旅券(パスポート)の旧姓併記
日本の外務省の措置により、2021年4月1日以降のパスポート申請について、次のように日本国旅券上の記載方法が変更されることになりました。
外務省の公式ページはこちら
必要な証明書類
旅券に旧姓の併記を希望する場合には、戸籍謄本、旧姓が記載された住民票の写し又はマイナンバーカードのいずれかで旧姓を確認できれば、旧姓の併記が可能
表記方法
旅券の身分事項ページ(写真付きのページ)で、併記されたものが旧姓であることを外国の入国管理当局などに対して分かりやすく示すため、英語で「Former surname」との説明書きが加えられます。
なお、国際結婚や二重国籍等、旧姓以外の別名についても、所定の要件を満たすことで併記を認め、「Alternative surname」などの説明書きを加えます。
具体例は、下記リンクからご参照ください。
旅券への別名併記の記載方法変更(PDF)
旧姓利用の際の注意
日本の戸籍制度は、婚姻した場合に、夫婦いずれかの戸籍に入籍する=一方の名字が変わることが前提になっています。
したがって、旧姓のままお仕事をなさっている方にとっては、不都合な場面が散見されました。そこで、このような旧姓併記の対応がなされることになり、国際的な身分証明とする対応がなされた経緯があります。
一方で、文化的に、旧姓の存在が理解されるかは別問題です。現時点でも法的に通用するミドルネームという括りでもないため、存在が曖昧なためです。
パスポートの印刷には旧姓が表記されているものの、電子データには旧姓情報がないとの情報もあり、引き続き、ご自身での身分証明の管理が必要になります。
特にコロナ禍により、渡航の際には、複数の証明書が求められる事が多くなりました。PCRの陰性証明書とワクチン接種証明、宣誓書やパスポート、現地でのSIM購入等々、お名前が入り混じると身分確認に時間がかかってしまうのも事実です。
柔軟性な対応をしてもらえない場合もありますので、婚姻や離婚の際には十分に考慮してご判断ください。
戸籍制度による縛りを受けないために、海外でのみ婚姻するという方法を取る方もいらっしゃいます。
一朝一夕に結論が出る問題ではありませんが、日本のパスポートには旧姓併記が公式に認められるようになったという点は、認識しておいてよいでしょう。
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