トラスト作成、コスト高い?(2)_1382

サンフラン SF滞在

法律ノート 第1382回 弁護士 鈴木淳司
Sep 1, 2023

 サンマの初競りで10万円を超えたとか。
サンマというのは私が子供の頃は庶民的な魚で、ザルで売っていましたが、現在では値段的には高級で、なかなか買うのも躊躇するようになってきました。

それはそうですよね、漁業は各国発達していますし、消費も増えている。

しかし、魚の資源は限られているわけですから。海は広いですが、各国で本気で、有限の資源について考えていかなければならないですよね。

一方で、魚を食べない民族も世界にはあるわけで、どういった形で世界的に漁獲量などを決めているのか興味があります。
みなさんは美味しい魚を食べていらっしゃいますか。

トラスト作成、コスト高い?(2)_1382

 さて、前回から考えてきました「先日、トラスト(信託)についてのセミナーに出席しました。弁護士の方が、トラストは作ったほうが良いということを説明されていました。しかし、トラストを作成するには、弁護士などに相談しなければならず、コストも高いことを知り、本当にトラストは作らなくてはいけないのか、迷っています。そこまで財産は持っていませんが、やはりお金を使ってでも、トラストをつくっておくべきなのでしょうか」という質問についてさらに考えていきたいと思います。

 前回は、遺言というのは原則として、人の死亡をトリガーとして人から人(または団体など)に財産を譲渡するための書類だということを考えました。

トラストは、財産を預ける「箱」

今回はトラスト(信託)を考えます。

トラストというのは、そこに財産を預けるわけです。
株式会社のように一つ「(トラストという名前の)箱」を作り、そこに預けるイメージです。

その「箱」は、人間ではありませんので、死ぬということがありませんから、そのトラストを作った「人」が死亡したことを条件として、トラストから、遺産が譲渡されていくことになります。

トラストは「箱」から財産を譲渡する

トラストが遺言と違うのは、人から人に財産が譲渡されるのではなく、色々な条件を満たしたときに、元々人がトラストに預けていた財産を、そこから人に譲渡していくイメージになります。
トラストという、遺言では出てこない箱を利用するのです。

遺言に比べて様々なメリットがあるトラストですが、実際の内容についてまでは今回は考えるスペースがありません。

このようにトラストというのは株式会社を設立するようなイメージで箱をつくりますので、それなりに書類が多くなります。
新しく株式会社をつくり、命令を与えておくわけですから、書類でも50ページ、場合によっては100ページを超える場合も十分にあるわけです。
そうすると、もちろんトラストにもひな形はありますが、色々細かくチューンアップしないと、その事例ごとに当てはまらないことになってしまいます。

弁護士でも、遺言であれば、その人がどのような希望を持っているのか聞き取って、それを紙にまとめて、法律で要求されている証人や署名等の要件をクリアーすれば良いのですが、トラストは箱をつくるために、色々な仕掛けを考える必要があることから費用は嵩みます。

会社の設立でも、安くやるとか、宣伝しているところもありますが、ひな形では足りない場合も多々あるのが実情なのと同じです。

コストを安くしても、ちゃんと自分の意思がトラストに反映されているのか、自分で確認できないとあまり意味はありません

トラスト設定の初期費用か相続手続費用か

 トラストの方が仕組み的にもどうしても初期費用がかかるのですが、トラストを作っておいたほうが後々のコストが安くなる場合があります。

トラストがない相続手続は裁判所を経由しなければならず、法律で定められた費用が発生します。

相続財産の規模によって費用はかかってくるのですが、最初の10万ドルの財産に対する4%からはじまって、スライド式に1%までの費用がかかります。

相続の弁護士も遺産管財人も同額をもらえますので、財産が大きくなればなるほど、費用が増すわけです。

裏から言えば、財産がそこまで多くない場合には、トラストがないとしてもそこまで費用はかさむということはないわけです。

まずは財産の総額を確認してみる

ですので、コストが気になる方は、まず全体の財産がどの程度あって、その財産の総額がそこまで多額にならないということが見極められ、相続人も配偶者や子などシンプルな形かどうかを判断してください。財産が多額にならなければ、遺言だけ作成し、トラストがなくても、そこまで後にコストがかかることはないということだけは覚えておいてください。

とにかく、なんとかの一つ覚えみたいに、トラストを作っておいたほうが良い、ということではなく、遺言だけでも十分な事例はいくらでもあることは理解なさってください。

 もう、秋の味覚がマーケットに出てくる時期ですが、皆さんはなにか味わっていらっしゃいますか?きのこや秋野菜は楽しみです。
まだまだ暑い日が続きますが、秋を見つけてまた一週間楽しんでいきましょう。

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作成者: jinkencom

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