アメリカで起業ー学生の息子に出資(2)_1249

サンフラン SF滞在

法律ノート 第1249回 弁護士 鈴木淳司
February 6, 2021

 サンフランシスコ市の学校は労働組合がコロナ対策についての話し合いがまとまらず、再開の目処が立っていないようで、サンフランシスコ市が教育委員会のような機関に対して裁判を起こすという事態にまでなっています。一つの市のなかで、ゴタゴタするのもひどい話ですが、子供にとっても、親にとってもかなり迷惑な話だと思います。もう、そろそろ再開を何においても考えないとですよね。

アメリカで起業ー学生の息子に出資(2)_1249

 さて、前回から考えてきた 「日本から夫婦で渡米して、カリフォルニア州で暮らしています。日系企業で働き永住権をとり、もうリタイアしている状況です。アメリカで生まれた一人息子がおり、今大学に在籍しています。最近になって息子から起業をしたいという相談を受けました。大学の友人たちと一緒に計画しているそうです。そして、私どもから出資をしてもらえないか、という相談があります。同時に、私(父親)にも取締役となってもらえないか、ということも言われています。私(父親)が関わっていた分野でもあるので、たぶん頼んできているのだと思います。このような状況で、息子の力になってあげたいとは思うのですが、どのようなことに注意しなければならないのか、教えて下さい。」という質問を、今回も続けて考えていきましょう。

「株主」の立場で確認

 前回は株主になるまでどのようなことを考えなければならないのか考えました。
 子供を応援してあげるという気持ちも大事ですが、最初からどの程度の株式でどのような持分になるのかを確認することは必要です。

 さらにいえば、息子さんやご友人が考えているビジネスプランなども見せてもらって、どのようなビジネスをするのか、そしてどのように成長を考えているのか聞いても良いと思います。せっかくなので、親御さんがもともと関われていた分野なのであれば、ビジネスプランなどについて、相談に乗ってあげたらいかがでしょうか。

投資という観点で

 いったん「投資」ということでお金を入れた場合には、貸付とは違い、その投資を期限が来たから返してくれとは言えません。

 株式を他に売る(自社も含む)ことも考えられますが、会社の取締役会決議などが必要になり、その決議も会社の裁量ですので、お金を入れたら、会社の成長を見守るということになるのでしょうか。

 株主というのは会社の所有者です。ですので、まとまれば口を出すこともできますが、基本的には経営参加には消極的なポジションであります。

 会社が大きくなれば、株式の配当としてお金をもらうこともできますが、基本的には黙って会社の一部の権利を持っているという立場であります。

色々な種類の株式は存在するのですが、オーソドックスな株を「普通株」といいます。様々な法律で決められた権利があります。たとえば、議決権などが考えられます。このような権利にはどのようなものがあるのかは知っておいても良いかもしれません。配当を受ける権利もありますし、会社の会計を調査する権利もあります。

 ただし、どの程度の持分がないと権利を行使できないということは会社の定款に定められることになります。

善良な管理者の注意義務

 それでは、今回の質問にあるように、取締役になって欲しいと言われた場合にはどのように考えればよいのでしょうか。

 株主は、どちらかというと会社にお金を出しますが、経営に関しては消極的な参加をする立場にあるということは考えました。

一方で、取締役というのは会社を運営する立場にいますので、常時株主に対してちゃんと運営する義務を負います。一番良く聞くのは善管注意義務(Duty of Care)と呼ばれるもので、これは、善良な管理者としての注意義務の略ですが、一般的に使われています。

 日本もアメリカでも長いフレーズを略すのが好きですから、私も小学生のときにはすずじゅんと呼ばれていましたし、アメリカでも、びっくりしたときに若い子は、OMGとか言いますよね。取締役は、会社を管理する人として善良、すなわちベストを尽くせという義務があるわけです。会社関係でも取締役の善管注意義務違反を問う訴訟というのはかなり存在します。

 なので、まずは、お父さんが子供のやっている会社の取締役になって、いつも気を払うということができるのか、ということを考えなければなりません。弁護士でも、社外取締役をやっていると宣伝している人も多くいますが、善管注意義務を負います。

 もちろん、取締役の責任を担保する保険なども、ありますが、私が色々お誘いを受けても考えてしまうのは、善管注意義務を果たせるのか、というところです。今回質問されている方も、リタイアして暇を持て余して、子供ラブということで注力されるのは良いとは思いますが、取締役には義務が伴うということを考える必要があります。

次回続けていきましょう。

 バイデン政権になって、10数兆円規模のコロナ対策をするということですが、どこから財源を求めるのか、何がよくなるのかわからないですが、とにかく今年は早いうちに、もとの生活がもどってくることを願っています。はやくわいわい飲みにいけることを夢見てまた一週間がんばっていきましょうね。

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作成者: jinkencom

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