 

アメリカの難民申請数ー1年で33万人

このように移民政策にスポットライトがあたっている理由の一つには、2017年度の国連の統計にもあるように、33万人がアメリカに難民申請していて全世界でも、2位のドイツの二倍近くの申請数があるとされています。

この大量の難民を受け入れるという負担、受け入れ手続の対応等の観点に現政権は注目しています。国境の壁とは別の角度からの厳しい規制を検討していますが、今回難民申請の手続について大統領令をつかって変容させようとしています。

 

壁ではなく手続き面での厳しい規制

このところ、中米から難民としてアメリカを目指していた人たちが国境で足止めを食っているという話がありましたが、現政権はこの状況をある意味常態化しようとしています。今週にも大統領令が発令されるかもしれません。

まだ、大統領令の全容はわかっていませんが、難民申請を求める中米の人たちについてはメキシコに留め置き、申請から45日以内に最初の審理を行うようです。そして、審判はアメリカ国内で行うが、審判の結果がでるまではアメリカ国外に留め置くという考えのようです。

正規のルートでアメリカに入国できるまでは、アメリカへの入国を認めない、というスタンスを明確にするようです。
全容は、大統領令が出てから考えたいと思いますが、難民申請に対して過度な介入だとして、訴訟になることは明白です。大統領令は子供に対する例外や、メキシコからの申請に例外をつくる予定だそうですが、それでも、大部分の人たちは留め置かれるわけです。

政治的な部分を除いて、法律家の観点から、今回の大統領令を考えると、これら難民を助けるアメリカの資格を持った弁護士が接見や打ち合わせをすることがかなり難しくなります。

もちろん電話を使えばよい、というかもしれませんが、留め置きが国外となると、なかなか実際問題としてアクセスが難しくなることは明らかです。弁護士としても大変なことになろうかと思います。このような法的な権利をどのように処理するのかが未だまったく見えません。

また、国境に壁をつくる、ということを現政権は強く打ち出していますが、問題は、正面切って難民申請をすると、現政権が留め置きの処理をするということになれば、逆に申請をせずに、不法に入国しようとする人が増えるのではないかと思うのです。壁をつくっても、インフラの整備をしなければ意味がないというのが反対派の意見ですが、現状受け入れていた難民の手続きを急に変更すれば、なんらかの軋轢が生じるのではないかと危惧します。

すでに、アメリカで難民申請を目指す中南米の子供がアメリカに入れない宙ぶらりんの状態に置かれて死亡したという報道もありました。

もちろん、保守派にも保守派なりの理論はあるとは思うのですが、難民問題というのは国を超えて存在しています。人道的な見地からの対応にも配慮しなければならない立場にもあることは事実です。今後の政治に注目したいです。

また、新たなニュースを待ってこのトピックを取り上げていきたいと思います。

 


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ESTAでアメリカ出張、入国を拒否された(1)_1087

法律ノート 第1087回 弁護士 鈴木淳司
Dec. 10, 2017

 ナパの火災が終わったと思ったら、今度は南カリフォルニアで大規模火災が発生しています。12月は気温が下がるので、歴史的に山火事は少ないはずですが、今年はカリフォルニアで本当に火事が多く異常に感じます。民主党の州知事は今日、現地に入りコメントしましたが、冬の火事も一般的になってきた、その理由は地球温暖化だ、と現政権の方向性にチクリと一言入れていました。生命の危険や財産を失った方々が多くいらっしゃいます。本当に心が痛みます。

ESTAでアメリカ出張、入国を拒否された(1)_1087

 さて、今回からまた皆さんからいただいている質問を利用させていただき、読者の皆さんと一緒に考えていきたいと思います。いただいている質問をまとめると、「先日、会社(日本の本社)の同僚が日本から出張にくる際にイミグレーションで止められ、入国を拒否されました。理由はいくつか考えられますが、何度もアメリカと日本を行き来していたことも関係しているのではないかと思います。どういった場合に疑われるのでしょうか。また、今回同僚はビザなしで入国を試みたのですが、今後ビザなしでの入国をすることはできないのでしょうか、というものです。

