弁護士を目指す学生たちへ(1)_1216

法律ノート 第1216回 弁護士 鈴木淳司
June 8, 2020

 前回私見を言及した白人警察官による黒人被疑者の殺人事件ですが、今週に入って「白人対黒人」的な根強い人種差別問題に発展して大統領の器量まで問題にされています。肌の色というのはたしかに目に付きやすいので、考えの浅い人は人の見てくれだけで判断しているのかもしれませんが、白人だろうが黒人だろうが、アジア人だろうが、悪いやつもいれば、道徳、人格、器などが素晴らしいと感じる人もいます。私はアメリカにいる人は、様々なバックグラウンドを持つ人と交わるチャンスがあるのだから、チャンスを生かして友達を増やせば良いのにと思います。人間にはいろいろな違いがあり、その違いをポジティブに楽しむことがこの国の魅力だと思っています。単にネガティブな対立論ではつまらないと思うのですけどね。

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 さて、今回からまた皆さんからいただいている新しい質問を考えていきたいと思います。
 いただいている質問をまとめると「現在、日本の大学で法学部に在籍しています。将来は弁護士になりたいと思っています。ただ、日本だけで弁護士をするよりもできれば、世界でも仕事ができるようになりたいという夢があります。英語も一生懸命勉強しています。しかし、法曹になるための試験は国ごとに違いますし、このまま日本で大学院に行くべきなのか悩んでいます。何かアドバイスをください。」というものです。

 どうも、質問者の知り合いの弁護士から聞いて私のところに質問を送られてきたようです。
 個人的にはいくつもこのような質問にお答えしてきましたが、法律ノート宛に質問が来たので、せっかくですから、ここで考えていきたいと思います。

 ずいぶん長い質問メールをいただきましたが、一般的な回答にするために端折りました。質問者の方は子供のころ、親の転勤でずいぶん海外でも過ごされていたようで、国際志向が強い方のようです。日本人が海外でがんばることは、容易になってきているでしょうし、頼もしいことだとは思います。

 一方で、最近の若い人は日本からあまり出たがらないという話もあります。
 ちょうど冒頭にも書きましたが、世界に出ると様々な考え方があったり、自分の知らない世界や場所がたくさんあります。自分の価値を超えていろいろな興味を持つというのは人生に取ってマイナスになることはありえないと思います。ぜひ夢を大きくがんばっていただきたいものです。

 質問者の方を個人的に知らないので、法律ノートでは一般論にとどめますが、燃焼不足であればまた直接質問していただければと思います。若い志士の質問は大歓迎です。

 さて、弁護士といってもまず質問者の方がどれだけ実際の実務でどのような仕事をしたいのか、イメージされているのでしょうか。

 弁護士と言ってもやることができる仕事の幅が大きく、自分がどのようなことをしたいのか、という感覚はできるだけ多くの法曹に接して研ぎ澄ませておくことが重要だと思います。

 最近では会社内で法律の事務をする弁護士も多くいますし、団体に属して、その団体の利益を広めるための活動をする弁護士もいます。パートタイムの人もいれば、寝る間を惜しんで働いている弁護士もいます。権力側の弁護士、検事や行政機関に勤務する人もいます。国際的な機関で働くひともいるでしょう。

 現在では様々な情報の媒体があるのですから、まず第一歩はいろいろな法曹に接してイメージトレーニングすることでしょうか。

 弁護士というのは基本的には自由業ですので、自分が欲する形で仕事ができます。ここはかなりの魅力ではあります。しかし、自由であれば責任も生じます。組織で働いていた方が楽かな、と思う人もいるでしょう。自分のライフスタイルというのもあるわけです。

 なんとなく、スーツを着て法廷でバリバリ弁論をしている、というイメージがありますが、実際は様々な弁護士像があると思います。もちろん、イメージと実際は違うところもありますし、夢もシフトするでしょう。でも、具体的な想像はある程度しておくことはかなりプラスになります。弁護士って、なかなかわかりにくい職業でもありますし。私は、子供の頃は医師になりたいと思い、実際に医学に進むか悩んだときもありました。一方で私の妹は子供のころは弁護士になりたいと言っていました。蓋を開けてみると、私が弁護士になり、妹は看護師として社会でお世話になっています。映画でも、ドラマでも良いと思いますが、自分が「いいな」と思える弁護士像をまず考えておきましょう。

 ちなみに、私が「英語で法廷での弁論がしたい」と思って今に至る根源は、東京裁判という実写に基づいた映画でした。日本の著名な法学者が法廷で和歌を読むような調子で高尚な弁論をしたのですが、判事から、有罪か無罪かの答弁をと強く促されて詰まってしまったり、アメリカ人の将校でもある弁護士が弁論をしていて、途中で怒って出ていってしまったりするシーンがあり、何度も観た記憶があります。大人になって東京裁判というのはある意味勝戦国による政治的な部分が大きいことを学びましたが、若いころは、イメージ的な刺激になったと思います。次回はでは、弁護士になるためにはどのような勉強が大事なのか考えていきましょう。

 天気が夏のような日も多くなってきましたね。私は花粉でやられ気味ですが、太陽の光を浴びながらまた一週間がんばっていきましょうね。


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カテゴリー: アメリカ法律ノート | 投稿日: | 投稿者:

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