米賃貸アパートで窃盗、誰か保証してくれる?(2)_1326

サンフラン SF滞在

法律ノート 第1326回 弁護士 鈴木淳司
Aug 7, 2022

 どうも、7月後半の暑い日に一日ゴルフをして、先週また週末にゴルフをしていたら、熱射病のような症状で倦怠感が酷いです。
ベイエリアから一歩離れると35度(摂氏)程度のところも珍しくなく、寝ようとしても体がほてるような感じが続いています。
一昔前は小麦色の肌、などといっていた夏ですが、今では夏の日射はかなり健康に危険な状況になってきましたね。
温暖化をいうのを肌で感じるようになりました。

米賃貸アパートで窃盗、誰か保証してくれる?(2)_1326

 さて、前回から考えている「私が賃貸しているアパートの入っているビルが窃盗の対象となり、私のユニットも窃盗犯が入りました。ラップトップのコンピュータや置いていた電化製品が盗まれ、被害額は1万ドル以上になると思われます。ビルの入口のロックがもともと壊れていて、他の住人もマネージメント会社に何回もクレームをいれていましたが、少なくとも数週間は入り口が開いたままになっていた事実は、確認されています。数ユニットの人たちはクレームを入れているのですが、保険会社と話をしているといわれるだけで話になりません。このような場合、どのように法律的に失った物に関する請求ができるのでしょうか」という問題を考えていきましょう。

管理会社や大家の責任は間接的

 前回考えたのは、アパートの管理に関して、管理会社、大家に責任を問うことは可能ではありますが、時間もかかり、事実関係をかなり細かく精査しないとなりません。
本来であれば、盗んだ人が悪いわけであり、管理会社や大家の責任は間接的であります・そこでレンターズインシュランスというのが、アメリカでは一般的に存在し、使われています。

レンターズインシュランスで自衛も

 レンターズインシュランスは月額10ドル程度の場合もありますし、何をどれだけ保険でカバーしてくれるのか、注意深く確認する必要がある保険ですが、窃盗等第三者が起こす問題については、かなり緩やかに保険を認めてくれる場合があります。
もちろん、大家がその保険を推奨したりすることはないので自分で探さなくてはなりません。

 レンターズインシュランスは幅が大きく、どのようなことが起こった場合に何を補償してくれるのか、少なくとも良く確認するべきです。
最大限の補償の範囲から、物についてもどのようなものなら補償されているのか、保険会社によって様々です。

貴金属については特約で保険をかけなくてはならないような場合も多いと思いますし、上限についても1万ドルなどとなっている場合もあると思います。
また、保険には、クレームをする場合の自己負担額も大いに影響します。
ウェブでいろいろな保険があると思いますが、できれば信頼できる保険の業者をみつけて、上記のように、何がどのように損害にあった場合には、どれだけ負担をしてくれるのか、ある程度話をしてから、決めておいた方が良いと思います。
たとえば、火災などの天災、だけではなく窃盗などの被害があった場合など、保険の書類は読みにくいですから、だれか信頼できるブローカーが近くにいると良いと思います。

 以前に読者の方からも指摘があったのですが、レンターズインシュランスで、車上荒らしにあったときにも使えたとか、適用範囲が大きい場合もあるので、訴訟をするとかしないとか、考える前に自己防衛はしておいたほうが良いのかもしれませんね。

 かりに、今回のような質問の場合、訴訟を提起してやるとなるとそれなりに弁護士の費用がかかり、場合によっては自己負担で最初に払わなくてはならない場合もありえます。
そうすると、無駄な出費ばかりで盗人に追い銭的な状況になりかねません。
もちろん大家になんらかの保険があれば、そのことについては追求していくべきだとは思いますが、ある程度自己防衛を考えたほうがアメリカではよさそうです。
ですので、今回質問された方には、「訴訟は考えられるが、今後のことを考えてレンターズインシュランスで自己防衛をしておいたほうがよい」というのが最初のお答えになるでしょうか。
アメリカは、外国から人が多く入ってきて、些末な窃盗などを起こすのが常ですので、やはり保険ということも考えておいたほうがよいと思います。

 まだまだ、暑い日が続くエリアも多いでしょうが、私も熱射病的な症状をはやく直さなくてはと思っています。
どれだけ将来の夏がひどくなるかわかりませんが、体調に注意してまた一週間がんばっていましょうね。

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作成者: jinkencom

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