移民政策に厳しいトランプ政権

 近時、現政権の意向が働き、移民政策に非常に厳しくなっています。最近でも仮の命令ですが、アメリカ最高裁判所は、トランプ政権の中東8カ国からのアメリカ入国禁止の大統領令を支持しました。もちろんこの大統領令は特定の8カ国に対するものですが、一般的な移民政策はアメリカに入国しようとしている外国人に不利益をもたらす方向性で動いています。いろいろな政策を見ても、現政権は行き当たりばったりな政策ばかりですが、移民政策も同じように感じられます。

ESTAと呼ばれるビザなし入国

 さて、日本人は、ESTAと呼ばれるビザなし入国が許されている国の一つです。ESTAというのは、歴史的に不法移民が少ない国の国民が米国入国に使える方法で、最大で90日間アメリカに、観光や一定の視察に使用することができる入国方法です。ビザが不要なので、ビザなし入国という呼び方もされています。ESTAは日本にいるときに情報を入力して許可を受けます。ESTAによる入国が二度目からはキオスクがある空港ではキオスクを利用して入国が可能なので、かなりスムーズに入国ができるようになっています。最近になって、ESTAでの入国拒否の事例が目立ってきたように思います。

 今回の質問者の同僚もESTA入国を拒否されているようですが、理由については、拒否されたときに詳細に陳述等が記入された書類が用意されています。場合によってはその書類の請求をすることも可能です。時間がかかりますが、どのような理由になっているのか、確認することができます。まずは、その理由が書かれた入国税関管理局(ICE)が作成した入国拒否に関する書類を取り寄せることが重要です。入国拒否の理由は様々あります。

一度入国拒否された場合、次回はビザの取得が必要

 一度ESTAによって入国しようとして、拒否された場合、その次にアメリカ入国を試みるためには、ビザを取得しなければなりません。日本人であれば、比較的許可を得やすいのはBビザでしょうか。Bビザというのは、ビザなし渡航が許されていない国の国民がアメリカ入国に使いますが、用途はビザなし入国とほぼ類似していると考えてください。

 Bビザを申請するには、過去のESTA拒否について記述しなければなりません。必ず申告をしないと、申請書に虚偽があったとして、さらに入国ができなくなる可能性があります。

 現在、在外アメリカ大使館は、かならずアメリカ国務省を通して、バックグラウンドチェックをしてからビザの許可をします。そのため時間がかかるのですが、過去の移民局関連、犯罪関連の情報は持っているということを前提にして申請をしなければなりません。今回の質問者の同僚の方は、事情を踏まえて申請書を慎重に作成したうえで、Bビザの申請をすることになろうかと思います。

入国拒否の理由を確認する

 さて、今回の質問に関して、どのような理由で入国拒否になったのか、よくわからない様子ですが、いくつか代表的な事例を考えていきましょう。この法律ノートを読まれている日本在住の読者が、ESTAを利用してアメリカに入国する場合、気をつけるポイントにもなるかもしれません。最近、私の所属する事務所に相談があった事例をご紹介しつつ、次回続けて考えていきたいと思います。

 もう年末ですね。年末になってもやることが多いのですが、頑張らなければと思っています。みなさんも、年末年始までもう少しですね。一年のけじめをつかる時期です。お互い体調に注意しながらまた一週間がんばっていきましょうね。


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カリフォルニア州弁護士コラム「2015年回顧」_987

法律ノート 第987回 弁護士 鈴木淳司
Dec. 28, 2015

 2015年最後の法律ノートです。読者の皆さんに支えられて、今年も続けていくことができました。途中、読者の方から回数の振り間違えを指摘されて、一時期回数を巻き戻してご迷惑をおかけしましたが、結果として無事に元通りになりました。順調に行けば、来年は4桁の大台に乗るわけです。

