友人の会社に出したお金は貸付か?投資か?_1102

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法律ノート 第1102回 弁護士 鈴木淳司
Mar. 28, 2018

 リンダ・ブラウン女史他界のニュースを目にしました。現代では女性の活躍がいろいろな形で脚光を浴びますが、私のなかではアメリカ社会に影響を与えた女性としてリンダ・ブラウン(とその家族)が一番心に残っています。ブラウン事件の当事者(厳密には、リンダの親になるかもしれませんが)であった彼女、そして事件を支えたマーシャル弁護士(後に連邦最高裁判所判事)の強さに接していなければ私は弁護士になるのを諦めていたと思います。今まで法律の本を読んでいて涙したのは、ブラウン事件がかかわるアメリカ憲法判例の変遷だけだったと思います。ブラウン女史のご冥福を心からお祈りします。

友人の会社に出したお金は貸付か?投資か?_1102

 さて、前回から考えてきた「私の友人が起業するにあたり、資金調達のため、お金を出してくれないか、ということを頼まれました。そこで、その人の助けになればと思い、資金を出しました。お金は頼まれた形で会社の口座に振り込みました。資金を出したのが1年ほど前なのですが、今、その友人と、私が出したお金は貸付なのか、投資なのか、揉めています。税務申告にも関わってくる問題なので、はやく解決したいのですが、証拠となるような書類があまりない場合、どのように判断されてしまうのか、教えてください。」という質問をいただいていました。

「投資」であれば、株などの見返りが存在する

 前回考えたように、まずは話し合いをして、着地点を探るのが一番良いと思います。もともと、友人同士で話をして、お金を出す、出さないということを合意したのですから、そのときの合意内容がどのようなものだったのか、確認しつつ、貸付なのか、投資なのか、解決しなければならないと思います。第三者に入ってもらっても、うまく解決することが一番です。

 さて、今回相談されている方はアメリカの会社口座に振り込まれているようなのですが、アメリカにおける会社に「投資」をする場合、当然投資に対する見返りは存在しているはずです。たとえば、株の持分が一般的です。そうすると、投資に対して、株が発行されるはずです。

 株式の発行自体がないとしても、少なくとも株を発行する旨、州政府(州によって異なる)や、連邦政府に通知する書類が存在します。本来であれば、これらの州や連邦に対する通知は株の発行時に行われていなければなりませんが、実際には結構会社によっては杜撰だったり、遅滞が生じたりして、法律通り行っていない場合も多々目にします。

 最近はネットで様々な会社設立業者がいるようですが、「安かろう、よかろう」というわけにはいかないようです。やはり、法律をちゃんと踏まえてうえで、会社の設立、株式発行などはおこなっていきたいものです。

書面がないと「出資」とも「貸付」とも判断されない可能性

 かりに、今回質問されている方がお金を送金したとしても、それに対する出資に関する書類、および州や連邦に対する通知がなされていないとすると、場合によっては、「出資」と判断できない場合もあります。

 一方で、ちゃんと金銭消費貸借(通常は利息付き)の関係が書面になっていない場合には、貸付とも判断されない可能性があります。そうすると、税務関係においては、問題になる可能性があります。日本の国税やアメリカのIRSに説明しなければならないですが、書類が足りない可能性があるわけです。

 かりに、裁判になるとすると、かなり揉める問題で、判決まで行くというよりは、どこかで妥協するように思える案件です。また、紛争になったあとのことを想定してみると、貸付であれば、貸付金と利息分が戻ってくることで終了します。

 一方で、株主になった場合には、継続的に投資先との関係が生じます。株式を売却、償却しない限り、会社との関係は続くということは、紛争の相手方とずっとかかわらなくてはならなくなりますね。

どのようなやり取りがなされていたかで判断

 今回の質問では、貸付か投資かどのように判断されるか、ということですが、これは、各事例において、どのようなやり取りがなされていたのか、どのような書類のやり取りがあるのか、ということをよく見てみなければなりません。

 お金を出すということであれば、少なくともメールなどのやり取りが存在するはずですので、それを吟味して、判断しなければならないと思います。

 次回新しく頂いている質問を考えていきたいと思います。やっと春たけなわですね。日差しを楽しみながらまた一週間がんばっていきましょうね。


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作成者: jinkencom

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