法律ノート 1442回 弁護士 鈴木淳司
Nov 03,2024
最近、日本の企業と密に仕事をする案件があるのですが、日本は祝日が多いなと感じています。
調べてみたら、やはり5日程度ですが、日本の方が多いようです。
アメリカでは有給休暇が取りやすいので、日本では多く設定してあるという論調もありましたが、どうなのでしょう。
日本の企業の方がしっかり土日も休み、アメリカの方がそれなりに対応しているような感じもしています。
私は自由業なので土日というのがあまりないのですが、結構20年前の日本に比べてのんびりしているものだな、と実感しています。
皆さんは週末はどう過ごされていますか。
インターネット詐欺(2)_1442
さて、「実際に過去親交のあった方が亡くなったと連絡があり、私が相続人であるというメールが弁護士を語る人から私のメールアドレスに届きました。すっかり信じてしまい、メールのやり取りをしていました。相続をするのにある程度の弁護士費用がかかるということで、合計で約3万ドルを送りました。銀行口座が現在監査か何かで使えないので、ビットコインで支払うように指示があったので、それに従って送ってしまいました。その後、詐欺に気が付きましたが、どこに相談しても、お金が戻ってくるのは難しい、と言われています。実際何らかの方法で、お金は戻ってくる可能性はないものでしょうか」という質問です。
今回も続けて考えていきましょう。
詐欺の代表的なパターン
前回、
(1)脅迫・不安をあおりお金を詐取するケース
(2)潜在的に様々な利益を得ることができると期待させるケース
(3)売買にみせかけて実際に自分のものでないものを売りつけるケース
などが詐欺の手口として考えられる基本形だということを考えました。
今回の場合には、(2)の手口ではないのか、ということをご紹介しました。
アメリカで見られる詐欺
今回から、詐欺にどのような手口があるのか、他にいただいている質問もありますので、アメリカで遭遇する可能性がある詐欺のパターンを考えていきたいと思います。
まず、(1)ですが、いくつも手段は考えられます。
自分や家族に、何か問題があることを煽るものがあります。
家族が事故やトラブルに遭っているというものや、脅迫にはアダルトサイトを観ているのを知られたくなければ…等、会社や家族が知ってほしくない事実を知っているというもの、自分が使用するコンピュータにウイルスが埋め込まれているので取り除くためにはお金を払え、といったものが多いようです。
また、身に覚えのない税金や判決に対する支払いを要求するものもあります。
ビットコイン支払い には要注意
こういった系統は、日本国内では振り込め詐欺にも多く利用されました。
現在でもこの手の詐欺は横行していますが、銀行取引が厳しくなっているので、殆どの手口はビットコインを払い込め、というものです。
とにかく、ビットコインで払込とあれば100%詐欺だと考えた方がよいですし、仮に銀行口座に払込なら、ほぼ詐欺でしょうがインターネットで調べたり、政府の消費者保護機関や、知り合いがいたら弁護士に相談してみるのが良いと思います。
即時に支払わない方法も
だいたい世の中は、支払いに遅れたからと言って、すぐに不利益を負わないようになっています。
身に覚えのない税金や判決については、それらの発行元に問い合わせて、よくわからなければ、次の通知を待てばよいでしょう。放置しても、詐欺に引っかかるよりは良いかもしれません。
将来の利益を掲げる詐欺には説得力?
(2)のパターンは多岐にわたりますので、細分化が必要かもしれません。
今回質問されている方のように、皆さんに関する情報を詳細に引き抜いて、相続人になれる、本来受け取れる給付金を受け取れていない、裁判であなたに配当が来るかもしれない、といった将来的に多額のお金を受け取れるという希望で人を釣る手法が横行しています。
この手法は、M資金や徳川の埋蔵金など、長年にわたって行われているものですが、昔も今も変わりません。
この系統の詐欺は、将来的にお金が受け取れるので、今いくらかお金がかかるので先に支払えというパターンです。
この系統の詐欺はある意味説得力のある情報をどこからか抜き取って問いかけてくるので、信用しがちですが、自分だけで判断せずに必ず第三者に相談し、裁判等が絡む場合には弁護士の意見も聞いたほうが良いと思います。
この(2)の手口はさらにいろいろありますので、また次回考えていきたいと思います。
私の所属する事務所でも、実際に相談が多いところであります。
秋が深まってきて、魚が美味しい季節です。
アメリカではなかなか日本のように魚に手がでないですが、積極的に魚やきのこを探して秋を楽しんでいきましょう。
また一週間がんばっていきましょうね。
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