 これもひとえに読者の皆さんが質問をしてくださり、一緒に考えてくださっていた賜物です。私一人ではこのように続けることはできませんでした。皆さんの質問に答えなければ、と思う気持ちがここまで私の背中を押していただけたのだとつくづく思います。

 読者の皆さんに感謝の気持ちを込めつつ、皆さんにとって素晴らしい2016年でありますように心から祈っております。

カリフォルニア州弁護士コラム「2015年回顧」_987

 2015年の業務を振り返ると、日本の企業の海外進出が活発になってきたように思います。ただ、日本における消費の停滞のため、海外に活路を見出すという考えが根底にあるように思います。アジア諸国の台頭により日本の景気が曇っているというファクターはあると思います。

ビジネスの関係は世界規模に

 また、海外進出をする企業を見ていると、ビジネスの関係が世界規模になってきていと思いました。私が目にした契約書を振り返ると、日米間のみの契約書よりは、日米を絡めて、他の国々も関係するものが増えてきたように思います。国単位ではなく世界規模の経済のなかでどのように日本の企業が立ち振る舞うのか、2016年も課題になるのだろうと予測できます。

 世界規模の経済を意識するのは大企業に限りません。日本の中小企業でも技術力があるところも多いのですから、先見の明があれば世界に活路が広がるであろうし、そうなってほしいと願っています。

ナショナリズムの高揚

 ビジネスは世界に分散していく一方で、各国のナショナリズムが高揚した年でした。日本でも安全保障について考える機会がありました。アジア諸国との関係についても緊張が高まる場面がかなりあったと思います。

 イスラム系の過激派と西洋諸国の衝突は日本にも影響をして、収束するよりは拡大方向にあります。テロに対してさらに武力で向き合うという状況が2016年も続くのでしょうか。世界平和を各人が意識する社会をつくるように一人ひとりなにができるのか、考えていかなければなりませんね。

 米国のナショナリズムの高揚も感じられました。大統領候補者のスピーチでは、「米国民の安全」というフレーズばかり聞かれますし、極端な発言では「イスラム教信者を入国禁止にするべきだ」といった、人種や宗教を一括りにする残念な発言も一定の支持を得たりする状況が続いています。

 来年は新しい大統領が選ばれるので、政治がどのような舵切りをするのかは現在不明ですが、極端な方向のナショナリズムには注意していかなければならないと思っています。

ビザの発給審査は厳しくなる予想

 イスラム過激派に関しては、アメリカに滞在する日本人にはあまり関係ないと思われるかもしれませんが、移民法などではビザ無し入国の事前審査(ESTA)において、イスラム国への入国歴やつながりを更に詳細に調べることになりましたし、ビザの発給審査も厳しくなってくると予想されます。

 どこの国でも外国人を入国させるかどうかは、国の広い裁量に任されていますので、アメリカにおいては、偏ったナショナリズムが移民法の運用に関して影響しないことを祈っています。

 イスラム教というのは元々穏やかな宗教で、ごくわずかな極端な経典解釈をする過激化がテロ行為を起こしているわけです。宗教が違ったとしても、他の宗教はどう考えているのか、各人が理解することは重要だと感じた一年でした。

 私の所属する事務所は、新しい弁護士も加わり賑やかになりつつ、無事に一年を終えました。2016年もがんばっていこうと皆で話をし、年末のパーティーも終わり、年始を迎えることになりそうです。

 もちろん2016年も法律ノートを皆さんと一緒に続けていきたいと思っております。法律ノートは皆さんの質問が半分、私の回答が半分だと思っておりますので、どうか2016年も皆さんと育てていきたいと思っておりますので、変わらぬご愛顧をお願い致します。せっかく4桁の大台に乗るのですから、何か特別な企画でもしてみたいものです。案があれば、読者の皆様の御意見もお伺いしたいところですね。

 とにかく、読者の皆さん一年間お付き合いありがとうございました。2016年が皆さんにとって幸多き年であり、皆さんが健康に過ごせることを心から祈っております。


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