T非移民ビザ・滞在資格の発給について

Washington DC Capitol of the United States

じんけんニュース 05-26-2024 弁護士 鈴木淳司
May 27, 2024

2024年4月29日に移民局がリリースした内容によると、T非移民ビザ・ステータスの発給・維持を合理化・簡易化すると発表しました。
このTビザについて今回取り上げていきたいと思います。

T非移民ビザ(または滞在資格)は、人身売買の被害者が、行政機関(警察等)の捜査、起訴等に協力する場合に最初の取得時には最長で4年間、合法的に米国に滞在できるビザです。
人身売買被害者の家族も取得が可能です。

Tビザから、永住権を取得することも可能です。
また、Tビザ保持者は、公的な受給も受けることも可能となっています。

アメリカ連邦議会は、人身売買および暴力被害者保護法の一環として、2000年10月にTビザを制定しました。
議会は、人身売買業者は、合法的な移民資格を持たない外国人や、弱い立場の個人を利用している例が増えていることから、Tビザを制定し、警察・検察などが人身売買の捜査・起訴を行う機動力をあげようとしたのです。

連邦法にいう、「人身売買」とは二種類設定されています。

性的人身売買とは、商業的な性行為の目的で外国人を募集、かくまったり、輸送したり、提供、勧誘、利用したり、引き受け、商業的な性行為に関与する場合を言います。

労働人身売買とは、強制的な隷属、債務による拘束などに関与する場合を言います。
これらの犯罪の捜査・起訴に必要な場合には、Tビザが給付されるのです。

T非移民ビザを申請するには、I-914というフォームに記載する必要があり、現在または過去に受けた人身売買について記載した個人陳述書を添付する必要があります。

また、行政機関からの合理的な支援要請に応じたことを申請書類に添付するために、フォームI-914(B)という書類において警察・検察などに協力したという旨の宣誓書をつけます。

行政機関の宣誓書がなくても、このフォームに、行政機関とのやり取り記録、裁判記録、警察のレポート、ニュース記事、宣誓供述書、その他の関連する信頼できる証拠などを提出することで、申請は充足します。

今回、このTビザの発給を強化するという声明を移民局は出しました。
近時、売春目的でアメリカに、外国から女性が流入している傾向があり、日本人が売春をしていて、その元締めが逮捕されているニュースも耳にします。
このような違法目的でのアメリカ入国を防ぎ、元締め組織を壊滅するために、Tビザの発給を強化していくという流れになってきたのです。

今回の、Tビザ発給の強化は以下のようなものがあります。

①被害者に与えられる「重大な危害」「虐待」そして「行政機関」などの定義を明確にして、申請を容易にするとともに、2000年の人身売買被害者保護法 (修正版)に記載されているTビザ発給の基準を明確化する。
②申請に必要な書類・情報を明確にして、追加書類の提出(RFE)を減らす(イコール、発給までの時間を短縮する)。
③被害者に人身売買についての届出を明確化、簡略化して、届出を容易にする。
④ビザ申請に関する詐欺防止対策を引き続き維持しながら、一方で、正当な申請の判断と許可プロセスを簡素化する。

これら4点が主なものです。

Tビザというのは、あまり馴染みのないビザですが、この世の中では、暴力や脅迫等の犯罪に巻き込まれて人身売買の対象にされてしまう被害者が少なからず存在します。

アメリカの国土安全省(DHS)や移民局(USCIS)などは、現在かなり積極的にこの問題に取り組んでいて、その現れを発表したということですね。

今回は社会問題化している人身売買に関するアメリカ政府の取り組みについて取り上げてみました。
次回また新しいトピックを考えていきましょう。

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作成者: jinkencom

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