アメリカで起業ー学生の息子に出資(3)_1250

サンフラン SF滞在

法律ノート 第1250回 弁護士 鈴木淳司
February 16, 2021

 東北地方で地震が起こりました。10年前のことを思い出してしまいます。停電も続いているようですし余震も考えられるということで、地域の皆さんは不安だと思います。現在まだコロナ禍のなか、このようなニュースを聞くのは辛いです。被害が最小限度で済むことを心から願っています。幸い死者は出ていないようですね。アメリカは三連休です。皆さんどのようにお過ごしでしょうか。

アメリカで起業ー学生の息子に出資(3)_1250

 さて、前回に続けて「日本から夫婦で渡米して、カリフォルニア州で暮らしています。日系企業で働き永住権をとり、もうリタイアしている状況です。アメリカで生まれた一人息子がおり、今大学に在籍しています。最近になって息子から起業をしたいという相談を受けました。大学の友人たちと一緒に計画しているそうです。そして、私どもから出資をしてもらえないか、という相談があります。同時に、私(父親)にも取締役となってもらえないか、ということも言われています。私(父親)が関わっていた分野でもあるので、たぶん頼んできているのだと思います。このような状況で、息子の力になってあげたいとは思うのですが、どのようなことに注意しなければならないのか、教えて下さい。」という質問を考えていきましょう。

取締役になる、とは

 今回は取締役になるということについて考えていきたいと思います。

 取締役というのは、株主と異なって、会社にとってのベストになるための行動を取る積極的な義務を負います。
内容的には微妙に異なりますが、日本では善管注意義務、アメリカではDuty of Careという義務が課されます。

 もちろん、この善管注意義務以外にも、色々な義務が発生します。

 法律的には多岐にわたる義務なのですが、要するにベストを尽くして株主の利益のために注意を払いなさい、ということです。究極的には株主の利益が最重要になるわけですね。

経営にどの程度関与するか

 今回質問されている方はリタイアされているようですので、どれほど積極的に会社の運営に関わりたいのか、ご自身で考えなければいけません。たとえば、定期的に行われる取締役会などに出席しなければなりませんし、常時会社の運営内容について気を払わなければならなくなります。

 もちろん初期の段階では、身内や息子さんのお友達だけでやっていくのでしょうが、かりにビジネスが大きくなってきて株主に第三者が入ってくるようなステージになると、簡単に身内だから取締役になっていた、というだけでは中途半端に思われてしまいます。

 ですので、私がこのようなケースについて相談を受けると、まずは誰かに客観的に何を自分でできるのか箇条書きにしてもらい、その箇条書きについて自分で継続的にベストを尽くせるのか自己評価することが重要だと言います。

 かわいい息子さんかもしれませんが、その息子さんがやっている会社にとって自分の能力が適切であるのか、他の第三者のほうがベターなのか、客観的に評価することは重要だと思うのです。

ビジネスへの関わり方は様々

 もちろん、取締役になることが息子さんのビジネスを助けることになるかもしれませんが、取締役にならなくても、色々な形でビジネスを助けることができると思います。

会社にはいらなくてもアドバイザーとして、助言することもできるでしょうし、株主として発言をすることも可能でしょう。

 また、相談されている方はかなりの経験があるようなので、取締役として入り、常に取締役会などに出て発言すると、若い人たちが萎縮してしまい、新しいアイディアが出る可能性も減るかもしれません。

 もちろん、親子の関係などにもよりますが、どの程度積極的に関与するのかは、それこそ子どもさんを見守ってきた親の立場、類似したビジネスに関わってきた立場などを総合的に使って、冷静に判断されるのが良いのではないでしょうか。取締役になるかどうかは、個々の判断になるかもしれませんが、どのような形でも助けてあげるという態度を持つことが大事なのかもしれませんね。

 今回いただいている質問に対するお答えはここまでにしておきましょう。さらに、疑問質問があれば、いつでも法律ノート宛てに質問をいただければと思います。順次取り上げていきたいと思います。そういえば、アメリカの前大統領も親のビジネスを継ぐという形で、「不動産王」になったわけですし、親子でビジネスをやっていくという例は少なくないと思います。親としては、子供が独り立ちするためにどこまで踏み込むのか、難しいですが客観的に考えることは重要だと思います。

 また、次回新しく頂いている質問を考えていきましょう。カリフォルニア州は雨や雪が多いですが、夏の干ばつ対策に向けての恵みということで、感謝しながらまた一週間がんばっていきましょうね。

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作成者: jinkencom

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