アメリカ失業給付-Unemployment Benefit(2)_1298

サンフラン SF滞在

法律ノート 第1298回 弁護士 鈴木淳司
January 25, 2022

 先週、出廷しようとしていた刑事事件があったのですが、土壇場になって、1月に予定されていた審理が6月に延期されると郡裁判所から通知がありました。

刑事事件を5ヶ月間塩漬けにするというのは前代未聞ですが、それほどオミクロンで自宅待機の人が増えているのかもしれません。
たぶん、また次の種類が出てくるでしょう。次はパイ(π)になるのでしょうか。円周率です。

裁判にしても、もう昔のようには戻らないのでしょうか。
みなさんは健康をキープされていますか。

アメリカ失業給付-Unemployment Benefit(2)_1298

 さて、前回から考えてきた質問をまたみなさんと一緒に考えていきましょう。

質問は「共働き夫婦の家庭です。コロナ禍になり、子供たちの学校の予定が変則的になりました。夫の会社は自宅からリモートで仕事をすることを許可しているのですが、私(妻)の職場では一定程度の復帰を求められています。子供たちがいるので、今の職場よりもフレキシブルにリモートで仕事をさせてくれる求人に応募しています。このように新しい仕事を得ている段階で前の仕事をやめた場合、失業給付は受けられるのでしょうか」という質問でした。

辞職でも失業保険給付がある例外

 前回、失業保険は自ら仕事をやめた場合には原則としてもらえない、ということを考えました。

例外として、「正当事由」がある場合には、自ら辞めたとしても失業保険をもらえることが可能である、というところまで考えました。

今回、この「正当事由」というのは、どのような場合を言うのか更に考えていきましょう。

1つ目の正当事由として考えられるのは、意思に反して退職する場合です。
この場合には失業保険はもらえる可能性は高くなります。

意思に反する場合というのは、色々なケースがあります。
たとえば、セクハラに遭っている場合、危険な職場環境があり、雇用者がその状況を改善しない場合、違法な行為を強要される場合などが考えられます。
今週、コロナの問題を雇用者が解決しないので、退職を強要されたと訴えにでて和解が成立したという事件が報道されましたが、本当は辞めたくないけれど、どうしても辞めざるを得ない状況に追い込まれた、と言えるのであれば、法律上も不当解雇と評価される場合があり、このような状況があれば、失業保険も受けられることになります。

ただ、今回の質問にあるように単に自分はフレキシブルに仕事をしたいが、させてくれない、というだけでは不当解雇と同等とは言えないと思います。
原告側の弁護士によっては、かなり事実を歪めて、「不当解雇だ」と主張してくるケースもあるのですが、自分の都合であっては、なかなか意思に反して退職するとは言えないと思います。

「正当事由」の例

 また、州によっても様々なルールが設定されていますが、病気や怪我で退職を余儀なくされたときには、失業保険が受け取れる場合があります。
病気や怪我が、仕事に関連することを要件とする場合もあります。

また、州によっては、ドメスティック・バイオレンスの被害者であったり、家族が病気や怪我で面倒をみる場合にも出る場合があります。
州によっても違いはありますので、このような場合には失業保険を受け取れる可能性があり、正当事由となりえますので、必ず州の担当部署に聞くことをお勧めします。
コロナ禍で、特別なルールも設定されていますので、担当省庁の話を聞くのが一番てっとり早いとは思います。

 今回質問されている方は、新しい仕事を探しているということで、その仕事が決まれば、失業をしていないということになりますよね。

一方で、新たに仕事を見つけたけれども、元の仕事に比べると給与やベネフットが劣っているところしかみつからない、という人もいると思います。

新しい仕事に就きながら、一方で失業保険をもらっている人もなかにはいます。
このような場合は、新しく得た仕事が、以前の仕事よりもなんらかのベネフィットが足りず、本意ではない、という場合がありえます。

ただ、これも州政府の判断になります。
虚偽や過少申告をして、失業保険を得るのは、詐欺的な行為であるということは理解しておいてください。

正規に働けるのが何よりだが

まあ、本来であれば、ちゃんと新しい仕事を得て、給与を得て生活するというのが王道ですので、失業保険を模索するよりも、新しい仕事を頑張るほうが、健康的ではあると思います。

ただ、コロナ禍で、いろいろな特殊な事情も発生している家庭も多いですから、無理せずに、失業保険については、各州の担当省庁に話を聞くことは悪いことではないと思います。

 サンフランシスコはアメフトが盛り上がっていますので、週末は見逃せない楽しみがありますが、メリハリをつけてまた一週間がんばっていきましょうね。

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作成者: jinkencom

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