米国_インターネット利用詐欺(3)_1443

サンフラン SF滞在

法律ノート 1443回 弁護士 鈴木淳司
Nov 10,2024

今週末は私の所属する法律事務所の引っ越しに立ち会っています。
やはり自分で立ち会わないと気が済まないところもあります。
新たに購入した事務所ですので、事務所の人たちも心機一転やっていくということで、私ともどもワクワクしているところです。
それにしてもなかなか忙しい日々が続いています。
皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

米国_インターネット利用詐欺(3)_1443

さて、前ニ回考えてきた「実際に過去親交のあった方が亡くなったと連絡があり、私が相続人であるというメールが弁護士を語る人から私のメールアドレスに届きました。すっかり信じてしまいメールのやり取りをしていました。相続をするのにある程度の弁護士費用がかかるということで、合計で約3万ドルを送りました。銀行口座が現在監査かなにかで使えないので、ビットコインで支払うように指示があったので、それに従って送ってしまいました。その後、詐欺だということに気がついたのですが、どこに相談しても、なかなかお金が戻ってくるのは難しいと言われています。実際なんらかの方法で、お金は戻ってくる可能性はないものでしょうか」という質問を今回も続けて考えていきましょう。

詐欺の代表的な手口

前回は、
(1)脅迫・不安をあおりお金を詐取するケース
(2)潜在的に様々な利益を得ることができると期待させるケース
(3)売買にみせかけて実際に自分のものでないものを売りつけるケース
という、実際にある代表的な例の中から(1)を考えてきました。

利益を期待させる、利益誘導型詐欺

今回は続けて(2)に当てはまる例を考えていきたいと思います。
前回も考えましたが、この(2)の類型はいろいろな形があります。
今回相談されてる方のように相続や何かの当選金などで多額のお金がもらえる、そしてその前提で少し手数料がかかるといったパターンのものがあります。
これらの類型は、ほぼすべて最終的に大きなお金を得るというところがポイントになっています。

また似たような利益誘導型として、有名人とつながりができる異性と付き合える金品が受け取ることができるといった釣り方で詐欺をするパターンが多いです。
私の友人の日本の弁護士から聞いた例では、退職して何もすることがなくなった方が有名人の女性と付き合えると言うことで、多額のお金をわけのわからないゲームなどに課金されていた例というのもあります。

おいしい話に要注意

現実として世の中にはおいしい話はないという事は理解しておいたほうがいいですし、場合によっては皆さんの個人情報などを利用して信用させるという場合も多く見受けられます。
詐欺をする人間は、例えば住所、電話番号、交友関係、取引銀行などを知っている場合があります
どこかで情報が漏洩している場合もあるでしょうし、不正な方法で情報を得ている場合もあります。
詐欺をする人間が、なぜか自分の情報を持っているということで、不安になったり、逆に信用してしまったりする場合もありますが、おいしい話には必ず裏があるものですから日常から注意しなければならないと思っています。
皆さんも注意をしてください。

今回質問されている方においても、やはり相手がある程度自分の個人情報を把握しているということですっかり信頼してしまったようにも考えられます。
しかしこの手の詐欺においては、よく調べればわかるような話も多いので気をつけてください。

まずは、おいしい話の裏を取る

今回の場合にももちろん相談料がかかるかもしれませんが、弁護士にこの手の内容が正しいのかある程度調べてもらうことも可能だったかもしれません。
おいしい話には飛びつくのではなく、必ず裏を取って、インターネットだけではなく、そして電話だけではなく、直接その取引の相手がどういう人間なのかを見極めてから対応する必要があると思います。

自分の物でないものを売りつけるケース

(3)のパターンもよくあることです。
インターネットなどに偽の売り物を掲示し、その代金を詐取するという方法です。

私が実際に相談を受けた事件でもフロリダにある実在する船舶に関係する会社を使って、自分の船でもないのに、インターネットで売買するという手口がありました。
関連する情報を売買サイトに載せて、それに反応した買主からお金をせしめるというやり方でした。
この事件では、売主に扮した人間が電話にも出て、偽造の権利書類を作ったりしていました。
まあ日本でいう地面師の小型バージョンという感じではあります。

エスクローや仲介サイトを使うのがベター

この手の詐欺の方法は、iPhoneから船舶までたくさんあります。
とにかく、仲介業者が入らない直接売買の場合にはエスクローを使うなり、また問題があったときには、ある程度の保険を払ってくれるといった仲介サイトを使うのがベターだと思います。

ここまでで、ある程度オンラインを利用した詐欺について考えてきました。

次回はでは実際に今回質問のある方のような事例でどのような対応が考えられるのかを皆さんと一緒に考えていきましょう。

サンフランシスコは秋ですが、昼間は半袖でも大丈夫なようなとても良い陽気です。
しかし風が強い日もあり、火事が心配な時期ではあります。
皆さんのお住まいの地域はいかがでしょうか?
秋を楽しみながらまた1週間頑張っていきましょうね。



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作成者: jinkencom

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