財産の管理-トラストとPay on Death アカウント(2)_1255

サンフラン SF滞在

法律ノート 第1255回 弁護士 鈴木淳司 
March 21, 2021

 アメリカではアジア人を狙った事件が起きていて、アトランタだけではなくサンフランシスコでも、いきなりアジア人が襲われるなどの事件がおきています。
もちろん、前大統領の発言も、このような人種的な攻撃の原因になっているとは思います。
しかし、私は最近、コロナ禍で溜まったストレス感情を負の形で出す人たちが増えているように感じます。
人種などだけではなく、色々な形の負の感情がニュースになるのではないか懸念しています。
実は、私が扱っている事件の相手方弁護士の一人は病み辞任しましたし、一緒に事件をやっていた30代の弁護士も他界しました。ウイルスが違う形で人に影響しているのだな、と思いました。
とにかく、心も体も健全でいられるように運動はしたほうがいいですよね。
皆さんは、元気にされていますか。

財産の管理ートラストとPay on Death アカウント(2)_1255

 さて、前回から考えてきた「以前友人の勧めで、信託(トラスト)を作成しました。私ども夫婦の財産といえば、持ち家と銀行口座が主なものです。二人子供がいますが、すでに巣立っています。最近銀行口座を2つに分けたときに、Pay on Deathアカウントにするかどうか聞かれて困っています。銀行では法律のアドバイスはできないと言われました。私どもはすでにトラストがあるので、あとは何もしなくて良いと思っていたのですが、どのようにするのが良いのでしょうか。」という質問を続けて考えていきましょう。

銀行口座をトラスト名義に

 前回はもともとトラストに入っていたであろう銀行口座を2つに分けた場合について、チョイスとしては、2つに分割した口座をそれぞれトラスト名義にする方法、2つとも個人名義に戻して、Pay on Deathアカウントにする方法、一つずつトラストとPay on Deathアカウントにする方法、2つとも個人名義に戻す方法があるというところまできました。

財産を継がせたいのは誰か

まず、大きな面から考えると財産は誰に承継してもらいたいのかで決まってくると思います。

通常は、配偶者や子でしょうから、すでにトラストにおいて想定している受益者が決まっていて、変更する予定がなければ、2つの口座はトラスト名義にすれば良いと思います。

トラスト名義にするには、トラストの書類を銀行に持っていき、名義を個人ではなくトラストにするという作業をすればすぐに済みます。そして、トラストそのものにトラスト財産目録がありますので、そこを加除訂正するだけですので、いちいち弁護士にお金を払わなくても変更できる場合がほとんどです。
少なくとも私はそのような些末な変更にお金を請求しませんが、世の中には色々な弁護士がいるので注意はしてください。

トラスト外に財産を移転できる

次に、Pay on Deathアカウントというのは、相続されることになるのは間違いないのですが、銀行がすでに指定されている受取人に対して、死亡の事実を契機として口座のお金を支払う方法です。

各銀行で違う呼び方などもしていますので、注意は必要ですが内容はどこの銀行でも同一です。

したがって、仕組みとしてはトラストと変わらないといえば変わりませんが、すでにトラストがあったとしても、たとえばトラストに受益者として指定されていない人や団体に財産を承継してもらいたいと考える場合には有効です。

たとえば、どこかの非営利団体に寄付をするとか、慈善活動に使ってもらいたいとか、世話になった親族に遺産を残したいと思った場合、トラストを変更するよりも、Pay on Deathアカウントとして設定するのが簡易かもしれません。

相続税の視点から

2021年現在、相続税は、1100万ドル(12億円程度)を超えた財産にかかってくるように設定されていますので、どちらの方法をとっても、億万長者でなければ相続税は考えなくてもよいわけです。

そうすると、どちらの仕組みの方が良いのかというツールの部分を考えるのではなく、最終的にはどのように財産を分けたいのか、という気持ちを整理してからどのツールを使うのかを考えれば良いと思います。

「どちらが有利か」というと、どちらでもよく、考えるべきは誰に、どの団体に遺産を承継してもらいたいのか、という実質的なところだと思います。

何をしたいか、で判断

難しい法律的な用語が出てきたとしても、法律はツールですから、何をしたいのか、何がゴールなのか、実質的な部分を自分で決めることが最重要です。

それに沿って適宜なツールを使えばよろしいかと思います。
また、追加の質問があればそれを待って考えていきたいと思います。

雨が多いですし、朝晩はまだ冷える日もありますが、確実に春を感じるようになりました。
植物も花を咲かせ緑も濃くなってくる季節であります。
人間も健康に注意して、元気をだして一日一日楽しみをみつけながら進んでいきましょう。

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作成者: jinkencom

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