法律ノート 第1462回 弁護士 鈴木淳司
Mar 24, 2025
先週は日帰り出張に数度行くことになったのですが、空港の混雑ぶりはもうコロナ禍以前の水準以上かもしれません。
一方で、旅客は多いが、働いている人はそこまで多くないので、サービスにいろいろな偏りが発生している感じを受けました。
また、ほとんどの人たちはマスクをしておらず、コロナ禍があったことも忘れるほどでした。
みなさんは、コロナ禍のときを覚えていらっしゃいますか。
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CSLBの調停でほとんどは解決する
CSLB(カリフォルニア州請負業者ライセンス委員会 www.cslb.ca.gov)は消費者と有資格の請負業者の間で紛争を解決するための調停、すなわち、ある程度オフィシャルな形での話し合いを提供しています。
この話し合いで解決することがほとんどなのですが、実際に調停によって事件が解決しない場合、特定の条件を満たせば仲裁に進みます。
仲裁に進むケースとは
CSLBは、申立人の請求全額が15,000ドル以下であり、請負業者がCSLBのライセンスを保持していること(無免許の請負業者は対象外)、CSLBが請負業者の法や規則の違反があると判断している場合には強制的に仲裁を行うことができます。
一方で申立人の請求全額が15,000ドル以上50,000ドル以下の場合には、申立人および請負業者の合意があると仲裁をすることができます。
仲裁するメリット
仲裁というのは、裁判の判決のように決定が拘束力を持つようになるので、裁判などの時間やお金がかかることなく解決できるメリットがあります。
調停というのは、フォーマルな話し合い、仲裁というのは、インフォーマルなトライアルといったイメージです。
カリフォルニア州のライセンスをちゃんと持っている業者は、ボンドという保証金を支払う契約をもっています。
その金額は最低でも25,000ドルとなっています。
かりに、仲裁で勝訴的な決定があれば、その保証金から支払いを受けることも可能です。
その他のCSLBの活動
以上のように、CSLBは申立人と請負業者の間の請負内容のトラブルについて解決するように試みるのですが、その他にも、CSLBは独自に事案を調査して、請負業者に対して懲戒処分をすることもあります。
請負業者が違反(無許可の作業、詐欺、契約条件の不履行など)をしている証拠が申立人から提出されている場合、CSLBは調査を行い、罰金、ライセンスの一時停止、または取り消しなどの処分をすることが可能です。
ですので、前々回考えたように、必ずやり取りや書類などは、丁寧に残しておくことは自分の主張を支えるために必要になります。
ここまではCSLBを通した解決策です。
CSLBでは解決できない場合
CSLBはカリフォルニア州の行政機関ですから、行政機関内で解決ができない場合、CSLBが対応できない場合には、裁判所に提訴するしかありません。
全体の請求額が12,500ドルまでであれば小額請求裁判所(スモール・クレームズ・コート)、請求全体が$12,500を超える場合には、通常の民事裁判を提起しなければなりません。
少額裁判は、弁護士を使うことはできませんので、当事者でがんばって主張をしなければなりません。
また、相手方に財産がないと回収することは難しいという点も考える必要があります。
ここまで進行した場合には、やはり信頼できる法曹に相談するほうが良いと思います。
とにかく、訴訟などにならない解決策をまずは模索するほうがベターだと思います。
ここまでで、請負契約において揉めた場合にはどのような対応があるのか見てきましたが、問題のある請負業者と相対するのはかなり精神的に疲れます。
結局一番重要なのは家の問題が修繕されるということですから、お金に余裕があればまずは他の業者を通して、最低限修繕してしまってから、問題のある請負業者の対応をしていったほうが良いと思います。
精神的な余裕をつくることが重要だと思います。
CSLBの対応についても、数日で解決するわけではありません。
今の時代、SNSの口コミなどで業者を選定することもありますが、やはり口コミといっても、実際に依頼をしたことの経験を話してもらえる信頼できる人がいると良いですよね。
選定にはかなり時間をかけて慎重になってトラブルの可能性を最小限度にしてくださいね。
また、次回皆さんからいただいている質問を新たに考えていきたいと思います。
天気もだんだんよくなってきて、日焼けに気を払わなければならない季節になってきました。
太陽を楽しむ反面気をつけながらまた一週間頑張っていきましょうね。
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