財産の管理ートラストとPay on Death アカウント(1)_1254

サンフラン SF滞在

法律ノート 第1254回 弁護士 鈴木淳司 
March 17, 2021

 夏時間がはじまりました。季節はどうであれ、一時間繰り上がっての生活です。
週末ゴルフ場にいったら、かなり賑わっていました。ワクチンを打ったという人も多く、元の賑わいを取り戻しはじめたようです。特に、リタイアされた方たちは、ワクチンを打ったことで外に出やすくなったのでしょう。笑顔も溢れていて、季節もよくなってきて、社会の雰囲気も上向きになっていくことでしょう。

財産の管理ートラストとPay on Death アカウント(1)_1254

 さて、今回からまた皆さんからいただいている新しい質問を考えていきたいと思います。
頂いている質問は、「以前友人の勧めで、信託(トラスト)を作成しました。私ども夫婦の財産といえば、持ち家と銀行口座が主なものです。二人子供がいますが、すでに巣立っています。最近銀行口座を2つに分けたときに、Pay on Deathアカウントにするかどうか聞かれて困っています。銀行では法律のアドバイスはできないと言われました。私どもはすでにトラストがあるので、あとは何もしなくて良いと思っていたのですが、どのようにするのが良いのでしょうか。」というのが質問の内容です。

まずは信託内容の設定から

 まず、はじめに信託(トラスト)がどのように設定されているのか確認する必要があります。

生前信託というのは、技巧的ですが、「信じて託す」わけですから、財産を預ける、という意味合いがあります。
そして、アメリカで一般的に使われている信託(トラスト)というのは、生前信託と言われているもので、皆さん個人がトラストを作成します。

このトラストというのは目に見えないので把握が難しいのですが、会社を設立するようなイメージです。そして、この信託という皆さん個人とは別人格の会社のような団体に皆さんが個人で持っている財産を預ける、という感じになります。

会社もそうですが、自分で100%株主であれば、基本的に好きなようにコントロールできますよね。結局は自分で自分がコントロールできる形で財産を預けるので、技巧的には変化があるのですが、実際の生活ではまったく変わりはないわけです。

アメリカでは、なぜトラストか

今回は踏み込んで考えません(皆さんからの質問を待って考えます)が、アメリカにおいて、このような技巧的なトラストにお金と時間をかけるのには理由があります。

 トラストを作成すると、その信託のなかに入れる財産を指定します。主には、不動産と金融資産ということになるでしょう。

信託財産となると、名義が個人からトラストになります。
そして、信託財産になった場合には、信託を作成したときに皆さんが他界したときに誰に渡るか(会社でいえば経営陣が変わるようなもの)記載されています。その記載に沿って、財産が相続されていくことになります。

相続財産に入っていない財産があれば、それはトラストの範囲外ということになりますから、通常の相続で処理されることになるのです。そして通常の相続においては、遺言があればその遺言にしたがって相続されますし、遺言がなければ法定相続といって法律で決まった順位順番で相続されることになります。

ですので、多くの弁護士はトラストだけではなく、遺言もセットで作っていたほうが安心であるということをアドバイスするのです。漏れの受け皿を作っておくイメージですね。

Pay on Deathアカウント?

 今回銀行から提示されているPay on Deathアカウントというのは、誰かが死亡したときにその口座の残金を自分以外の第三者が受け取れるように設定しておく仕組みです。

これも立派な相続のツールであって、死後、色々なお金がかかるような場合に、スムーズに家族がお金を出し入れできるメリットがあります。これは銀行およびその他の金融機関で設定できますが、設定しなければ効力はありません。

トラストをつくっていない方はぜひ利用されておくと良いかもしれません。

 さて、ここまでトラストとPay on Deathアカウントを考えたところで、今回のように、もともとトラストに入っていたであろう銀行口座を2つに分けた場合にはどのような対応をするのが良いのか考えたいと思います。

チョイスとしては、2つに分割した口座をそれぞれトラスト名義にする方法、2つとも個人名義に戻して、Pay on Deathアカウントにする方法、一つずつトラストとPay on Deathアカウントにする方法、2つとも個人名義に戻す方法などが考えられるでしょうか。
どの方法をとってもお金がなくなるわけではありませんが、皆さんが財産をどのようにしたいのかでやり方が変わってくると思います。

次回ここから考えていきたいと思います。

もう日焼け止めが手放せなくなる季節になってきましたね。太陽の光を楽しみながらまた一週間がんばっていきましょうね。

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作成者: jinkencom

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