所有する骨董品を保全する会を作りたい(1)_1103

Golden Gate sanfran

法律ノート 第1103回 弁護士 鈴木淳司
Apr. 3, 2018

 フランスでは「4月の魚」と呼ばれるエイプリルフールですが、日本語訳は四月馬鹿ですか。もっとウィットの効いた表現はないものでしょうかね。アメリカでは上場企業が「我が社は経営破綻だ」と経営者が言ったことを受けて株価が下落したらしいですが、株主にとったらたまらないものでしょうね。訴訟になるんじゃないかと余計な心配をしていますが、皆さんは花を楽しまれていますか。

所有する骨董品を保全する会を作りたい(1)_1103

 今回からまた皆さんからいただいている新たな質問を考えていきたいと思います。いただいている質問をまとめると「私は日本からカリフォルニア州に1980年代に来て、そのまま現地で結婚をして生活しています。子供たちもすでに成長し、独立した生活をしています。私は日本の骨董品や絵画が好きで、かなりの数を所有しているのですが、家族は興味がありません。一方で、骨董品や日本の文化が好きな人達と日本の文化を保全するような会を正式につくりたいと思っています。そうすれば、私の持っている骨董品などを寄付し、後世に残せるのではないかと思っています。どのようにしたらよいのか法律のアドバイスをいただければと思います。」という質問をいただきました。

美術館などへの寄付も考えられるが…

 いただいた質問には、かなりの数の骨董品などのリストが添付されていました。よっぽど日本の文化的な造形が深い質問者の方であろうとお察しします。また、古そうな蒔絵などもお持ちのようですが、保存などが大丈夫か心配してしまいます。ずいぶんな数になりますので、これだけでも立派な財産になるのでしょう。

 ただ、今回質問者の方は、家族に相続をさせるということを考えられているわけではなく、どちらかと言うと、購入された骨董品などを、日本の文化として残しておきたいという意思が強いようです。

 一つの考え方は、美術館や博物館などに寄付をすることも考えられましょうか。こういった骨董品などを専門的に扱うところに寄付をすれば、物の品質保存も良好なのではないでしょうか。ただ、寄付をしてしまうと、好きなときに鑑賞できるわけではないでしょうし、人に貸したりすることも難しくなるかもしれません。

 もちろん、今回質問されている方も、寄付のことは考えられたのでしょうね。それを踏まえての、法律的なご質問として以下考えていきたいと思います。

法的作業は不要な、同好会のような形をとる

 まず、骨董品を鑑賞したり、品評したりする程度であれば、別に込み入った法律的な作業をすることなく、同好会のような形で、参加者を募って行えばよいようにも思います。たとえば、主たるメンバーがいなくなったような場合でも、このように法律的な枠組みなく、皆で自主的に集まっているような形を取るのであれば、解散するときも楽であろうと思います。

 ただ、今回質問されている方のように、自分で骨董品などを持っていれば、その所有者に帰属するわけですから、最終的に、その所有者が死亡する場合には、その遺言または、法定相続によって、相続されていくことになります。

 そうすると、たとえば、今回質問されている方のように、ご家族の方はあまり日本の骨董品などに興味がないとすると、相続のときに、売られてしまうなど、せっかくの骨董品のコレクションが散逸する可能性は充分にあります。 

 したがって、骨董品などを「後世に残しておきたい」という気持ちがあるとしても、同好会程度であると、あまり今回質問されている方の趣旨を反映していないかもしれませんね。

興味がある人に相続させるよう、遺言を整える

 次に、質問されている方のご家族が日本の骨董品等に興味がないということで、場合によっては、現在交流のある骨董品に興味がある人達に相続をしていくように遺言を整えるという方法が考えられるでしょうか。

 この方法のメリットは、たとえば、ご家族が骨董品等をもらっても逆に迷惑だ、と感じる場合もあろうし、場合によっては、質問者の死後、すぐに売却をされてしまう可能性もあります。いわゆる「ありがた迷惑」的な状況になってしまうかもしれません。

 一方で、特定の人が相続できるように遺言を書いてしまうと、その相続人となる人達が骨董品等を所有することになり、その新しい所有者たちの考えによって、骨董品の運命は決まっていくということになってしまいます。そうすると、今回質問されている方の本意ではないかもしれません。

 ここから次回考えていきたいと思います。ノンプロフィットの団体をつくるというアイディアもあると思います。

 暖かくなってきました。花が綺麗な季節を楽しみながらまた一週間がんばっていきましょうね。


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作成者: jinkencom

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