所有する骨董品を保全する会を作りたい(2)_1104

Golden Gate sanfran

法律ノート 第1104回 弁護士 鈴木淳司
Apr. 11, 2018

 私の妹が看護師をしているので、贔屓目もあるのですが、相撲の土俵で心肺停止の疑いのある人に蘇生の行為をしている女性に対して「土俵を降りろ」というのは、いただけないな、と思いました。女性相撲だってあるわけです。一方でその場の男性はオロオロしていました。人の命と土俵のいわゆる「ケガレ」とどちらが大切なのか。蘇生に尽くした看護師さんは感謝状を辞退したそうです。一方で、今ゴルフのマスターズをやっているオーガスタでは今度女性のアマチュアのトーナメントをするそうですね。変えるとことは柔軟に変えなければスポーツなんてファンが減ると思うのですけどね。

所有する骨董品を保全する会を作りたい(2)_1104

 さて、前回から考えてきた「私は日本からカリフォルニア州に1980年代に来て、そのまま現地で結婚をして生活しています。子供たちもすでに成長し、独立した生活をしています。私は日本の骨董品や絵画が好きで、かなりの数を所有しているのですが、家族は興味がありません。一方で、骨董品や日本の文化が好きな人達と日本の文化を保全するような会を正式につくりたいと思っています。そうすれば、私の持っている骨董品などを寄付し、後世に残せるのではないかと思っています。どのようにしたらよいのか法律のアドバイスをいただければと思います。」という質問を続けて考えていきたいと思います。

利益以外の正当な目的を追求していくのが、非営利団体(Non-profit)

 前回は同好会などかなり簡単な考えをご紹介しましたが、今回は、非営利団体について考えていきましょう。Non-profitという言い方をアメリカでします。利益をえることが目的であれば、それは営利団体であり、「利益」以外の正当な目的を追求していくのが、非営利団体であります。

 ピカチュウに関して意見交換をし、ピカチュウやポケモンの文化を広げ、後世に伝えていくという団体があれば、場合によってはNon-profitの団体として認められるかもしれませんね。

非営利団体(Non-profit)の設立

 Non-Profitの会社の設立は、一般の会社とくらべてそこまで違いはありません。ほぼ提出する書類は同一です。たとえばカリフォルニア州に登録を「非営利」で行うと、州税は免除されることになります。

 ただ、実際に会社が支払う税金の多くはまず連邦政府に召し上げられますから、連邦政府に対しても「非営利」なので、税金の優遇について許可してもらわなければなりません。この申請プロセスが、かなり面倒くさく、事例によっては専門家に頼まなければできないような内容にはなっています。

 連邦の免税申請はそれなりに大変ですが、団体として、非営利として国から認められているので、ステータス的に価値はあります。

 今回質問されている方がどれだけ本格的に日本の古美術をこれから守っていこうとしているのかわかりませんが、非営利団体をつくるとそれなりにメリットがあるわけです。

デメリットの部分も考えておく

 さて、メリットだけではなく、デメリットの部分も考えておくと、非営利団が活動をやめ、業務をたたむときは、残余財産を勝手に処分して良いわけではなく、同種の、非営利団体に寄付しなければなりません。

 ですので、今回のような美術品を扱う方であれば、最終的にはどこに寄付する可能性があるか(博物館や美術館)という将来的な部分までは考えた方が良いかもしれません。

あああああ

 次に、非営利団体というのはそこまで特殊な団体ではなく、一応会社法のコントロール下におかれることになります。したがって、通常の会社と同様の書類の提出などが州に対して義務付けられています。

 それから、積極的に寄付を募るような活動を始めた場合には、州によっては、「寄付を募る団体である」ということを登録しなければならないことになっています。

 今回の質問にある事例でも、「日本の伝統芸術」という点を押していけば、非営利の資格を州でも連邦でももらえる可能性があります。ただ、どの程度、個人的な財産保護や営利活動をするのではなく、伝統芸術の普及、維持という目的達成のための団体であることがアピールできるかが、カギになります。

会員や支持者の数は重要

 それから、非営利団体の目的にどれだけの支持を集められるかは重要になります。会員や支持者がどれだけいるのかは、非営利団体の維持にも重要になってきます。やはり数は重要なので、非営利団体をつくるとしても、どれだけの賛同が得られているかというとことは、ひとつのメルクマールになります。

 以上、おおまかに非営利団体を設立するメリットおよびデメリットについて考えました。具体的な手続き等についてはまた質問を待って考えていきたいと思います。

 花粉がすごい時期ですが、体調に気をつけてまた一週間がんばっていきましょうね。


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作成者: jinkencom

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